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解説記事2018年06月18日 【第二特集】 消費税「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の解釈(4)(2018年6月18日号・№743)

第二特集
緊急対談 朝長英樹税理士×森・濱田松本法律事務所 大石篤史弁護士
既に仕入税額控除の否認が全国で数十件発生、訴訟に発展のケースも
消費税「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の解釈(4)

 前回は、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の解釈を初めて示したさいたま地裁判決が通常の「解釈⇒当てはめ」という流れとは逆の構成で判決文が書かれていることや、上記解釈を判断基準として判断を行ったところが全く見当たらないなど、同判決の矛盾点を明らかにした。最終回となる今回は、これまでの対談の総まとめとして、改めて「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の正しい解釈を確認した上で、その解釈を前提にした当てはめの仕方について、現時点でのそれぞれのお考えに基づき議論を交わしていただいた。
 本件を巡っては、既に訴訟となっているケースがある一方で、課税を受け容れたケース、裁決を踏まえ自ら「共通対応」として申告したケースなど、納税者によって対応が分かれているが、本対談記事をきっかけに、専門家の中には納税者に対して行った「共通対応」とするべきとの指導を再検討する動きも出てきている。本対談の締めくくりでは、納税者にとってもっとも気になるところである今後の対応のあり方についても語ってもらった。

本対談の構成
1.適用条文の確認と本件課税の概要等(本誌739号掲載)
2.消費税法30条2項1号の創設時の解釈(本誌739号掲載)
3.本件課税前の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の解釈(本誌740号掲載)
4.平成24年1月19日の国税不服審判所の裁決の解釈(本誌740号掲載)
5.平成24年9月7日の東京地裁判決の検証(本誌740号掲載)
6.平成25年6月26日のさいたま地裁判決の解釈(本誌742号掲載)
7.「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の正しい解釈と当てはめの仕方の確認(今号掲載・最終回)

7 「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の正しい解釈と当てはめの仕方の確認
文理に即して正確に解釈すれば、「事業者が課税資産の譲渡等に該当する資産でその他の資産の譲渡等には該当しないものの譲渡等をすることを目的として行った課税仕入れ等」 ――実際の課税の場面であっても、争訟の場面であっても、最初に、適用法令の解釈が問われるわけですが、改めて、消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の正しい解釈がどうなるのか、ということについてお話をして頂けますか。
朝長 法令の条文の解釈は、文理解釈が基本となるわけですが、消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」とは、文理に即して正確に解釈すれば、「事業者が課税資産の譲渡等に該当する資産でその他の資産の譲渡等には該当しないものの譲渡等をすることを目的として行った課税仕入れ等」ということになります。
 本件の課税の前に国税庁から示されていた解釈は、この解釈と同じと言ってよいものです。
大石 そうですね、さいたま地裁判決は事業者の「目的」を一つの事情として見ているため、ご指摘の解釈と完全に同じとは言えないかもしれませんが、国税庁が示した解釈は、事業者の「目的」が何であるかによって結論を決するものであるため、ご指摘の解釈とほぼ同義であるといえるかと思っています。

実務に即して具体的に言えば、「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」
朝長
 先ほどの文理解釈をもう少し実務に即して具体的に言うとすれば、『消費税一問一答集』で「すなわち」という接続詞の後に記載されていたとおり、「直接、間接を問わず、また、実際に使用する時期の前後を問わず、その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」と言ってよいものと考えられます。
 「2 消費税法30条2項1号の創設時の解釈」(本誌739号16ページ)のところでも述べましたが、消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」という部分は、「割切り」で判断することを予定したものと解されます。消費税法は法人税法など以上に取扱いが細かくなっており、しかも、仕入税額控除は消費税法の制度の根幹ともなる部分であるにもかかわらず、僅か16文字の一文のみとなっており、政令への委任もされていないわけで、そのような規定の仕方からも、「割切り」で判断することを予定したものであるということを窺い知ることができます。このような「割切り」が行われていることが「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」を「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」と解釈する背景となっていると考えられるわけです。
――朝長先生が「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という解釈は消費税法の企画立案を行った当時の大蔵省主税局の消費税担当から国税庁の消費税担当に示された解釈であった可能性が高い、と言われたのは、そういう事情によるわけですね。
大石 ここが核心だと思います。「直接、間接を問わず、また、実際に使用する時期の前後を問わず、その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」に当たることが、消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当するための要件事実だと考えています。そして、当該要件を敷衍していくと、結局、所得税法・法人税法における費用と収益の対応関係を見ていくのだろうと思います。
 この点については、財テクとして株式の売買を行い、委託手数料を支払った場合が参考になると思います。その場合、たとえ売却するまでの間に配当金を収受したとしても、委託手数料は後日の売却のための取得に要する支払対価と認められるので、共通対応ではなく、非課税対応である、と実務では考えられていますが、その理由の中で、所得税法・法人税法において、委託手数料は配当金収入のための必要経費又は損金としては扱われていない、という点が一般的に指摘されています。このことからも、「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るようなもの」の当てはめは、所得税法・法人税法の費用・収益対応関係を踏まえて行うべきである、ということが言えるのではないかと思っています。

――これが「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の正しい解釈ということですね。

解釈の当てはめの場面では、「棚卸資産」と経理しているか等を総合的に勘案して判断 ――この正しい解釈をマンションの取得と譲渡のケースに当てはめると、どうなるのでしょうか。
朝長 先の平成7年のケースで国税庁が言っているとおり、事業者が将来的に譲渡することを目的として取得したマンションは、課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当することが明らかである、ということになるものと考えられます。平成7年のケースにおける回答では、「将来的」という用語が用いられていますが、これは、「最終的」という用語に置き換えても、意味は変わりません。
 何を以って「事業者が最終的(又は将来的)に譲渡することを目的として取得した」と判断するのかということを、平成9年のケースを参考にして挙げてみると、「棚卸資産」と経理しているか減価償却を行っていないか販売活動を行っているか、ということになります。もっとも、私は、このようなものだけでなく、マンションの取得の目的が最終的に譲渡することであることを稟議書等で確認できるのかマンションの取得等のための資金の手当ての仕方が譲渡することを予定したものとなっているのか、というようなことも勘案するべきであると思っています。
 解釈の当てはめの場面では、このような諸事情を総合的に勘案して判断することになる、ということです。
――そのような諸事情が判断の材料となるという点は、非常に重要ですね。
朝長 そうです。
 先ほど、さいたま地裁判決では4か所で「客観的」という用語を用いて判断をしていると申し上げましたが、その中で課税仕入れが「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当しないという判断となっている3か所において判断の根拠とされているものを挙げると、判断の時点に関するものとして「本件受益権売買契約は本件課税仕入れの日よりも後の平成20年10月31日の経過を持って解除されたものとみなされた(こと)」があり、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当しないという判断に関するものとして「本件管理委託契約及び本件各賃貸借契約とも、本件マンションの使用目的を住宅に限定している(こと)」「サンテクノスは、本件課税期間において、本件マンションの貸付け等に係る収入として807万7880円の賃料収入を得ている(こと)」「本件管理委託契約の締結や、入居者の募集(を行っていること)」があるということになります。
 これらの「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当しないという判断に関するものと先ほど判断の材料として挙げさせて頂いたものとを比較してみて頂くと、さいたま地裁判決が「外形的」に不適切な判断をしているということがよく分かるはずです。
 さいたま地裁の事件においても、先ほど判断の材料として挙げさせて頂いたものに基づいて判断をしたとしたら、結論が違っていたかもしれません。
――なるほど。
 さいたま地裁判決の理由として挙げられているものは、ご指摘のように、事業者の「最終的」な「目的」がどのようなものかという、事業者の主観(内心)を判断しようとするものとは言えず、むしろ反対に、事業者の主観(内心)とはかかわりなく判断しようとしたものと言わざるを得ませんね。
大石 事業者の「目的」は、それ自体見えるものではないので、その存在を、間接事実や証拠から認定していくということ自体は、民事裁判における事実認定を行う上では当然のことといえます。この点、「本件受益権売買契約は本件課税仕入れの日よりも後の平成20年10月31日の経過を持って解除されたものとみなされた(こと)」というのは、取得当時の販売目的の存在を推認させるものといえる重要な間接事実だと思います。また、判決の中では、事後的にどのような売却準備活動が行われたか、といった点も、販売目的の存在を推認させる間接事実として挙げられています。
 また、残りの3つの事実は、いずれも賃貸目的があったことを示す事実に過ぎません。販売目的と賃貸目的が併存している場合、直ちに「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるという立場に立つのであれば、これらは決定的な間接事実に該当することになりますが、両目的が併存していてもなお「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に当たるという立場に立つ限り、これらが直ちに結論を左右することにはならないと思います。これらは、私の整理によれば、販売目的のある資産―これはすなわち棚卸資産を意味します――として取得されたものか否かを認定する際の間接事実の一つ、という位置づけになると考えているところです。
朝長 「客観的」という用語を「外形的」という意味で使うことには問題がありますが、「判断」を「客観的」に行う必要があるということ自体が否定されるということではないわけで、もし、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当するのか否かという判断に当たって「客観的」という用語を使うとすれば、「「棚卸資産」と経理しているか等の諸事情を総合的に勘案して最終的な事業者の目的が何かということを客観的に判断する必要がある」という使い方や「「棚卸資産」と経理しているか等の諸事情を総合的に勘案して「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」に該当するのか否かということを客観的に判断する必要がある」という使い方をするべきである、と考えています。
 もっとも、『消費税一問一答集』や現職の国税職員などが著した書籍に示されている数多くの取扱いに「客観的」という用語を用いて説明をしたものが全く見当たらないことからも分かるとおり、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当するのか否かという判断においては、わざわざ「客観的」という用語を持ち出して説明しなければならないという事情はない、と思っています。
――確かに、「客観的」という用語は、そのように使うと、正しい使い方になるように思われますね。しかし、わざわざ持ち出したことには、疑義がある、ということですね。
朝長 上記の判断の材料に関しては、厳密に言えば、消費税法には「コストに入る」という取扱いは存在しませんし、商品等の取得時には「仕入」等という経理をするわけであって「棚卸資産」という経理をするわけではなく、また、商品等の取得時には減価償却を行うわけでもありませんので、期末に残っているものについてだけ当てはまる表現ではなく、期中に譲渡したものにも当てはまる表現で整理することがあってもよいように思われますが、上記の「棚卸資産」と経理しているか等の内容自体は変更する必要がなく、期中に譲渡したものについては期末に残っていたとしたらどのようになるものかということを補足すれば済むことだと思っています。


大石 私は、これまで申し上げてきたとおり、さいたま地裁によっても支持された国税庁の解釈に依拠する限り、消費税法の世界であっても、コストと売上げの対応関係、言い換えると費用・収益の対応関係を見ていくのが筋だと考えています。そして、さらにその考え方を敷衍していくと、居住用建物については、結局、棚卸資産として取得されたものであるか、それとも固定資産として取得されたものであるかによって、結論が変わってくると考えているところです。
 もちろん、ある居住用建物が棚卸資産であるか固定資産であるかという点は、厳密な事実認定から導かれるべきものであって、事業者の経理処理によって直ちに決せられるものではありませんが、ある居住用建物を棚卸資産とする経理処理について、会計監査上も問題視されなかったという事実は、棚卸資産と固定資産の判定方法が会計と税務において基本的に同じであることを前提にすると、当該建物が税務上も棚卸資産であることを示す、非常に大きな間接事実の一つになるだろうと考えています。
――消費税法と会社法や企業会計あるいは法人税法や所得税法などとの関係がどうなっているのかというような根本的な問題もあるわけですね。
朝長 そうです。
 しかし、そのような問題の答を明らかにしなければ本件の答が出せないということではない、と考えています。
 本件の取扱いを判断するに当たって何をするべきか、ということを考えてみると、消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の解釈に関しては、『消費税一問一答集』の中で「課税資産の譲渡等にのみ要するものとは、最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等である」という国税庁の解釈が示されているわけですから、その妥当性を立法の観点や取扱例から確認するべきであり、後の裁判で「客観的」という用語が追加されているわけですから、その追加の是非等を明確にするべきである、ということになるものと考えられます。
 上記6までにおいては、そのような作業を順次行ってきたわけです。
 消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」の解釈と当てはめは、そのような作業の結果を念頭に置いた上で行う必要があります。
大石 ここでは「コスト」が問題となっていますが、消費税法には「コスト」とか「費用」といった考え方はそもそも存在しないので、結局、所得税法・法人税法における費用・収益の対応関係を参照することになると考えるのが、税法の解釈として自然ではないかと思っています。課税庁は「所得税・法人税と消費税は別」という立場なのでしょうが、そうであればなぜ「コスト」という言葉が規範の中で用いられているのかがよくわかりません。先ほど申し上げたとおり、これまで、株式を購入する場面などでは、消費税法の世界であっても、所得税法・法人税法が実際に参照されてきたという事実もあります。
 この点、一時的に賃貸している販売用の居住用建物については、費用・収益の対応関係が、販売目的のある棚卸資産であるか、それ以外の固定資産であるかによって変わってきますので、結局、事業計画や稟議書等の社内文書や、事後的に販売活動がどのように行われたか、といった周辺の事実関係から、販売目的の有無が決せられることになると思っています。この点、取得資金の手当の仕方については、さいたま地裁判決では一部言及されていますが、マンションのリノベーションを行う事業者など、販売までに相応のコストと期間を必要とする事業者の場合には、その間の運転資金等も含めた長期の資金繰りが必要となることを踏まえると、必ずしも重要な間接事実とはならないケースも多いかな、と考えています。文書化されていない事実については、証人尋問や陳述書等による立証活動が行われることになるのでしょう。
 実際に、さいたま地裁判決も、「目的」や「意図」のほか、「諸般の事情」を勘案すると判示しているところです。私の整理では、それらの事実は、棚卸資産であること(=譲渡を目的とした資産であること)を認定するための間接的な事実、という位置付けになるのではないかと考えているところです。
 納税者の予測可能性を十分に担保するためにも、要件事実それ自体は、一義的に判定できる判断基準によって構成されるべきだと思っています。そのような観点から、居住用建物については、「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という判断枠組み、すなわち費用(コスト)と収益の対応関係を問う枠組みから直接導かれる、「棚卸資産にあたること」を要件事実(又は決定的な間接事実)として捉えることが望ましいし、また、そのような考え方は、これまでの国税庁の解釈や裁判例とも整合すると考えているところです。
 どういうことかと言いますと、棚卸資産と固定資産の区別については、裁判例を含む議論の蓄積が十分にあり、明確性もあると思いますので、納税者の予測可能性という観点から、望ましいと考えられます。また、棚卸資産と固定資産の区別をするに際しては、販売目的とそれ以外の目的―本件でいえば賃貸目的――の軽重を比較する作業が、必然的に必要となってくるため、結果的に、バランスのとれた結論が導かれると思っています。一方、税務当局側が指摘するように、目的がほんの少しでも併存していれば、常に、「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に該当するという考え方をとってしまうと、極端に不合理な結論が導かれる可能性が出てくると思います。たとえば、建物のごく一部がたまたま賃貸に回されていた居住用建物を仕入れた時点で、既に販売契約が締結されていたような事案―これは棚卸資産であるため、私の整理によれば、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当することになります――であっても、なお、「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるということになり、かなり不合理な結論が導かれてしまいます。
 私が調べたところでは、どうやら、最近の実務においても、このような場合は、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」とする取扱いが許容されてきたようです。しかし、この取扱いは、目的がほんの少しでも併存していれば常に「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に該当するという考え方とは整合しておらず、課税庁側の対応にはブレがあると言わざるをえないと思っています。また、「対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という、最も基本的な考え方にも反しています。
朝長 先ほども申し上げましたが、消費税法30条2項2号の用途区分は、政令委任もせずに短い文言だけで規定していますので、立法の常識から考えても、かなりの割り切りによって区分することを予定したものであることが明らかです。この点は、他の一般的な税法の規定を思い起こすと、直ぐに分かることです。税法解釈の常識としても、仕入税額控除のような制度の根幹となる仕組みの中の最も重要な用途区分に関して、具体的な判断の基準を政令に規定することをしていないということがどういうことを意味しているのかということくらいは分かっておく必要がある、と考えています。最終的に得られる建物の譲渡対価の額に比べてせいぜい数パーセントにしかならない中途の家賃収入について、それを得る目的があったのか否かというようなことを基準として用途区分を判断するというようなことを予定して、あのような規定の仕方にするなどということは有り得ないはずだ、という程度の常識は、解釈に当たっても、当然、持っておく必要がある、ということです。「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という解釈も、そのような税法解釈の常識を思い起こすと容易に納得できるはずです。
 このように、本件の課税に関しても、税法の解釈に大きな問題があるわけですが、このような事情は、本件の課税に特有なものということではなく、本来、税法の解釈が最も深く議論されるべき税務訴訟においてさえも、似たような事情にある、と感じています。
 従来の税務訴訟の中には、法令の解釈を争わずに当てはめの仕方ばかりを争っているというものや「事実関係で勝負が決まる」と言わんばかりに事実関係をひたすら争っているというものがあまりにも多過ぎます。法令の解釈がどうなるのかということによって、当てはめをどのように行うべきかということも変わってきますし、どの事実をどのような観点から見るべきかということも変わってきますので、まず初めに法令の解釈がどうなるのかということをしっかりと確認することが必須となるわけですが、それを十分にやっていないために、結論がおかしくなっているというものが多い、ということです。
 この点は、我が国の税務争訟の大きな課題であると感じています。
大石 弁護士は、事実認定に関するトレーニングについては、みっちり積んでいますが、税法の体系的なトレーニングを受けたことのある弁護士は、残念ながらまだ少ないのが実情です。税法の体系的な理解をベースにした、深みのある税法の解釈論を展開できる弁護士が増えていけば、徐々に税務訴訟のあり方も変わっていくかもしれません。

平成7年と平成9年に、国税当局はマンションを取得して譲渡するケースで、実際にそのような解釈と当てはめを行って判断を下している
朝長
 先にご紹介したとおり、国税当局は、平成7年と平成9年に、マンションを取得して譲渡するケースについて、実際に、そのような解釈と当てはめを行って、マンションの取得に係る課税仕入れが「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当する、という判断を下しています。
 本件の課税を受けた一部のケースでは、調査官が「過去においては、本件のようなものが問題になったことはなく、当局が判断を行ったこともない」という説明をしたと聞いていますが、その説明は、明らかに事実に反するものです。
 平成7年のケースがマンションを取得して譲渡するケースについて国税当局が判断をした最初のケースとなっており、それが最初であったために、執行の現場にも意見を聴くという慎重な手続きを経て判断がなされたわけです。
大石 平成7年と平成9年の課税庁側の判断は、今後の裁判所の判断にも、大いに影響を与える可能性がありますね。
 平成7年の情報と同じものが、ネットでは既に表に出てきているようですが、それに依拠して「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」とする取扱いが広く実務に浸透し始めたことを受け、急に、課税庁側が運用を変えた可能性もあるのではないかと思っています。
 たとえば、最近の実務では、入居者との賃貸借契約書の賃貸期間が長いものなど、一定のものについては、「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるとして課税処分を行う一方で、先ほど申し上げたとおり、取得時において既に販売契約が締結されているようなケースであれば、なお「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」とする取扱いを認めてきた例もあるようです。
 しかし、そのような区分に関するメルクマールがこれまで納税者に示されなかったため、実務は、非常に混乱しました。そのため、課税庁側としては、いまさら両者を区分するメルクマールを示すのは厄介なので、いっそのこと、ほんの少しでも賃貸目的があれば、例外なくすべて「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるということにしてしまおう、という方向に大胆に振れてしまった可能性があると思っています。
 このような問題は、棚卸資産と固定資産というメルクマールを示すことで簡単に回避できたはずなのですが、それが示されなかったため、被害者ともいうべき納税者が大量に生じてしまいました。このような変遷を踏まえると、裁判所が、適切なメルクマールを示す必要性は非常に高いと思います。それによって、この問題が早急に解決することを望んでいます。
――国税当局が当初の正しい解釈を覆して本件の課税を始めたということが明確なわけですね。
朝長 そうです。
 平成7年と9年のケースにおいては、「中途」の目的は判断の基準とはならないという法解釈を採っているため、「中途」において家賃収入を得るという目的があったのか否かということは、全く考慮されていません。
 消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」は、同号の「課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等〔中略〕にのみ要するもの」と同様に、時代が変わったから解釈を変えてよいというようなものでないことは、既に述べたとおりです。
 消費税法30条2項1号の「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」は「中途」の目的まで含めて該否を判断することになるという、近年の国税当局の解釈は、合理的な根拠もなく法解釈を中途で改変したものであって、明らかに誤っており、そのような明らかに誤った法解釈に基づく課税は、違法である、ということになると考えています。
 既にご説明したところですが、平成9年のケースは、税務調査で課税仕入れが「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に該当するとして申告を行っていたことが確認されたものについて、それを「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当するとして減額更正を行っているわけです。それに対して、本件の課税は、税務調査で課税仕入れが「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に該当するとして申告を行っていたものについて、「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に該当するとして増額更正を行うものです。つまり、本件の課税は、税務調査において、突然、それ以前に行っていたことと正反対のことを行い始めた、というものでもあるわけです。
 このように、本件の課税には、法の解釈と適用の是非という問題があるだけでなく、行政の連続性という観点からも、明らかに問題がある、と考えています。
 もっとも、国税当局は、『消費税一問一答集』にあるように「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という解釈をしており、平成7年や平成9年の取扱いがあることも分かっているわけですから、税務調査においては、そのような解釈や取扱いを納税者に示した上で結論を出すべきであって、それをしていないところにそもそも問題があるという観点に立てば、「行政の連続性」以前の問題だという指摘も、当然、有り得ると思います。
――わざわざ減額更正を行ったものまでありながら、そのような情報を出さずに課税を行ったということになると、課税を受けた納税者としては、なかなか心穏やかでは居られないでしょうね。最近は、納税者に限らず、国民全体が総じてそのようなことには非常に敏感になってきていますからね。
朝長 私自身、これまで国側と納税者側の双方の立場からいろいろな事案に関わってきましたが、そのようなこれまでのいろいろな事案とは異なり、本件の課税は、仮に国側に立ったとしても、さすがに容認されるものではない、と感じているところです。
 「最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という解釈が示されたのも、平成7年のケースや平成9年のケースに判断が示されたのも、20年以上も前のことではありますが、国税当局は、検索して直ぐに出せるわけですから、古いということは、全く何の言い訳にもなりません。これらは、本来、税務調査の段階で出すべきものであって、国税当局に都合の良い平成24年の裁決だけを出すなどということは、あってはならないことだと考えています。
 本件の課税の問題は、国税当局が持っている過去のデータは一体誰のものなのかという問題でもある、と感じています。
――確かに、本件の課税は、そのような大きな問題の氷山の一角であるような気がしますね。
朝長 本件の課税に関しては、会社全体の課税売上割合を使うのではなく、マンションだけの課税売上割合を使って控除税額を算出し、否認金額を少なく計算して課税を行ったものもあるなど、課税の方法にバラつきがあって公平ではない、という声が出ていますが、このような不公平な課税を行うということ自体にも、税務行政の在り方として、大きな問題がある、と考えています。
 これまで述べてきたような大きな問題を抱えながら、既に数十件もの課税が行われ、争いが生ずる状態ともなっているわけですから、国税当局が過去の解釈や取扱事例を誰もが分かるように公表するということであっても、決しておかしくはないように思われます。その方が納税者からの信頼を失わずに済むのではないでしょうか。
大石 行政の連続性という点は、納税者の予測可能性に直結する問題ですので、裁判所に是非考慮してもらいたい点です。長年続いてきた課税実務が突然変更されることによって納税者がこうむる不利益は、計り知れないものがあります。
 今回の対談を経て思ったのですが、朝長先生がおっしゃっている考え方を「最終目的説」と呼ぶとすると、私の考え方は、「費用・収益対応説」と呼べるかもしれません。そして、課税庁側の考え方は、「目的併存説」とでも呼べるかもしれませんね。
 一時的に賃貸に回す販売用の居住用建物について考えた場合、「最終目的説」と「費用・収益対応説」は、それが棚卸資産である限り、ほぼ同じ考え方ということになり、結論も、同じ「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」になります。一方、「目的併存説」によれば、「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」という結論になります。よって、裁判でこの問題を争う納税者側としては、「費用・収益対応説」と「最終目的説」の双方を、一方を主位的に、他方を予備的に主張していくことも、考えられるかもしれません。
 そのような主張を考える上では、敢えて、「最終目的説」と「費用・収益対応説」の違いを考えることも、有益かもしれません。
 たとえば、一時的に賃貸に回す販売用の居住用建物が、固定資産として取得されていた場合はどうでしょうか。「最終目的説」によれば、最終の目的が販売である以上、なお、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に当たることになると思います。一方、「費用・収益対応説」によれば、減価償却の費用が賃貸収入に対応するため、「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たることになると考えています。
 現実的であるか否かは別として、たとえば、10年後という遠い将来に販売を行うという事業計画の下で、その間、賃貸を継続するような架空の事案について考えた場合、それは固定資産であるため、「費用・収益対応説」によれば、クリアに、「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に該当するという結論が導かれると思います。
 一方、「最終目的説」によれば、なお、最終的な目的が販売であるため、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に当たるということになると思います。そこで「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に該当するという結論を導こうとする場合は、遠い将来の販売予定といっても、それは不確かなものに過ぎないので、最終的な目的が販売であるとはいえない、といった整理が必要となるように思われます。その場合、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」と「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」を区分する線をどこに引くのか、という問題を次に検討する必要が出てくるように思います。
 その点、「費用・収益対応説」は、「対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という枠組みからそのまま導かれる考え方である上に、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」「譲渡資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」「その他の資産の譲渡等にのみ要するもの」を区分するメルクマールが明確であり、また、バランスのとれた妥当な結論を導くことができると思っています。
 では、居住用建物からは離れてしまうのですが、工場を建設するための土地の造成費はどうでしょうか。この場合、「最終目的説」によれば、工場で生産する製品の売上が課税売上げのみである限りにおいて、課税売上げを得ることを目的とした課税仕入れということになり、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に当たりそうです。一方、「費用・収益対応説」を貫けば、造成費は土地の取得価額に加算されることから、「非課税資産の譲渡等にのみ要するもの」ということになるかと思います。
 しかし、この点について、課税庁は、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」として処理することを認めているようです。よって、そのような実務は、「最終目的説」によった方が説明しやすいと思います。「費用・収益対応説」によった場合は、本来は「非課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に当たるところ、納税者を救済するため、実務上は「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」とする取扱いも差支えないとされている、と説明することになろうかと思います。実際に、先ほどからお名前が登場している国税OBの和氣光税理士は、「直接、間接を問わず、また、実際に使用する時期の前後を問わず、その対価の額が最終的に課税資産の譲渡等のコストに入るような課税仕入れ等」という解釈を示されていた方ですが、今申し上げた土地造成費については、「費用・収益対応説」に近い考え方(非課税対応)と、「最終目的説」に近い考え方(課税対応)の2つを示したうえで、特に理由を挙げることなく、実務の取扱いは後者であると指摘されていました(税務相談Q&A、税経通信2017年9月号)。
 今後、このあたりの議論が、より精緻なかたちで進んでいくとよいなと思っています。
 ちなみに、和氣税理士は、従前より示されてきた「コスト」の考え方を最近になって撤回されたのか否かはよくわかりませんが、一時的に賃貸する販売用不動産については、課税庁の立場に配慮するためか、「コスト」という表現を使われなくなっているようです。やはり、「コスト」の考え方によった場合は、課税庁が望む結論を導くことはできないということかなと思っているところです。

既に課税を受けた法人や自ら共通対応として申告を行った法人等が今後とるべき対応 ――販売用マンションを一時的に賃貸していた事業者としては、どのような対応が考えられるでしょうか。
大石 この問題が社会的に周知されていけば、「課税資産の譲渡等にのみ要するもの」に当たるとして申告した後、更正を受けた事業者だけでなく、「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるとして、事業者全体の課税売上割合を用いて既に申告を行った事業者も、声を上げていく可能性はあると思います。後者の事業者は、更正請求を通じて、納付済みの税金の還付を求めていくことになると思います。
 今回の一連の件を契機に、税務当局の指導を鵜呑みにすること自体が、企業のガバナンスや、株主への責任という観点から問題があるのではないか、という議論が進んでいくかもしれません。諸外国では、税務当局に言われるがままに、本来支払う必要のない税金を支払ったりすれば、それが善管注意義務違反として問われる場合があります。しかし、わが国では、税金を支払うことは、どのような場合であれ悪いことではないし、むしろ、とにかく税務署の指導に従って税金を多く支払う方が、社会的責任を果たすという観点から望ましい、という感覚が強いと感じています。裁判官を含めた法律家も、根っこの部分ではそのような価値観を持っている方が多いように思いますし、また、善管注意義務やガバナンスの専門家である会社法学者も、この問題には正直無頓着だなあと感じているところです。
 ただ、おかしな当局の指導に対しては正々堂々と反論すべきですし、むしろ、反論しない方が、法律上は問題が大きいはずです。今回の問題をきっかけとして、そのような議論が進むことを期待しています。
朝長 ご指摘のとおりだと思いますね。
 我が国の税務に関する現在の状況はどこかで変えて行く必要があると常々感ずるところです。
――既に多くの法人が同様の課税を受けていますが、これらの法人の中には、課税を容認したところもあるようです。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
朝長 そのような判断をした社内の人だけでなく、税理士や弁護士の責任が問われるということも有り得るように思いますね。国税不服審判所の裁決が出たり税務調査で課税という指摘を受けたりしても、専門家に相応しい自らの見解を述べた上で、納税者に判断を委ねる、というような対応をしていたとすれば、今後とも責任を問われるということはないと思いますが、実際には、そのような対応をしたケースばかりではなかったのではないでしょうか。そういう点では、課税を容認した法人とその判断にかかわった専門家の両方に、これからどうするのかという問いが突きつけられている、ということだと思っています。
――裁判の判決が確定するのを待って対応を決めるという選択肢もありますが、判決が確定するまでには5年くらいかかりますので、既に課税を受けたケースに関しては、今後どのように対応するのかという判断が難しいでしょうね。
朝長 裁判になったケースは、公開されますので、原告である納税者や弁護士・税理士から詳しく事情を聴かせて頂いたり事後の対応に関して助言をさせて頂いたりすることが可能です。しかし、裁決で終わったケース、課税を受けても争わない状態のままとなっているケース、裁決の判断を参照して自ら課税仕入れを共通対応として申告を行っているケースなどに関しては、有利になる対応を取ることができる可能性が少なからずあるわけですが、こちらから当事者である納税者を把握するということは、かなり難しいですね。
 先日、ある税理士の方から、本件の課税を受けた事業者や既に「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たることを前提に申告を行ってしまった事業者が争わなかったり更正の請求をしなかったりしたらどうなるのかという質問を受けたのですが、本件の課税の問題は、単純な法の解釈誤りや単純な法の適用誤りというものに止まるものではありませんので、ある事業者において課税が取り消されるようなことがあったとしても、それによって自動的に横並びで他の事業者において過去の課税が取り消されたり過去の申告の減額更正が行われたりするということになる可能性は殆ど無い、と考えられます。
 このような点も良く考えながら、当事者は、自ら適時適切な対応を取ることが必要となるものと思われます。
――現在、本件の課税を受けている法人に関しては、争訟で決着をつけなければならない状態になっており、自ら「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たるとして申告を行っている法人に関しては、既納付税額を減少させる更正の請求を行う必要があるという状態になっている、ということがよく分かりましたが、これらの法人も、そのままにしておくのは良くないと思ったとしても、どうすればよいのかということを具体的に教えてもらわないと、実際には動けないのではないかと思います。その辺りに関しては、如何でしょうか。
大石 同じ問題を抱える事業者が一致団結して、裁判所において強力な論陣を張れば、裁判所を動かす可能性は高まっていくのではないかと思います。既に「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」に当たることを前提に申告を行ってしまった事業者についても、更正の請求を行った上で、裁判に合流するという道がありますので、そのような可能性について、是非検討して頂きたいと考えています。
朝長 アメリカでは、税務訴訟も、集団訴訟の形態となるものが珍しくないとのことですが、その理由を聞いてみると、訴訟内容が共通であることに加えて、費用が少額に収まること、対外対応等の負担が少ないこと、少額事案でも争えること、レベルの高い主張ができることなど、多くのメリットがあるためとのことでした。今まで、我が国において例がなかったこと自体が不思議だと感じます。
 後々、本件の課税に関する取組みが我が国の税務訴訟や納税者の税務対応を大きく変えるきっかけになった、と言われるようになるといいですね。
――本件課税問題は、今後も全国的な広がりそうな情勢となっています。お二人の知見によって正しい解釈がなされ、本件が解決されることを期待しております。
 本日は、大変有益なお話をお聞かせ頂き、誠に有り難うございました。
 (了)


朝長英樹 ともなが ひでき
 財務省主税局において、金融取引に係る法人税制の抜本改正(平成12年)・組織再編成税制の創設(平成13年)・連結納税制度の創設(平成14年)などを主導。
 税務大学校研究部において、事業体税制等を研究。平成18年7月に税務大学校教授を最後に退官。
 現在、日本税制研究所 代表理事、朝長英樹税理士事務所 所長
 主な著作として『現代税制の現状と課題-組織再編成税制編-』(新日本法規出版、2018年)など。

大石篤史 おおいし あつし
 森・濱田松本法律事務所 パートナー 弁護士・税理士
 税務関連業務の他、M&Aやウェルスマネジメント業務を主に取り扱う。
 主な著作・論文として『企業訴訟実務問題シリーズ 税務訴訟』(中央経済社、2017年、共著)、「平成29年度税制改正がM&Aの実務に与える影響」(租税研究第814号、2017年)、『税務・法務を統合したM&A戦略<第2版>』(中央経済社、2015年、共著)など。

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