会社法ニュース2010年05月31日 東京地裁、テレウェイヴ・中外製薬株式のインサイダー取引で有罪判決(2010年5月31日号・№356) 執行猶予付きながらほぼ求刑どおり、追徴金は大幅減額
東京地裁、テレウェイヴ・中外製薬株式のインサイダー取引で有罪判決
執行猶予付きながらほぼ求刑どおり、追徴金は大幅減額
東京地方裁判所刑事第10部(平木正洋裁判長)は4月5日、(1)テレウェイヴ株式のインサイダー取引事件に絡み、同社子会社元役員Aとその知人B・Cが証券取引法違反(インサイダー取引)の罪により、(2)中外製薬株式のインサイダー取引事件に絡み、上記Cが同様に金融商品取引法違反の罪により起訴された事件で、Aに対し懲役2年6月(執行猶予4年)、罰金500万円、追徴金8,462万1,900円の有罪判決を言い渡した(B・Cは後述)。
取引された株券の数や代金額が多く悪質 (1)事件は、証券取引等監視委員会が平成21年11月26日、テレウェイヴ(現SBR)株式を巡るインサイダー取引の容疑で東京地検特捜部とAらに対する強制調査に着手し、12月15日に東京地検に告発。翌16日には東京地検特捜部がA・Bをインサイダー取引の罪などで起訴するとともに、Cについては(2)事件に関しても起訴していた。
検察側の求刑はAについて懲役2年6月、罰金500万円、追徴金1億1,553万9,000円、Bについて懲役1年6月、罰金200万円、Cについて懲役2年6月、罰金500万円、追徴金6億3,356万1,000円。
判決によると、Aは平成18年11月13日ころ、かつてテレウェイヴ(ジャスダック証取上場)の役員を務めていたときに部下であった同社経営企画室室長から、平成19年3月期の業績予想を下方修正するとの重要事実の伝達を受け、①Bと共謀し、当該事実の公表前に信用取引により同社株券を売り付けて公表後に買い戻して利益を得ようと企て、法定の除外事由なく、公表前の平成18年11月15日~20日、証券会社を介しB名義で387株を計7,068万9,000円で売り付け、②Cと共謀し、同月17日、C名義で250株を計4,485万円で売り付けた。
またCは、(2)事件において平成20年5月21日ころ、中外製薬(東証1部上場)の広報担当者から、外資系の大手医薬品グループ中間持株会社による中外製薬株券の公開買付事実の伝達を受け、翌22日、証券会社2社を介しC名義で38万2,900株を計6億229万8,500円で買い付けたもの。
平木裁判長は、「いずれも、取引された株券の数や代金額が多く、……悪質なもの」と述べ、Aを「多額の利益をすべてその手中に収めたものであって、主導的な役割を果たした」とし、冒頭のように判決。Bは「その分け前や報酬も全く得ていないなど、従属的に関与した」とし、懲役1年6月(執行猶予3年)、罰金200万円とした。
Cについては、(1)事件につき従属的関与ながら積極的に犯行に加わったと認定、(2)事件につき「違法性を十分認識しつつ……多額の利益を獲得した」と指摘し、懲役2年6月(執行猶予4年)、罰金500万円、追徴金2億7,218万1,900円を言い渡した。
執行猶予付きながらほぼ求刑どおり、追徴金は大幅減額
東京地方裁判所刑事第10部(平木正洋裁判長)は4月5日、(1)テレウェイヴ株式のインサイダー取引事件に絡み、同社子会社元役員Aとその知人B・Cが証券取引法違反(インサイダー取引)の罪により、(2)中外製薬株式のインサイダー取引事件に絡み、上記Cが同様に金融商品取引法違反の罪により起訴された事件で、Aに対し懲役2年6月(執行猶予4年)、罰金500万円、追徴金8,462万1,900円の有罪判決を言い渡した(B・Cは後述)。
取引された株券の数や代金額が多く悪質 (1)事件は、証券取引等監視委員会が平成21年11月26日、テレウェイヴ(現SBR)株式を巡るインサイダー取引の容疑で東京地検特捜部とAらに対する強制調査に着手し、12月15日に東京地検に告発。翌16日には東京地検特捜部がA・Bをインサイダー取引の罪などで起訴するとともに、Cについては(2)事件に関しても起訴していた。
検察側の求刑はAについて懲役2年6月、罰金500万円、追徴金1億1,553万9,000円、Bについて懲役1年6月、罰金200万円、Cについて懲役2年6月、罰金500万円、追徴金6億3,356万1,000円。
判決によると、Aは平成18年11月13日ころ、かつてテレウェイヴ(ジャスダック証取上場)の役員を務めていたときに部下であった同社経営企画室室長から、平成19年3月期の業績予想を下方修正するとの重要事実の伝達を受け、①Bと共謀し、当該事実の公表前に信用取引により同社株券を売り付けて公表後に買い戻して利益を得ようと企て、法定の除外事由なく、公表前の平成18年11月15日~20日、証券会社を介しB名義で387株を計7,068万9,000円で売り付け、②Cと共謀し、同月17日、C名義で250株を計4,485万円で売り付けた。
またCは、(2)事件において平成20年5月21日ころ、中外製薬(東証1部上場)の広報担当者から、外資系の大手医薬品グループ中間持株会社による中外製薬株券の公開買付事実の伝達を受け、翌22日、証券会社2社を介しC名義で38万2,900株を計6億229万8,500円で買い付けたもの。
平木裁判長は、「いずれも、取引された株券の数や代金額が多く、……悪質なもの」と述べ、Aを「多額の利益をすべてその手中に収めたものであって、主導的な役割を果たした」とし、冒頭のように判決。Bは「その分け前や報酬も全く得ていないなど、従属的に関与した」とし、懲役1年6月(執行猶予3年)、罰金200万円とした。
Cについては、(1)事件につき従属的関与ながら積極的に犯行に加わったと認定、(2)事件につき「違法性を十分認識しつつ……多額の利益を獲得した」と指摘し、懲役2年6月(執行猶予4年)、罰金500万円、追徴金2億7,218万1,900円を言い渡した。
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