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税務ニュース2021年06月11日 投資一任契約の外国通貨交換も所得認識(2021年6月14日号・№886) 審判所、単なる保有資産の価値の評価益にすぎないものとはいえず

  • 投資一任契約に基づき行った「外国通貨から他の外国通貨への交換」により生じた為替差損益を所得として認識すべきか争われた裁決。
  • 審判所は外国通貨を他の外国通貨に交換する取引は外貨建取引に該当し、投資一任契約に基づき行った外国通貨の交換の都度、計算される為替差損益を所得として認識すると判断(令和2年7月1日裁決)。

 本件は、請求人がスイス連邦に所在する金融機関との間に締結した投資一任契約に基づき行った「外国通貨から他の外国通貨への交換」及び「外国通貨で支払が行われる有価証券の購入」について、原処分庁が外貨建取引(所法57条の3①)に該当し、各取引により生じた為替差損益は雑所得に該当するなどとして所得税等の更正処分等をしたのに対し、請求人が原処分の一部の取消しを求めた事案である。
 請求人は、①外国通貨から他の外国通貨への交換と②外国通貨で支払が行われる有価証券の購入は、単に計算上の評価基準が変わっただけであり、潜在的な利益を実現する物の処分が存在せず課税すべき利益の実現がないから、外貨建取引に該当しないと主張。
 また、投資一任契約の内容は、契約期間中請求人が為替差益の支払を請求することはできず、請求人の意思で有価証券を処分することができないというものであり、為替差益が生じているとはいえず、各取引時点における為替差益は所得として認識されるべきではないなどとした。
 審判所は、外国通貨から他の外国通貨に交換及び外国通貨で支払が行われる有価証券の購入はいずれも外貨建取引に該当し、交換又は購入の前後において外国通貨の保有状態が異なることは明らかであって、その際に計算される為替差損益は単なる保有資産の価値の評価益にすぎないものとはいえず、為替差損益が所得税法36条に規定する収入すべき金額として実現したものと考えて、為替差損益を所得として認識するのが相当であるとした。
 加えて、運用管理者として任命された外国銀行が投資資金の運用に関する投資判断とその執行に必要な権限の委任を受けて請求人に代わって行った投資一任契約に係る個別の取引の成果は請求人に帰属することとなり、投資一任契約に基づき行った外国通貨から他の外国通貨への交換及び外国通貨で支払が行われる有価証券の購入の都度、計算される為替差損益を所得として認識しなければならないとの判断を示し、請求人の主張を斥けた。

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