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解説記事2022年05月16日 最新判決研究 無予告調査の適法性(2022年5月16日号・№930)

最新判決研究
無予告調査の適法性
東京地裁令和3年10月6日判決(令和2年(行ウ)第183号)
 筑波大学名誉教授・弁護士 品川芳宣

一、事実

(1)X(原告)は、折箱類一式の製造・販売等を業とする株式会社であるが、平成29年5月1日から平成30年4月30日までの事業年度(以下「平成30年4月期」といい、他の事業年度についても同様とする。)分法人税について、欠損金額695万円余(翌期への繰越欠損金3001万円余)として申告し、平成30年4月期の課税期間に係る消費税額95万円余として、各確定申告をした。これに対し、N税務署長から、いわゆる無予告による実地調査を受け、上記各期に係る法人税及び消費税について、法人税の欠損金額679万円余(翌期への繰越欠損金額2985万円余)、消費税額96万円余とする各更正(以下「本件各更正」)等を受けた。Xは、本件各更正はいずれも国税通則法(以下「通則法」という。)74条の10に反する違法な手続があるとして、国(被告)に対し、前審手続を経て、それらの取消しを求めて本訴を提起した。
(2)本件各更正に至るまでには、次の事実があった。
① Xは、取引先からの売上代金の一部をX代表者甲名義のM銀行N支店の普通預金口座(以下「本件預金口座」という。)に受け入れていたが、Xの平成28年4月期から同30年4月期までの確定申告書に係る「預貯金等の内訳書」には、本件預金口座の記載はなかった。
② N税務署の法人課税部門のY国税調査官及びW国税調査官(以下両名を併せて「本件担当職員」という。)は、平成30年7月24日、Xに対する事前通知をすることなく、Xの本店事務所に臨場し、甲に対し、同所において実地の調査を実施する旨を通知して同人の了承を得た上で、同日から翌25日にかけて、Xの平成30年4月期の法人税及び平成30年4月期課税期間の消費税等を対象とする実地の調査(以下「本件無予告調査」という。)を行った。
③ Xの顧問税理士であるK税理士は、本件無予告調査の開始日において、調査の実施自体は了承したものの、本件担当職員に対し、本件無予告調査が無予告要件を満たしているか否か及び満たしていると判断した理由(以下「無予告理由」という。)について説明を求めた。これに対し、本件担当職員は、K税理士に対し、無予告要件を満たしている旨の回答をする一方で、無予告理由については説明することができないと回答した。
④ 本件担当職員は、本件無予告調査により、Xには、平成30年4月期及び平成30年4月課税期間において計上されるべき売上げについて、合計15万7297円の計上漏れ(以下「本件計上漏れ」という。)があることを発見したため、X及びK税理士にその旨を通知した。
⑤ 本件担当職員は、平成30年9月3日、K税理士と面談し、K税理士に対し、税務署長等が把握している資料、申告状況及び過去の調査の事績等を基に、事前通知を行って実地の調査をした場合には書類の破棄や隠匿等のおそれがあると判断されるときは、無予告調査を行う場合があることを説明したが、K税理士は、同説明では納得せず、本件無予告調査は違法な調査であるから、本件計上漏れに基づく修正申告はしない旨述べ、Xのために同修正申告の手続をしなかった。

二、争点及び当事者の主張

1 争点
 本件の争点は、本件各更正の適法性であり、具体的には次のとおりである。
① 本件各更正の前提としてされた本件無予告調査は無予告要件を満たすか(争点1)。
② 本件税務調査において、N税務署長が本件無予告調査につき無予告理由をXに説明しなかったことには通則法74の10に反する違法があるか(争点2)。
③ 仮に争点1又は争点2が肯定された場合には、それらの違法が本件各更正の取消事由になるか(争点3)である。

2 国の主張
(1)争点1について

ア 課税庁保有情報に鑑み、事前通知をすることにより、納税義務者において、調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認される場合には、無予告要件を満たすというべきである。
イ 以下の事情に照らし、本件無予告調査の着手前の時点では、Xにおいて、売上金の一部を現金で回収し、これを売上げから除外して確定申告をし(以下「売上除外」という。)、売上除外に係る売上金(以下「除外売上金」という。)を本件預金口座等に受け入れ、その後、甲によるXへの貸付けという形で、甲からXに除外売上金と同額の金員を還流させていること(以下「除外売上金の還流」という。)が想定された。
① Xは、昭和31年5月14日に設立された法人であり、設立から相当期間が経過していたのであるから、Xにおいて、本件預金口座をXの取引のために使用することに合理的な理由は想定することができない。それにもかかわらず、Xは本件預金口座をXの取引のために使用していたのであるから、本件預金口座は、売上除外等に使用されていることがうかがわれた。
② 平成28年4月期から平成30年4月期までのXの法人税の確定申告書並びに平成27年分から平成29年分までの甲の所得税及び復興特別所得税の確定申告書Bによれば、Xの甲に対する平成29年4月期の借入金残高が平成28年4月期のそれより増加しており、しかも、その増加額が甲の平成27年分から平成29年分までのいずれの年の給与収入及び年金収入の年額の合計よりも多いこと、Xの甲に対する平成30年4月期の借入金残高が平成29年4月期のそれより増加しており、しかも、その増加額が甲の平成27年分から平成29年分までのいずれの年の給与収入及び年金収入の年額の合計よりも多いことがそれぞれ認められたところ、こうした資金の流れは不自然なものといえる。
ウ N税務署長は、上記イで想定された取引の全容を解明するためには、Xに対する調査開始時に、本件預金口座に係る預金通帳や本件預金口座の入出金に係る取引に関する帳簿書類等を確実に収集することが必要であると考えたが、本件預金口座が簿外口座である可能性が高いことなどからすると、Xに事前通知をすることにより、Xにおいて、調査に必要な帳簿書類その他の物件の破棄、隠匿等をするおそれがあると判断した。
エ 無予告要件の有無は調査の着手前の事情によって判断されるべきであって、その後の事情である調査結果によって左右されるものではない。
(2)争点2について
 通則法74条の10は、無予告要件を満たす場合には、通則法74条の9第1項の事前通知を要しない旨を規定しているのみであり、税務署長等が無予告理由を無予告調査の相手方である納税義務者に説明しなければならないとする旨の法律の規定はない。
(3)争点3について
 調査手続の単なる瑕疵は更正処分に影響を及ぼされないものと解すべきであり、調査の手続が刑罰法規に触れ、公序良俗に反し又は社会通念上相当の限度を超えて濫用にわたるなど重大な違法性を帯び、何らの調査なしに更正処分をしたに等しいものとの評価を受ける場合に限り、その処分に取消原因があるものと解すべきである。

3 Xの主張
(1)争点1について

ア 通則法74条の10は、平成23年の通則法改正により新設された税務調査に関する手続規定であるところ、同改正の趣旨は、租税法律主義の要請する手続保障原則に基づき、調査手続の透明性と納税者の予測可能性を高めることにある。この観点からは、通則法74条の9に定める事前通知制度は重要な意義を有するから、その例外に当たる通則法74条の10に規定する無予告要件の解釈は、当然に厳格であることが要請される。
イ 国の主張する事情からは、本件無予告調査が無予告要件を満たすものということはできない。
 ① まず、国は、本件預金口座がXの取引に使用されていたことをもって、本件預金口座がXによる売上除外に使用されていることがうかがわれると主張する。
  しかし、Xが本件預金口座をXの取引に使用しているのは、以前、Xが本件預金口座の預入先であるM銀行において、法人名義での預金口座を開設することができなかったため、便宜上、本件預金口座を使用し続けているだけのことである。同行は、小切手の換金取扱手数料が無料であり、入金時期も他行より一、二日早く、同行の支店がXの本店事務所の近隣であるため、Xとしては、本件預金口座を取引に使用し続ける必要があったものである。
 ② 次に、国は、Xの甲に対する平成28年4月期から平成30年4月期までの借入金残高の増加額が甲の給与収入等の年額よりも多額であったことをもって、Xの資金の流れが不自然なものであると主張する。
  しかし、これは、単に、近年のXの売上げが逓減しているため、甲が自己の収入や貯蓄をXに対する貸付けという形でXの事業に投じてきたことによるものであって、同様のことは金融機関の融資を受けにくい中小企業では頻繁に行われていることであるから、何ら不自然な資金の流れではない。
  なお、甲は、現在、Xから受ける役員給与を年60万円に引き下げているものの、最近までその約3倍の役員給与を得ていたし、毎年190万円以上の年金収入を得ているから、Xに貸付けを行う原資を十分に有している。
ウ なお、本件税務調査の結果、本件預金口座を用いた売上除外も除外売上金の還流もないことが明らかになり、本件計上漏れも、額、件数ともに僅かな単純な計上漏れにすぎなかった。また、課税庁の想定を前提としても、平成30年4月期の売上げの計上漏れは279万円余であり、これは繰越欠損金が約3000万円あるXの規模に照らし、僅少な額といえる。
(2)争点2について
 平成23年の通則法改正は、租税法律主義の要請する手続保障に由来するものであり、税務調査における透明性の向上と予測可能性の充足を目的としており、同改正後の事務運営指針においても、課税庁の説明責任を強化する観点から同改正が行われたものと説明されているのであるから、同改正により新設された通則法74条の10の解釈として、無予告調査を行った税務署長等は、税務調査の過程において、無予告理由について、調査の相手方である納税義務者に対して説明する義務を負うものというべきである。
(3)争点3について
 更正処分は税務調査に基づき行われるところ、税務調査は適法なものでなければならず、税務調査の過程において看過することができない重大な手続的瑕疵がある場合には、そのような手続瑕疵も更正処分の取消事由になるというべきである。
 この点につき、事前通知制度は納税者の予測可能性の毀損の防止、質問検査権行使による幸福追求権の侵害の防止のために重要な意義を有する制度であるから、その例外に当たる無予告調査が通則法74条の10所定の要件を満たさずに行われたり、無予告調査が行われたにもかかわらず、税務調査の過程で無予告理由が調査の相手方である納税義務者に十分に説明されなかったりした場合には、重大な手続的瑕疵があるというべきである。

三、判決要旨(請求棄却)

1 争点1について
(1)通則法74条の10に規定する無予告要件は、税務署長等が課税庁保有情報に鑑み、調査の相手方である納税義務者による違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合を指すところ、課税庁保有情報に鑑み、事前通知をすることにより、納税義務者において、調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認される場合には、無予告要件を満たすものというべきである。
(2)そこで検討するに、N税務署長が本件無予告調査に際して保有していた情報(以下「本件課税庁保有情報」という。)によれば、Xは、取引先からの売上代金の一部を甲名義の本件預金口座で受け入れていながら、平成28年4月期から平成30年4月期までXの法人税の確定申告書の「預貯金等の内訳書」において、本件預金口座を記載していなかったことが認められるところ、一般に、設立から相当期間が経過した法人において、法人の売上代金を、法人名義の預金口座ではなく、あえて代表者個人名義の預金口座により受け入れなければならない事情があるとはいえない。
 また、本件課税庁保有情報によれば、平成28年4月期から平成30年4月期までのXの法人税の確定申告書の「借入金及び支払利子の内訳書」に計上されているXの甲に対する借入金残高が、平成28年4月期末においては4313万円余、平成29年4月期末においては4739万円余、平成30年4月期においては5018万円余に上っており、平成29年4月期末の同借入金残高の前年度末からの増加額は、426万円余、平成30年4月期末の同借入金残高の前年度末からの増加額は、279万円余になるのに対し、平成27年分から平成29年分までの甲の所得税及び復興特別所得税の確定申告書上の同人の収入合計は約250万円にとどまることが認められる。このようなX及び甲の申告内容を前提とすると、平成29年4月期及び平成30年4月期において、甲からXに対し、甲の年収を超える額の資金が移動していることになるところ、法人の代表者の年収を超える額の資金が複数年にわたり継続して法人の代表者から法人に流入しているというのは法人の経営上の資金の流れとして、一般的に不自然なものといえる。
(3)上記(2)の諸事情は中小企業一般に広くみられるものとはいえないところ、仮に、Xにおいて、Xの売上げの一部を申告せずに本件預金口座で受け入れ、これを甲からの借入れという形でXに還流させていたのであれば、いずれの事情も合理的に説明することができる一方で、この点に関するXの反論において指摘されている事情は必ずしも外部からは明らかではないことなどからすると、N税務署長において、上記(2)の諸事情から、Xが本件預金口座を利用した売上除外及び除外売上金の還流を行っていることを想定したことは不合理なものということはできない。
 そして、N税務署長において、上記のような売上除外や除外売上金の還流の有無・内容を把握するには、実地の調査を行い、Xから売上取引や売上金の流れに関する帳簿類その他の物件の提出を受けて、これを仔細に検討するなどしなければならないといえるところ、一般に、Xのような家族経営の中小企業では、帳簿類等の改ざんを防ぐための内部統制が不十分であることが多いことなども踏まえると、仮に、実地の調査に当たり、事前通知をした場合には、Xにおいて、調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認されるといえるから、本件無予告調査に際しては、本件課税庁保有情報に鑑み、調査の相手方である納税義務者による違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合にあったといえる。
(4)したがって、本件無予告調査は無予告要件を満たしており、本件無予告調査を行ったことに通則法74条の10に反する違法はない。
(5)なお、Xは、本件無予告調査では、結果として、本件預金口座を用いた売上除外も、甲のXに対する貸付けを用いた売上除外金の還流もないことが明らかになったのであるから、調査の実効性は全くなかったとか、本件無予告調査に際してはN税務署長としても課税標準279万円余の計上漏れ程度しか想定されていないところ、これは約3000万円の繰越欠損金のあるXにおいてはそもそも僅少な額であるなどと主張し、これらの事情からも、本件無予告調査が無予告要件を満たしてなかったことが裏付けられるなどと主張する。
 しかし、無予告要件の有無は無予告調査に際して税務署長等が保有している情報に鑑みて判断されるべきものであるから、結果として本件無予告調査の際に想定されていた売上除外や除外売上金の還流が認められなかったとしても、そのことは無予告要件を満たすか否かの判断を左右しないというべきである。また、N税務署長は、本件無予告調査に際して、Xの法人税の確定申告書上、平成30年4月期におけるXの甲に対する借入金残高が平成29年4月期のそれよりも279万円余増額している事実に着目してはいるものの、そうであるからといって、調査対象とする税目、期間において、売上除外や除外売上金の還流が同額を超えて発見されることをおよそ想定していなかったということにはならないし、仮に同額程度の売上除外又は除外売上金の還流しか想定していなかったとしても、そのことによって調査の必要性がなくなるわけでもないから、この点も無予告要件を満たすか否かの判断を左右しないというべきである。

2 争点2について
(1)Xは、平成23年の通則法改正により通則法74条の10が新設された趣旨等からすれば、同条の解釈として、無予告調査を行った税務署長等は、税務調査の過程において、調査の相手方である納税義務者に無予告理由を説明すべき義務を負うことになる旨主張する。
(2)しかし、通則法74条の10は、通則法74条の9の例外として、無予告要件を満たす場合には、実地の調査に当たり、事前通知を要しない旨を規定するのみであり、その文言上、無予告調査がされた場合に、税務署長等に対し、税務調査の過程で、無予告理由を調査の相手方である納税義務者に説明すべき義務を負わせるものとは解されない。
 また、旧事務運営指針においても、税務調査に際し、原則として、納税者に対し調査日時をあらかじめ通知することとされており、例外的に、業種・業態、資料情報及び過去の調査状況等からみて、帳簿書類等による申告内容等の適否の確認が困難であると想定されるため、調査日時の事前通知を行わない調査により在りのままの事業実態等を確認しなければ、申告内容に係る事実の把握が困難であると想定される場合、調査日時を事前に通知することにより、調査に対する忌避・妨害、あるいは帳簿書類等の破棄・隠ぺい等が予想される場合のように、調査日時を事前に通知することが適当でないと認められる場合には、調査日時を事前に通知しないものとしていたことからすると、平成23年の通則法改正により通則法74条の10が新設された趣旨は、基本的に、従来の運用上の取扱いを法律上明確化することによって調査手続の透明性と納税者の予見可能性を高めることにあったというべきである。かかる趣旨に照らせば、同条について、無予告調査を行った税務署長に対し、税務調査の過程で調査の相手方である納税義務者に無予告理由を説明する義務を新たに負わせるものと解釈することはできない。
(3)したがって、無予告調査を行った税務署長等がXの主張するような説明義務を負うことはないから、N税務署長が本件税務調査の過程で本件無予告調査に係る無予告理由をXに説明しなかったことについて、通則法74条の10に反する違法はない。

3 結論
 以上によれば、争点3について判断するまでもなく、本件各更正を取り消すべき手続上の違法はなく、Xの平成30年4月期の法人税及び平成30年4月課税期間の消費税等の金額は、いずれも本件各更正における金額と同額となるから、本件各更正はいずれも適法である。
 よって、Xの請求はいずれも理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。

四、解説

はじめに
 税務職員(当該職員)による税務調査(質問検査権の行使)と納税者(主として、反税団体)との紛争(闘争)は、長い歴史がある。最初は、税務調査の現場での紛争であり、それを経ての課税処分の違法性を争う法廷での闘争に発展した。しかし、それらの闘争は、質問検査権行使をめぐる法解釈の発展に貢献することにもなった。その法廷での闘争は、最終的には、後述する昭和48年の最高裁決定によって一応の決着を見ることになる。そして、その結果が、約40年、判例法として機能することになる。
 しかし、その判例法も、平成23年、政権交代の影響もあってか、後述するように、質問検査権行使規定の大幅な改正によって、変更されることになった。その改正は、税務行政の効率化、適正化よりも、個々の納税者の権利保護を優先するものであるから、多くの納税者又は納税者団体等から歓迎されることとなった。その中でも最も重要な規定は、税務署長等が、質問検査等を行う実地の調査をする場合に、事前に、調査の日時、場所、目的、税目等について通知を要することとし(通法74の9①)、調査の適正な遂行に支障を来たすような事由がある場合には、上記の事前通知を要しない(通法74の10)、というものであった。もっとも、このような納税者の権利拡大に関する規定は、当該条項の解釈をめぐって新たな紛争が予測されていた。
 本件は、上記の事前通知をしないでした税務調査(本件無予告調査)の手続上の違法性と当該調査に基づく課税処分(本件各更正)の違法性が争われたものである。上記の平成23年の通則法の改正(質問検査権規定の改正)後に本件のような訴訟が提起されることは、数少ないだけに、本件の事案、本判決の内容等を紹介し、それらの問題点を検討することとする。

1 従前の質問検査権規定とその解釈
(1)前述したように、税務調査の基となる質問検査権規定は、平成23年の国税通則法改正とそれ以前とは大きく異なっている。それ以前には、当該規定は、各税法に定められていた。例えば、平成23年改正前の所得税法234条1項は、「当該職員の質問検査権」と題し、「……の当該職員は、所得税に関する調査について必要があるときは、次に掲げる者に質問し、又はその者の事業に関する帳簿……その他の物件を検査することができる。」と簡潔に定めていた。
 このような規定に基づく質問検査権規定の行使(税務調査)については、当該行使の現場において、主として、反税団体等から、当該職員に対するいやがらせ、団体職員による立会の強行、各種の調査妨害が行われた。そして、法廷でも、当該行使に基づく課税処分の違法性が争われることになった。それらの争いの主な争点は、次のようなものであった。
① 質問検査権の行使には、事前に調査日時を通知する必要があるか
② 質問検査権の行使には、その範囲、程度、時期、場所などに制限があるか
③ 反面調査には、当該納税者と相手方双方の同意は必要か
④ 質問検査権の行使をする際に、調査の理由を開示する必要があるか
⑤ 質問検査権の行使の現場で団体職員の立会は認められるか
⑥ 調査をしない若しくは不十分な調査又は調査手続上違法な調査に基づく課税処分は、適法と言えるか
(2)以上のような争点については、多くの法廷で争われることになったが、最終的には、最高裁昭和48年7月10日第三小法廷決定(刑集27巻7号1205頁、以下「最高裁昭和48年7月決定」という。)が決することになった。上記決定の要旨は、次のとおりである。
 「所得税の終局的な賦課徴収にいたる過程においては、原判示の更正、決定の場合のみではなく、ほかにも…………の場合等、税務署その他の税務官署による一定の処分のなされるべきことが法令上規定され、そのための事実認定と判断が要求される事項があり、これらの事項については、その認定判断に必要な範囲内で職権による調査が行われることは法の当然に許容するところと解すべきものであるところ、所得税法234条1項の規定は、国税庁、国税局または税務署の調査権限を有する職員において、当該調査の目的、調査すべき事項、申請、申告の体裁内容、帳簿等の記入保存状況、相手方の形態等諸般の具体的事情にかんがみ、客観的な必要性があると判断される場合には、前記職権調査の一方法として、同条1項各号規定の者に対し質問し、またはその事業に関する帳簿、書類その他当該調査事項に関連性を有する物件の検査を行なう権限を認めた趣旨であって、この場合の質問検査の範囲、程度、時期、場所等実定法上特段の定めのない実施の細目については、右にいう質問検査の必要があり、かつ、これを相手方の私的利益との裁量において社会通念上相当な限度にとどまるかぎり、権限ある税務職員の合理的な選択に委ねられているものと解すべく、また、暦年終了前または確定申告期間経過前といえども質問検査が法律上許されないものではなく、実施の日時場所の事前通知、調査の理由及び必要性の個別的、具体的な告知のごときも、質問検査を行ううえの法律上一律の要件とされているものではない。」
 以上の最高裁昭和48年7月決定の考え方は、質問検査権規定の解釈に関する判例法となった。そして、その判例法が、平成23年の通則法の改正によって変更されることになったが、判例法がその後の最高裁判決ではなく、立法によって変更されるという珍しい事例となった。
(3)次に、本件に関しては、通則法24条は、「税務署長は、納税申告書の提出があった場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。」と定めている。また、納税申告書の提出がない場合の決定についても、税務署長は、「その調査により」決定するとしている(通法25)。この場合、「調査」とは何かということが問題になるが(注1)、本件に即すると、当該調査が不十分であったり、違法であったりした場合に、当該更正又は決定の違法性が問題となる。このような違法性が争われた事例としては、次のようなものがある。
・調査が実質的に不十分であっても更正処分の違法原因とならないが、全く調査をしないでされた更正処分は違法である(名古屋高裁昭和48年1月31日判決・訟務月報19巻4号167頁)
・全く調査をなすことを怠ったり、調査方法が明らかに不当と思われる場合は更正処分は違法である(名古屋高裁昭和51年9月29日判決・税資89号792頁)
・何らの調査をしなかったり形式的には調査の形をとりながら実質的な調査をしないでされた更正処分は手続上違法である(大阪地裁昭和49年1月31日判決・訟務月報20巻7号108頁)
・青色申告書、白色申告書を問わず全然調査することなくされた更正処分は違法として取消事由に当たる(大阪地裁昭和46年9月14日判決・税資63号529頁)
・全く調査をしないでされた更正処分又は調査手続に重大な違法が調査の結果のみに基づいてなされた更正処分は違法である(名古屋高裁昭和52年4月19日判決・税資94号134頁)

2 平成23年通則法改正等の要点
(1)平成23年11月30日参議院本会議で可決・成立し、同年12月2日に公布された通則法の改正では、更正の請求関係の改正、税務調査手続の見直し、処分の理由附記の強制等大幅な改正が行われ、それらの規定は、通則法に統合された(注2)。その改正の中で、税務調査手続の見直しに関し、「平成23年度税制改正大綱(平成22年12月16日閣議決定)第2章1、納税環境整備、(3)税務調査手続において、次のように述べている。
 「調査手続の透明性及び納税者の予測可能性を高め、調査に当たって納税者の協力を促すことで、より円滑かつ効果的な調査の実施と申告納税制度の一層の充実・発展に資する観点から、税務調査に先立ち、課税庁が原則として事前通知を行うことを法律上明確化します。ただし、悪質な納税者の課税逃れを助長することのないよう、課税の公平確保の観点を踏まえ、一定の場合には事前通知を行わないこととします。
 また、調査終了時の手続について、課税庁の納税者に対する説明責任を強化する観点から、法律上明確化します。
 なお、現行の調査実務上行われている物件の預かり、返還等に関する規定を法律上明確化します。」
 上記の改正の趣旨はともかくとして、これら一連の改正には、立法政策上、解釈上又は実務上種々の問題がある(注3)。
(2)このような改正を経て、事前通知に関して、通則法74条の9第1項は、次のように定めている。
 「税務署長等(〈略〉)は、国税庁等又は税関の当該職員(以下同条(編注=74条の11)までにおいて同じ。)に納税義務者に対し実地の調査(〈略〉)において第74条の2から第74条の6まで(〈略〉)の規定による質問、検査又は提案若しくは提出の要求(以下「質問検査等」という。)を行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者(当該納税義務者について税務代理人がある場合には、当該税務代理人を含む。)に対し、その旨及び次に掲げる事項を通知するものとする。
一 質問検査等を行う実地の調査(以下この条において「調査」という。)を開始する日時
二 調査を行う場所
三 調査の目的
四 調査の対象となる税目
五 調査の対象となる期間
六 調査の対象となる帳簿書類その他の物件
七 その他調査の適正かつ円滑な実施に必要なものとして政令で定める事項」
 そして、上記の政令で定める事項については、通則法施行令30条の4第1項が、次のように定めている。
 「一 調査の相手方である法第74条の9第3項第1号に掲げる納税義務者の氏名及び住所又は居所
  二 調査を行う当該職員の氏名及び所属官署(当該職員が複数であるときは、当該職員を代表する者の氏名及び所属官署)
  三 法第74条の9第1項第1号又は第2号に掲げる事項の変更に関する事項
  四 法第74条の9第4項の規定の趣旨」
 なお、上記通則法74条の9第4項には、次のように定めている。
「第1項の規定は、当該職員が、当該調査により当該調査に係る同項第3号から第6号までに掲げる事項以外の事項について非違が疑われることとなった場合において、当該事項に関し質問検査等を行うことを妨げるものではない。この場合において、同項の規定は、当該事項に関する質問検査等においては、適用しない。」
(3)次いで、通則法74条の10は、前記の事前通知を要しない場合について、次のように定めている。
 「前条第1項の規定にかかわらず税務署長等が調査の相手方である同条第3項第1号に掲げる納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等若しくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、同条第1項の規定による通知を要しない。」
 なお、国税庁は前記のような当該職員による質問検査権の行使等に係る通則法の改正を施行するに当たり、平成24年9月12日付で、「国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達の制定について(法令解釈通達)」(以下「調査通達」という。)を発出し、当該改正の趣旨に則り、厳正に執行するよう指示している。その調査の運用について、調査通達の前文において、次のように指示している。
 「この通達の具体的な運用に当たっては、今般の国税通則法の改正が、調査手続の透明性及び納税者の予見可能性を高め、調査に当たって納税者の協力を促すことで、より円滑かつ効果的な調査の実施と申告納税制度の一層の充実・発展に資する観点及び課税庁の納税者に対する説明責任を強化する観点から行われたことを踏まえ、法定化された調査手続を導守するとともに、調査はその公益的必要性と納税者の私的利益との衡量において社会通念上相当と認められる範囲内で、納税者の理解と協力を得て行うものであることを十分認識し、その適正な遂行に努められたい。」
 このような趣旨に基づき、事前通知関係についても、詳細な取扱いが定められているのであるが、従前の質問検査権行使に係る取扱いあるいは判例の考え方に照らし、納得し難いものも見受けられる(注4)。なお、調査通達の事前通知に関する取扱いも詳細に定められているが、それらは、本件の争点に直接関係がないので、省略する。

3 本件無予告調査等の違法性
(1)本件においては、その発端は、Xが取引先からの売上代金の一部をX代表者である甲名義のM銀行N支店の普通預金口座(本件預金口座)に受け入れられていたものの、それがXの平成28年4月期から同30年4月期までの確定申告書に係る「預貯金の内訳書」に記載がなかった、というものである。そのため、N税務署からみて、本件無予告調査前の時点で、Xにおいて、売上金の一部を現金で回収し、これを売上げから除外して確定申告をし(売上除外)、売上除外に係る売上金(除外売上金)を本件預金口座等に受け入れ、その後、甲によるXへの貸付けという形で、甲からXに当該除外売上金と同額の金員を還流させていること(除外売上金の還流)が想定された、というものである。しかも、当該貸付金の増減が、甲の所得税の確定申告における収入金額等と整合性がなく不自然であった、というものである。国は、それらの事実関係を詳細に認定し、本件無予告調査の適法性を主張した。
 これに対し、Xは、税務調査手続に関する平成23年の通則法改正の趣旨が、租税法律主義の手続保障原則に基づき、調査手続の透明性と納税者の予測可能性を高めることにあるから、通則法74条の10に規定する無予告要件の解釈は当然に厳格であることが要請されるとし、Xが本件預金口座をXの取引に使用しているのは、以前、M銀行において、法人名義での預金口座を開設することができなかったことと、同行は小切手の換金の取扱手数料が無料であり、入金時期も他行より1、2日早く、かつ、同行のN支店がXの本店事務所の近隣にあったため、便宜上、本件預金口座を使用し続けているだけである旨主張した。そして、Xは、本件預金口座を用いた売掛金の回収等は正しく経理されている、会社代表者の個人名義の預金口座を取引に使用することは中小企業において珍しくないことであり、本件税務調査の結果においても、N税務署長が想定した多額の売上漏れはなく、しかも、同署長は、本件税務調査において、本件無予告調査に係る無予告理由についてXに対して十分な説明もしなかった。よって、本件各更正には、事前通知制度に係る看過することができない重大な手続的瑕疵があるから、本件各更正の取消事由に当たる旨主張した。
(2)上記の事実関係と当事者の各主張に対し、本判決は、まず、「課税庁保有情報に鑑み、事前通知することにより、納税義務者において、調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認される場合には、無予告要件を満たすものというべきである。」と判示した。次いで、本判決は、本件預金口座に係る前記事実を認定した上で、Xの甲からの借入金の増加額が平成29年4月期末426万円余、同平成30年4月期末279万円となっており、甲の当該各年分の所得税の確定申告における収入金額約250万円と比較して不自然である等を認定した。
 そして、同判決は、「一般に、Xのような家族経営の中小企業では、帳簿類等の改ざんを防ぐための内部統制が不十分であることが多いことなども踏まえると、仮に、実地の調査に当たり、事前通知をした場合には、Xにおいて、調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄し、移動し、隠匿し、改ざんし、変造し、又は偽造することが合理的に推認されるといえるから、本件無予告調査に際しては、本件課税庁保有情報に鑑み、調査の相手方である納税義務者による違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合にあったといえる。」と判示した。
 その上で、本判決は、「結果として本件無予告調査の際に認定されていた売上除外や除外売上金の還流が認められなかったとしても、そのことは無予告要件を満たすか否かの判断を左右しない」と判示し、通則法74条の10の文言上、「無予告調査がされた場合に、税務署長等に対し、税務調査の過程で、無予告理由を調査の相手方である納税義務者に説明すべき義務を負わせるものとは解せない。」と判示し、争点3について判断するまでもなく、本件各更正はいずれも適法である旨判示した。
(3)元々、平成23年当時、税務調査手続に関する通則法改正を批判的に論じてきた筆者としては、本判決を読むと複雑な思いがするし、いろいろと考えさせられるところが多い。批判してきた一つの理由として、税務調査手続のような課税庁と納税者が常に対立するようなものは、どのような法律を作っても、新たな条文をめぐって争い(時には無益な争い)が生じることを挙げていたが、本判決もその一つであるといえる。しかし、新たな法律(条文)ができた以上、法は法としてその立法趣旨に則って、正しく解釈をする必要があることになる。すなわち、税務調査手続に関する平成23年の通則法改正が、調査手続における納税者の予測可能性と法定安定性を保障することを優先させるというのであれば、通則法74条の9に定める事前通知は厳格に施行されなければならないことになるのであるし、その例外を認める通則法74条の10の規定の適用は厳しく制限されなければならないことになる。その意味では、同条の適用に当たっては、明文上の規定はともかくとして、課税庁にその適用について説明責任があって然るべきであるとも考えられる。
 また、本判決は、税務調査の結果、課税庁が推測していた非違が発見されなかったとしても、結果責任は問われない旨判示するが、本件Xのように、当該事業年度に約700万円の欠損金が生じており、繰越欠損金3000万円を超える法人に対する無予告調査を行って、僅か16万円余の売上計上漏れしか発見できなかったということに加え、元々、Xのような、代表者にまともな報酬を払えないような赤字法人に対して無益な無予告調査をする必要性があったとも考えられない。そうすると、単なる結果責任の問題ではなく、無予告調査先の選定段階において課税庁側に何らかの過失又はそれに近い判断ミスがあったと考えられる。

4 本判決の意義と問題点
 以上のように、本件においては、赤字経営を続け多額な欠損金を抱えるXに対し、Xの取引先からの売上代金の一部がXの代表者である甲の名義である銀行口座に入金されていた事実と甲のXに対する貸付金の増加額が甲の収入金額に比して不自然であったということで、本件無予告調査が実施されたものである。しかし、同調査によってもさしたる申告漏れが発見されたわけではなかったので、Xとしては、甘んじて本件各更正を受け、本訴を提起して、当該各処分の手続上の違法性を争ったものである。しかし、本判決は、前述のように、本件無予告調査には手続上の違法はない旨判示し、Xの請求を棄却した。このように、平成23年の通則法改正によって設けられた事前通知制度に係る課税処分についてその手続上の適否のみを判示した点では、本判決は意義がある。しかし、本判決には、前述のような問題もあるが、今後の当該各条項の解釈の行方に注目する必要がある。
(注1)この「調査」の意義については従前、「そもそも通則法24条にいう調査とは、被告住吉税務署長の主張するように、課税標準等または税額等を認定するに至る一連の判断過程の一切を意味すると解せられる。すなわち課税庁の証拠資料の収集証拠の評価あるいは経験則を通じての要件事実の認定、租税法その他法令の解釈適用を経て更正処分に至るまでの思考、判断を含むきわめて包括的な概念である。」(大阪地裁昭和45年9月22日判決・訟務月報17巻1号91頁)と解されていたが、平成23年の通則法の改正以降その解釈が混乱している(詳細については、品川芳宣「国税通則法の理論と実務」(ぎょうせい 平成29年)134頁、同「現代税制の現状と課題 租税手続編」(新日本法規 平成29年)140頁、149頁等)等参照。
(注2)当該改正の経緯、内容等の詳細については、「改正税法のすべて 平成24年版」(大蔵財務協会 平成24年)215頁以下参照。
(注3)当該通則法改正による一連の手続上の改正を批判的に論じたものとして、品川芳宣「「国税通則法」を改称するな」税理士新聞平成23年7月15日号4頁、同「国税通則法の改正案の問題点とあるべき方向(上)、(下)」税務事例平成23年11月号11頁、同平成23年12月号9頁、同「納税環境整備(税務調査手続・理由附記の法制化)の問題点」税経通信平成23年3月号17頁等参照。
(注4)税務調査手続に関する平成23年の通則法改正とそれに係る調査通達の実務上の問題を論じたものとして、品川芳宣「国税通則法改正後の調査手続等の問題点」税経通信2013年4月号17頁等参照。

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