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税務ニュース2023年09月29日 原状回復費用は賃貸借契約解約日に計上(2023年10月2日号・№997) 解体工事費用は不課税取引に要する課税仕入れとして「共通対応」

  • 東京地裁、原状回復費用相当金の計上時期を巡る裁判で、収入すべき権利が確定した日は建物賃貸借契約の解約日と判断(令和5年9月19日判決)。

 不動産の賃貸管理を行うS社(原告)は、代表者の夫である取締役から土地を賃借し(本件借地契約)、その土地を敷地の一部とする建物を、他の共有者と共に、ショッピングセンターを営む小売業者に賃貸していたが、本件建物賃貸借契約が終了し、本件建物は解体された上で本件借地契約も解除された。本件は、建物賃借契約の解約に伴いS社が賃借人から収受した原状回復費用相当金の法人税法上及び消費税法上の計上時期(争点1)と、建物の解体工事費用(本件課税仕入れ)の用途区分(争点2)が争われた事案である。
 東京地裁は、まず争点1について、本件原状回復費用相当金は、それを収入すべき権利が確定したときに計上すべきとの解釈を示した。その上で、本件解約合意の内容から、本件原状回復費用相当金は、本件賃借人のS社に対する本件建物に係る原状回復義務を消滅させるための対価であり、本件解約日に預り敷金の一部と相殺することが合意されているのであるから、S社は、本件解約日において、本件原状回復費用相当金を確定的に収受することができると指摘。そして、本件解約日の翌日に、本件賃借人が本件建物を返還したことを確認する内容の本件確認書が作成され、その後本件賃借人に敷金の残金が支払われたことから、本件賃借人は本件解約日までに本件建物を明け渡したものと認められるとした。以上を踏まえ東京地裁は、本件原状回復費用相当金を収入すべき権利が確定した日は、本件解約日であると結論づけた。
 S社は、本件建物の原状回復費用相当金は、S社及び他の共有者が原状回復工事を代行して行うことの対価であり、その工事収益が発生したのは本件解体工事が完了した日であるなどと主張したが、東京地裁は、本件賃借人が行うべき原状回復工事をS社及び他の共有者が代行して行う旨の合意があったとは認められないなどとして、その主張を斥けた。
 続いて争点2については、本件解体工事は、原告が、本件取締役に対し本件土地を原状回復した上で返還することを目的として行われたものとみるのが相当であり、本件土地の返還は、「資産の譲渡等」に該当しないと指摘。本件課税仕入れは、不課税取引のために要する課税仕入れに当たるから、個別対応方式による仕入税額控除の計算上、共通対応課税仕入れに該当するとの判断を下した。

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