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解説記事2025年02月17日 最新判決研究 企業オーナーの交際費・減価償却費の範囲、行為計算の否認、信義則の適用要件(2025年2月17日号・№1063)

最新判決研究
企業オーナーの交際費・減価償却費の範囲、行為計算の否認、信義則の適用要件
大阪地裁令和6年3月13日判決(令和4年(行ウ)第60号)

 筑波大学名誉教授・弁護士・税理士 品川芳宣

一、事実

(1)X(原告)は、大阪市内において「X司法書士事務所」の屋号で司法書士業を営むとともに、自己の所有する不動産を賃貸して賃貸料を得る不動産賃貸業を営み、平成27年分から平成29年分まで(以下「本件各年分」という。)の所得税等に関し、次のように所得金額を計算して、法定申告期限内に確定申告をした。
 平成27年分(総所得2897万円余、事業所得△2494万円余、不動産所得4112万円余)
 平成28年分(総所得541万円余、事業所得△1571万円余、不動産所得1156万円余)
 平成29年分(総所得△674万円余、事業所得△1736万円余、不動産所得285万円余)
 なお、消費税については、省略する。
(2)これに対し、所轄税務署担当者は、平成30年8月23日、税務調査(以下「本件調査」という。)を開始し、令和2年1月31日、Xの税務代理人に対し、本件調査の内容を説明し、修正申告を勧奨した。しかし、Xは、令和2年4月28日、その一部について修正申告(以下「本件各修正申告」という。)をしたため、所轄税務署長は、令和2年11月5日付で、本件各年分の所得税等につき、次のような更正等(以下「本件各処分」という。)をした(なお、所轄税務署長は、平成26年10月頃実施した税務調査(以下「前回調査」という。)については、平成27年2月26日付で申告是認通知(以下「前回調査通知」という。)をしていた。)。
 平成27年分(総所得1億1382万円余、事業所得△1022万円余、不動産所得1億1114万円余)
 平成28年分(総所得5805万円余、事業所得△441万円余、不動産所得5289万円余)
 平成29年分(総所得3578万円余、事業所得△508万円余、不動産所得3310万円余)
 本件各処分の主たる理由は、事業所得に係る接待交際費(以下「本件交際費」といい、当該支出金を以下「本件支出」という。)及び乗用車7台AないしG(以下「本件各車両」という。)に係る減価償却費(以下「本件減価償却費」という。)の必要経費不算入と不動産所得に係る賃貸料の収受における同族会社等の行為計算の否認(所得税法157等)によるものである。
 Xは、本件各処分を不服としてその取消しを求め、前審手続を経て、令和4年5月2日、国(被告)に対して本訴を提起した。
(3)Xは、平成23年頃までは、自己の所有する不動産を個別に第三者に賃貸して賃料収入を得ていたが、平成24年7月以降、自己を代表取締役とし、全額出資のOM社に合計27の不動産(以下「本件不動産」という。)を一括して賃貸し、OM社との賃貸借契約(以下「本件賃貸契約」という。)を締結し、OM社が第三者に個別に賃貸(転貸)することとし、OM社から賃料収入を得ることとした。なお、Xは、その後、本件不動産の一部を他者に売却している。

二、争点及び当事者の主張

1 争点
(1)本件交際費の必要経費該当性の有無
(2)本件減価償却費の必要経費該当性の有無
(3)本件賃貸借契約に係る所得税法157条1項適用の可否と適正賃貸料の額
(4)本件各処分の信義則違反の有無

2 国の主張
(1)本件支出に係る支払金額及び接待回数からみて、本件支出は、Xの事業所得ないし不動産所得に係る必要経費であるとは認め難い。Xは、平成27年中には接待交際に係る延べ142回で605万円余、平成28年中には延べ141回で571万円余、平成29年中には延べ148回で829万円余の接待交際費を支出しているところ、Xが営む司法書士業の規模は、本件各年分の総収入金額をみると、平成27年分が192万円余、平成28年分が463万円余、平成29年分が360万円余であり、また、不動産賃貸業(以下、司法書士業と併せて「司法書士業等」ということがある。)における実質的な得意先は、X自身が代表取締役を務めるOM社のみである(争点(1))。
(2)本件各車両は、それらの使用先等からみて、Xの司法書士業等と直接的な関連性はなく、主として、OM社の不動産管理業務等に使用したものと認められるから、本件減価償却費は、Xの事業所得又は不動産所得に係る必要経費には該当しない(争点(2))。
(3)Xが本件賃貸借契約に基づき取得した賃貸料(以下「本件賃貸料」という。)は、下記のとおり、OM社が取得した転貸料に比して著しく低額であるから、所得税法157条1項にいう「所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」に該当する。なお、OM社の適正管理料は、同業者率(6.32%~6.37%)を適用すると、平成27年分2056万円余、平成28年分1516万円余、平成29年分1016万円余となる(争点(3))。
 平成27年分 Xの本件賃貸料 1億8000万円
      OM社転貸料収入 3億2880万円余
 平成28年分 Xの本件賃貸料 1億4400万円
      OM社転貸料収入 2億4091万円余
 平成29年分 Xの本件賃貸料 9600万円
      OM社転貸料収入 1億6151万円余
(4)前回調査に係る更正決定等をすべきと認められない旨の通知書は、当該調査対象年分の申告に対して更正決定等の処分をすべきと認められない旨の見解を表明するものにとどまり、税務署長が今後の申告に対して同様の措置を保証するものではない。したがって、本件各処分は、処分行政庁が表示した公的見解に反するものではなく、信義則に違反しない(争点(4))。

3 Xの主張
(1)本件接待交際費の接待交際の同席者すなわち相手方や関係者は、代議士等の国政、市政の関係者、銀行等の金融機関の関係者、不動産事業の関係者、他士業の関係者という事業の関係者であり、接待交際の相手方はおおむね明らかである。会食等の目的は、経済事業や業界の話題等の情報収集や、今後の事業展開の相談、問題点の確認等であり、Xの営む司法書士業や不動産事業にも非常に役立つものである(争点(1))。
(2)車両の減価償却費の必要経費該当性について問題とすべきは、私生活での車両利用と区別されているかどうかである。本件各車両は、いずれもXの事務所ガレージ等で管理し、鍵もXの事務所で保管しており、私生活で使用していないことは明らかである(争点(2))。
(3)本件賃貸借契約の賃貸料の算定の基準は、①本件賃貸借契約の賃貸料は、X個人が不動産を取得する際に受けた銀行からの借入れに係る約定弁済額、火災保険料、固定資産税等の必要資金を下回らない金額とすること、②OM社の対象物件の賃料収入とXに支払う賃借料の差額により、OM社の事業運営と経費が賄えること、③②について、本件賃貸借契約の契約期間中に対象物件の売却があったとしても、本件賃貸借契約の賃料は減額しないため、売却予定物件の賃料収入を除外しても、OM社の事業運営に支障が生じないようにすることという基準である。よって、所得税法157条が適用されるいわれはない(争点(3))。
(4)前回調査において、Xは、更正決定等をすべきと認められない旨の前回調査通知を受けた。このような前回調査通知は、処分行政庁の公的見解の表示といえる。したがって、本件各処分は、信義則に違反し、取り消さなければならない(争点(4))。

三、本判決要旨

請求一部認容。
1 争点(1)(本件交際費の必要経費該当性)

(1)所得税法は、各所得ごとに必要経費の控除を認めているので、必要経費に当たるか否かは、当該所得の必要経費に当たるかという観点から判断する必要がある。また、課税すべきではない必要経費に係る部分と、そうではない所得の消費支出等に係る部分との区別を明確に行う必要がある。そして、前記の家事費及び家事関連費に係る規定をみても、消費支出である家事費を必要経費に算入することを認めず、家事関連費については厳格な要件を満たした場合にのみ必要経費に算入することを認めることとしている。
 以上のような所得税法及び所得税施行令の規定やその趣旨に照らせば、必要経費に該当するといえるためには、所得を生ずべき業務と何らかの関連性を有する費用というだけでは足りず、所得を生ずべき業務と直接的な関連性を有し、かつ、当該業務の遂行上必要な費用であることを要すると解するのが相当である。また、その該当性の判断は、関連者の主観的判断を基準とするのではなく、当該費用に係る個別具体的な諸事情に即し、社会通念に従って客観的に判断されるべきであると解するのが相当である。
(2)本件支出に関し、以下の事実が認められる。
 Xの総勘定元帳、X提出の説明書の添付資料及び領収書等の原資記録に記載された本件支出は、平成27年中が延べ142回で605万円余、平成28年中が延べ141回で571万円余、平成29年中が延べ148回で829万円余である。そして、接待交際の相手方とされている者を基準として区分すると、以下のとおりとなる。
① 相手方の情報のない支出(支出年月日、場所及び金額のみが記載されているもの)
② 相手方の氏名のみ記載されているが、それ以外の情報のない支出(支出年月日、場所及び金額のほか「祝金」等の目的のみが記載されているもの)
③ 相手方が政治家等である支出(自民党党費、国会議員に係る支出)
④ 相手方が税理士である支出(平成27年4月7日のお礼)
⑤ 相手方が不動産関係者等取引先であるとされる者である支出
⑥ 相手方が銀行関係者であるとれされる者である支出(役職名、所属支店の記載のある場合がある。)
(3)Xは、前記のとおり、自ら司法書士業等を営んでいるほか、不動産賃貸借管理業務等を目的とするOM社の代表取締役等を務めているため、本件交際費がXの事業所得又は不動産所得に係る必要経費に該当するといえるためには、Xが自ら営む司法書士業等との関係で本件交際費(本件支出)が必要経費に該当するといえる必要がある。
 本件支出のうち前記認定事実の①から⑥までの分類に係るものついて、前記認定事実のうち、接待交際の①相手方の情報のない支出及び②相手方の氏名のみ記載されているが、それ以外の情報のない支出については、当該相手方とXとの関係、当該支出の趣旨や目的が判然としない。したがって、当該接待交際に係る接待交際費は、Xの司法書士業等と直接的な関連性を有し、かつ、当該業務の遂行上必要な費用であるとはいえない。
 前記認定事実のうち、接待交際の相手方が③政治家等である支出については、前記認定事実のXの説明を踏まえても、当該接待交際とXの司法書士業等との直接的な関連性や、当該業務の遂行上の必要性が判然としない。したがって、当該接待交際に係る接待交際費は、Xの司法書士業等と直接的な関連性を有し、かつ、当該業務の遂行上必要な費用であるとはいえない。
 前記認定事実のうち、接待交際の相手方が④税理士、⑤不動産関係者等取引先及び⑥銀行関係者である支出については、当該接待交際の趣旨や目的が判然としない面がある上、前記認定事実のとおり、OM社の関与税理士がXの関与税理士と同一であったこと、OM社が賃貸用不動産を複数所有し、これを取得するなどしていたこと、OM社がXの銀行借入金より多額の銀行借入金を有していたことからすれば、前記認定事実のXの説明を踏まえても、当該接待交際は、Xの司法書士業等に係る接待交際ではなく、OM社の事業等に係る接待交際であった可能性がある。
 以上によれば、本件交際費(本件支出)のうち前記認定事実の①から⑥までの分類に係るものについては、Xの事業所得又は不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。

2 争点(2)(本件減価償却費の必要経費該当性)
 前記のXの説明を前提として検討するに、Aについては、白浜への移動は、証拠及び弁論の全趣旨によれば、Xは、平成24年7月以降、OM社に対し、白浜の不動産を、転貸方式により管理業務を含めて一括して賃貸していたことが認められることなどから、主にOM社の事業等に関して使用していたものと認められ、奈良への移動は、X本人の健康診断等を目的としたものもあり、これが私的使用に当たることをXも自認している。また、Bについては、証拠及び弁論の全趣旨によれば、Xは、自己の所有する複数の不動産を、転貸方式により管理業務を含めて一括してOM社に賃貸していたことが認められることなどから、主にOM社の事業等に関して使用していたものと認められる。これらのほかに、C及びDについては、Xの司法書士業等に関して使用していた部分もあることがうかがわれるものの、証拠上、同部分を特定することはできない。したがって、C及びDに係る減価償却費は、Xの司法書士業等と直接的な関連性を有し、かつ、当該業務の遂行上必要な費用であるとはいえない。
 また、E、F2台及びGについては、前記のXの説明によってもOMサービス社の業務のために使用していたのであるから、E、F2台及びGに係る減価償却費が、Xの司法書士業等と直接的な関連性を有し、かつ、当該業務の遂行上必要な費用であるとはいえないことは明らかである。
 したがって、本件減価償却費は、Xの事業所得及び不動産所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。

3 争点(3)(本件賃貸借契約に係る所得税法157条適用の可否)
(1)所得税法157条1項は、同項各号に掲げる法人である同族会社等においては、これを支配する株主等の所得税の負担を不当に減少させるような行為又は計算が行われやすいことに鑑み、税負担の公平を維持するため、株主等の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められる行為又は計算が行われた場合に、これを正常な行為又は計算に引き直して当該株主等に係る所得税の更正又は決定を行う権限を税務署長に認めたものである。このような規定の趣旨、内容からすれば、同項にいう「これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、同族会社等の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、当該株主等の所得税の負担を減少させる結果となるものをいうと解するのが相当である(以上につき、最高裁平成16年7月20日第三小法廷判決・裁判集民事214号1071頁、法人税法132条1項に関する最高裁令和4年4月21日第一小法廷判決・民集76巻4号480頁参照)。
 本件のような株主等を賃貸人とし同族会社等を賃借人とする不動産の賃貸借契約が上記の経済的合理性を欠くものか否かについては、当該賃貸借契約の目的、賃貸料の金額や契約の諸条件を含む当該賃貸借契約の内容等の諸事情を総合的に考慮して判断するのが相当である。そして、当該賃貸借契約が経済的合理性を欠くものか否かの検討に当たっては、①当該賃貸借契約が、通常は想定されない手順や方法に基いたり、実態とはかい離した形式を作出したり、その賃貸料が適正な賃貸料に比して著しく低額なものにされたりしているなど、不自然なものであるかどうか、②税負担の減少以外に当該賃貸借契約を締結することの合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在するかどうか等の事情を考慮するのが相当である。
(2)国は、本件賃貸借契約においては、OM社が負うことになる空室リスク等を具体的に検討した上で本件賃貸料の金額が決定されたわけではないことなどから本件賃貸借契約が実質的に管理委託方式と同視することができることを前提として、OM社転貸料収入の金額から、本件適正管理料等の金額を控除することにより算定した本件適正賃貸料をもって、本件賃貸借契約の適正な賃貸料である旨主張しており、この考え方を前提として、本件適正管理料の算定に必要な比準同業者の抽出の基準においても、不動産賃貸について転貸方式による貸付けを行っていないことや、管理委託料の支払がされていることといった基準を設け、管理委託方式を前提とする比準同業者を抽出した上で、本件適正管理料ひいては本件適正賃貸料を算定している。そして、前記認定事実のとおり、X及びOM社は、本件各年分の賃貸借契約の締結に際し、OM社が負うことになる空室リスク等を具体的に計算した上で本件賃貸料の金額を決定したわけではない。
 しかし、本件賃貸借契約の契約内容についてみると、前記前提事実によれば、本件賃貸借契約は、転貸借を目的とする賃貸借契約であって、当該契約期間中の賃料額が一定とされ、本件不動産の固定資産税等のほかに貸主(X)が負担すべき費用の特約がないことなどから、契約期間中に対象不動産につき空室が生じたり、賃料の滞納が生じたり(空室リスク等)、転貸借関係に係る訴訟に巻き込まれたり(訴訟リスク)した場合の負担については借主であるOM社が負うことになるのであり、この点では、一般のマスターリース契約と同様であると認められる。また、その他の契約上の権利義務関係に係る契約条項も、基本的には、一般のマスターリース契約と異なることはないものと認められる。そして、上記のとおり、本件賃貸借契約の実際の契約内容が、一般のマスターリース契約と同様であり、空室リスク等を借主(OM社)が負うものとなっている以上、XとOM社は、空室のリスク等を負う主体については検討した上で借主(OM社)としたものの、本件賃貸借契約の賃料額の算出過程において空室リスク等を具体的には計算せず、空室リスク等の分析が不十分であったというにとどまるのであって、賃料額の算出過程において空室リスク等が具体的に計算されていなかったとの一事をもって、翻って借主(OM社)が実際に空室リスク等を負担していなかったなどと評価することはできず、本件賃貸借契約を実質的に管理委託方式と同視し得るということもできない。
 また、前記認定事実によれば、Xは、平成24年7月以前は、合計27の本件不動産について、その種別(マンション(1棟又は区分)、店舗、駐車場、病院又は事務所)や所在地域が異なり、同一の不動産業者にその管理等を委ねることが困難であるため、複数の不動産業者に分散させる形で管理を委託したり(管理委託方式)、転貸方式により賃貸したりせざるを得なかったことが認められる。そうすると、本件賃貸借契約は、Xが、上記のとおり、種別や所在地域の異なる多数の不動産(エンド・ユーザーが数百に及ぶこともあった。)であって、一般的には、同一のサブリース業者に一括して転貸方式で賃貸することが困難である本件不動産を、一括して転貸方式でOM社に賃貸するという特殊性を有するものであった。
 さらに、前記前提事実のとおり、本件賃貸借契約は、Xが個人で営んでいた不動産賃貸業を法人であるOM社に対して移転するため、本件不動産を、順次、OM社や第三者に対して売却することと並行して締結されたものであるから、当該契約期間中に複数の対象不動産の売却が当然に想定される状況にあったにもかかわらず、当該契約期間中に対象不動産が減少しても、事前に本件賃貸料の算定に当たり一定の考慮をしていたことがうかがわれるとはいえ、当該契約期間中の賃料は減額されないものとなっているのであって、これにより、平成27年分から平成29年分においては、当該契約期間中に対象不動産の一部がOM社や第三者に対して売却されることにより、約2684万円ないし約8706万円という高額の年間売上高に係る収支が不確実になるという負担(売却リスク)を借主(OM社)に負わせるという特殊性を有するものであった。
 このように、本件賃貸借契約は、一般的には同一のサブリース業者に一括して転貸方式により賃貸することが困難な種別の異なる多数の不動産を一括して転貸方式により賃貸するものであり、また、空室リスク等のみならず、契約期間中に高額の収益物件である複数の対象不動産の売却が想定される状況にあったにもかかわらず、対象不動産が売却により減少しても当該契約期間中の賃料の額が減額されないことによる負担(売却リスク)を、賃借人であるOM社に負わせるものとなっている。
 そうすると、本件適正賃貸料をもって本件賃貸借契約の適正な賃貸料と認めることはできず、本件においては、証拠上、本件賃貸借契約の適正な賃貸料の金額は不明であるというほかない。
(3)そのほか、本件賃貸借契約の内容等の諸事情を総合的に考慮すれば、国のその余の主張を検討しても、本件賃貸借契約は、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものとはいえない。したがって、本件賃貸借契約は、所得税法157条1項にいう「これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」には当たらないというべきである。

4 争点(4)(信義則違反の有無)
(1)租税法規に適合する課税処分について信義則の法理の適用による違法を考え得るのは、納税者間の平等公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合でなければならず、上記特別の事情が存するかどうかの判断に当たっては、少なくとも、税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示し、納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したところ上記表示に反する課税処分が行われ、そのために納税者が経済的不利益を受けることになったものかどうか、納税者が税務官庁の上記表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて納税者の責に帰すべき事由がないかどうか、という点の考慮が不可欠であるというべきである(最高裁昭和62年10月30日第三小法廷判決・裁判集民事152号93頁参照)。
(2)前回調査通知は、通則法74条の11第1項に基づく通知であるから、所轄税務署長は、飽くまで、その時点において、前回調査の対象となった期間及び税目に係る申告について更正決定等をすべきと認められない旨の見解を表示したものにすぎず、その後の本件各年分の所得税等に係る申告について更正処分等をすべきと認められない旨の見解を表示したわけではない。
 そうすると、本件各処分は、前回調査通知による見解の表示に反する課税処分とはいえず、前記特別の事情が存するとは言えないから、本件各処分が信義則に反して違法であるとはいえない。

四、解説

はじめに
 我が国では、約250万の会社があるが、そのほとんどが個人事業が法人成りしたものであり、同族会社である。その法人成りの理由は、いろいろあるが、その最たるものが税務上有利になると考えられているからである。具体的には、個人事業の場合には、家族間の所得分散に所得税法上制限があり、事業主の所得税負担が高額になり勝ちであるが、法人成りになると、まず、法人に留保した所得に対する法人税額とオーナーの役員報酬に対する所得税額のバランスを図ることによって両者の合計税負担の最小化を企図することも容易であり、家族を役員等として報酬等を支払うことによって所得分散(累進税率の回避)を行うことも容易であるからである。
 また、このような課税上の有利性は、本件においてみられるように、法人企業とそのオーナー間の経費や収入の付け替えも可能になる。もちろん、それが正当な(合理的な)理由に基づくものであれば、課税上問題になることもないが、合理的な理由がなければ、本件のような税務否認の問題が生じ、時には、同族会社等の行為計算の否認を惹起することになる。本件は、正にその典型例であるが、その法律問題をまず検討する。
 次に、このような問題は、従前の税務調査において不問(申告是認通知)にされることもあるが、その後の税務調査において否認する場合に、信義則の適用問題も生じることになる。以下、それらの論点を検討する。

1 必要経費の意義と範囲
(1)本件において問題となっているのは、Xの事業所得と不動産所得であるが、いずれの所得も、「必要経費」の意義と範囲が問題になるところ、所得税法37条1項は、次のように定めている。
 「その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(〈略〉)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。」
 また、個人(自然人)については、生産単位と消費(家事)単位が合体しているため前者の所得金額に係る費用と後者に係る費用とを区分する必要がある。そこで、所得税法45条1項1号は、「家事上の経費及びこれに関連する経費を政令で定める」ものを事業所得の金額等の計算上必要経費に算入しないこととしている。そして、所得税法施行令96条は、次に掲げる経費以外のものを必要経費に算入しないこととしている。
 「一、家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費
 二、前号に掲げるもののほか、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者に係る家事上の経費に関連する経費のうち、取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分の金額に相当する経費」
 なお、本件においては、事業所得等に係る自動車の減価償却費の必要経費算入の可否も問題となっているが、所得税法49条が、減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法について、詳細に定めている。
(2)以上のように、所得税法上の「必要経費」は、法人税法上の「損金の額」が期間的に包括的に算定されるのに対し、当該所得の事業の遂行上直接的に必要なものに限定されている。この点につき、従前の裁判例においても、「或る支出が必要経費として控除されうるためには、客観的にみて、それが業務と直接関係をもち、且つ、業務の遂行上必要な支出でなければならない。」(東京高裁昭和53年4月11日判決・訟務月報24巻8号1693頁)と解され、「所得税法37条の事業所得における必要経費とは、当該事業について生じた費用、すなわち業務との関連性が要求されるとともに、かつ、業務の遂行上必要であること、すなわち必要性が要件となるものと解する。しかして、事業遂行のために必要か否かの判断は、単に事業主の主観的判断のみではなく、通常かつ必要なものとして客観的に必要経費として認識できるものでなければならないものと解すべきである。けだし、個人所得においては、個人事業主は、日常生活において事業による所得の獲得活動のみならず、所得の処分としての消費行為をも行っているのであるから、事業上の必要経費と、所得の処分たる家事費とを明確に識別する必要があるからである。」(東京地裁昭和53年4月24日判決・税資107号532頁)等を解されている。
 本判決においても、前述のように、「必要経費に該当するといえるためには、……所得を生ずべき業務と直接的な関連性を有し、かつ、当該業務の遂行上、必要な費用であることを要すると解するのが相当である。……」と判示しているところである。

2 同族会社等の行為計算の否認の法理
(1)所得税法157条1項は、「税務署長は、次に掲げる法人(編注=同族会社等)の行為又は計算で、これを容認した場合にはその株主等である居住者又はこれと政令で定める特殊の関係のある居住者(〈略〉)の所得税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その居住者の所得税に係る更正又は決定に際し、その行為又は計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その居住者の各年分の第120条第1項第1号〈略〉に掲げる金額(編注=総所得金額等)を計算することができる。」と定めている(同旨法人税法132条、相続税法64条)。
 この規定は、大正12年に制定されたのであるが、制定以降、明記している「同族会社等」以外の他の法人等との取引についても適用できるとする確認規定説が支配的であった。しかし、次第に効力規定説が有力となり、平成13年度税制改正における組織再編成税制の導入に際し、法人税法132条とは別に同132条の2が制定されたことにより、確認規定説は、消滅した(注1)。
(2)次に、この規定上最も問題となるのが、「負担を不当に減少させる結果となる」の意義・解釈である。この解釈については、かつては、次の2説によって説明されてきた。
① 非同族会社基準説
 この説は、納税道義に関し、同族会社=性悪説、非同族会社=性善説的な考え方から、非同族会社であれば行うであろう行為計算に照らし、同族会社の行為計算の是非を判断しようとするものである(注2)。しかし、経済取引等における租税負担が直接的対価を伴わない一種のコストと考えられるようになると、大規模な非同族会社の方が組織的で巧妙な租税負担の最少化が行われている現状からみて、この説の説得力は失われているものと解される。
② 純経済人基準説
 経済人又は純経済人(homo economicus)とは、元々、経済学上の概念であるが、一般的には、「経済人は動機のいかんにかかわりなく、経済原則に従う合理的な人間である」と解され、租税負担を不当に減少させるような不合理な行為計算は行わないものと観念することになる(注3)。しかしながら、この説についても、経済取引等における租税負担の最少化こそ合理的行為であると観念し得ることになると、この説にも限界があるものと考えられる。
 かくして、最近の裁判例では、上記2説を採用するケースは見受けられなくなっているが、本判決が引用している最高裁令和4年4月21日第一小法廷判決(民集76巻4号480頁)(注4)は、法人税の事件について、次のように判示している。
 「法人税法132条1項は、同項各号に掲げる法人である同族会社等においては、その意思決定が少数の株主等の意図により左右され、法人税の負担を不当に減少させる結果となる行為又は計算が行われやすいことから、税負担の公平を維持するため、そのような行為又は計算が行われた場合に、これを正常な行為又は計算に引き直して法人税の更正又は決定をする権限を税務署長に認めたものである。このような同項の趣旨及び内容に鑑みると、同項にいう「これを容認した場合には、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの」とは、同族会社等の行為又は計算のうち、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものであって、法人税の負担を減少させる結果となるものをいうと解するのが相当である。」

3 申告是認通知と信義則の適用
(1)租税法においては、租税法律主義を基本原則とし、その執行において合法性の原則が厳しく要請されるから、信義則の適用を認め難いとする見解(注5)も見られるが、法の一般原理である信義則の法理は排除し得ないとするのが、早期から通説・判例の認めるところである(注6)。もっとも、租税法における信義則の適用要件については、他の法分野よりも厳しく解されるところ、次の五つの要件を充足している場合に、信義則の適用が認められるものと解されている(注7)。
① 税務官庁が納税者に対し、信頼の対象となる公的見解を表示したこと。
② 納税者がその表示を信頼し、その信頼過程において責められるべき事由を有しないこと。
③ 納税者がその信頼に基づき何らかの行為をしたこと。
④ 税務官庁が当初の信頼の対象となる公的見解の表示に反する行政処分をしたこと。
⑤ 納税者がその行政処分により救済に値する経済的不利益を被ったこと。
 以上の適用要件は、税務官庁と納税者との接触の時間的な順序に従って整理したものである。この場合、最も重要なものが「公的見解」とは何かであるが、国税庁長官が発出する税務通達は、公的見解の最たるものである。したがって、税務通達に反した課税処分があれば、他の要件次第では信義則違反が問題とされる。
(2)この公的見解について、本件に関しては、国税通則法74条の11第1項が、「税務署長等は、国税に関する実地の調査を行った結果、更正決定等(〈略〉)をすべきと認められない場合には、納税義務(〈略〉)であって当該調査において質問検査等の相手方となった者に対し、その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知するものとする。」と定めている。
(3)このような調査終了時の手続については、平成23年の国税通則法改正による質問検査権規定の大幅改正の際に設けられたのであるが、それ以前においても、税務調査の結果、更正決定等をすべきと認められない場合には、所轄税務署長が任意にその旨の通知(一般に「申告是認通知」という。)が発出されることがあった。そして、このような申告是認通知が、信義則適用における「公的見解」にあたるか否かが法廷で争われることがあった。
 例えば、大阪地裁昭和42年5月30日判決(行裁例集18巻5、6号690頁)の事案では(注8)、係争年度の前期の税務調査において決算賞与の損金算入につき申告是認通知があった後、係争年度につき同様に決算賞与を損金算入したことに対して、更正が行われた場合に、信義則の適用が争われた。そして、前掲判決は、「右申告是認通知は税務官庁の事務上の便宜並びに納税者に対する便宜の供与のための事実上の行為であって、納税者に対する法律上の効果を生ぜしめるような行為ではなく、それまでの調査に基づいて納税者の申告に対する所轄税務官庁の一応の態度を表明するものにすぎないから、後にこれに反する行政処分が行われたからといって禁反言の法理に反するということはできない。」と判示した。
 しかしながら、従前のような裁判所の考え方が現行法の下でそのまま適用するか否かについては、疑義がある。けだし、現行法の下での申告是認通知は、平成23年の納税者権利保護重視の観点から質問検査権規定を大幅に修正する一環として決定されたものであり(注9)、かつ、再度の税務調査が厳しく制限されている(国税通則法74条の11第5項参照)もとでは、相応の法的な存在価値があるものと考えられる。もっとも、このような申告是認通知が前述の信義則の適用要件の一つである「公的見解」に該当し得るとしても、他の要件を充足しない限り、信義則の適用は認められないことになる。

4 本判決の意義と問題点
(1)本件においては、Xが、かつては、司法書士業及び不動産賃貸業を個人事業として行っていたところ、不動産賃貸業について管理会社OM社を設立し、そのオーナー及び代表者となり、家族もOM社の役員等に就かせるという、冒頭に述べた典型的なオーナー企業を作出したものである。そして、Xは、司法書士業とOM社に対する本件不動産の貸付けを個人事業とし、かつ、OM社の経営を統率し、それらに要した本件支出及び乗用車7台に係る本件減価償却費をXの個人事業の必要経費に算入し、また、本件不動産の賃貸料を不当に低く設定したということで、本件支出及び本件減価償却費の必要経費不算入並びに本件不動産の賃貸に係る所得税法157条1項を適用した課税処分(本件各処分)を受けることになり、それらを争うことになった。これらのXが行った経理処理は、オーナーと企業(法人)の税負担の最少化を企図する典型的なケースであるといえる。
 また、このような経理処理については、本件調査の4年前の前回調査においては所轄税務署長から申告是認通知を受けていたので、Xとしては、信義則違反の課税処分が行われたということで、本件各処分の信義則違反の有無も争われることになった。
(2)かくして、本判決は、本件交際費(本件支出)の必要経費該当性について、前記のように、本件支出の形態を六つに区分し、それぞれの形態ごとにXの個人事業との関連性を検討した上で、「当該接待交際に係る接待交際費は、Xの司法書士業等と直接的な関連性を有し、かつ、当該業務の遂行上必要な費用であるとはいえない。そして、仮に、当該接待交際に係る接待交際費について、Xに係る家事関連費に該当するといえるとしても、当該業務の遂行上必要である部分を明らかに区分することはできない。」と判示し、本件交際費をXの事業所得又は不動産所得の必要経費に算入できないと判示した。このような判断は、前記1「必要経費の意義と範囲」の説明に照らし、妥当であると考えられる。
 また、本判決は、本件減価償却費の必要経費該当性につき、前述したように、7台の本件各車両の使用先を個々に検討し、いずれの車両も、「Xの司法書士業と直接的な関連性を有し、当該業務の遂行上必要な費用であるとはいえない。」と判示した。この判示についても、前述の本件交際費に係る理由により、妥当なものと解される。
(3)次に、本判決は、同族会社等の行為計算等の否認規定の適用につき、従前の最高裁判決の考え方を引用し、「①当該賃貸借契約が、通常は想定されない手順や方法に基づいたり、実態とはかい離した形式を作出したり、その賃貸料が適正な賃貸料に比して著しく低額なものにされたりしているなど、不自然なものであるかどうか、②税負担の減少以外に当該賃貸借契約を締結することの合理的な理由となる事業目的その他の事由が存在するか等の事情を考慮するのが相当である。」と判示し、国が主張する管理委託方式に基づく適正な賃貸料の算定が本件賃貸借契約の特殊性を無視したもので合理性がない旨認定し、「本件賃貸借契約は、経済的かつ実質的な見地において不自然、不合理なもの、すなわち経済的合理性を欠くものとはいえない。」と判示して、本件賃貸借契約について所得税法157条の規定を適用できない旨結論づけた。
 本件のように、不動産賃貸の事業主が当該不動産の賃貸・管理を託すために管理会社を設立することはよくあることであるが、その場合、当該事業主が当該管理会社から収受する賃貸料と当該管理会社が収受する転貸料のバランスが問題となる。そこには、冒頭に述べたように、所得分散による租税負担の最少化が企図されることもよくあることである。本件においても、本件賃貸料が不当に低額に設定されている外観を呈していることは否定できないものと考えられた。しかしながら、本判決は、前述のように、国が主張する適正賃貸料の算定に合理性がないとして、所得税法157条1項にいう「負担を不当に減少させる」ことに該当しないとした。
 ならば、裁判官が「適正な賃貸料」を算定して、前記の「負担を不当に減少させる」か否かを判定できなかったかとも考えられる(役員給与の相当性の判断については、訴訟段階で裁判官が相当額を判定する場合がある。)。ともあれ、所得税法157条1項を適用した課税処分が訴訟段階で取り消されることは稀なことであろうから、本判決は、その内容等について留意されるべきである。
(4)最後に、前回調査については、申告是認通知が発せられたにもかかわらず、同様な事案につき本件各処分が行われたことの信義則適用につき、本判決は、前掲最高裁昭和62年10月30日判決を引用しつつ、「本件各処分は、前回調査結果通知による見解の表示に反する課税処分とはいえず、前記特別の事情が存するとはいえないから、本件各処分が信義則に反して違法であるとはいえない。」と判示した。
 このような結論の是非はともかくとして、前記3で述べたように、適用要件①の「税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したこと」すなわち「前回調査通知(申告是認通知)」が「公的見解の表示」に当たるか否かについて、もっと丁寧な判示をすべきであると考えられる。もっとも、当該前回調査結果通知が公的見解に該当するとしても、他の要件を充足しない限り信義則の適用は認められないわけであるから、本件における結論は、本判決と同様になるのかも知れない。
(注1)詳細については、品川芳宣「節税と税務否認の分岐点」(ぎょうせい 令和6年)182頁、同「租税法学と租税実務 第8回」税務弘報2024年11月号134頁。
(注2)鳥取地裁昭和39年4月24日判決(税資38号313頁)、東京地裁平成9年4月25日判決(同223号500頁)、東京高裁平成11年5月31日判決(同243号127頁)等参照。
(注3)東京地裁昭和40年12月15日判決(税資41号1188頁)、東京高裁昭和43年8月9日判決(同53号303頁)、東京高裁昭和48年3月14日判決(行裁例集24巻3号115頁)等参照。
(注4)品川芳宣「重要租税判決の実務研究 第4版」(大蔵財務協会 令和5年)969頁参照。
(注5)下村芳夫「租税法律主義をめぐる諸問題~税法の解釈と適用を中心として~」税務大学校論叢6号(1972年)43頁等参照。
(注6)金子宏「租税法(初版)」(弘文堂1976年)109頁、中川一郎「税法における信義誠実の原則」シュトイエル100号(1970年)152頁、東京地裁昭和40年5月26日判決(行裁例集16巻6号1033頁)等参照。
(注7)品川芳宣「税法における信義則の適用について−その法的根拠と適用要件−」税務大学校論叢8号(1974年)1頁、最高裁昭和62年10月30日第三小法廷判決(集民152号93頁)等参照。
(注8)詳細については、前掲(注7)「税法における信義則の適用について」48頁以下参照。
(注9)当該修正の内容と問題点については、品川芳宣「国税通則法の理論と実務」(ぎょうせい 平成29年)140頁以下参照。

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