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税務ニュース2025年04月18日 土地等の取得価額も法令54条の適用可(2025年4月21日号・№1071) 東京地裁、建物の価額を土地の価額に算入すべきとし納税者の請求棄却

  • 建物の帳簿価額を土地の取得価額に算入すべきか否かが争われた事案(令和6年11月13日、令和3年(行ウ)第520号)。
  • 東京地裁、原告は建物を取り壊してホテルを新築することを前提として行動しているため、建物の帳簿価額は、土地の取得価額に算入すべきとして原告の請求を棄却。

 本件は、建物の帳簿価額を土地の取得価額に算入すべきか否かが争点となった事案である。ホテル経営を行う原告は、土地及び建物を購入し、当該建物を売主に1年3か月の期間リースバックした後、建物を取り壊し、ホテルを新たに建築して開業。法人税等の確定申告では、取り壊した建物の帳簿価額を固定資産の除却損として損金の額に算入したが、原処分庁は、建物の帳簿価額は土地の取得価額に算入すべきであるとして、更正処分を行ったものである。原告は、建物が一定の期間にわたり事業の用に供されている場合には、建物及び土地の取得が土地の取得と同視できる場合に該当しないなどと主張した。
 東京地方裁判所(篠田賢治裁判長)は、法人税法施行令54条1項1号は、固定資産のうち減価償却資産の取得範囲について定めたものであるが、土地等の非減価償却資産の取得価額の範囲についても、企業会計原則第三の五(資産の貸借対照表価額)とは別個の会計慣行があることはうかがわれないことから、同項の趣旨に沿って計算するのが相当であるとした。その上で、法人が土地及びその上にある建物を同時に取得し、短期間のうちに、建物の取り壊しに着手するなど、土地・建物の取得の目的が建物を取り壊して土地を利用するためであることが明らかと認められるときは、建物の取得価額とその取壊費用は客観的にみて土地の所有権の取得の対価としての性質を有しているから、土地の購入代価として、土地の取得価額に算入すべきであるとした。
 そして、裁判所は、土地・建物の取得の目的が建物を取り壊して土地を利用するためであることが明らかと認められるか否かについては土地・建物の取得に至る経緯、建物の客観的状況、取得後の建物の利用状況、建物の取壊しの時期、経緯及び目的等の諸事情を総合的に考慮して判断するとの見解を示した。本件については、原告はホテルの工事費や建物の解体費用を見積もるなど、建物を取り壊して土地上にホテルを新築することを前提とした行動をとっていたとして、裁判所は、建物の帳簿価額は、土地の所有権の取得の対価としての性質を有するといえるから、土地の取得価額に算入すべきであるとして原告の請求を斥けた。

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