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コラム2025年11月17日 コラム のれんに関する公聴会~雑感(2025年11月17日号・№1099)

のれんに関する公聴会~雑感

のれんの償却費がM&Aの阻害要因
 6回にも及ぶのれんに関する公聴会が終わり、企業会計基準委員会(ASBJ)は11月17日開催の企業会計基準諮問会議(会計基準の検討テーマなどを審議する機関)にこれまでの関係者からの意見聴取の結果を報告する予定だ。
 のれん償却費は営業費用に区分されるため、特にスタートアップ企業においては、買収企業の収益を継続的に圧迫し、M&Aの阻害要因になっているとの指摘がなされている。今回の公聴会は、スタートアップ企業等からの提案を踏まえ、のれんの非償却の導入及びのれん償却費計上区分の変更について、企業会計基準諮問会議が関係者からの意見聴取を実施するよう同委員会に求めたものである。
基準改正までの説得力は乏しい
 のれんの償却・非償却に関しては、立場によってメリット・デメリットがあるだけに非償却化に強く反対する意見はなかったものの、のれんの非償却化を提案したスタートアップ企業の関係者以外で積極的に賛成する意見はほぼなかったともいえる。
 スタートアップ企業側の主張もM&Aに踏み切りにくいといった現状や、IFRS移行への導入コストの負担が大きいといった点が主であり、現行の会計基準を覆すまでの説得力があったとはいえない。また、償却と非償却の選択制については、比較可能性の観点から多くの関係者が強く反対。スタートアップ企業の関係者も積極的な賛成というよりは、非償却化導入までの経過措置的な導入ならばというスタンスという印象だ。計上区分の変更も大きな支持は得られていない。
22年前には楽天が非償却化を提案も
 のれんの会計処理の見直しの提案は、実は今回で2回目だ。今から22年前の2003年に楽天を中心とするIT企業が企業会計基準委員会に対してのれんの非償却化を求めている。楽天は、国際的な会計基準とのコンバージェンスの観点や、やはりM&Aの阻害要因などを理由に非償却化を求めたが(仮に償却資産とする場合であっても一括償却及び特別損失での計上を認めるべきと主張)、同委員会は、のれんは企業結合後を成果として実際に獲得した超過収益の計上とともに償却することが合理的であると判断。のれんを非償却資産として扱った場合には、企業結合後の期間損益に買収コストが反映されないことになり、損益情報の有用性が損なわれるとし、のれんの非償却化を認めず、今に至っている。
スタートアップ支援が国策に
 ただ、当時の状況とは異なり、現在はスタートアップ5か年計画の最中だ。令和7年6月13日に閣議決定された「規制改革実施計画」にもスタートアップの成長促進に向けたのれんの会計処理の在り方の検討が盛り込まれている。
 のれんの会計処理の見直しについて検討するかどうかの判断は、企業会計基準諮問会議が行うことになる。国策としてスタートアップ企業を支援していく中、同諮問会議がどのような結論を導くのか、難しい判断に迫られることになりそうだ。

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