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税務ニュース2025年11月21日 地裁、代表者口座への入金を賞与と判断(2025年11月24日号・№1100) 代表者への貸付けとの主張を裏付ける経理処理や証憑類なし

  • 東京地裁、法人から代表者の先物取引口座への入金は賞与に該当するとした課税処分を適法と判断(令和7年11月13日判決)。

 処分行政庁は、情報通信機器の販売等を行う法人である原告に対し、原告名義の預金口座から原告代表者名義の口座への入金が給与等の支払いに該当するとして、給与所得に係る源泉所得税等の納税告知処分等を行った。これに対し原告は、当該入金は代表者への貸付けであり給与等の支払には該当しないとして、処分の取消しを求めて訴訟を提起した(以下、裁決により賞与とされた7,290万円を「本件対象入金」という)。
 東京地裁はまず、本件対象入金は、代表者個人の先物取引用の口座に対して行われたものであり、代表者が個人として行っていた先物取引の運用資金を補填する目的でされたと認められるから、その経済的利益は、別異に解すべき事情のない限り、代表者に帰属し、代表者の所得を構成すると認めるのが相当との考えを示した。
 その上で、本件対象入金は貸付けとして行われたとの原告の主張に対しては、本件対象入金は、少額とはいえない金額を多数回にわたって移転させる行為であるから、原告と代表者との間で、対象入金額の返還に合意していたというのであれば、その認識に即した行動や態度が示されてしかるべきであるところ、税務調査時に1億4,000万円の現金差額を指摘された際に、税理士からは貸付金であるとの明言はなく、遡及的に貸付金として扱うことを望むような発言があったと指摘した。
 また、原告の総勘定元帳に本件対象入金が貸付金として計上されていないことに加えて、本件各処分の時までに本件対象入金が貸付金であることを示す証憑類が作成されていなかったことを考慮すると、本件対象入金が代表者に対する貸付けとして行われたと認めることはできないとした。
 そのほか、代表者から原告口座への入金は原告の資金繰り上の措置であって、その原因が具体的な返還合意であったとは認められないなどと指摘した。
 そして、本件対象入金は、代表者が原告の唯一の役員であり、その経営及び経理を差配する事実上の地位及び功労に基づいてされた臨時の給付であると認められるから、これによる代表者の所得は、所得税法28条1項、183条1項にいう「給与等」のうちの「賞与」に係る所得と認めるのが相当との判断を下した。なお、役員報酬等の支払に関する会社法上の手続は採られておらず、帳簿上の記載もないという事実は、原告の内部手続に不備があったことを意味するにすぎないとしている。

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