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解説記事2025年12月01日 SCOPE 税務訴訟の確定判決を受けた後発的事由による更正の請求は(2025年12月1日号・№1101)

取得時期の判決を踏まえた請求の否定事例も
税務訴訟の確定判決を受けた後発的事由による更正の請求は


 「課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決」により、その事実が計算の基礎と異なることが確定したときは、判決の確定日から2月以内であれば更正の請求をすることができる(通則法23②一)。いわゆる後発的事由に基づく更正の請求だ。スコープでは、税務訴訟の確定判決が後発的事由の「判決」に該当するとして、当事者が更正の請求をしていた裁決事例を2つ紹介する。1つは、機械装置の取得時期(課税仕入れ時期)をめぐる棄却判決の確定を受けて、判決が判断した取得時期において課税仕入れとする旨の更正の請求の可否が争われたもの(名裁(諸)令6第34号)。もう1つは、CFC税制をめぐる棄却判決の確定を受けて、その後の事業年度における外国税額控除の適用の可否が争われたものである(東裁(法)令6第36号)。

「判決」が判断した取得時期で課税仕入れとする更正の請求を認めず

 最初に紹介する事案の発端は、内国法人である請求人の機械装置の取得時期に関して税務署が更正処分を行ったことに始まる。請求人は機械装置の取得時期を平成28年3月であるとして平成28年5月課税期間の課税仕入れとしていた。これに対し税務署は、平成28年5月末までに引渡しを受けていないとして平成28年5月課税期間の課税仕入れに含まれないと判断した。これを不服とした請求人は、更正処分取消訴訟を提起したところ、東京地裁は令和5年3月9日付けで訴えを棄却する旨の本件判決を下した(詳しくは本誌972号参照)。請求人は控訴を提起したが、東京高裁は令和5年11月9日付けで控訴を棄却する判決を言い渡した(本誌1005号参照)。そして本件判決は令和5年11月27日に確定した。なお、本件判決は機械装置の課税仕入れの日を平成30年5月課税期間中である旨を判断していた。
 請求人は、本件判決により平成30年5月課税期間の消費税について機械装置の取得価額が課税仕入れに係る支払対価に算入されると判断して、本件判決の確定から2月以内である令和5年12月12日に後発的事由に基づく更正の請求を行った。だが、これに対し税務署は、後発的事由に係る「判決」に該当しないとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分を行った。これを不服とした請求人は、平成30年5月課税期間の消費税について機械装置の取得価額を課税仕入れに算入していなかったところ、本件判決は機械装置の課税仕入れの日を平成30年5月課税期間中であると判断して、その判断が確定したものであると指摘。本件判決により、機械装置の課税仕入れの日について請求人が平成30年5月課税期間の消費税等の申告に係る計算の基礎としたところと異なることが確定したものといえるから、本件判決は「計算の基礎となった事実に関する訴えの判決」(通則法23②一)に該当する旨を主張した。
訴えの対象は課税時期ではないと指摘
 審判所はまず、通則法23条2項1号にいう「計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決」とは、申告に係る課税標準等又は税額等の計算の基礎となった事実(例えば契約の成否、相続による財産取得の有無等)を訴えの対象とする民事事件の判決をいうものと解するのが相当であるという法令解釈を示した。そのうえで審判所は、本件判決は請求人が更正処分の一部の取消しなどを求めた税務訴訟についてのものであり、その訴訟の訴えの対象は請求人が取消しを求めた処分の違法性一般であって、機械装置の課税仕入れの時期自体ではないから、「計算の基礎となった事実に関する訴えについての判決」(通則法23②一)には該当しないと判断して審査請求を棄却する裁決を下した。

CFC税制巡る敗訴判決確定、後続期の外税控除適用を求めて更正の請求

 次に紹介する事案の発端は、内国法人である請求人の過年度(平成23年3月期~平成27年3月期)の法人税についてCFC税制(外国子会社合算税制)が適用されるとして税務署が更正処分を行ったことに始まる。これを不服とした請求人は、更正処分取消訴訟を東京地裁に提起したところ、東京地裁は令和4年3月2日付けで訴えを棄却する旨の本件判決を下した(詳しくは本誌922号参照)。請求人は控訴を提起したが、東京高裁は令和4年11月17日付けで控訴を棄却する判決を言い渡した。そして本件判決は令和4年12月3日に確定した。請求人は、本件判決により過年度の法人税について請求人にCFC税制が適用されることが確定したとして、平成28年3月期について香港法人に課された外国法人税に外国税額控除(法法69①)が適用されるなどとして本件判決の確定から2月以内である令和5年2月1日に後発的事由に基づく更正の請求を行った。これに対し税務署は、後発的事由に係る「判決」に該当しないとして、更正をすべき理由がない旨の通知処分を行った。
 これを不服とした請求人は、請求人には本来は繰越控除限度額があるはずであると指摘したうえで、更正の請求は認められるべきであるとして審査請求を行っていたものの、国税不服審判所は請求人による更正の請求は税額が過大であるという実体的要件(通則法23①一)を満たさないという観点から審査請求を棄却している。
 具体的にみると、審判所は、法人税法69条2項規定の繰越控除限度額に係る外国税額控除の適用を受けるためには、更正請求書に繰越控除限度額の計算に係る事項等を記載した書類等の添付が必要であると指摘したうえで、請求人は計算に係る事項等を記載していないことから同項の規定の適用はないと判断した。そして審判所は、これを前提に納付すべき法人税等の額を計算すると期限内提出申告書記載の納付すべき法人税等の額を超えることから、税額が過大であるという実体的要件(通則法23①一)を欠くものであると指摘。後発的事由に係る「判決」に該当するか否かを判断するまでもなく更正の請求は認められないと結論付けた。

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