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会社法ニュース2025年12月19日 温対法による開示の実務対応基準開発へ(2025年12月22日号・№1104) 温対法で温室効果ガス排出の測定を行う場合は基礎排出量がベース

  • SSBJ、温対法に基づき温室効果ガス排出を測定する場合の開示の取扱いを示す実務対応基準を開発へ。

 サステナビリティ基準委員会(SSBJ)は、実務上の懸念が生じていた温対法に基づき温室効果ガス排出を測定する場合の開示の取扱いを示す実務対応基準を開発する。具体的には、気候基準は温対法を用いて温室効果ガス排出の測定を行う場合において、基礎排出量と調整後排出量のいずれを基礎として用いるのかを明らかにしていないため、基礎排出量を基礎として用いることを明記。基礎排出量として測定された温室効果ガス排出量の報告値のうち、直接排出に係る部分をスコープ1温室効果ガス排出として、間接排出に係る部分をマーケット基準によるスコープ2温室効果ガス排出として、区分して開示することを求める。なお、企業が任意の参考情報として基礎排出量の開示とあわせて、調整後排出量及び調整項目を開示できることを明確化する。
 また、SSBJは、ロケーション基準によるスコープ2温室効果ガス排出については、「温室効果ガス排出を測定するうえで異なる方法を用いることを要求している場合」(気候基準第49項ただし書き)には該当しないと判断される可能性が高いが、温対法に基づく開示をSSBJ基準上認めないことは、温対法に従い報告している企業にとっては負担となるため、SSBJ基準上、温対法に基づく間接排出を測定した拠点に係る活動量に全国平均係数等を乗じて算定した温室効果ガス排出量をロケーション基準によるスコープ2温室効果ガス排出として開示することを認めるとしている。開示上の取扱いとしては、温対法により基礎排出量として測定された温室効果ガス排出量のうち間接排出に係る部分を測定した拠点に係る活動量に全国平均係数等を乗じることにより算定した温室効果ガス排出量をロケーション基準によるスコープ2温室効果ガス排出として開示するものとする。なお、この方法により算定したスコープ2温室効果ガス排出は、温対法において報告が要求されていない旨の注記が必要となる。
 加えて、企業が温対法による間接排出をマーケット基準によるスコープ2温室効果ガス排出として開示することを選択し、間接排出を測定した拠点に係る活動量に全国平均係数等を乗じて算定した温室効果ガス排出をロケーション基準によるスコープ2温室効果ガス排出量として開示する場合、これらをともに「GHGプロトコル(2004年)」と異なる方法(法域の当局又は企業が上場する取引所が、温室効果ガス排出を測定するうえで異なる方法を用いることを要求している方法)として開示する。

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