会計ニュース2025年12月26日 譲受人がSPC、金融資産消滅を明確化(2026年1月5日号・№1105) ASBJが金融商品会計基準等を改正へ、貸付金の保有者も該当
今回の金融商品会計基準等の見直しは、令和6年12月に企業会計基準諮問会議から提言のあった「譲受人がSPCである場合の金融資産の消滅範囲の明確化」を踏まえたもの(本誌1054号、1058号参照)。現行の金融商品会計基準第9項(2)の(注4)では、金融資産の消滅の認識要件について、譲受人が一定のSPCの場合には、当該SPCが発行する「証券」の保有者を金融資産の譲受人とみなして消滅の要件を適用するとしているが、今回、テーマアップを求めていた全国銀行協会によれば、「証券」の定義の解釈が監査法人の間で分かれており、貸付金が含まれるかどうかが定かではなく、範囲の明確化が求められていた。
金融商品会計基準(注4)では、SPCの場合、金融商品会計基準第9項(2)の要件の評価にあたって、当該SPCが発行する証券の保有者を譲受人とみなすとされており、貸付金は明示されていない。しかし、金融商品会計基準(注4)は、譲受人がSPCの場合には、直接的に譲り受けたSPCではなく、SPCが発行する証券の保有者の観点から、譲渡された金融資産から生じるキャッシュ・フローを実質的に受け取ることができるかどうかの評価を求めるものであると考えられることから、SPCに対する融資者も証券の保有者と同様に取り扱った上で、譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できるかどうかを評価すべきと指摘。したがって、金融商品会計基準(注4)について証券の保有者だけではなく、貸付金の保有者についても同様に取り扱うことができるよう改正する方針だ。
また、金融商品会計実務指針第40項では、SPCの「証券等」の一部又は全部を譲渡人が保有することとなる場合に、当該保有部分についての譲渡はなかったものとみなされる旨の記載があり、「証券等」の例として、「信託の受益権、組合の出資金、株式、会社の出資金、社債、劣後債等」が示されている。「等」との記載から貸付金が含まれるとの解釈をすることは可能であるものの、実務上のばらつきを抑えるため、譲渡人がSPCに対する貸付金を保有する場合についても同様に取り扱う旨を明記するよう金融商品会計実務指針を改正するとしている。
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