税務ニュース2026年02月06日 国外における炭事業を事業所得と認めず(2026年2月9日号・№1110) 審判所、社会通念上国内の納税者が経営主体であるとは認められず
本件で争点の1つとなったのは、会社役員であって不動産貸付業を営んでいる納税者が行っていた国外(ラオス)における炭の製造販売事業(以下「炭事業」)から生じた所得が事業所得に該当するか否かという点であった。納税者は炭事業から生じた所得が事業所得に該当することを前提とした確定申告を行ったところ、税務署から事業所得には該当しないなどとした更正処分等を受けた。これを不服とした納税者は、審査請求のなかで、炭事業には客観的資料に裏付けられた実態があると指摘したうえで、納税者が現地スタッフに現金を手渡して事実上の必要経費等を拠出しており、炭事業に関する決定権はすべて納税者にあることなどから炭事業から生じた所得は納税者の事業所得に該当すると主張した。
審判所は、事実関係を踏まえれば炭事業に実態があったというには疑義がある一方で、炭事業の実態がないとまで認定することはできないと指摘。仮にその実態があるとした場合に炭事業から生じた所得が納税者に帰属するか否かを検討する必要があるとした。そして審判所は、事業所得の帰属者に当たるか否かについては、①事業の遂行に際して行われる法律行為の名義に着目するのはもとより、②事業への出資の状況・収支の管理状況、③従業員に対する指揮監督状況などを総合し、経営主体と認められるかを社会通念に従って判断すべきであるという法令解釈を示した。本件の事実関係を踏まえ審判所は、①納税者が提出した客観的資料(領収書・収支報告書・メール等)では法律行為の名義人は明らかではないこと、②納税者は炭事業に関する出資及び収支の管理状況を正確に把握していたとはいえないこと、③納税者が現地スタッフに対して何らかの指揮監督を行っていたとは認められないと認定判断した。そのうえで審判所は、これらの事実を総合勘案すると、社会通念上、納税者が炭事業の経営主体であるとは認められず、炭事業は納税者に帰属するものではないから炭事業から生じた所得は納税者の事業所得には該当しないと結論付けた。なお、審査請求棄却を不服とした納税者は、東京地裁に課税処分の取り消しを求める訴訟を提訴している。
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