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税務ニュース2026年04月03日 横領損失・所得の課税関係に疑問の声(2026年4月6号・№1117) 債権・債務の認識時期が整合しないまま法人・個人双方に課税

  • 横領事案では、法人課税上は横領時に損害賠償債権を認識して純損失を認めず、個人課税上は同時点で損害賠償債務を認識せず違法所得として課税する実務が定着しているものの、同一の横領行為について、法人側で債権発生を直ちに認識しながら、個人側では対応する債務を同時に考慮しないことに疑問の声。今後紛争化の可能性も。

 法人の役員等が法人に帰属すべき収入を横領し、被害弁償をしていない場合、課税実務上、本来の収入が益金に算入され、横領損失が損金に算入されると同時に、同額の「損害賠償請求権」の取得に伴う資産増加額が益金算入されるいわゆる「同時両建説」に基づく取扱いが原則となっている。一方、横領した役員等個人については、現実に金銭を収受し「管理支配」している以上、(違法)所得があるとして所得課税が行われる。この実務に対し専門家の間では、法人において「損害賠償請求権」が益金算入されるのと同様に、個人側でも横領による収入と同時に「損害賠償債務」が発生し純資産は増加しないことから、所得課税はすべきでないとの見解がある。しかし、現在の課税実務では、横領時点では管理支配基準により所得の発生を認め、横領した金銭の返還がなされた時点で後発的な調整事由として処理することとなっており、横領時点で債務を認識することは通常認められない。
 実際、最近も、一つの横領事案について法人と個人の双方に税務調査が入り、法人側では横領時点で損害賠償請求権(債権)の発生が即時に認識され、当該損害賠償請求権への課税が行われる一方、個人側では当該損害賠償請求権に対応するはずの損害賠償債務の存在が考慮されず、横領による違法所得への所得課税が行われた事案が本誌取材により把握されており、課税当局が積極的な課税を行っていることが伺える。
 債権・債務の認識時期が整合しないまま法人・個人双方に課税が行われることに違和感を持つ専門家は多く、税法学者からは、不法行為債務は履行可能性がないとして横領時点では一律に認識しないとする取扱いは「検討を要する問題」との指摘もある。
 この問題の解消には二つの方向があり得る。一つは、法人側で損害賠償請求権の益金算入を横領発覚・回収可能時まで繰り延べる、いわば「異時両建説」をとることだ。もう一つは、個人側で横領収入と同時に損害賠償債務を認識することである。横領はいまだに企業不祥事の相当部分を占めているだけに、今後課税が続くようであれば、裁判等で争う事案が出てくる可能性は十分にあろう。

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