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税務ニュース2026年05月15日 M&A実務は時価純資産に営業権を反映(2026年5月18日号・№1122) 国税庁有識者会議、租税法・会社法・M&A実務から非上場株評価を議論

  • 非上場株式の評価見直しに向けた有識者会議(第2回)で、租税法・会社法・M&A実務の専門家が各分野から非上場株式評価を説明。
  • 財産間の評価水準の平等達成には通達の内容の合理化が必要と指摘。
  • 会社法下の裁判所の株価決定ではDCF法が多数を占める。中小企業のM&A実務の評価方法では「時価純資産価額法+営業権法」が最多。

 国税庁は5月11日、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の第2回目の会合を開催した。この会議は、非上場株式の相続税評価について適正な評価制度の在り方を検討するために国税庁が開催するもの。国税庁は、見直しの方向性の主眼として、評価額操作の誘因となる評価方式間(類似業種比準価額と純資産価額)のかい離の排除や恣意的な会社規模等の操作による評価額圧縮スキームへの対処などを挙げている(本誌1120号9頁参照)。
 国税庁によると、第2回目の会合では、①租税法、②会社法、③M&A実務のそれぞれの専門家である3人の委員から、専門的分野を踏まえた非上場株式の評価に関する説明・議論がなされた。具体的にみると、①租税法の専門家である渋谷雅弘氏(中央大学法学部教授)は、異なる種類の財産間や同じ種類の財産間で評価水準の平等を達成するためには評価通達の内容の合理化が必要であるとした。また、②会社法の専門家である弥永真生氏(明治大学専門職大学院会計専門職研究科教授)は、会社法の下での裁判所による株式価格決定の傾向について昭和62年の京都地裁判決を最後に類似業種比準方式の採用がなくなったことを指摘。その背景として、比準割合の算定方法やしんしゃく割合に関する理論的な根拠や実証的な裏付けがないことなどを挙げた。そして弥永氏は、近年ではDCF法が多く採用されており、純資産価額方式による評価額は下支えと位置付けられることが多いと指摘した。最後に③M&A実務の専門家である熊谷秀幸氏(株式会社日本М&Aセンター取締役常務執行役員)は、中堅中小企業のM&A実務で最も多く採用されている評価方法として「時価純資産価額法+営業権法」を挙げた。これは、企業の時価純資産に会社の超過収益力である営業権を考慮することにより、清算価値に加えて将来の企業価値を加味した継続企業価値を表す方法である。説明後の質疑応答では、DCF法や営業権の算定方法(超過収益法・年買法)などに関するやり取りがなされた。次回の会議(6月4日予定)では、中小企業の観点からみた非上場株式評価の説明が専門家である委員からなされる予定だ。

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