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民事2026年02月02日 駅での選挙活動、規制は? 凍える候補者、屋外で訴え 提供:共同通信社

 真冬の選挙戦は折り返しを過ぎ、都市部の駅前では候補者が朝夕の通勤・通学時間帯に合わせあいさつやビラ配りに精を出している。候補者はなぜ、寒さの中、凍えながら駅前に立つのか。駅構内での選挙運動は法律の規制を受ける一方、自由に行き来できる駅舎の外では認められるケースが多い。
 「寒い中、聞いていただきありがとうございます!」。大阪市鶴見区のJR放出(はなてん)駅前。震える手でマイクを持ち、懸命に政策を訴える候補者の前を、仕事帰りの人たちが足早に通り過ぎていく。候補者は「投票日までに知名度不足を解消しないと」と焦りをにじませた。
 鉄道営業法35条は「鉄道地内」での「物品配布」や「演説勧誘等」を罰すると規定。鉄道各社はこれに基づき、敷地内での活動を認めていない。
 一方、鉄道会社が土地を保有していても、駅前のバスロータリーなど、歩道や信号が設けられ、人と車が自由に通行できるような場所は事情が異なる。道路の交通整理は警察が管轄するため、通行の妨げとならない限り活動できることが多い。
 では、どこが境界になるのか。最高裁は1984年の判決で鉄道営業法の「鉄道地」の定義を示した。扱われたのは76年、東京都の京王帝都電鉄(現京王電鉄)井の頭線吉祥寺駅で発生した事件だ。改札外の階段付近で、乗客らに集会参加を呼びかけるビラを配った人物が同法違反などの罪に問われた。
 判決は鉄道地を「鉄道会社が所有、管理する場所のうち、直接鉄道運送業務に使用されるもの」と「これと密接不可分の利用関係にあるもの」と定義。現場付近は自由に出入りできるものの、営業終了後はシャッターが閉まるため、駅舎内部に該当すると判断し、被告らの上告を棄却した。
 厳密に争われる事例は多くないものの、駅前には普段は意識することのない「境界線」が引かれていると言えそうだ。

(2026/02/02)

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