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刑法の一部改正(令和4年6月17日法律第67号〔第1条〕 令和4年7月7日から施行)
法律
新旧対照表
- 公布日 令和4年06月17日
- 施行日 令和4年07月07日
法務省
明治40年法律第45号
法律
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- 公布日 令和4年06月17日
- 施行日 令和4年07月07日
法務省
明治40年法律第45号
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- 《 》・【 】について
対照表中には、《 》や【 】で囲まれている箇所(例:《合成》、《数式》、《横》、《振分》、【ブレス】、【体裁加工】など)があります。これは実際の法令条文には存在しないもので、本来の表示とは異なることを示しています。 - 様式の改正について
各種様式の改正は掲載を省略しています。様式に改正がある場合は、「様式〔省略〕」と表示されます。 - 施行日について
各条文の前に掲げた「施行日」について、「元号○年○月九十九日」とあるのは、施行日が正式に決定されていないもので、便宜的に「九十九日」と表示しています。 - 弊社の編集担当者が独自に選んだ法改正情報をピックアップして掲載しています。
◇刑法等の一部を改正する法律(法律第六七号)(法務省)
一 刑法の一部改正関係
1 拘禁刑の創設
懲役及び禁錮を廃止し、これらに代えて拘禁刑を創設し、拘禁刑は、刑事施設に拘置し、拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができることとした。(第九条、第一二条及び第一三条関係)
2 刑の執行猶予制度の拡充
㈠ 再度の刑の全部の執行猶予を言い渡すことのできる要件の緩和
前に拘禁刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が二年以下の拘禁刑の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときは、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができることとし、ただし、この㈠本文により刑の全部の執行を猶予されて、第二五条の二第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでないこととした。(第二五条第二項関係)
㈡ 刑の全部の執行猶予の猶予期間経過後の刑の執行の仕組みの導入
⑴ 第二七条第一項の規定にかかわらず、刑の全部の執行猶予の期間内に更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるものに限る。)について公訴の提起がされているときは、同項の刑の言渡しは、当該期間が経過した日から⑶又は⑷によりこの⑴後段による刑の全部の執行猶予の言渡しが取り消されることがなくなるまでの間(以下この⑴及び⑵において「効力継続期間」という。)、引き続きその効力を有することとし、この場合においては、当該刑については、当該効力継続期間はその全部の執行猶予の言渡しがされているものとみなすこととした。(第二七条第二項関係)
⑵ ⑴前段にかかわらず、効力継続期間における人の資格に関する法令の規定等の適用については、⑴の刑の言渡しは、効力を失っているものとみなすこととした。(第二七条第三項関係)
⑶ ⑴前段の場合において、当該罪について拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないときは、⑴後段による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならないこととし、ただし、当該罪が⑴前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合において、犯情その他の情状を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでないこととした。(第二七条第四項関係)
⑷ ⑴前段の場合において、当該罪について罰金に処せられたときは、⑴後段による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができることとした。(第二七条第五項関係)
3 侮辱の罪の法定刑の引上げ
侮辱の罪の法定刑を「拘留又は科料」から「一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三〇万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に引き上げることとした。(第二三一条関係)
二 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の一部改正関係
1 拘禁刑受刑者等に対する矯正処遇に係る規定の整備
㈠ 処遇要領は、できる限り速やかに定めることとし、矯正処遇の目標並びに作業及び指導ごとの内容及び方法をできる限り具体的に記載することとした。(第八四条第三項関係)
㈡ 刑事施設の長は、受刑者に対し、その改善更生及び円滑な社会復帰を図るため必要と認められる場合には、相当でないと認めるときを除き、作業を行わせることとした。(第九三条関係)
2 被害者等の心情等の考慮に係る規定の整備
㈠ 刑事施設の長は、被害者等から、被害に関する心情等を述べたい旨の申出があったときは、相当でないと認めるときを除き、当該心情等を聴取することとし、矯正処遇を行うに当たっては、被害者等の被害に関する心情及び被害者等の置かれている状況並びにこの㈠前段により聴取した心情等を考慮することとした。(第八五条第二項及び第三項関係)
㈡ 刑事施設の長は、被害者等から、㈠前段により聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、相当でないと認めるときを除き、改善指導を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達することとした。(第一〇三条第四項関係)
3 社会復帰支援の充実
刑事施設の長は、受刑者の円滑な社会復帰を図るため、釈放後に自立した生活を営む上での困難を有する受刑者に対しては、その意向を尊重しつつ、適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること等の支援を行うこととした。(第一〇六条第一項関係)
三 更生保護法の一部改正関係
1 刑の執行猶予制度の拡充に伴う保護観察処遇に係る規定の整備
刑法第二五条の二第一項の規定により保護観察に付されている期間中に更に同項の規定により保護観察に付された保護観察付執行猶予者(以下この1において「再保護観察付執行猶予者」という。)に対する保護観察は、当該再保護観察付執行猶予者が保護観察に付されている期間中に犯罪をしたことを踏まえ、当該犯罪に結び付いた要因の的確な把握に留意して実施しなければならないこととした。(第八一条の二関係)
2 罪を犯した者に対する社会内における処遇に係る規定の整備
㈠ 更生緊急保護の対象となる者の改善更生を保護するため特に必要があると認められるときの刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた後六月を超えて更生緊急保護を行うことができる期間を、更生緊急保護の措置のうち金品の給与又は貸与及び宿泊場所の供与については更に六月を、その他のものについては更に一年六月を、それぞれ超えない範囲内とすることとした。(第八五条第四項ただし書関係)
㈡ 指導監督の方法として、保護観察対象者が、当該保護観察対象者が刑又は保護処分を言い渡される理由となった犯罪又は刑罰法令に触れる行為に係る被害者等の被害の回復又は軽減に誠実に努めるよう、必要な指示その他の措置をとることを加えることとし、保護観察所の長は、当該措置をとる場合において、被害者等から被害に関する心情等を聴取したときは、当該心情等を踏まえることとした。(第五七条第一項第五号及び第六項関係)
四 更生保護事業法の一部改正関係
更生保護事業とは、宿泊型保護事業、通所・訪問型保護事業及び地域連携・助成事業をいうこととし、これらの事業に係る規定の整備を行うこととした。(第二条第一項~第四項関係)
五 附則
1 この法律の施行に伴い必要な経過措置その他の事項は、別に法律で定めることとした。(附則第二項関係)
2 政府は、一3の施行後三年を経過したときは、一3による改正後の刑法第二三一条の規定の施行の状況について、外部有識者を交えて検証を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとした。(附則第三項関係)
3 この法律の施行期日について定めることとした。
一 刑法の一部改正関係
1 拘禁刑の創設
懲役及び禁錮を廃止し、これらに代えて拘禁刑を創設し、拘禁刑は、刑事施設に拘置し、拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができることとした。(第九条、第一二条及び第一三条関係)
2 刑の執行猶予制度の拡充
㈠ 再度の刑の全部の執行猶予を言い渡すことのできる要件の緩和
前に拘禁刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が二年以下の拘禁刑の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときは、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができることとし、ただし、この㈠本文により刑の全部の執行を猶予されて、第二五条の二第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでないこととした。(第二五条第二項関係)
㈡ 刑の全部の執行猶予の猶予期間経過後の刑の執行の仕組みの導入
⑴ 第二七条第一項の規定にかかわらず、刑の全部の執行猶予の期間内に更に犯した罪(罰金以上の刑に当たるものに限る。)について公訴の提起がされているときは、同項の刑の言渡しは、当該期間が経過した日から⑶又は⑷によりこの⑴後段による刑の全部の執行猶予の言渡しが取り消されることがなくなるまでの間(以下この⑴及び⑵において「効力継続期間」という。)、引き続きその効力を有することとし、この場合においては、当該刑については、当該効力継続期間はその全部の執行猶予の言渡しがされているものとみなすこととした。(第二七条第二項関係)
⑵ ⑴前段にかかわらず、効力継続期間における人の資格に関する法令の規定等の適用については、⑴の刑の言渡しは、効力を失っているものとみなすこととした。(第二七条第三項関係)
⑶ ⑴前段の場合において、当該罪について拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部について執行猶予の言渡しがないときは、⑴後段による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消さなければならないこととし、ただし、当該罪が⑴前段の猶予の期間の経過後に犯した罪と併合罪として処断された場合において、犯情その他の情状を考慮して相当でないと認めるときは、この限りでないこととした。(第二七条第四項関係)
⑷ ⑴前段の場合において、当該罪について罰金に処せられたときは、⑴後段による刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消すことができることとした。(第二七条第五項関係)
3 侮辱の罪の法定刑の引上げ
侮辱の罪の法定刑を「拘留又は科料」から「一年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三〇万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」に引き上げることとした。(第二三一条関係)
二 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の一部改正関係
1 拘禁刑受刑者等に対する矯正処遇に係る規定の整備
㈠ 処遇要領は、できる限り速やかに定めることとし、矯正処遇の目標並びに作業及び指導ごとの内容及び方法をできる限り具体的に記載することとした。(第八四条第三項関係)
㈡ 刑事施設の長は、受刑者に対し、その改善更生及び円滑な社会復帰を図るため必要と認められる場合には、相当でないと認めるときを除き、作業を行わせることとした。(第九三条関係)
2 被害者等の心情等の考慮に係る規定の整備
㈠ 刑事施設の長は、被害者等から、被害に関する心情等を述べたい旨の申出があったときは、相当でないと認めるときを除き、当該心情等を聴取することとし、矯正処遇を行うに当たっては、被害者等の被害に関する心情及び被害者等の置かれている状況並びにこの㈠前段により聴取した心情等を考慮することとした。(第八五条第二項及び第三項関係)
㈡ 刑事施設の長は、被害者等から、㈠前段により聴取した心情等を受刑者に伝達することを希望する旨の申出があったときは、相当でないと認めるときを除き、改善指導を行うに当たり、当該心情等を受刑者に伝達することとした。(第一〇三条第四項関係)
3 社会復帰支援の充実
刑事施設の長は、受刑者の円滑な社会復帰を図るため、釈放後に自立した生活を営む上での困難を有する受刑者に対しては、その意向を尊重しつつ、適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住することを助けること等の支援を行うこととした。(第一〇六条第一項関係)
三 更生保護法の一部改正関係
1 刑の執行猶予制度の拡充に伴う保護観察処遇に係る規定の整備
刑法第二五条の二第一項の規定により保護観察に付されている期間中に更に同項の規定により保護観察に付された保護観察付執行猶予者(以下この1において「再保護観察付執行猶予者」という。)に対する保護観察は、当該再保護観察付執行猶予者が保護観察に付されている期間中に犯罪をしたことを踏まえ、当該犯罪に結び付いた要因の的確な把握に留意して実施しなければならないこととした。(第八一条の二関係)
2 罪を犯した者に対する社会内における処遇に係る規定の整備
㈠ 更生緊急保護の対象となる者の改善更生を保護するため特に必要があると認められるときの刑事上の手続又は保護処分による身体の拘束を解かれた後六月を超えて更生緊急保護を行うことができる期間を、更生緊急保護の措置のうち金品の給与又は貸与及び宿泊場所の供与については更に六月を、その他のものについては更に一年六月を、それぞれ超えない範囲内とすることとした。(第八五条第四項ただし書関係)
㈡ 指導監督の方法として、保護観察対象者が、当該保護観察対象者が刑又は保護処分を言い渡される理由となった犯罪又は刑罰法令に触れる行為に係る被害者等の被害の回復又は軽減に誠実に努めるよう、必要な指示その他の措置をとることを加えることとし、保護観察所の長は、当該措置をとる場合において、被害者等から被害に関する心情等を聴取したときは、当該心情等を踏まえることとした。(第五七条第一項第五号及び第六項関係)
四 更生保護事業法の一部改正関係
更生保護事業とは、宿泊型保護事業、通所・訪問型保護事業及び地域連携・助成事業をいうこととし、これらの事業に係る規定の整備を行うこととした。(第二条第一項~第四項関係)
五 附則
1 この法律の施行に伴い必要な経過措置その他の事項は、別に法律で定めることとした。(附則第二項関係)
2 政府は、一3の施行後三年を経過したときは、一3による改正後の刑法第二三一条の規定の施行の状況について、外部有識者を交えて検証を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとした。(附則第三項関係)
3 この法律の施行期日について定めることとした。
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