カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

資料1998年02月27日 【裁決事例】 地価税の評価に適用される路線価は、その年の1月1日の時価を表していないとして、近隣の土地の取引情報を基に評価した価額により地価税の申告がされたが、路線価は適正に評定されているとして、路線価に基づく更正処分を相当と認めた事例(平成4年分及び5年分地価税に係る各更正処分等/棄却)

(平10.2.27裁決、裁決事例集No.55 633頁)

《裁決書(抄)》
1 事実
 審査請求人(以下「請求人」という。)は、不動産管理業を営む法人であるが、平成4年分及び平成5年分(以下、併せて「各年分」という。)の地価税の申告書(以下「本件申告書」という。)に課税価格及び納付すべき税額を次表のとおり記載して、それぞれ法定申告期限までに申告した。

項目   年分 平成4年分          平成5年分
課税価格    1,548,938,600円 1,504,736,295円
納付すべき税額        97,800円        14,200円

 原処分庁は、これに対し、平成7年11月29日付で各年分の地価税について次表のとおり更正処分(以下「本件更正処分」という。)及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」という。)をした。

項目     年分 平成4年分          平成5年分
課税価格      2,309,056,376円 1,702,687,201円
納付すべき税額       1,618,100円       608,000円
過少申告加算税の額       203,000円        63,500円

 請求人は、これらの処分を不服として、平成8年1月29日に異議申立てをしたところ、異議審理庁は、同年4月26日付でいずれも棄却の異議決定をした。
 請求人は、異議決定を経た後の原処分に不服があるとして、平成8年5月27日に審査請求をした。

2 主張
(1)請求人の主張
 原処分は、次の理由により違法又は不当であるから、その一部の取消しを求める。
原処分のその他の部分については争わない。
イ 本件更正処分について
(イ)地価税法の定める財産の評価について
A 地価税法第23条《評価の原則》は、土地等の価額は、特別に定めるものを除き、課税時期における時価によるべき旨を規定しており、この時価とは、課税時期における財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち、客観的な交換価額をいうものと解されている。
 また、財産の客観的な交換価額は、必ずしも一義的に確定されるものではないことから、課税実務上財産評価基本通達(昭和39年4月25日付直資56ほか国税庁長官通達、ただし、平成5年6月23日付課評2―7ほかによる改正前のもの。以下「評価基本通達」という。)の定めによる画一的な評価方式によることも、やむを得ないと考える。
B 評価基本通達において、市街地的形態を形成する地域にある宅地の価額は、路線価(評価基本通達14《路線価》に定める路線価をいう。以下同じ。)を基とし、その宅地の形状に応じて計算した金額によって評価することとされている。
 したがって、請求人は、評価基本通達に基づき路線価が合理的に算定されている限り、租税負担の公平が図られるという主旨には同意し、同通達そのものが違法であるか否かについては争わない。
(ロ)路線価について
 路線価は、次のことから合理的に算定されていない。
A 路線価は、毎年1月1日現在の価額をもってその年一年間の評価額を決定している。
B また、毎年1月1日現在の価額といっても、その価額を決定するためには、その半年以上前の地価を調査して決めたものであり、必ずしもその年の1月1日現在の時価を反映していない。特に、バブル崩壊後の著しい地価下落の状況から、路線価が時価を上回っていることは明白である。
(ハ)請求人が所有する土地の評価方法等について
A 請求人を所有する土地の利用状況及び課税対象とすべき面積
 請求人が所有する別表1に記載する土地(以下「本件土地」といい、個々の土地については、同表「摘要」欄に記載の順番に従って、順次「A土地」ないし「G土地」という。)の利用状況及び課税対象とすべき面積は次のとおりである。
(A)A土地は、請求人が所有する建物の敷地で事務所用の貸ビルの用に供しており、課税対象とすべき面積は、327.32平方メートルである。
(B)B土地は、請求人が一室を所有するマンションの敷地で、同室は貸事務所の用に供しており、課税対象とすべき面積は、7.34平方メートルである。
 また、C土地は、上記マンションの裏の出入口に面しており、課税対象とすべき面積は、0.41平方メートルである。
(C)D土地は、請求人が一室を所有するマンションの敷地で、同室は居住用の貸室の用に供していたものであり、課税対象とすべき面積は、11.77平方メートルである。
(D)E土地は、請求人が一室を所有するマンションの敷地で、同室は貸事務所の用に供しており、課税対象とすべき面積は、9.66平方メートルである。
(E)F土地の面積は991.73平方メートルであり、請求人が所有するP市R町二丁目4番地2所在の家屋番号4番2の1の建物(以下「本件工場」という。)及び同所所在の家屋番号4番2の2の建物(以下「Kビル」という。)の敷地であるが、それぞれの敷地の利用状況は明確に区分されていないところ、Kビルの3階部分ないし5階部分は、地価税法第7条《居住用土地等の非課税》第2項第2号に規定する「その一部を当該他人の居住の用に供している貸家用建物」(以下「貸家用建物」という。)に該当し、同項において他人の居住の用に供している土地等については、地価税を課税されないこととされていることから、F土地の2分の1は非課税であり、課税対象とすべき面積は、495.865平方メートルとするのが相当である。
 詳しくは、Kビルの登記簿上の総床面積は1,269.02平方メートルであり、3階部分ないし5階部分の床面積は721.98平方メートルであるが、建築設計図上の床面積はそれぞれ1,389.138平方メートル、869.504平方メートルであり、これが実際の床面積である。
 一方、F土地に所在する本件工場の総床面積は、登記簿上及び実際ともに545.00平方メートルである。
 したがって、F土地の非課税部分の面積は、Kビルの3階部分ないし5階部分の床面積をKビルの総床面積と本件工場の総床面積の合計で除すことにより求めた割合を、F土地の面積に乗じたものとなるところ、その割合は、0.449となるが、地価税法施行令第11条《貸家用建物の用に供されている土地等の範囲》で準用する同令第9条《居住用建物の用に供されている土地等の範囲》第2項第2号により100分50のとなり、F土地の2分の1は非課税となる。
 なお、原処分庁の計算のようにF土地を区分すると、Kビルは建築基準法による建ぺい率60パーセント及び容積率200パーセントを超える違法な建物となり適当ではない。
(F)G土地には、請求人所有の建物が存し、同建物は役員の居住用に貸し付けており、課税対象とすべき面積は111.74平方メートルである。
 なお、請求人は、申告の際住宅用土地として非課税としたが、役員の居住の用に供しているため、課税対象の土地に該当することは認める。
B 本件土地の評価額
 財産の評価は、課税時期における時価によるべきであるところ、原処分庁は、時価を上回る路線価を採用して評価した違法がある。
 請求人は、本件土地の1平方メートル当たりの評価額を以下のとおり計算した。
(A)A土地
 A土地から西へ約90メートル先の同一道路上にあるQ市S町一丁目に存する土地(以下「本件売買土地」という。)が3.3平方メートル当たり16,200,000円の価額(以下「本件売却希望価額」という。)で売りに出され、平成4年5月28日売買を原因とする所有権移転登記がされている。
 一納税者である請求人にとって、他人の土地の売買価額を知ることはできないが、本件売買土地の実際の売買価額は、少なくとも本件売却希望価額よりは低額であろうと推察される。
 そこで、請求人は、土地の評価日である1月1日と本件売買土地が売買された日である5月28日との間に時間差はあるものの、請求人の長年の土地取引を見聞きしてきた経験と照らし合わせ、本件売買土地の本件売却希望価額を参考にしてA土地の平成4年分の評価額を1平方メートル当たり5,000,000円としたものである。
 また、平成5年分については、地価税の申告を無申告としないため、平成4年分の評価額から100,000円を減じ1平方メートル当たり4,900,000円を評価額とした。
 なお、請求人は、異議申立てにかかる調査担当職員(以下「本件異議担当職員」という。)に対し、上記取引のあることを告げ、その取引事実を調査し回答するように求めたが、異議決定書では何ら回答されていない。実際の売買がいくらで行われたかは、課税庁側で立証すべきである。
(B)B土地及びC土地
 A土地の近隣にあるので、各年分ともA土地と同額で評価した。
(C)D土地
 平成4年分については、A土地を基準として、A土地の平成4年分の路線価に対するD土地の平成4年分の路線価の比率を求め、その比率をA土地の1平方メートル当たりの評価額とした5,000,000円に乗じて、4,500,000円と算出した。
 平成5年分についても、A土地の平成5年分の路線価に対するD土地の平成5年分の路線価の比率を求め、その比率をA土地の1平方メートル当たりの評価額とした4,900,000円に乗じて、4,417,000円と算出した。
(D)E土地
 平成4年分については、A土地を基準として、A土地の平成4年分の路線価に対するE土地の平成4年分の路線価の比率を求め、その比率をA土地の1平方メートル当たりの評価額とした5,000,000円に乗じた後、請求人の経験を加味して4,000,000円と算出した。
 平成5年分についてはD土地と同様に、A土地の平成5年分の路線価に対するE土地の平成5年分の路線価の比率を求め、その比率をA土地の1平方メートル当たりの評価額とした4,900,000円に乗じて、3,564,000円と算出した。
(E)F土地
 平成4年分については、F土地の平成4年分の路線価を採用するが、当該路線価は高いため、20パーセント減額して500,000円と算出した。
 平成5年分については、A土地の平成5年分の路線価に対するF土地の平成5年分の路線価の比率を求め、その比率をA土地の1平方メートル当たりの評価額とした4,900,000円に乗じて、464,000円と算出した。
(F)G土地
 平成4年分については、G土地の平成4年分の路線価を採用するが、当該路線価は高いため、20パーセント減額して464,000円と算出した。
 平成5年分については、A土地の平成5年分の路線価に対するG土地の平成5年分の路線価の比率を求め、その比率をA土地の1平方メートル当たりの評価額とした4,900,000円に乗じて、426,000円と算出した。
C 本件土地の評価方法
 請求人は、原処分庁が本件土地の評価に当たり、土地及び土地の上に存する権利の評価についての調整率表(以下「調整率表」という。)を適用したことの適否は争わないが、原処分庁の評価方法には、次の違法がある。
(A)B土地及びC土地
 これらは、もともと一体の土地であり、C土地については過去の切り売りの結果、たまたま売れ残った土地であるから、これらの二つの土地を合わせて不整形地として評価すべきである。
(B)D土地
 D土地は、請求人が一室を所有するマンションの敷地で、居住用の貸室の用に供されていた居住用の非課税の土地であったが、平成4年分について原処分庁が課税時期に貸し付けていなかったことを理由として、自用地として評価したことは不当であり、貸宅地として評価すべきである。
(C)F土地
 本件工場の入口は1階以外にはなく、別個に賃貸のできない構造であり、今まで一階部分及び2階部分を一括して賃貸していたが、最近の不況で賃借人が見つからず、現在の賃借人に一階部分の賃料で一括して貸したものであり、F土地の本件工場に対応する土地のうち2階部分だけを自用地として評価するのは建物構造上無理があり不当であるから、1階部分及び2階部分の全部を貸家として評価すべきである。
(D)G土地
 G土地は、不整形な土地であり、原処分庁の蔭地割合の算定には問題があり、その評価は不当である。
(ニ)本件土地の地価税の課税価格に算入すべき価額について
 本件土地の平成4年分及び平成5年分の地価税の課税価格に算入すべき価額は、別表2のとおり算定されるべきである。
(ホ)地価税額について
 以上のことから、請求人に係る各年分の地価税の額は、次のとおりとするのが相当である。
平成4年分(1,600,785,960円-1,500,000,000円)×0.002=201,000円
平成5年分(1,552,337,535円-1,500,000,000円)×0.003=157,000円
ロ 本件賦課決定処分について
 以上のとおり、本件更正処分は違法であり、その一部を取り消すべきであるから、これに伴い本件賦課決定処分もその一部を取り消すべきである。
(2)原処分庁の主張
 原処分は、次の理由により適法であるから、審査請求を棄却するとの裁決を求める。
イ 本件更正処分について
(イ)地価税法に定める財産の評価について
A 地価税法23条は、土地等の価額は、特別に定める場合を除き、課税時期における時価によるべき旨を規定しており、この時価とは、課税時期における財産の状況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち、客観的な交換価額をいうものと解されている。
B しかし、財産の客観的な交換価額は、必ずしも一義的に確定されるものではないことから、課税実務上、特段の事情がある場合を除き、課税財産の評価の一般的基準としての評価基本通達の定めに基づく画一的な評価方式によって課税財産の評価を行うこととされている。
 この画一的な評価方式により評価することとされている趣旨は、課税財産の客観的な交換価額を個別に評価する方法を採ると、その評価方式や基礎資料の選択の仕方等により異なった評価額が生ずることが避けがたく、課税実務の迅速な処理が困難となるおそれがあること等からしてあらかじめ定められた評価方式により、これを画一的に評価する方が納税者間の公平、納税者の便宜、徴税費用の節減という見地からみても合理的であるという理由に基づくものと解されている。
C この評価基本通達において、市街地的形態を形成する地域にある宅地の価額は、路線価を基とし、その宅地の形状に応じて計算した金額によって評価することとされている。
 したがって、評価基本通達に基づき路線価が合理的に算定されている限り、これが形式的にすべての納税者に適用されることによって租税負担の実質的な公平をも実現できるものと解されていることから、評価基本通達に基づき算定した価額(以下「地価税評価額」という。)が課税時期におけるその土地の価額を上回っていると認められるような特別の事情がある場合を除き、特定の納税者についてのみ評価基本通達に定める方法以外の方式によってその評価を行うことは、納税者間の実質的租税負担の公平を欠くこととなり許されないと解されている。
(ロ)路線価について
 路線価は、毎年1月1日を基準日として、その年1年間適用されることを想定して売買実例価額、公示価格(地価公示法第6条《標準地の価格等の公示》の規定により公示された標準地(以下「公示地」という。)の1平方メートル当たりの価格をいう。以下同じ。)及び精通者意見価格等に基づいて評定されたものであるところ、地価税の課税時期は、地価税法第2条《定義》第4号で、その年の1月1日午前零時と規定されており、それ以降における地価の変動は、その年の地価税の課税価格になんら影響を及ぼすものではない。
 したがって、路線価が合理的に算定されていない旨の請求人の主張は、その前提を誤ったものであり、失当である。
(ハ)本件土地の評価方法について
A 原処分庁の調査によれば、次の事実が認められる。
(A)請求人が提出した本件申告書の記載によれば、本件土地のうち、F土地の2分の1である495.865平方メートル及びG土地は非課税の土地であり、これらを除いた本件土地の価額は、それぞれの土地の1平方メートル当たりの価額として記載された価格(以下「時価価格」といい、本件土地の時価価格を「本件時価価格という。)を基に算定されていること。
(B)本件土地の課税時期における利用状況等は次のとおりである。
a A土地及びE土地のそれぞれの土地上に存する請求人が所有する建物は、貸事務所として使用されていること。
b B土地は、北側及び東側が公道に接し、B土地上に存する建物H(以下「H」という。)の敷地として利用されており、請求人が同建物中に区分所有権を有する家屋番号Q市X町2番6の58の建物(以下「B建物」という。)は、貸事務所として使用されていること。
c C土地は、B土地の南西から西側の公道に接続する土地で、Hの利用者のほか、C土地の接する者の通行の用に供されていること。
d D土地上に存する請求人が所有する建物は、平成3年10月14日まではLに対する貸家として使用され、平成4年1月28日より株式会社Jの貸事務所として使用されていること。
e F土地上には、本件工場及びKビルが存し、それぞれの建物に係る敷地(以下「各敷地」という。)は明確に区分されていないこと。
f 本件工場の建築面積(建築物の外壁又はこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積をいう。以下同じ。)は272.50平方メートル、総床面積は545.00平方メートルで床面積は1階部分及び2階部分とも272.50平方メートルであること。
g 請求人と本件工場の賃借人であるMとが平成2年10月6日に作成した賃貸借契約書によれば、賃貸借物件は本件工場の1階部分である旨記載されていること。
 また、Mは、平成7年6月9日に原処分に係る調査担当者に対し、賃借は1階部分のみで、2階部分は空室となっている旨申述していること。
h Kビルの建築面積は277.35平方メートル、総床面積は1,269.02平方メートルで、1階部分及び2階部分の547.04平方メートルは貸事務所として使用されているが、3階部分ないし5階部分の721.98平方メートルは、貸家用建物に該当すること。
i G土地の請求人が所有する建物は、課税時期において請求人の取締役であったNの居住の用に供されていること。
(C)請求人は、本件異議担当職員に対し、次のとおり申述している。
a A土地の時価価格は1平方メートル当たり5,000,000円と算定したが、後に本件売買土地の本件売却希望価額がこれよりも安いことが判明したので、A土地の時価価格は正しいことを確信したこと。
b 本件売買土地は、A土地と同じ通りの西よりの空地で、平成4年5月29日に売買登記がなされているが、不動産業者の広告による売却希望価格は3.3平方メートル当たり16,200,000円であること。
c 本件時価価格は、A土地の時価価格を基に本件土地の路線価の格差で調整したものであること。
(D)本件異議担当職員は、請求人に対し、上記(C)のbについてその詳細を明確にするよう求めたところ、請求人は、(a)関係書類は保存しているが、裁判のことを考慮して見せられない、(b)この金額に減額するなら見せる、(c)税務署で確認すべきである旨申述したこと。
B 以上の事実を総合勘案すると、次のとおりである。
(A)A土地について
 上記Aの(C)及び(D)の事実によれば、請求人は、本件異議担当職員に対し、本件売買土地及び本件売却希望価額の根拠について詳細に申述せず、(a)本件売却希望価額より本件売買土地の売買価額が低額であることを前提としていること、(b)本件売買土地とA土地との形状等の差異による比較について、何ら考慮していないこと、(c)本件売買土地の売買登記がされたとする平成4年5月29日と課税時期である同年1月1日とで時点修正を行っているものの、その修正率が不明であること、(d)本件取引(本件売買土地の売買をいう。以下同じ。)に至る個別事情が不明であることなどを総合すれば、到底、本件売却希望価額が平成4年1月1日のA土地の時価として合理的とする理由は認められない。
 したがって、A土地の時価価格は妥当なものである旨の請求人の主張には理由がなく、また、請求人は、A土地の時価価格が1平方メートル当たり5,000,000円であることの算定根拠を明らかにせず、A土地以外の本件時価価格はこのA土地の時価価格を基に調整しているところ、本件時価価格は地価税法第23条に規定されている時価として合理的なものとは認められない。
 なお、請求人は、本件異議担当職員に本件取引について調査を要請したにもかかわらず、異議決定においてこのことが何ら触れられていない旨主張するが、上記Aの(C)及び(D)のとおり、請求人は、本件異議担当職員に対し、本件取引の詳細を申述する代わりに税務署で確認すべきであると申述したものであって、本件異議担当職員が本件取引について調査を要請されたものではなく、また、納税者から調査を要請されてもこれに答えなければならない法律上の規定はない上、異議審理手続及び異議決定の違法を理由として原処分の取消しを求めることはできないから、請求人の主張は失当である。
(B)B土地及びC土地について
 上記Aの(B)のb及びcの事実によれば、B土地はHの敷地としてHの利用者のみに利用されているが、C土地は、Hの利用者以外の通行の用にも供されていることが認められる上、C土地はB土地からのいわゆる裏道へ抜ける通路であって、C土地がなければB土地が利用できないものではないことから、B土地は、利用を異にするもので、一体不可分の関係にあるとはいえない。
 したがって、B土地は宅地として、C土地は私道としてそれぞれ区分して評価した上、その合計額をもって課税価格に算入すべき価額とするのが相当である。
(C)D土地について
 上記Aの(B)のdの事実によれば、D土地上に存する建物は、平成3年10月14日まで貸家用建物に該当していたことは認められるものの、平成4年1月1日現在においては使用されておらず、貸家用建物に該当しないこと、また、平成5年1月1日現在においては、貸事務所として使用されており、貸家用建物に該当しないことから、D土地は非課税の土地に該当しない。
(D)F土地について
 上記Aの(B)のeの事実によれば、F土地は、Kビル及び本件工場の各敷地の面積を明確に区分することができないことから、原処分庁は、各敷地を合理的に算定する方法として、それぞれの建物の建築面積に対応する部分を各敷地としたものである。
 ところで、上記(イ)のAで述べたとおり、時価とは、課税時期における財産の現況に応じた価額であるところ、上記のように算定した各敷地の面積に基づいて計算される建ぺい率又は容積率が建築基準法上の制限を超えるため、その制限の範囲内となるよう調整した敷地面積によって時価を算定すれば、その価額は、課税時期における財産の現況に応じたものとはならないから、Kビルの建ぺい率を根拠とする請求人の主張はその前提を誤ったものであり、失当である。
 また、上記Aの(B)のgのとおり、本件工場のうち現実に貸し付けられているのは1階部分のみであり、2階部分は貸し付けられていないことが認められるので、本件工場の2階部分のみを自用地評価するのは、建物構造上無理がある旨の請求人の主張には理由がない。
(E)G土地について
 原処分庁のG土地の評価方法は、G土地の形状を考慮した上で適正に算定しているから、請求人の主張には理由がない。
(ニ)本件土地の地価税の課税価格に算入すべき価額について
A 非課税となる土地について
 上記(ハ)のAの(B)のiのとおり、G土地は課税時期において請求人の役員の居住の用に供されていることから、地価税法第7条第2項の規定によって非課税とはならない。
 したがって、本件土地のうち非課税となるのは、F土地のうちKビルの敷地として利用されている部分(以下「Kビル敷地」という。)のみであり、上記(ハ)のAの(B)のhのとおり、Kビルは3階部分ないし5階部分の721.98平方メートルが貸家用建物に該当することから、地価税法第7条及び同法施行令第9条の規定によって、上記(ハ)のBの(D)に基づいて算定したKビル敷地500.24平方メートルのうち60パーセントが非課税となる。
B 課税の対象となる土地の価額について
(A)上記Aの非課税となる部分を除いた本件土地(以下「本件課税土地」という。)の地価税評価額は、別紙1に記載したとおりとなる。
(B)ところで、本件土地のそれぞれの土地の近隣に所在し、かつ、同一の用途地域(都市計画法第8条《地域地区》に規定する用途地域をいう。以下同じ。)にある国土利用計画法施行令第9条《基準地の標準価格》の規定により判定された標準地(以下「基準地」といい、基準地の1平方メートル当たりの標準価格を「基準価格」という。)又は公示地の基準価格等は次のとおりである。
a A土地、B土地及びC土地(以下「A土地等」という。)の近隣に所在し、かつ、同一の用途地域にある基準地は、Q市T町1丁目1番22号に所在する宅地(以下「甲基準地」という。)であり、甲基準地の基準価格(以下「甲基準価格」という。)は平成3年7月1日現在で14,500,000円、平成4年7月1日現在で12,600,000円及び平成5年7月1日現在で8,820,000円である。
b D土地及びE土地(以下「D土地等」という。)の近隣に所在し、かつ、同一の用途地域にある基準地は、Q市W町4番1外7筆に所在する宅地(以下「乙基準地」という。)及び同町35番4外1筆に所在する宅地(以下「丙基準地」という。)であり、乙基準地の基準価格(以下「乙基準価格」という。)は平成3年7月1日現在で8,600,000円、平成4年7月1日現在で7,500,000円及び平成5年7月1日現在で5,550,000円であり、丙基準地の基準価格(以下「丙基準価格」という。)は平成3年7月1日現在で6,380,000円、平成4年7月1日現在で5,190,000円及び平成5年7月1日現在で3,850,000円である。
c D土地等の近隣に所在し、かつ、同一の用途地域にある公示地は、Q市W町9番4に所在する宅地(以下「甲公示地」という。)であり、甲公示地の平成4年1月1日の公示価格(以下「甲公示価格」という。)は7,600,000円、平成5年1月1日のそれは5,400,000円である。
d F土地の近隣に所在し、かつ、同一の用途地域にある公示地は、P市R町1丁目8番7号に所在する宅地(以下「乙公示地」という。)であり、乙公示地の平成4年1月1日の公示価格(以下「乙公示価格」という。)は770,000円、平成5年1月1日のそれは599,000円である。
e G土地の近隣に所在し、かつ、同一の用途地域にある公示地は、P市R町4丁目2番13号に所在する宅地(以下「丙公示地」という。)であり、丙公示地の平成4年1月1日の公示価格(以下「丙公示価格」という。)は743,000円、平成5年1月1日のそれは572,000円である。
(C)上記基準地及び公示地を基に各年分の本件土地の価額を検証すると次のとおりである。
 A土地等の更地としての価額(貸家建付地等の減額をしないで算定した価額をいい、以下「更地価額」という。)は、甲基準価格に甲基準価格から求めた時点修正及び甲基準地とA土地等の更地としての地価税評価額(以下「更地評価額」という。)との比率を乗じて1平方メートル当たりのA土地等の更地価額を算出した後、A土地等の面積を乗ずると別表3―1の(7)欄に記載したとおり算出され、この価額は、同表の(8)欄に記載したA土地等の更地評価額を上回っている。
 同様に、乙基準価格及び丙基準価格を基としたD土地等の更地価額は、それぞれ別表3―2及び同3―3の(7)欄のとおり算出され、この価額は、別表3―2及び同3―3の(8)欄に記載したD土地等の更地評価額を上回っている。
 また、甲公示価格を基としたD土地等の更地価額は、甲公示価格に甲公示地とD土地等の更地評価額との比率を乗じて1平方メートル当たりのD土地等の更地価額を算出した後、D土地等の面積を乗ずると別表3―4の(7)欄に記載したとおり算出され、この価額は、同表の(8)欄に記載したD土地等の更地評価額を上回っている。
 同様に、F土地等の更地価額は乙公示価格を基に、また、G土地の更地価額は丙公示価格を基に、それぞれ別表3―5及び同3―6の(7)欄に記載したとおり算出され、この価額は、それぞれ別表3―5及び同3―6の(8)欄に記載したF土地及びG土地の更地評価額を上回っている。
 以上のとおり、本件課税土地の更地価額は、本件課税土地の更地評価額をいずれも上回っており、本件課税土地の地価税評価額が課税時期におけるその土地の価額を上回っていると認められるような特別な事情があるとは認められない。
 したがって、請求人の地価税の課税価格に算入すべき本件土地の価額は、別紙1に記載したとおりとなる。
(ホ)本件更正処分について
 以上のことに基づき、請求人の各年分の地価税の課税価格を計算すると、別表4の(1)欄に記載したとおり、平成4年分は2,409,043,931円、平成5年分は、1,769,182,961円となり、地価税の額は、同表の(5)欄に記載したとおり、平成4年分は1,818,000円、平成5年分は807,500円となるので、これらの金額の範囲内でした本件更正処分は適法である。
ロ 本件賦課決定処分について
 上記イの(ホ)のとおり、本件更正処分は適法であり、また、請求人の場合、国税通則法第65条《過少申告加算税》第4項に規定する「正当な理由があると認められるものがある場合」に該当しないので、同条第1項及び第2項の規定に基づいて本件賦課決定処分を行ったことは適法である。

3 判断
 本件審査請求の争点は、路線価が合理的に算定されているか否か並びに本件土地の評価方法及びその価額の多寡であるので、以下審理する。
(1)請求人の提出資料、原処分関係資料及び当審判所が調査したところによれば、次の事実が認められる。
イ 本件土地の詳細は別表1のとおりであり、また、本件土地の用途地域はA土地、B土地、C土地、D土地及びE土地が商業地域に、F土地が準工業地域に、G土地が住居地域に区分されること。
ロ 請求人は、平成4年分の地価税の申告に当たり、本件土地の価額を次のとおりとしたこと。
 A土地については、本件売買土地の本件売却希望価額及び自己の相場感を基に、1平方メートル当たり5,000,000円と評価した。
 B土地及びC土地については、1平方メートル当たりの価額を、上記A土地の価額と同額とした。
 D土地及びE土地については、A土地の路線価に対するそれぞれの土地の路線価の比率を求め、その比率を上記A土地の価額5,000,000円に乗じて、1平方メートル当たりの価額をそれぞれ4,500,000円、4,000,000円と算定した。
 F土地については、平成4年分の路線価が時価を上回っていると判断し、F土地の路線価を20%減じて1平方メートル当たり500,000円と評価した。
ハ 請求人は、平成5年分の地価税の申告に当たり、本件土地の価額を次のとおりとしたこと。
 A土地については、平成4年分の価額とした1平方メートル当たり5,000,000円から100,000円を減じて4,900,000円と評価した。
 B土地及びC土地については、上記A土地と同額とした。
 D土地、E土地及びF土地については、A土地の路線価に対するそれぞれの土地の路線価の比率を求め、その比率を上記A土地の価額4,900,000円に乗じて、1平方メートル当たりの価額を、それぞれ4,417,000円、3,564,000円、464,000円と評価した。
ニ 請求人は、請求人がA土地の平成5年分の1平方メートル当たりの価額を、平成4年分の5,000,000円から100,000円を減じて4,900,000円とした理由は、地価税の申告をしないことによって無申告者となりたくなかったからである旨答述していること。
ホ 原処分庁は、地価税評価額を本件土地の価額として、本件更正処分を行ったこと。
ヘ 各年分の課税時期における本件土地の利用状況等は、次のとおりであること。
(イ)A土地及びE土地は、それぞれ請求人が所有する建物の敷地に供されており、それらの建物は、事務所として貸し付けられている。
(ロ)B土地は、北側及び東側が公道に接し、Hの敷地に供されており、B建物は、事務所として貸し付けられている。
(ハ)C土地は、B土地の南西から西側の公道に接する土地で、Hの利用者のほかC土地に接する土地の使用者の用にも供されているいわゆる裏道へ抜ける私道(通路)である。
 また、C土地は、請求人が10,000分の113の持分を有する土地であるが、本件更正処分において、課税対象とされていなかった。
(ニ)D土地は、請求人が区分所有権を有する建物の敷地で、同建物は平成3年10月14日まで、個人に居住用として貸し付けられていたが、その後平成4年1月28日に事務所として貸し付けられるまでの間は空室であった。
(ホ)F土地上にはKビル及び本件工場が存し、それぞれの建物の配置は、概ね別紙2の図面のとおりであり、各敷地は明確に区分されていない。
(ヘ)本件工場に関する平成2年10月6日付及び平成4年11月(日付不記)の賃貸借契約書の記載並びに賃借人の申述によれば、賃貸借物件は本件工場の1階部分のみである。
 また、本件工場は2階建で、建築面積は272.50平方メートル、床面積は1階部分、2階部分ともそれぞれ272.50平方メートルであり、本件工場の2階部分は、中階段及び外階段により使用できる構造であるが、現状は空室である。
(ト)Kビルは5階建で、建築面積は277.35平方メートルである。同ビルの登記簿上の総床面積は1,269.02平方メートルで、1階部分及び2階部分を合わせた547.04平方メートルは、事務所として貸し付けられているが、3階部分ないし5階部分を合わせた721.98平方メートルは、居住用の家屋として貸し付けられ、貸家用建物に該当している。
(チ)G土地上の請求人が所有する建物は、請求人の取締役であったNの居住用として貸し付けられている。
 また、請求人は、各年分の地価税の申告の際、G土地を非課税土地として課税価格に含めなかった。
(2)路線価について
イ 請求人は、原処分庁が本件土地の評価の基礎とした路線価は、毎年1月1日現在の価額をもってその年1年間の評価額を決定しており、合理的に算定されていない旨主張するので、以下審理する。
(イ)地価税法第23条第1項において、土地等(国内にある土地及び借地権等をいう。以下同じ。)の価額は、地価税法第24条《地上権及び永小作権の評価》に定めるものを除き、課税時期における時価によるべき旨規定しており、この時価とは、課税時期におけるそれぞれの土地等の現況に応じ、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち客観的な交換価額をいうものと解されている。
(ロ)しかし、地価税の課税対象となる土地等は、位置、形状、建物の有無及び権利関係等において多種多様であり、(1)時価を客観的かつ適正に把握することは必ずしも容易ではないこと、(2)納税者間で土地等の評価が区々になることは課税の公平の観点からいえば好ましいことではないことから、課税庁における事務の統一性を図ることなどのため、課税庁は、土地等の時価の評価に関する原則及びその具体的評価方法を明らかにし、評価基本通達を定め、さらに、具体的に路線価を定めて、部内職員に示達するとともに、これらを公開することによって納税者の申告・納税の便に供していることが認められる。
 しかしながら、通達は上級行政庁の下級行政庁に対する命令であって法規たる性質を有さず、それ自体は納税者を拘束するものではなく、納税者は通達に示されている行政庁の解釈に当然に従わなければならないものではないことはいうまでもない。
(ハ)ところで、路線価は、売買実例価額の収集等技術的な理由から1年間適用されることとされており、平成4年分から、その1月1日を評価時点として、地価公示法に基づく公示価格、売買実例価額及び不動産鑑定士等の精通者意見価格等を基に、公示価格水準の価格の80パーセント程度により評定されている。
(ニ)上記のとおり、路線価は、毎年1月1日を基準日として、その年1年間適用されるものであるところ、地価税の課税時期は、地価税法第2条第4号において、その年の1月1日午前零時と規定されており、その時点の価格が評価されれば足りるのであり、その後の地価の変動は、その年の地価税の課税価格になんらの影響を及ぼすものではないので、この点に関する請求人の主張には理由がない。
ロ また、請求人は、路線価は評価時点である1月1日の半年以上前の地価を調査して決定している旨主張する。
 しかしながら、当審判所の調査によれば、路線価評定の基となる売買実例価額については、地価下落の状況を的確に反映したものとなるよう時点修正を行うなどしており、本件土地の評価の基礎とした路線価は、上記イの(ハ)と同様の方法により適正に評定されていると認められるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。
ハ さらに、請求人は、原処分庁が本件土地の評価の基礎とした路線価は、時価を上回り違法である旨主張するので、以下審理する。
(イ)請求人は、原処分庁がA土地の評価の基礎とした路線価が、時価を上回るものであるとする根拠として、自身の土地取引を見聞きしてきた経験及び本件売買土地の本件売却希望価額を挙げる。
(ロ)しかしながら、土地取引を見聞きしてきた経験に基づく相場感での土地の評価については、客観性・合理性の面から疑問があること、また、上記イの(イ)で述べたとおり、地価税法に規定されている時価とは、課税時期における客観的な交換価額であるから、場所も時点も異なる本件売買土地の本件売却希望価額をA土地の時価とすることは相当でない。
(ハ)一方、路線価は、上記イの(ハ)で述べたとおり、地価税の課税時期である1月1日を評価時点として、公示価格水準の価格の80パーセント程度に評定されている。
 この公示価格は、地価公示法第2条に規定する「正常な価格」を判定したものであり、この「正常な価格」とは、同条第2項において、土地について自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格である旨規定されており、一般の土地取引についての取引価額の指標、不動産鑑定士等の鑑定評価及び公共用地買取りの補償の規準とされるものであるところから、1月1日現在の客観的な交換価額を表しているものと解されている。
 また、他に公表されている土地の価格として、基準価格があるが、この価格は、国土利用計画法施行令第9条第2項において、土地について自由な取引が行われるとした場合におけるその取引において通常成立すると認められる価格とする旨規定されており、同条第3項において、基準価格の判定に当たっては、上記の公示価格を規準とするとされていることから、その年の7月1日現在の客観的な交換価額を表しているものと解するのが相当である。
 したがって、上記のとおり、公示価格、基準価格及び地価税法第23条に規定する時価は、共に自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格を指向しているものと解することができるから、公示価格及び基準価格を規準とした価格を、地価税法第23条に規定する時価を判断する上での一つの要素とすることは相当と認められる。
(ニ)そこで、当審判所が、本件土地と同一需給圏にあって、用途地域を同じくする基準地及び公示地を別表5―1及び同5―2のとおり抽出し、現地確認を行うとともに、基準価格については、時点修正を行い、当審判所においても相当と認める基準の一つである土地価格比準表(昭和50年1月20日付50国土地第4号国土庁土地局地価調査課長通達。以下同じ。)に準じて、別表6のとおり想定した本件土地の近隣地域に所在する標準的な画地(以下「標準的画地」という。)と当該基準地及び公示地との地域要因の比較を行い、当該基準地及び公示地に係る基準価格及び公示価格を基にして、当該標準的画地の価格(以下「標準的画地価格」という。)を試算すると次のとおりとなる。
A A土地、B土地及びC土地に係る標準的画地価格は、別表7―1に記載したとおり算定される。
 D土地に係る標準的画地価格は、別表7―2、同7―3及び同7―4に記載したとおり算定されるが、これらを平均し、平成4年分は8,033,156円、平成5年分は6,161,113円とした。
 E土地の標準的画地価格は、別表7―5、同7―6及び同7―7に記載したとおり算定されるが、これらを平均し、平成4年分は6,706,897円、平成5年分は5,147,191円とした。
 F土地及びG土地については、別表5―2に掲げる乙公示地及び丙公示地がそれぞれの近隣地域に所在する標準的画地と認められるので、F土地の近隣地域に所在する標準的画地価格は、乙公示価格と同額の平成4年分770,000円、平成5年分599,000円、G土地の近隣地域に所在する標準的画地価格は、丙公示価格と同額の平成4年分743,000円、平成5年分572,000円となる。
B 上記Aにより得られた各標準的画地価格を基に、各標準的画地と本件土地との個別的要因の比較を土地価格比準表を準用して、本件土地の更地価額を試算すると、別表8のとおりとなる。
(ホ)以上の結果、上記(ニ)のBのとおり試算した本件土地の更地価額と原処分庁が路線価を基に算出した本件土地の更地価額を比較すると別表9のとおりとなり、いずれの価額も前者が後者を上回っていることから、原処分庁の算出した本件土地の地価税評価額が本件土地の課税時期における時価を上回っているとは認められない。したがって、原処分庁が本件土地の価額を地価税評価額としたことに違法は認められない。
 そうすると、原処分庁が本件土地の評価の基とした路線価が時価を上回っているとする請求人の主張には理由がない。
(3)本件土地の評価方法について
イ 請求人は、上記2の(1)のイの(ハ)のBに記載した価額が本各土地の1平方メートル当たりの価額である旨主張するので、以下審理する。
(イ)一般に、不動産の評価方法として、取引事例の価額から評価対象地の価格を比準する取引事例比較法を用いることは、その実証性に照らし合理的であると認められるものの、この取引事例比較法による対象不動産の価格の算出を合理的ならしめるには、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考慮することが必要であり、それとともに、対象不動産の価格時点を明らかにすることが不可欠である。
(ロ)ところが、請求人の評価した1平方メートル当たりの価額は、(a)時点修正がなされていないこと、(b)多数の取引事例を収集することなく、唯一つの取引事例を根拠としていること、(c)個別事情等の考慮がなされていないこと、また、(d)減額のための数値の根拠が自己の相場感のみであること等本件土地の価額が合理的かつ適正に算定されたものと判断することは到底できない。
(ハ)一方、原処分庁は、本件土地の価額を平成4年分及び平成5年分の路線価を基に評価基本通達に定める各種補正等を行って算定しているところ、上記(2)のイで述べたとおり、路線価は、合理的に算出されたものであり、また、上記(2)のハで述べたとおり、原処分庁が本件土地の評価の基礎とした路線価が、時価を上回っているとは認められないので、原処分庁の評価方法は相当と認められる。
 ただし、当審判所の調査したところによれば、原処分庁がB土地の平成4年分の価額の算定の基とした側方路線価は6,570,000円が正しいところ、7,110,000円とした誤りがあることが認められるから、これを訂正して算定し直した38,053,016円を平成4年分のB土地の価額とするのが相当である。
(ニ)以上のとおり、請求人の本件土地の評価額は、合理的かつ適正に算定されたものと判断することはできず、一方、路線価を基に評価基本通達を適用して算定された原処分庁の評価額は上記(ハ)のただし書部分を除き相当と認められるので、この点に関する請求人の主張には理由がない。
(ホ)なお、請求人は、本件異議担当職員にA土地の近隣の土地取引について調査を要請したにもかかわらず、異議決定書において何ら回答がされていない旨主張するが、納税者からの調査要請に対し、回答しなければならない法令上の規定はなく、また、異議審理手続及び異議決定の違法又は不当は、原処分の取消事由に当たらないから、この点に関する請求人の主張には理由がない。
ロ 次に、請求人は、F土地の2分の1は非課税である旨主張するので、以下審理する。
(イ)請求人は、F土地のうち地価税法第7条第2項第2号の規定により非課税となる部分は、Kビルの3階部分ないし5階部分の床面積をKビルの総床面積と本件工場の総床面積の合計で除して求めた割合をF土地の面積に乗じたものであり、その割合は0.449となるが、同法施行令第11条で準用する同法施行令第9条第2項第2号の規定により100分50のとなる旨主張する。
 ところで、地価税法第7条第2項によれば、個人又は法人が有する建物が、その一部を他人の居住の用に供している貸家用建物の場合、当該貸家用建物の用に供されている土地等のうち当該他人の居住の用に供している部分として政令で定める部分は地価税を課さない旨規定している。
 また、同法施行令第9条第1項において、上記政令で定める部分は、居住用建物の用に供されている土地等のうち、当該土地等の面積に当該居住用建物の床面積のうちに当該居住用建物の居住の用に供している部分の床面積の占める割合を乗じて計算した面積に係る土地等の価額に相当する部分とする旨規定している。
 これをF土地についてみると、非課税となる部分は、F土地のうち貸家用建物であるKビルの敷地の用に供されている面積に、Kビルの総床面積のうちにKビルのうち居住の用に供している3階部分ないし5階部分の床面積の占める割合(以下「Kビルの居住面積割合」という。)を乗じて計算した面積に係る土地の価額に相当する部分となる。
 そうすると、まず、F土地のうちKビル敷地部分を判定する必要があるところ、請求人は、各敷地が明確に区分されていないことから、F土地の面積に、Kビル及び本件工場の総床面積の合計のうちにKビルのうち居住の用に供している3階部分ないし5階部分の床面積の占める割合を乗じて非課税部分を算出する計算方法によっており、この方法は各敷地を区分することなしに非課税部分を算定していること、及びこの方法によれば建築面積が同じであっても、階数が多いことにより総床面積が多くなる建物の敷地の面積の方が、他の建物の敷地の面積よりも多く算出され、極端な場合には他の建物の敷地の面積が当該建物の建築面積を下回るという不合理も生ずることから相当ではない。
 一方、原処分庁は、F土地に係る各敷地が明確に区分されていないという現況にかんがみ、Kビルの建築面積がKビル及び本件工場の建築面積の合計面積に占める割合を算出し、その割合をF土地の面積に乗じ、Kビル敷地部分の面積を算定した上で、この面積にKビルの居住面積割合を乗じる方法により、非課税部分の面積を算出したものであり、この方法は各敷地を合理的に区分した上で、Kビル敷地に係る非課税部分を算定したものとなっており、相当なものと認められる。
 したがって、この点に関する請求人の主張には、理由がない。
(ロ)請求人は、原処分庁の計算のように各敷地を区分すると、Kビルは、建築基準法による建ぺい率60パーセント及び容積率200パーセントを超える違法な建物となり適当でない旨主張する。
 しかしながら、建築基準法第52条《延べ面積の敷地面積に対する割合》及び同法第53条《建築面積の敷地面積に対する割合》においては、同一敷地内に二以上の建築物がある場合、その建築物の延べ面積あるいは建築面積の合計の敷地面積に対する割合を算定することとされており、F土地の場合はKビルの敷地及び本件工場の敷地に対する割合を個別に算定するのではなく、F土地全体を一つの敷地として、建築基準法第52条及び同法第53条の割合を算定するものである。また、原処分庁が算定したKビル敷地の面積は、地価税法第7条第2項の適用を受ける部分を特定するために算定したものであり、建築基準法第52条及び同法第53条に規定する敷地面積とは別異なものである。
 したがって、この点に関する請求人の主張には、理由がない。
(ハ)ところで、請求人は、Kビルの建築設計上の総床面積は、1,389.138平方メートルで、3階部分ないし5階部分の床面積は、869.504平方メートルとなっており、これらが実際の床面積であるとして、Kビル敷地の非課税部分の面積を算定する基礎としている。
 しかしながら、請求人から提出された書面では、上記(1)のヘの(ト)のとおり1階部分及び2階部分には住居部分がないにもかかわらず、それがあるとされていること及び3階部分ないし5階部分には階段等共用部分の存在が考えられるが、共用部分がないとされていることから、この書面が正しい床面積及び利用状況を示しているとは認められないので、請求人の主張するこれらの床面積は採用できない。
ハ 請求人は、B土地及びC土地はもともと一体の土地であり、両土地を合わせて不整形地として評価すべき旨主張する。
 しかしながら、両土地の利用状況は、上記(1)のヘの(ロ)のとおりであり、B土地はC土地がなければ利用することができないというものではなく、両土地は一体不可分のものとは言い難いことから、その利用状況に照らし、B土地は宅地、C土地は私道として区分して評価するのが相当と認められる。
 したがって、この点に関する請求人の主張には、理由がない。
ニ 請求人は、D土地は居住の用に供されていた居住用の非課税の土地であり、原処分庁が課税時期に貸し付けていなかったことを理由として、自用地として評価したことは不当であり、貸宅地として評価すべきである旨主張する。
 しかしながら、地価税法第7条第2項に規定する他人の居住の用に供されている土地等に該当するかどうかは、その年の課税時期における状況により判定するものと解されているところ、上記(1)のヘの(ニ)のとおり、D土地上に存する建物は、平成4年1月1日現在においては賃貸の対象となっておらず、D土地は他人の居住の用に供されていなかったものとして、原処分庁が平成4年分につき自用地として評価したことは相当と認められる。
 したがって、この点に関する請求人の主張には、理由がない。
ホ 請求人は、F土地のうち本件工場の2階部分に対応する部分だけを自用地として評価するのは建物構造上不当である旨主張する。
 しかしながら、上記(1)のヘの(ヘ)のとおり、本件工場の2階部分は賃貸されておらず、また、外階段が設置されていることから、原処分庁が本件工場の2階部分に対応する土地を自用地として評価したことは相当と認められる。
 したがって、この点に関する請求人の主張には、理由がない。
ヘ 請求人は、原処分庁がしたG土地の蔭地割合の算定には問題があり、その評価は不当である旨主張する。
 しかしながら、当審判所の計算においても、G土地の蔭地割合は次のとおり39%となり、請求人及び原処分庁の間で争いのない調整率表を適用して、原処分庁が不整形地補正率を0.94としたことに誤りはない。
 したがって、この点に関する請求人の主張には、理由がない。
{(G土地の想定整形地の面積)-(G土地の面積)}÷(G土地の想定整形地の面積)={(11.4m×16.2m)-111.74平方メートル}÷((間口)11.4m×(奥行)16.2m)=0.39
(4)本件更正処分について
 以上のとおり、請求人の主張にはいずれも理由がなく、本件土地の価額は地価税評価額とするのが相当であるから、本件土地の各年分の地価税評価額を求め、各年分の地価税の課税価格及び地価税の額を算出すると、別表10に記載のとおりとなり、各年分の地価税の額は、いずれも異議決定を経た後の更正処分に係る地価税の額を上回るから、本件更正処分は適法である。
(5)本件賦課決定処分について
 上記(4)のとおり、本件更正処分は適法であり、また、本件更正処分により納付すべき税額の計算の基礎となった事実が更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、国税通則法第65条第4項に規定する正当な理由があるとは認められないから、同条第1項及び第2項の規定を適用して過少申告加算税の賦課決定をした本件賦課決定処分は適法である。
(6)その他
 原処分のその他の部分については、請求人は争わず、当審判所に提出された証拠資料等によっても、これを不相当とする理由は認められない。

別表1 本件土地の明細
別表2 請求人が主張する地価税の課税価格に算入すべき本件土地の価額
別表3―1甲基準地に基づくA土地等の更地価額
別表3―2乙基準地に基づくD土地等の更地価額
別表3―3 丙基準地に基づくD土地等の更地価額
別表3―4 甲公示地に基づくD土地等の更地価額
別表3―5 乙公示地に基づく課税対象となるF土地の更地価額
別表3―6 丙公示地に基づくG土地の更地価額
別表4 原処分庁が主張する各年分の地価税の課税価格及び税額
別表5―1 当審判所が抽出した基準地
別表5―2 当審判所が抽出した公示地
別表6 本件土地の近隣地域内に想定した標準的画地
別表7―1 標準的画地価格の試算表
別表7―2 標準的画地価格の試算表
別表7―3 標準的画地価格の試算表
別表7―4 標準的画地価格の試算表
別表7―5 標準的画地価格の試算表
別表7―6 標準的画地価格の試算表
別表7―7 標準的画地価格の試算表
別表8 本件土地の試算価格と地価税評価額との比較表(更地価額ベース)
別表9 本件土地の試算価格と地価税評価額との比較表(更地価額ベース)
別表10 本件土地の地価税評価額並びに地価税の課税価格及び税額














































別紙1 原処分庁が主張する地価税の課税価格に算入すべき本件土地の価額

1 A土地
(1)平成4年分
7,110,000円(正面路線価)×0.98(奥行価格補正率)=6,967,800円
6,967,800円+6,720,000円(側方路線価)×0.93(奥行価格補正率)×0.1(側方路線影響加算率)×(9.6m)÷(14.4m)=7,384,440円
7,384,440円×0.99(不整形地補正率)=7,310,595円(1平方メートル当たりの評価額)
7,310,595円(1平方メートル当たりの評価額)×327.32平方メートル(面積)=2,392,903,955円(自用地の評価額)
2,392,903,955円(自用地の評価額)×(1-0.8(借地権割合)×0.3(借家権割合))=1,818,607,005円
(2)平成5年分
5,170,000円(正面路線価)×0.98(奥行価格補正率)=5,066,600円
5,066,600円+5,190,000円(側方路線価)×0.93(奥行価格補正率)×0.1(側方路線影響加算率)×(9.6m)÷(14.4m)=5,388,380円
5,388,380円×0.99(不整形地補正率)=5,334,496円(1平方メートル当たりの評価額)
5,334,496円(1平方メートル当たりの評価額)×327.32平方メートル(面積)=1,746,087,230円(自用地の評価額)
1,746,087,230円(自用地の評価額)×(1-0.8(借地権割合)×0.3(借家権割合))=1,327,026,294円

2 B土地
(1)平成4年分
6,680,000円(正面路線価)×0.97(奥行価格補正率)=6,479,600円
6,479,600円+7,110,000円(側方路線価)×0.88(奥行価格補正率)×0.1(側方路線影響加算率)×(16.2m)÷(22.8m)=6,924,162円
6,924,162円×0.99(不整形地補正率)=6,854,920円(1平方メートル当たりの評価額)
6,854,920円(1平方メートル当たりの評価額)×7.34平方メートル(面積)=50,315,112円(自用地の評価額)
50,315,112円(自用地の評価額)×(1-0.8(借地権割合)×0.3(借家権割合))=38,239,485円
(2)平成5年分
4,980,000円(正面路線価)×0.97(奥行価格補正率)=4,830,600円
4,830,600円+5,070,000円(側方路線価)×0.88(奥行価格補正率)×0.1(側方路線影響加算率)×(16.2m)÷(22.8m)=5,147,608円
5,147,608円×0.99(不整形地補正率)=5,096,131円(1平方メートル当たりの評価額)
5,096,131円(1平方メートル当たりの評価額)×7.34平方メートル(面積)=37,405,601円(自用地の評価額)
37,405,601円(自用地の評価額)×(1-0.8(借地権割合)×0.3(借家権割合))=28,428,256円

3 C土地
(1)平成4年分
6,520,000円(正面路線価)×0.97(奥行価格補正率)=6,324,400円
6,324,400円×(0.85(間口狭小補正率)×0.9(奥行長大補正率))=4,806,544円
4,806,544円×0.6(私道評価割合)=2,883,926円(1平方メートル当たりの評価額)
2,883,926円(1平方メートル当たりの評価額)×0.41平方メートル(面積)=1,182,409円(自用地の評価額)
1,182,409円(自用地の評価額)×(1-0.8(借地権割合)×0.3(借家権割合))=898,630円
(2)平成5年分
4,830,000円(正面路線価)×0.97(奥行価格補正率)=4,685,100円
4,685,100円×(0.85(間口狭小補正率)×0.9(奥行長大補正率))=3,560,676円
3,560,676円×0.6(私道評価割合)=2,136,405円(1平方メートル当たりの評価額)
2,136,405円(1平方メートル当たりの評価額)×0.41平方メートル(面積)=875,926円(自用地の評価額)
875,926円(自用地の評価額)×(1-0.8(借地権割合)×0.3(借家権割合))=665,703円

4 D土地
(1)平成4年分
6,380,000円(正面路線価)×0.89(奥行価格補正率)=5,678,200円
5,678,200円+4,720,000円(裏面路線価)×0.91(奥行価格補正率)×0.05(二方路線影響加算率)=5,892,960円
5,892,960円×1.00(間口狭小補正率)×0.98(奥行長大補正率)=5,775,100円(1平方メートル当たりの評価額)
5,775,100円(1平方メートル当たりの評価額)×11.77平方メートル(面積)=67,972,927円
(2)平成5年分
4,660,000円(正面路線価)×0.89(奥行価格補正率)=4,147,400円
4,147,400円+3,470,000円(裏面路線価)×0.91(奥行価格補正率)×0.05(二方路線影響加算率)=4,305,285円
4,305,285円×1.00(間口狭小補正率)×0.98(奥行長大補正率)=4,219,179円(1平方メートル当たりの評価額)
4,219,179円(1平方メートル当たりの評価額)×11.77平方メートル(面積)=49,659,736円(自用地の評価額)
49,659,736円(自用地の評価額)×(1-0.7(借地権割合)×0.3(借家権割合))=39,231,191円

5 E土地
(1)平成4年分
5,190,000円(正面路線価)×0.93(奥行価格補正率)=4,826,700円
4,826,700円+3,870,000円(側方路線価)×0.99(奥行価格補正率)×0.08(側方路線影響加算率)×(17.4m)÷(36.6m)=4,972,415円
4,972,415円+4,030,000円(裏面路線価)×0.91(奥行価格補正率)×0.05(二方路線影響加算率)×(9.9m)÷(19.2m)=5,066,962円
5,066,962円×0.97(不整形地補正率)=4,914,953円(1平方メートル当たりの評価額)
4,914,953円(1平方メートル当たりの評価額)×9.66平方メートル(面積)=47,478,445円(自用地の評価額)
47,478,445円(自用地の評価額)×(1-0.7(借地権割合)×0.3(借家権割合))=37,507,971円
(2)平成5年分
3,760,000円(正面路線価)×0.93(奥行価格補正率)=3,496,800円
3,496,800円+2,810,000円(側方路線価)×0.99(奥行価格補正率)×0.08(側方路線影響加算率)×(17.4m)÷(36.6m)=3,602,603円
3,602,603円+2,870,000円(裏面路線価)×0.91(奥行価格補正率)×0.05(二方路線影響加算率)×(9.9m)÷(19.2m)=3,669,935円
3,669,935円×0.97(不整形地補正率)=3,559,836円(1平方メートル当たりの評価額)
3,559,836円(1平方メートル当たりの評価額)×9.66平方メートル(面積)=34,388,015円(自用地の評価額)
34,388,015円(自用地の評価額)×(1-0.7(借地権割合)×0.3(借家権割合))=27,166,531円

6 F土地
(1)平成4年分
イ 1平方メートル当たりの評価額
630,000円(正面路線価)×1.00(奥行価格補正率)=630,000円
630,000円+600,000円(側方路線価)×1.00(奥行価格補正率)×0.05(側方路線影響加算率)×(10.0m)÷(32.7m)=639,174円
639,174円×0.99(不整形地補正率)=632,782円
ロ Kビル敷地
632,782円(1平方メートル当たりの評価額)×500.24平方メートル(課税対象面積)×40%=126,617,147円(自用地の評価額)
126,617,147円(自用地の評価額)×(1-0.6(借地権割合)×0.3(借家権割合))=103,826,060円
ハ 本件工場に係る敷地のうち1階対応部分
632,782円(1平方メートル当たりの評価額)×491.49平方メートル(面積)×(272.50平方メートル)÷(545.00平方メートル)=155,503,012円(自用地の評価額)
155,503,012円(自用地の評価額)×(1-0.6(借地権割合)×0.3(借家権割合))=127,512,469円
ニ 本件工場に係る敷地のうち2階対応部分
632,782円(1平方メートル当たりの評価額)×491.49平方メートル(面積)×(272.50平方メートル)÷(545.00平方メートル)=155,503,012円
(2)平成5年分
イ 1平方メートル当たりの評価額
490,000円(正面路線価)×1.00(奥行価格補正率)=490,000円
490,000円+470,000円(側方路線価)×1.00(奥行価格補正率)×0.05(側方路線影響加算率)×(10.0m)÷(32.7m)=497,186円
497,186円×0.99(不整形地補正率)=492,214円
ロ Kビル敷地
492,214円(1平方メートル当たりの評価額)×500.24平方メートル×40%(課税対象面積)=98,490,052円(自用地の評価額)
98,490,052円(自用地の評価額)×(1-0.6(借地権割合)×0.3(借家権割合))=80,761,842円
ハ 本件工場に係る敷地のうち1階対応部分
492,214円(1平方メートル当たりの評価額)×491.49平方メートル(面積)×(272.50平方メートル)÷(545.00平方メートル)=120,959,129円(自用地の評価額)
120,959,129円(自用地の評価額)×(1-0.6(借地権割合)×0.3(借家権割合))=99,186,485円
ニ 本件工場に係る敷地のうち2階対応部分
492,214円(1平方メートル当たりの評価額)×491.49平方メートル(面積)×(272.50平方メートル)÷(545.00平方メートル)=120,959,129円

7 G土地
(1)平成4年分
580,000円(正面路線価)×1.00(奥行価格補正率)=580,000円
580,000円×(0.97(間口狭小補正率)×0.94(不整形地補正率))=527,800円(1平方メートル当たりの評価額)
527,800円(1平方メートル当たりの評価額)×111.74平方メートル(面積)=58,976,372円
(2)平成5年分
450,000円(正面路線価)×1.00(奥行価格補正率)=450,000円
450,000円×(0.97(間口狭小補正率)×0.94(不整形地補正率))=409,500円(1平方メートル当たりの評価額)
409,500円(1平方メートル当たりの評価額)×111.74平方メートル(面積)=45,757,530円

別紙2 F土地におけるKビル及び本件工場の配置


当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索