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資料2005年01月12日 【税務通達等】 質疑応答事例(法人税)交換等

(交換等)
1 圧縮記帳積立金の取崩しと償却超過額等
2 保険差益の圧縮記帳と特定資産の買換えによる圧縮記帳との関係
3 保険差益の圧縮記帳における滅失経費の範囲
4 盗難により支払を受けた保険金に係る保険差益の圧縮記帳
5 交換と売買とが併せて行われた場合の取扱い
6 圧縮記帳の対象となる交換の範囲
7 底地同士を交換する場合の交換の圧縮記帳
8 借地権と底地との交換に伴う圧縮記帳
9 交換により取得した土地の圧縮記帳の可否について
10 複数の土地と複数の土地とを交換した場合の圧縮記帳

圧縮記帳積立金の取崩しと償却超過額等


【 照会要旨】
 当社は、当期に取得した建物につき租税特別措置法第65条の7((特定資産の買換えの場合の課税の特例))の規定の適用を受けようと考えていますが、次のような場合、それぞれ次のように取り扱うことができると解して差し支えありませんか。
1  圧縮記帳積立金の取崩しと償却超過額
 買換資産である減価償却資産の圧縮額を利益処分により目的積立金として積み立て、圧縮前の取得価額に基づく減価償却費を損金算入する場合において、圧縮額から償却超過額相当額を控除した残額を積立金として表示したときは、圧縮額とすべき金額を申告減算することができますか(この場合には、控除額相当額を積立金取崩額として益金算入し、償却超過額を損金算入することとなります。)。
 例えば、圧縮記帳積立額1,000、償却超過額100のときは、会計処理は次のように行い、決算書上は積立金の繰入額は900と表示します。

2  特別勘定に経理する場合の表示
 譲渡事業年度において利益処分により特別勘定を設ける場合、その表示を圧縮(記帳)積立金とし、買換資産等の取得年度における会計処理は同積立金の取崩し及び積立てを行いますが、決算書上は両者を相殺して特に表示しないこととします。
 この場合、特別勘定の益金算入と利益処分による目的積立金積立額の損金算入があったものとして取り扱うことはできますか。

【 回答要旨】
 損金経理等の会計処理が税務上正しく行われていることを前提として、相殺表示等した旨を決算書の脚注又は申告書別表等において明らかにしている場合には、これらの処理が認められることになります。
 また、損金経理により引当金勘定に繰り入れた場合も同様です。

( 理 由)
 専ら決算書における表示の問題ですから、税務が予定している正しい会計処理が行われ、かつ、相殺表示等をした旨を決算書の脚注又は申告書別表等において明らかにし、法人の損金経理等を行う意思が確認できる場合には、この処理を認めることが相当と考えられます。
(注)
1  圧縮(記帳)積立金の全部又は一部を取り崩して益金の額に算入した場合において、その対象となった減価償却資産の償却超過額があるときは、当該超過額は損金の額に算入することとされています(法人税基本通達10-1-3、租税特別措置法関係通達(法人税編)64~65の14(共)-1)。
 この取扱いは、圧縮(記帳)積立金の設定年度後の年度における取崩しを想定しているものと考えられ、その設定年度において取崩しがあった場合も同様に取り扱うことが相当と考えられます。
2  申告書別表四、五の記載は、次のとおりとなります。

( 照会事項1)

《 別表四》

《 別表五(一)》

( 照会事項2)

1  特別勘定の経理年度

《 別表四》

《 別表五(一)》

2  圧縮記帳年度

《 別表四》

《 別表五(一)》

【 関係法令通達】
 法人税基本通達10-1-3
 租税特別措置法関係通達(法人税編)64~65の14(共)-1

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

保険差益の圧縮記帳と特定資産の買換えによる圧縮記帳との関係


【 照会要旨】
 建物が火災により滅失して保険金を取得しましたが、これとは別に特定資産を譲渡して対価を得た場合、新たに建設した同一の建物について、その取得価額の一部を法人税法第47条第1項((保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入))に規定する代替資産(以下「代替資産」といいます。)の取得価額とし、他の部分を租税特別措置法第65条の7第1項((特定の資産の買換えの場合の課税の特例))に規定する買換資産(以下「買換資産」といいます。)の取得価額として、これらの規定による圧縮記帳をして差し支えありませんか。
 なお、圧縮記帳適用上の他の要件は満たしています。

【 回答要旨】
 差し支えありません。

( 理 由)
 現行法上は、同一資産について、法人税法第47条の圧縮記帳制度と租税特別措置法第65条の7の圧縮記帳制度の重複適用を排除する規定は定められていません。したがって、取得した資産が、代替資産及び買換資産のいずれにも該当するものである限り、その価額を区分して、それぞれについて圧縮記帳の対象にすることが認められるものと考えられます。

【 関係法令通達】
 法人税法第47条
 租税特別措置法第65条の7

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

保険差益の圧縮記帳における滅失経費の範囲


【 照会要旨】
 船舶沈没に係る保険差益について法人税法第47条第1項((保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入))の規定を適用する場合において、乗組員捜索のためにチャーターした船の用船料(船主責任相互保険により補てんされる部分を除きます。)は、その圧縮限度額の計算上、滅失経費として保険金から控除すべきでしょうか。

【 回答要旨】
 船体の滅失に直接関連して支出される経費ではありませんから、滅失経費に該当しません。

(参 考)

【 関係法令通達】
 法人税法第47条第1項
 法人税法施行令第85条第1項第1号
 法人税基本通達10-5-5

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

盗難により支払を受けた保険金に係る保険差益の圧縮記帳


【 照会要旨】
 A商事(株)は、自動車の盗難により損失が生じましたが、同社は自動車保険に加入していたため、損保会社から保険金の支払を受けました。この保険金をもって自動車を取得した場合、法人税法第47条第1項((保険金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入))の規定の適用が認められますか。

【 回答要旨】
 認められます。

( 理 由)
 法人税法第47条第1項の「固定資産の滅失」には、固定資産の盗難による滅失も含まれます。

【 関係法令通達】
 法人税法第47条第1項

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

交換と売買とが併せて行われた場合の取扱い


【 照会要旨】
 建物とその敷地の用に供されている土地(宅地)を固定資産として20年間保有しているA法人が、土地(宅地)を固定資産として5年間保有しているB法人との間で、土地については交換契約を、建物については売買契約をそれぞれ締結しました。
①  この場合、税務上も交換は交換、売買は売買として取り扱われるものと解して差し支えありませんか(法人税基本通達10-6-5((資産の一部を交換とし他の部分を譲渡とした場合の交換の特例の適用))の取扱いの適用はないと解して差し支えありませんか。)。
②  また、①のように解することができる場合、A法人が、新たな建物の取得をし、かつ、当該取得の日から1年以内に当該新たな建物を事業の用に供する見込みであるときは、譲渡した建物を譲渡資産とし、当該新たな建物を買換資産として租税特別措置法第65条の7((特定資産の買換えの場合の課税の特例))の規定を適用することができますか。

【 回答要旨】
①  それぞれの土地、建物の価額が適正である限り、照会意見のとおりと解して差し支えありません。
 ただし、時価の異なる土地の交換について、これを等価交換として仮装するために別個の契約としたような場合には、適正な価額に基づいて計算し直すことになります。
 なお、法人税基本通達10-6-5の取扱いは、一体となって同じ効用を有する同種の資産について適用があるものであり、本件の場合は異なる種類の資産(土地と建物)であるため、同通達の適用はありません。
②  租税特別措置法第65条の7第1項の表の第22号の規定は、建物のみを譲渡した場合にも適用することができます。

【 関係法令通達】
 法人税法第50条
 租税特別措置法第65条の7第1項
 法人税基本通達10-6-4、10-6-5

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

圧縮記帳の対象となる交換の範囲


【 照会要旨】
 A社は、その所有する土地、建物(住宅)を他の法人の所有する土地、建物(住宅)と交換し、双方ともその交換後直ちに住宅を取り壊して店舗用建物を新築することとしています。
 この場合の交換は、土地の利用を目的とするものですから、土地の交換として法人税法第50条((交換の場合の圧縮記帳))の適用がありますか。
 なお、交換差金の額は、土地については20%以下、建物については20%超、土地、建物の合計については20%以下となっています。また、いずれも交換のために取得したものではありません。

【 回答要旨】
 法人が2以上の種類の固定資産を交換した場合、例えば、土地及び建物と土地及び建物とを交換したときには、税務上は、土地は土地と建物は建物とそれぞれ交換したものとされます(法人税基本通達10-6-4)。
 したがって、土地及び建物と土地及び建物との交換が行われた場合、たとえ交換後当該建物を取り壊すこととしていても、交換に当たり当事者が当該建物を時価評価して交換の対象にしているのであれば、税法上は、土地と土地、建物と建物の2つの交換が行われたものとして扱わざるを得ません。
 照会の場合は、土地については交換差金の額が取得資産の価額又は譲渡資産の価額のいずれか多い金額の20%以下であることから法人税法第50条の規定の適用がありますが、建物については交換差金の額が20%超であることから同条の規定の適用を受けることはできません。
 なお、仮に建物に係る交換差金の額が20%以下であったとしても、本件の場合には、建物を譲渡の直前の用途と同一の用途に供しない(取り壊す)ため、同条の規定の適用を受けることはできません。
 また、交換後の建物の取壊し損失は、圧縮記帳後の土地の取得価額に加算することとなります(法人税基本通達7-3-6)。

【 関係法令通達】
 法人税法第50条
 法人税基本通達7-3-6、10-6-4


注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

底地同士を交換する場合の交換の圧縮記帳


【 照会要旨】


 上図のような状況にあるA地の底地部分とB地を交換するが、B地は引き続きX社が賃借することが前提となっています。
 この場合、B地について底地評価し、当該評価額がA地の底地評価額と等しければ、等価交換として、X社においては法人税法第50条((交換により取得した資産の圧縮額の損金算入))の規定、Y(個人)においては所得税法第58条((固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例))の規定による圧縮記帳が認められますか。
 なお、A地とB地とは、更地価格においてはほぼ等価であり、借地権割合もほぼ同じ地域に存します。また、圧縮記帳のための他の要件はすべて満たしています。

【 回答要旨】
 B地は、X社の使用権(交換後は借地権に転化する。)を留保して交換に供されるものですから、その交換価値は底地としての評価額によって差し支えありません。したがって、A地の底地評価額とB地の底地としての評価額が、B地における交換後の借地条件等からみて等しいと認められる限り、等価交換として認められます。
 なお、B地における底地の譲渡原価は、B地の帳簿価額に底地割合を乗じて計算した金額とし、残額はB地における借地権の帳簿価額として付け替わることとなります。

【 関係法令通達】
 法人税法第50条
 所得税法第58条

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

借地権と底地との交換に伴う圧縮記帳


【 照会要旨】
 A社は、B組合所有の土地を賃借していましたが、借地期限の満了に伴って立退要求を受け、紛争となっていました。
 この度、両者で次のように和解が成立しました。
①  A社は、借地の一部(この部分の借地権時価を32,000千円と評価)を返還し、B組合は、残りの借地に係る土地(この部分の底地時価を27,000千円と評価)の所有権を同社に与える。
②  これに伴い、差金としてB組合はA社に対し5,000千円を支払う。

 A社では、これについて、法人税法第50条((交換により取得した資産の圧縮額の損金算入))の規定による圧縮記帳の適用を受けたいと考えていますが、認められるでしょうか。

【 回答要旨】
 法人税法第50条の規定による圧縮記帳の対象となる土地の範囲には、土地のほか、建物又は構築物の所有を目的とする地上権及び賃借権(借地権)が含まれています。 
 借地権者が地主に借地権を返還し、その対価として地主から当該借地権に係る土地の一部を取得した場合には、借地権のうち当該取得した土地に係る部分以外の部分と、当該取得した土地のうち底地部分とを交換したものとして法人税法第50条の規定を適用することができます(法人税基本通達10-6-3の2)。
 したがって、照会の場合は、照会に係る借地権及び底地の評価額が適正であると認められる限り、同条により圧縮記帳することができます。

【 関係法令通達】
 法人税法第50条
 法人税基本通達10-6-3の2

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

交換により取得した土地の圧縮記帳の可否について


【 照会要旨】
 A(株)は、B県との間でC工業団地内で工場用地の交換を行ないました。この交換により取得した土地はB県が「近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発に関する法律」に基づき造成したもので、この土地の譲受人には工場建設が義務付けられており(所有権取得から3年以内に操業することが義務付けられています。)、表面上販売用土地であるとも考えられますが、取得した土地が工業団地の土地であるという性格を考慮して、固定資産と考え、交換取得資産として法人税法第50条((交換により取得した資産の圧縮額の損金算入))の規定を適用し、圧縮記帳することはできないでしょうか。

【 回答要旨】
 本件のB県に所在するC工業団地内の工場用地は、製造工場等を誘致し、同用地を進出企業等に売却する目的で所有されているものですから、同工場用地をもってB県の所有する固定資産であるとは認められません。したがって、圧縮記帳適用の前提となる固定資産要件を欠きますので、その適用はありません。

【 関係法令通達】
 法人税法第50条

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

複数の土地と複数の土地とを交換した場合の圧縮記帳


【 照会要旨】
 甲法人は、A土地(簿価207億円、時価122億円)及びB土地(簿価21億円、時価250億円)の2つの土地と乙法人の所有するC土地(簿価140億円、時価180億円)及びD土地(薄価41億円、時価192億円)の2つの土地とを等価で交換することとしました。
 この場合、法人税法第50条((交換により取得した資産の圧縮額の損金算入))の適用要件である交換差金20%以下の要件を満たしているものとして、圧縮記帳の適用をすることができますか。
 また、同条第1項の規定の適用がある場合、甲法人が交換により取得したC、Dそれぞれの土地に付すべき帳簿価額は、いくらとなりますか。 (注)  AB二つの土地は従前から宅地の用に供していたものであり、交換によって取得するCD二つの土地についても同一用途に供する予定です。その他、交換に係る圧縮記帳の適用要件はすべて満たしています。

【 回答要旨】
1  圧縮記帳の適用の可否
 本件交換については、次の理由から圧縮記帳の適用要件である交換差金20%以内の要件を満たすことになります。
 ただし、交換譲渡資産であるA土地については、時価が簿価を下回っており譲渡損が生ずることから、圧縮記帳を適用することはできず、B土地の交換についてのみ圧縮記帳の適用対象となります。

( 理 由)
①  本件は、甲社のAB二つの土地と乙社のCD二つの土地とを交換するものですが、各々時価評価を行った結果、それぞれ二つの土地の合計額が等価となったことから等価交換契約を締結するに至ったものです。したがって、交換特例適用要件の一つである交換差金20%以下であるかどうかの判定に当たっては、AB二つの土地の時価の合計額とCD二つの土地の時価の合計額との差額が20%以下となるかどうかにより判定すべきですから、本件交換は当該要件を満たしているものと考えられます。
②  交換に係る圧縮記帳の特例制度は、交換取得資産の取得時の価額が交換譲渡資産の帳簿価額を超える場合にその超える金額の範囲内において圧縮記帳の計算を行うものですから、法人税法施行令第92条第1項((交換により生じた差益金の額))に規定する差益金の算定に当たっては、譲渡益の生ずる資産のみを対象としてその資産ごとに差益金を算定することが相当と考えられます。

( 図1)

2  交換取得土地の圧縮後の簿価の算定
 交換に係る圧縮記帳の特例制度は、交換取得資産の取得時の価額が交換譲渡資産の帳簿価額を超える場合にその超える金額の範囲内において圧縮記帳の計算を行うものですから、差益金の算定に当たっては、譲渡益の生ずる資産のみを対象としてその資産ごとに差益金を算定することとなります。

( 理 由)
 本件交換は、AB二つの土地とCD二つの土地とをトータルとして等価で交換するものですが、A土地については時価が簿価を下回り譲渡損が計上されますから、甲社において圧縮記帳が適用できるのはB土地のみとなります。この場合、交換取得資産であるCD二つの土地にはAB二つの土地との交換により取得した部分が平均的に含まれるものと考えられますが、例えば、次の図に示したとおり、時価相当額によりA土地とC土地の一部(Ca)とを交換し、B土地についてはC土地の残余の部分(Cb)とD土地とを等価により交換したもののごとく整理することもできます。
(注)  A土地がCDいずれの土地の一部との交換とするかは、当事者間の契約等によって明確にされたところによることとなります。

( 図2)

 本件の場合、A土地の交換については、時価が簿価を下回るため、譲渡損が生ずることとなり、A土地とCa土地との交換については交換に係る圧縮記帳の特例の適用はありませんから、交換後のCa土地の簿価はA土地の時価相当額(122億円)となり、土地重課課税の適用に当たってのCa土地の取得日は交換の日となります。
 B土地については、時価が簿価を上回っており、Cb土地とD土地との等価交換であるほか、交換に係る圧縮記帳の特例の要件のすべてを満たしていますから、Cb土地とD土地との時価の合計額とB土地の簿価との差額(229億円)を圧縮限度額として圧縮記帳が認められることとなります。
 この場合の圧縮限度額の算定及び圧縮後のCb土地及びD土地の帳簿価額は、それぞれ以下のとおりとなります。

 なお、Cb土地及びD土地の土地重課課税の適用に当たっての取得日は、交換特例の適用により、B土地の取得日を引き継ぐこととなります。 ( 注)  乙社においては、CD二つの土地の交換譲渡によりAB二つの土地を取得するものですが、CD二つの土地はいずれも時価が簿価を上回り譲渡益が算出されますから、いずれの交換も圧縮記帳の適用対象となります。

【 関係法令通達】
 法人税法第50条
 法人税法施行令第92条第1項

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

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