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会計ニュース2004年07月26日 企業会計基準委員会の中期的な運営方針が明らかに(2004年7月26日号・№076) ASB・中小企業会計基準の開発はしない見解を示す

企業会計基準委員会の中期的な運営方針が明らかに
ASB・中小企業会計基準の開発はしない見解を示す

 
 企業会計基準委員会(ASB)は7月15日、中期的な運営方針を公表した。個別重点テーマとして、概念整理、会社法現代化などを挙げている。

四半期開示は専門委員会を立ち上げ
 今回の運営方針では、個別重点テーマとして、①概念整理、②会計基準の棚卸し、③会社法現代化、④四半期開示、⑤企業規模等に応じた会計基準の限定的な適用の在り方を挙げている。概念整理では、7月2日に基本概念ワーキング・グループがまとめた「財務会計の概念フレームワーク」が公表されているが、将来的にその内容を整備・改善していくとしている。会計基準の棚卸しでは、今後3年の間に、現存する会計基準等について、基準等の欠落、重複、矛盾、機能しなくなっているものを明確化するとした。また、現在、法制審議会で検討している「会社法制の現代化に関する要綱」が10月にも公表される予定だが、要綱における会計上の論点を抽出し、これについての対応を検討するとしている。四半期開示については、金融審議会で四半期開示制度の検討を行う予定であることから、その状況をみて、専門委員会を立ち上げて検討する予定であることを明らかにしている。

会計参与制度については考慮
 個別重点テーマの⑤は、中小企業向けの会計基準のこと。運営方針では、「一国の制度におけるシングルスタンダードの正当性を前提にしつつ、企業規模や公開性等に応じた会計基準の限定的な適用の在り方について検討を行うことを予定している。」と明記されている。しかし、会計基準については、会社規模が異なっても同じ会計基準が基本との従来通りの見解を示し、企業会計基準委員会が中小企業会計基準を開発するという意味ではないとしている。あくまでも概念的な検討になることを示唆している。
 会社法改正で盛り込まれる予定の会計参与制度では、公認会計士や税理士等が会計参与になる資格がある。中小企業の会計参与に税理士が就任すれば、中小企業会計基準の在り方が問われることになることが予想される。このため、企業会計基準委員会では、⑤の検討に際して、会計参与制度も含めて整理する考えがあることを明らかにしている。

コンバージェンスには賛同
 その他、国際的な会計基準の動向への対応方針に関して、国際的なコンバージェンスという目標については、基本的に賛同すると明記。また、国際会計基準審議会(IASB)との連携については、今後もASBの重要な活動の一つと位置付けるとし、スタッフの派遣や研究プロジェクトへの参加などを行うとしている。
 

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