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コラム2011年02月21日 【SCOPE】 組織再編支援で会社法特例など産活法改正案が国会提出(2011年2月21日号・№391)

事業引継ぎでは税理士などを支援センターに配置
組織再編支援で会社法特例など産活法改正案が国会提出

 政府は2月10日、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(以下「産活法改正案」または単に「改正案」という)の国会提出を閣議決定した(国会提出は2月14日)。経済産業省は10日、産活法改正案の法律案要綱、改正案の条文など詳細を発表。成立後、公布日から3か月以内の政令指定日より施行されることとなる(改正案附則1条)。

組織再編支援、ベンチャー・中小企業支援が柱  改正案による改正の趣旨は、(1)民主導の戦略的な産業再編等の促進と(2)ベンチャー・地域中小企業等の支援である。具体的な措置の概要は、図表1として改正の趣旨ごとにまとめた。

(1)の観点からは(イ)組織再編支援、(ロ)資金調達支援を行う。(イ)では、まず公正取引委員会との協議制度を創設。わが国産業の国際競争力強化の観点から、事業所管大臣による計画認定の際に公取委への協議を義務付け、もって産業政策と競争政策の連携強化、事業統合の迅速化を図る。
 また、組織再編手続の多様化・簡素化を実現する会社法特例が盛り込まれた(後述参照)。
(ロ)として行われるのが、産業再編等を行う事業者に対する長期資金の低利融資制度(ツーステップローン、二段階融資)の創設などである。経済産業省によると、国際競争力強化のための再編に必要な1,000億円の長期資金が供給される。
事業引継ぎに税理士・銀行OBなど関与させる  上記(2)の観点から行われるのが、(ハ)ベンチャー等の成長企業による新事業展開等支援、(ニ)地域中小企業の事業引継ぎ円滑化支援である。
(ハ)では、ベンチャー・中堅企業等の成長企業が自社開発した新商品の生産設備投資資金の債務保証を可能とし、もって新規株式公開市場が冷え込むなか、資金調達支援を行う。
(ニ)は、地域中小企業の体質改善・強化を図るもの。「事業引継ぎ支援センター(仮称)」を設置して、経験のある税理士や銀行OBといった事業引継ぎの専門家を配置。守秘義務を課したうえで、希望企業間の仲介や事業引継ぎ契約の成立に向けた支援を行うほか、各種の金融支援、許認可の承継円滑化などを実現する方針だ。
株主に配慮しつつ組織再編手続を多様化・簡素化  会社法の特例を設けることによる措置は、図表2に掲げた2つが柱となる。では、認定事業者である株式会社または子会社が、認定計画に従って行う公開買付けによる他の株式会社の株式の取得により当該他の株式会社を関係事業者としようとする場合で、かつ当該取得の対価として株式の発行または自己株式の処分をする場合などに特例を適用。(ⅰ)募集事項を法定する原則規定となる会社法199条の特例とし、募集株式やこれと引換えに給付する特定株式等の数またはその数の算定方法などを決定事項とするほか(同条1項3号の決定事項は除かれており、現物出資、伴って現物出資に係る検査役調査(207条)は観念しない)、(ⅱ)簡易組織再編(796条3項)類似のケースでは同条同項の特例を設け、199条2項が求める株主総会決議を要しないものとする。

(ⅱ)の場合、一定の株主が手続に則って反対する旨を通知したときは、募集事項の決定は株主総会決議によらなければならず(796条4項の準用)、反対株主には株式買取請求権も保障されている(797条・798条等の準用)。
 なお、認定事業者が行う株式発行・自己株式処分では子会社による親会社株式の取得禁止規制(135条)が適用されず、不公正発行の場合の引受人等の責任(212条)も問われない。
 の措置は、(ⅲ)公開買付けにより認定事業者が議決権の90%以上の保有者となった場合で、かつ相当な取得対価の割当てがあるなどの場合、全部取得条項付種類株式の取得に関する決定(171条)には総会決議を要さず、また(ⅳ)定款変更(466条)に際しても総会決議を要しないとする。
 ただし(ⅲ)のケースでは、当該種類株式の価格決定申立権(172条)をすべての株主に認める。

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