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コラム2014年07月21日 【SCOPE】 改正会社法、法制審議会の要綱と違う点は?(2014年7月21日号・№555)

金商法違反者の議決権の差止請求は導入されず
改正会社法、法制審議会の要綱と違う点は?

 法務省の法制審議会は平成24年9月7日に「会社法制の見直しに関する要綱」を決定。その後、先の通常国会で成立し、「会社法の一部を改正する法律」及び「会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が平成26年6月27日に公布された。
 法制審議会の要綱決定からは2年10か月経過しているが、改正会社法等では社外取締役に関する事項など、要綱と異なる点がいくつか存在する。実務家として留意しておきたい点を紹介する。

実質的には「社外取締役を置くことが相当でない理由」などの2点
 実質的な改正としては次の2点が挙げられる。一番大きな改正は、すでにお伝えしている社外取締役に関する事項だ(本誌525号4頁、550号40頁参照)。上場企業等(公開・大会社である監査役会設置会社であって株式についての有価証券報告書提出義務を負う株式会社)に関しては、社外取締役を置いていない場合、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を定時株主総会で説明することとされた(改正会社法327条の2)。
 また、もう1つは金融商品取引法違反者の議決権行使の差止請求の導入だ。これは要綱では盛り込まれていたものの、改正会社法では内閣法制局の法案審査が通らなかったことで見送られている(本誌529号18頁参照)。別の法律である金融商品取引法に違反したことが理由で会社法の規定が制限されることについて、趣旨と効果が結びついていないことがネックになったようだ。
委員会設置会社も名称変更  取締役会が業務執行者を監督する機能を強化する観点から創設されるのが「監査等委員会」だ(改正会社法2条11号の2)。監査役設置会社および委員会設置会社と並ぶ第三の類型の機関設計といえるものだが、要綱の段階では「監査・監督委員会」と呼ばれていたもの。監督に値する権限が一部しか与えられていないというのが変更の理由だ。これに伴い「委員会設置会社」は「指名委員会等設置会社」に名称変更されている(改正会社法2条12号)。
 また、要綱では監査等委員は株主総会で監査等委員である取締役以外の取締役の選任等について意見を述べることができるとされていたが、改正会社法では監査等委員会の職務として明確化されることになった(改正会社法399条の2第3項3号)。
例外規定の適用範囲が拡大  公開会社における募集株式および募集新株予約権の割当て等の特則の例外について一部変更が行われている。総株主の議決権の10分の1以上の議決権を有する株主が反対通知を行った場合には、株主総会の普通決議による承認が必要になるが、要綱では、「公開会社の財産の状況が著しく悪化している場合において、当該公開会社の存立を維持するため緊急の必要があるときは、この限りでないものとする。」との例外規定が設けられていた。この点、改正会社法では、「存立を維持するため」が「事業の継続のため」に変更されている(改正会社法206条の2第4項、244条の2第5項)。
 当初は、文字通り会社がすぐに資金調達できなければ破綻してしまうようなケースが想定されていたが、若干例外規定の適用できる範囲が拡がった形となっている。
新株予約権無償割当ての通知期限で法整備  改正会社法では、新株予約権無償割当てによる割当通知の時期に関わらず、新株予約権の行使期間を開始することが可能となり、ライツ・オファリング完了までの必要な期間を短縮することができることになっている。
 要綱では、新株予約権無償割当てによる割当通知の期限について、「新株予約権無償割当ての効力発生日後遅滞なく、かつ、新株予約権の行使期間の末日の2週間前まで」に割当通知を行えばよいこととされている。
 この点については、行使期間の末日が通知の日から2週間経過する日の前に到来するときは、2週間を経過する日まで延長されたものとみなされる旨が明記された(改正会社法279条3項)。これは法整備の一環である。
売買価格の決定の申立ての例外規定は削除  新しいキャッシュ・アウトの手法である「特別支配株主の株式等売渡請求」についても要綱からの変更点がある。
 売渡株主は、株式等売渡請求があった場合には裁判所に対して売買価格の決定の申立てをすることができることとされているが、新株予約権の内容として定められた条件に合致する売渡新株予約権が除外されていた。この点、改正会社法ではこの例外規定が削除されている。
旧株主の権利行使も利益供与の禁止規定  その他、改正会社法では、株主代表訴訟が係属中でなくても、株式交換等により株主でなくなった場合には株主代表訴訟ができることになった。また、多重代表訴訟も創設される。このため、旧株主または最終完全親会社等の株主に対する権利の行使についても利益の供与をしてはならない旨が規定された(改正会社法120条、970条)。
 また、株式移転の無効の訴えの原告適格について、破産管財人若しくは株式移転について承認をしなかった債権者が規定されている(改正会社法828条2項12号)。

改正会社法には付帯決議なし
 今回の改正会社法等については、衆議院において修正議決が行われている。具体的には、会社法や同整備法、産業競争力強化法の法律番号が「平成二十五年」から「平成二十六年」とする形式的な修正が行われているほか、会社法の整備法の対象に「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」を追加。同法の特定事業者による子会社株式の譲渡については、株主総会決議を要する旨の会社法の規定を適用除外にしている。
 なお、今回の改正会社法等には附帯決議は付されていない。

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