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解説記事2014年08月11日 【税制改正解説】 平成26年度における法人税関係の改正について(中)(2014年8月11日号・№558)

税制改正解説
平成26年度における法人税関係の改正について(中)
 小埜寺信哉

第三準備金等関係

Ⅰ 海外投資等損失準備金制度

1 改正の内容
 準備金の積立ての対象となる特定株式等の範囲から、債権及び購入資源株式等が除外された(措法55①②六・旧七、措令32の2⑥・旧⑦~⑨、措規21④・旧⑤⑥)。
 海外投資等損失準備金の取崩しによる益金算入額の計算において、特定法人の資本の払戻しが行われた場合については、特定法人の株式の帳簿価額を減額した場合(措法55④五)の一類型として整理することとされた(旧措令32の2⑩二)。
 制度の適用期限が、平成28年3月31日まで2年延長された(措法55①)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の43①②六・旧七、措令39の72③・旧④~⑥⑦二、措規22の45②・旧③④)。

2 適用関係  上記改正は、法人が平成26年4月1日以後に取得をする特定株式等について適用し、法人が同日前に取得をした特定株式等については、なお従前の例によることとされている(改正法附則85②)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則116①)。

Ⅱ 新事業開拓事業者投資損失準備金制度(創設)

1 制度の概要
 この制度は、青色申告書を提出する法人で、産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に特定新事業開拓投資事業計画の認定を受けた投資事業有限責任組合に係る投資事業有限責任組合契約を締結しているもの(その投資事業有限責任組合の有限責任組合員に限り、その法人が一定の適格機関投資家に該当する場合には一定の要件を満たすものに限る。)のうち、積立期間内にその投資事業有限責任組合に係る組合員の出資をしたものが、その特定新事業開拓投資事業計画に従って取得をしたその投資事業有限責任組合の組合財産となる新事業開拓事業者の株式(積立期間内における設立又は資本金の額の増加に伴う払込み又は現物出資により交付されるものに限る。)を積立期間内に終了する各事業年度において有している場合において、その株式の価格の低落による損失に備えるため、その各事業年度において、その各事業年度終了の時において有するその株式のその各事業年度終了の日に終了するその投資事業有限責任組合の計算期間終了の時(同日に終了するその投資事業有限責任組合の計算期間がない場合には、同日の直前に終了したその投資事業有限責任組合の計算期間終了の時)における帳簿価額の合計額の80%相当額以下の金額を新事業開拓事業者投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額を損金の額に算入することができるというものである(措法55の2①)。
 なお、その各事業年度において損金の額に算入された準備金の金額は、その各事業年度の翌事業年度において益金の額に算入することとされている(措法55の2②)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の43の2)。

2 適用関係  上記制度は、法人の平成26年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用することとされている(改正法附則85③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則116②)。

Ⅲ 特定事業再編投資損失準備金制度(創設)

1 制度の概要
 この制度は、青色申告書を提出する法人で産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に特定事業再編計画の認定を受けたものが、積立期間内の日を含む各事業年度(平成26年4月1日以後に終了する事業年度に限る。)において次の株式若しくは出資又は債権につきそれぞれ次の事実がある場合において、その株式若しくは出資又は債権の価格の低落又は貸倒れによる損失に備えるため、その事実がある事業年度において、その株式若しくは出資又は債権の取得価額(次の②の株式若しくは出資又は債権にあっては、その事業年度終了の時における帳簿価額)の70%相当額以下の金額を特定事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額を損金の額に算入することができるというものある(措法55の3①)。
① その特定事業再編計画に記載された特定事業再編に係る特定会社の株式若しくは出資で積立期間内における設立等に伴う払込み等により交付されるもの又はその特定会社に対する貸付金に係る債権で積立期間内における貸付けに係るもの その事業年度においてその株式若しくは出資又は債権の取得をし、かつ、その株式若しくは出資又は債権をその事業年度終了の日まで引き続き有していること。
② その特定事業再編計画の認定を受けた日以後最初にその特定事業再編が行われた日前から引き続き有しているその特定事業再編に係る特定会社の株式若しくは出資又は債権 その事業年度が同日を含む事業年度である場合において、その株式若しくは出資又は債権をその事業年度終了の日まで引き続き有していること。
 また、平成26年4月1日前に終了した事業年度においてその認定を受けた日以後に取得をしたその株式若しくは出資若しくは債権又はその事業年度が同日以後最初にその特定事業再編が行われた日を含む事業年度である場合において同日前から引き続き有しているその株式若しくは出資若しくは債権を平成26年4月1日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合には、同日を含む事業年度において、この制度を適用することができる措置が講じられている(措法55の3②)。
 この準備金は、積立期間内の日を含む各事業年度のうち最後の事業年度後の各事業年度終了の日において前事業年度から繰り越された金額がある場合には、その各事業年度において、原則として、その最後の事業年度終了の日における金額の5年均等額を益金の額に算入することとされている(措法55の3③)。
 なお、連結納税制度の場合についても、同様の措置が講じられている(措法68の43の3)。

2 適用関係  上記制度は、法人の平成26年4月1日以後に終了する事業年度分の法人税について適用することとされている(改正法附則85③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則116②)。

Ⅳ 原子力発電施設解体準備金制度

1 改正の内容
 積立限度額の計算方法の見直し、累積限度超過による取崩額の見直し、解体未着手の場合の取崩方法の見直しがされた。

2 適用関係  上記改正は、法人の平成26年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用し、法人の同日前に開始した事業年度分の法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則77)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則77)。

Ⅴ 農業経営基盤強化準備金制度

1 改正の内容
 対象となる交付金又は補助金から、農地保有合理化促進対策費交付金が除外された(措規21の18の2①、旧農業経営基盤強化促進法施行規則25の2四)。連結納税制度の場合についても同様である。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が平成26年4月1日以後に交付を受ける交付金等について適用し、法人が同日前に交付を受けた交付金等については、なお従前の例によることとされている(改正措規附則11)。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅵ 農用地等を取得した場合の課税の特例

1 改正の内容
 対象となる農用地等の取得の範囲から非適格現物分配による取得が除外された(措法61の3①)。なお、連結納税制度の場合についても、同様の改正が行われている(措法68の65①)。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が平成26年4月1日以後に行われる現物分配により移転を受ける農用地等について適用し、法人が同日前に行われた現物分配により移転を受けた農用地等については、なお従前の例によることとされている(改正法附則87②)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則118)。

第四 土地税制関係

Ⅰ 土地の譲渡等がある場合の特別税率

1 改正の内容
(1)外国法人に対する課税原則の見直しに伴う所要の整備
 本制度の対象となる土地の譲渡等には、地上権又は賃借権の設定その他契約により他人に土地を長期間使用させる行為を含むこととされているが、外国法人に対する課税原則が帰属主義に見直されたことに伴い、この「他人」の範囲に、恒久的施設を通じて事業を行う外国法人にあってはその本店等を含むこととされた(措法62の3②一イ(2)、措令38の4①③一)。
(2)優良住宅地等のための譲渡に該当する土地等の譲渡の適用除外措置 ① 適用対象に、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の売渡し請求に基づく一定の要件を満たすマンション敷地売却事業を実施する者に対する土地等の譲渡又はそのマンション敷地売却事業に係る認可を受けた分配金取得計画に基づくそのマンション敷地売却事業を実施する者に対する土地等の譲渡で、これらの譲渡に係る土地等がこれらのマンション敷地売却事業の用に供されるものが追加された(措法62の3④九の二)。連結納税制度の場合についても同様である。
② 適用対象となる土地等の譲渡から独立行政法人環境再生保全機構に対する土地等の譲渡が除外された(旧措令38の4⑫一)。連結納税制度の場合についても同様である。
③ 適用対象となる都市再生整備推進法人に対する土地等の譲渡について、都市再生特別措置法の改正後の都市再生推進法人に対する土地等の譲渡が引き続き本措置の対象とされた(措令38の4⑫六)。連結納税制度の場合についても同様である。
④ 既成市街地等内において行われる特定の民間再開発事業に係る措置の対象となる施行区域について、都市再生特別措置法の認定誘導事業計画の区域が追加されるとともに、同法の認定整備事業計画の区域及び都市計画法の地区計画の区域が除外された(措令38の4 四、旧措令38の4 二ロ・四)。連結納税制度の場合についても同様である。
(3)適用停止措置等の期限の延長  制度の適用停止措置の期限が平成29年3月31日まで延長されるとともに、優良住宅地等のための譲渡に該当する土地等の譲渡の適用除外措置(上記1(2))及び確定優良住宅地等予定地のための譲渡に該当する土地等の譲渡の適用除外措置の期限が平成28年12月31日まで3年延長された(措法62の3④⑤⑬)。なお、連結納税制度の場合についても同様の改正が行われている(措法68の68④⑤⑬)。

2 適用関係  本制度は、適用停止中であることから、経過措置は設けられていない。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅱ 短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率

1 改正の内容
(1)外国法人に対する課税原則の見直しに伴う所要の整備
 制度の対象となる短期所有に係る土地の譲渡等における土地等については、他の者から取得をしたものに限ることとされているが、外国法人に対する課税原則が帰属主義に見直されたことに伴い、この「他の者」の範囲に、恒久的施設を通じて事業を行う外国法人にあってはその本店等を含むこととされた(措法63②一、措令38の5①一)。
(2)適用除外措置の見直し  制度の適用除外措置の対象となる短期所有に係る土地等の譲渡から独立行政法人環境再生保全機構に対する土地等の譲渡が除外された(旧措令38の5⑥一)。連結納税制度の場合についても同様である。
(3)適用停止措置の期限の延長  制度の適用停止措置の期限が、平成29年3月31日まで延長された(措法63⑦)。なお、連結納税制度の場合についても同様の改正が行われている(措法68の69⑦)。

2 適用関係  本制度は、適用停止中であることから、経過措置は設けられていない。連結納税制度の場合についても同様である。

Ⅲ 特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除制度(連結:特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除制度)(2,000万円特別控除制度)

1 改正の内容
 本制度の対象となる重要文化財等として指定された区域内の土地が買い取られた場合の範囲に、重要文化財、史跡、名勝又は天然記念物として指定された土地が一定の地方独立行政法人に買い取られる場合が追加された(措法65の3①四)。
 この一定の地方独立行政法人は、博物館法第29条の規定により博物館に相当する施設として指定された博物館又は植物園の設置及び管理の業務を行うことを主たる目的とするものとされている(措令39の4④)。
 なお、連結納税制度の場合についても同様である。

2 適用関係  上記1の改正は、法人が平成26年4月1日以後に行う土地等の譲渡に係る法人税について適用し、法人が同日前に行った土地等の譲渡に係る法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則90①)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則122①)。

Ⅳ 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除制度(連結:特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除制度)(1,500万円特別控除制度)

1 改正の内容
(1)都市再生特別措置法の一部改正に伴う改正
 都市再生特別措置法の一部改正に伴い、本制度のうち都市再生特別措置法に係る措置の適用対象に、一定の都市再生推進法人が都市再生特別措置法第81条第1項に規定する立地適正化計画に記載された公共施設の整備に関する事業(地方公共団体の管理の下に行われるものに限る。)の用に供するために、その立地適正化計画の区域内にある土地等がその都市再生推進法人に買い取られる場合が追加された(措法65の4①十)。連結納税制度の場合についても同様である。
(2)マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部改正に伴う改正  マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部改正に伴い、本制度の適用対象に、一定の通行障害既存耐震不適格建築物に該当する決議要除却認定マンションの敷地の用に供されている土地等につき、一定のマンション敷地売却事業が実施された場合において、その土地等に係る認可を受けた分配金取得計画に基づき分配金を取得するとき又はその土地等が売渡し請求により買い取られたときが追加された(措法65の4①二十二の二)。連結納税制度の場合についても同様である。
(3)農地中間管理事業の推進に関する法律の制定等に伴う改正  農地中間管理事業の推進に関する法律の制定等に伴い、本制度の適用対象に、農業経営基盤強化促進法に規定する農用地で農業振興地域の整備に関する法律に規定する農用地区域内にあるものが、農業経営基盤強化促進法の買入協議に基づいて、農地中間管理機構に買い取られる場合が追加された(措法65の4①二十五)。連結納税制度の場合についても同様である。

2 適用関係  上記(1)の改正は、法人が都市再生特別措置法等の一部を改正する法律の施行の日以後に行う土地等の譲渡に係る法人税について適用し、法人が同日前に行った土地等の譲渡に係る法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則90②)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則122②)。
 上記1(2)の改正は、法人がマンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律の施行の日以後に行う土地等の譲渡に係る法人税について適用することとされている(改正法附則90③)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則122③)。
 上記1(3)の改正は、法人が農業の構造改革を推進するための農業経営基盤強化促進法等の一部を改正する等の法律の施行の日(平成26年4月1日)以後に行う土地等の譲渡に係る法人税について適用し、法人が同日前に行った土地等の譲渡に係る法人税については、なお従前の例によることとされている(改正法附則90④)。連結納税制度の場合についても同様である(改正法附則122④)。

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