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解説記事2016年08月22日 【税制改正解説】 平成28年度における消費税・間接諸税関係の改正について(下)(2016年8月22日号・№655)

税制改正解説
平成28年度における消費税・間接諸税関係の改正について(下)
 中曽善文

Ⅰ 消費税法関係の改正(承前)

五 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例

1 改正の内容
(1)高額特定資産を取得した場合の事業者免税点制度の適用の見直し
 事業者が、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に、一定の高額な資産(以下「高額特定資産」という。詳細は下記を参照。)の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り(以下「高額特定資産の仕入れ等」という。)を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度を適用できないこととされた。
 また、事業者が、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に、他の者との契約に基づき自ら建設、製作又は製造(以下「建設等」という。)をした高額特定資産又は事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設等をした高額特定資産(以下「自己建設高額特定資産」という。詳細は下記を参照。)については、当該自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合(詳細は下記を参照。)に該当することとなった日の属する課税期間の翌課税期間から当該自己建設高額特定資産の建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度を適用できないこととされた(消法12の4①)。
 ① 高額特定資産の判定  「高額特定資産」とは、棚卸資産又は調整対象固定資産であって、当該資産の課税仕入れに係る支払対価の額の108分の100に相当する金額、当該資産に係る特定課税仕入れに係る支払対価の額又は保税地域から引き取られる当該資産の課税標準である金額、すなわち税抜価額が、一の取引の単位(通常一組又は一式をもって取引の単位とされるものにあっては、一組又は一式)につき、1,000万円以上のものをいう(消令25の5①一)。
 また、「自己建設高額特定資産」とは、他の者との契約に基づき自ら建設等をした資産又は事業者の棚卸資産若しくは調整対象固定資産として自ら建設等をした資産について、その建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の108分の100に相当する金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額及び保税地域から引き取られる課税貨物の課税標準である金額、すなわち税抜価額のうち、その建設等のために要した原材料費及び経費に係るものであって、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受ける課税期間に行ったもの以外の金額の合計額が1,000万円以上のものをいう(消令25の5①二)。
(注)この1,000万円の金額については、経常的に事業を行う中小事業者への影響を極力排除しつつ、事務処理能力等がありその事務負担に配慮する必要がない事業者の恣意的な事業者免税点制度等の適用を制限できる水準として設定されている。具体的には、中小企業実態基本調査において、1,000万円の設備投資は、売上高1億円前後の事業者における平均的な設備投資額であるため、経常的に事業を行う売上高5,000万円以下の事業者であれば、この改正の影響を概ね回避できる水準と考えられる。
 ② 自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合  「自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合」とは、自己建設高額特定資産の建設等に要した課税仕入れに係る支払対価の額の108分の100に相当する金額、特定課税仕入れに係る支払対価の額及び保税地域から引き取られる課税貨物の課税標準である金額、すなわち税抜価額のうち、当該自己建設高額特定資産の建設等のために要した原材料及び経費に係るものであって、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受ける課税期間に行ったもの以外の金額の累計額が1,000万円以上となった場合をいう(消令25の5②)。
 ③ 事業者免税点制度の適用制限期間
 イ 高額特定資産の仕入れ等を行った場合の事業者免税点制度の適用制限期間
 上述のとおり、高額特定資産の仕入れ等を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の翌課税期間から当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度の適用が制限されることとなる。
(注)「翌課税期間」から事業者免税点制度の適用が制限されることとなるが、高額特定資産の仕入れ等を行った日の属する課税期間は、事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間となるので、当然に課税事業者であることに留意が必要となる。
 上記の「高額特定資産の仕入れ等の日」とは次のとおり(消法30①)。
(イ)課税仕入れを行った場合…課税仕入れを行った日
(ロ)課税貨物の輸入を一般申告でする場合……一般申告に係る貨物を引き取った日
(ハ)課税貨物の輸入を特例申告でする場合……特例申告書を提出した日又は当該申告に係る決定の通知を受けた日
 (注1)一般申告に係る貨物の場合には、引取りの都度、申告・納税することとなるが、特例申告では、あらかじめ税関長の承認を受けた者(特例輸入者)等については、一月分の特例申告貨物に係る申告を翌月末日までにまとめて申告することができる(関税法7の2②、消法47③)
 (注2)特例申告の場合には、特例申告書を提出した日等の属する課税期間において仕入税額控除を行うため、保税地域から物理的に引き取った日の属する課税期間と異なる場合があり、政令において所要の措置が設けられている(消法12の4②、消令25の6)。
 ロ 自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合の事業者免税点制度の適用制限期間  自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合には、当該自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合に該当することとなった日の属する課税期間の翌課税期間から当該自己建設高額特定資産の建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間においては、事業者免税点制度の適用が制限されることとなる。
(2)高額特定資産を取得した場合の簡易課税制度の適用の見直し  事業者が、事業者免税点制度又は簡易課税制度の適用を受けない課税期間において高額特定資産の仕入れ等を行った場合又は自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合には、上記(1)のとおり一定期間、事業者免税点制度の適用が制限されるが、当該期間については、簡易課税制度の適用も受けられないこととされた。
 具体的には、簡易課税制度の適用を受けようとする事業者が、高額特定資産の仕入れ等を行った場合又は自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合には、次に掲げる期間について、簡易課税制度選択届出書の提出が制限されることとなった(新消法37③三)。
① 高額特定資産の仕入れ等を行った場合には、当該高額特定資産の仕入れ等の日の属する課税期間の初日から、同日以後3年を経過
する日の属する課税期間の初日の前日までの期間
② 自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合には、当該自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合に該当することとなった日の属する課税期間の初日から、当該自己建設高額特定資産の建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間の初日の前日までの期間
 これにより、上記(1)の事業者免税点制度の見直しと合わせ、高額特定資産の仕入れ等を行った場合又は自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合には、事業者免税点制度の適用及び簡易課税制度の適用がいずれも制限されることとなる。
 なお、事業を開始した日の属する課税期間において、事業者が当該課税期間から簡易課税制度の適用を受けるために簡易課税制度選択届出書を提出する場合には、仮に高額特定資産の仕入れ等を行った後であっても、それを制限する必要はないため、当該課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができる。
 他方、高額特定資産の仕入れ等を行った場合又は自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合において、これらの場合に該当する前に翌課税期間から簡易課税制度の適用を受けるための簡易課税制度選択届出書が既に提出されている場合には、当該届出書の提出は無かったものとみなされる(新消法37④)。
 上記(1)(2)の適用制限期間を高額特定資産の仕入れ等を行った場合又は自己建設高額特定資産の仕入れを行った場合毎にに表すと、上記のようになる。
(3)高額特定資産を取得した事業者の事業者免税点制度に関する届出  上記(1)により事業者免税点制度の適用を受けられない課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下となった場合には、課税事業者選択届出書を提出している場合を除き、その旨を記載した届出書を速やかに事業者の納税地を所轄する税務署長に提出しなければならないこととされている(消法57①二の二)。

2 適用関係  上記の改正は、平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合(自己建設高額特定資産にあっては、当該自己建設高額特定資産の建設等が同日以後に完了した場合。以下同じ。)に該当することとなるものについて適用することとされている(改正法附則1)。ただし、平成27年12月31日までに締結した契約に基づき、平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合については、上記の改正は適用しないこととされている(改正法附則32②)

六 外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)の見直し

1 改正前の制度の概要及び改正の内容
(1)免税販売の対象となる最低購入金額の引下げ
 輸出物品販売場における免税販売については、事業者の事務負担等に配慮する観点から、同一の外国人旅行者等の非居住者(以下「外国人旅行者」という。)に対する同一店舗の1日あたりの販売に、下限金額(以下「最低購入金額」という。)が設けられている。具体的な金額基準は、一般物品については税抜10,000円超、消耗品については税抜5,000円超(いずれも同一の外国人旅行者に対し同一店舗1日あたり)とされているため、一般物品であれば、税抜10,001円以上、消耗品であれば税抜5,001円以上の販売が免税の対象となっていた。
 この最低購入金額については事業者の事務負担等に配慮する観点からその水準に設定されているものだが、特に地方の輸出物品販売場においては、土産物等の販売単価が比較的少額であり一般物品の最低購入金額に満たないため、最低購入金額を引き下げて欲しいという要望があったため、平成28年度税制改正においては、こうした実態を踏まえ、一般物品の最低購入金額を税抜5,000円に引き下げることとされた。
 また、免税販売の現場において、免税販売の対象となる10,001円、5,001円という基準について、1円の端数を外国人旅行者に説明しにくい、販売価格を設定しにくいという声があったため、上記改正にあわせて、一般物品、消耗品の最低購入金額を、それぞれ税抜5,000円以上に統一することとされた(消法8①、消令18⑧)。
(注)最低購入金額については、その場で消費されやすく、特殊包装が必要であるという消耗品の性質を踏まえて、一般物品と消耗品とにそれぞれ別枠で設定されており、上記の改正後も同様。
(2)手続委託型輸出物品販売場の対象範囲の見直し  手続委託型輸出物品販売場制度は、商店街、ショッピングセンター及びテナントビル等の一定の場所及び施設(以下「特定商業施設」という。特定商業施設の具体的範囲については後述。)の中で販売場を経営する事業者が、特定商業施設内に免税手続カウンターを設置することにつき、税務署長の承認を受けた事業者(以下「承認免税手続事業者」という。)に免税販売手続を代理させることを前提とした制度である。このため、手続委託型輸出物品販売場と承認免税手続事業者の設置する免税手続カウンターは同じ特定商業施設内に所在することが要件とされている。
 この特定商業施設については、販売場の所在する場所又は施設によってそれぞれ規定されており、具体的には次に掲げる場所又は施設をいう(消令18の2④)。
① 商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)第2条第1項に規定する商店街振興組合の定款に定められた地区に所在する販売場(当該商店街振興組合の組合員が経営する販売場に限る。)については、当該地区
② 中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第3条第1号に規定する事業協同組合の定款に定められた地区に所在する事業者が近接して事業を営む地域であって、その大部分に一の商店街が形成されている地域に所在する販売場(当該事業協同組合の組合員が経営する販売場に限る。)については、当該地域
③ 大規模小売店舗立地法(平成10年法律第91号)第2条第2項に規定する大規模小売店舗内にある販売場については、当該大規模小売店舗
④ 一棟の建物(大規模小売店舗に該当するものを除く。)内にある販売場については、当該一棟の建物
 特定商業施設の範囲については、免税販売手続を委託・受託する者の間で免税販売手続に必要な情報の共有が図られる必要があることや、外国人旅行者の利便性に配慮する必要があること等の理由から、上記①~④に限定されていた。このため、例えば、地域の商店街振興組合の組合員であるショッピングセンターが大規模小売店舗を特定商業施設として免税手続カウンターを設ける場合には、あわせて地域の商店街振興組合の組合員の免税販売手続の代理を行うことができず、また、反対に商店街振興組合を特定商業施設として免税手続カウンターを設ける場合には、ショッピングセンター内の非組合員である各テナントの免税販売手続の代理を行うことができなかった。
 こうした状況を踏まえ、地方において手続委託型輸出物品販売場制度の活用を促す観点から、特定商業施設の範囲について見直しが行われ、上記①の商店街振興組合の定款に定められた地区又は上記②の事業協同組合の定款に定められた地区において商店街が形成されている地域(以下「地区等」という。)に大規模小売店舗を設置している者が商店街振興組合又は事業協同組合の組合員である場合には、当該大規模小売店舗内において他の事業者が経営する販売場を地区等に所在する販売場(商店街振興組合又は事業協同組合の組合員が経営する販売場に限る。)とみなして、特定商業施設の規定を適用することができることとされた(消令18の2⑤)。これにより、ショッピングセンター等の大規模小売店舗内の非組合員であるテナントについては、商店街振興組合又は事業協同組合の組合員の経営する販売場とみなされるため、地区等を特定商業施設として、手続委託型輸出物品販売場制度を活用できることとなった。
 また、既に大規模小売店舗(地区等に所在する大規模小売店舗であって、当該大規模小売店舗を設置している者が当該地区等に係る商店街振興組合又は事業協同組合の組合員である場合に限る。)を特定商業施設として免税手続カウンターを設置している承認免税手続事業者が、当該免税手続カウンターについて地区等を特定商業施設とするものとして新たに税務署長の承認を受けることにより、当該免税手続カウンターに委託して免税販売手続を行っている手続委託型輸出物品販売場も含めて、一括して特定商業施設の区分を大規模小売店舗から地区等へ変更できる手続きが設けられている(消令18の2⑫⑬、消規10の2③~⑤)。
(3)免税対象物品を国外へ直送する場合における免税販売手続の簡素化  非居住者が輸出物品販売場において免税対象物品を購入する際には、輸出物品販売場を経営する事業者が、その非居住者の所持する旅券等に購入記録票を貼り付け、割印することとされており、貼り付けられた購入記録票については、非居住者が本邦から出国する際にその出港地を所轄する税関長に提出しなければならないこととされている(消令18②一イ二、⑥)。また、本邦から出国する日までに当該物品を輸出しないときは、その出港地を所轄する税関長は、原則としてその者から当該物品につき免除された消費税額に相当する消費税を直ちに徴収することとされている(消法8③)。
(注)非居住者が、居住者となる場合には、貼り付けられた購入記録票を居住者となるときにおける住所又は居所の所在地を所轄する税務署長に提出しなければならないこととされており、また、当該税務署長がその者から当該物品につき免除された消費税額に相当する消費税を直ちに徴収(以下「即時徴収」という。)することとされている。
 このように、非居住者が輸出物品販売場において購入する免税対象物品については、非居住者が手荷物として持ち出して輸出することを前提に制度設計されており、非居住者が運送事業者に依頼して国外へ送る際の免税販売手続は、原則として定められていなかった。
 平成28年度税制改正においては、荷物の持ち運びをせずに旅行ができる「手ぶら観光」のニーズが高まっていることを踏まえ、確実に国外へ持ち出されることが担保される仕組みとして、非居住者が輸出物品販売場において購入した物品を、その場で国外に直送する場合の免税販売手続が新たに定められた。具体的には、非居住者が免税対象物品を購入する際に、輸出物品販売場で国際第二種貨物利用運送事業者との間において当該免税対象物品を輸出するための運送契約を締結し、次の要件を満たして引渡しを受け、かつ、その場で免税対象物品を当該国際第二種貨物利用運送事業者(代理人を含む。)に引き渡した場合には、その消費税を免税とすることとされている。
・非居住者が所持する旅券等を輸出物品販売場を経営する事業者に提示すること
・当該運送契約に係る運送契約書の写しを輸出物品販売場を経営する事業者に提出すること
(注1)国際第二種貨物利用運送事業者とは、貨物利用運送事業法(平成元年法律第82号)第20条又は第45条第1項の規定による許可を受けて同法第6条第1項第5号に規定する国際貨物運送に係る同法第2条第8項に規定する第二種貨物利用運送事業を経営する者をいう。
(注2)国内での横流しを防止・牽制するための措置として、その外国人旅行者に対して同一店舗で1日に販売する一般物品の合計額が100万円(税抜価額)を超える場合には、その外国人旅行者の所持する旅券等の写しの提出を受けるとともに、その提出を受けた事業者は、その旅券等の写しを一定期間保存しなければならないこととされているが、上記の方法により国外に直送される免税対象物品については、外国人旅行者による横流しを防止・牽制する必要がないため、その計算に含めないこととされている(消令18②一ハ)。
(注3)運送契約書及びその写しには、品目等の一定の事項が記載されている必要があるが、当該事項が記載されているレシート等の明細書等を当該運送契約書及びその写しにそれぞれ貼付し割印をすることにより、当該運送契約書への記載を省略することができることとされている(消規6⑨、7の2①)。
 また、免税対象物品の引渡しを受けた国際第二種貨物利用運送事業者は、当該運送契約に係る契約書を、当該運送契約を締結した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、保存しなければならないこととされた(消令18の2⑩)。
 なお、国外に直送する免税対象物品については、購入した外国人旅行者が本邦から出国する日までに輸出されるか不明であるため、引き渡した日に輸出したものとみなして、消費税法第8条第3項の規定を適用することとされている(消令18の2⑪)。このため、実際に国際第二種貨物利用運送事業者が輸出した日が、外国人旅行者が本邦から出国した日よりも後であっても、出港地を所轄する税関長による消費税の即時徴収はされないこととなる。
 ただし、国際第二種貨物利用運送事業者が、免税対象物品を輸出する運送契約に違反して輸出しないときは、当該国際第二種貨物利用運送事業者の納税地を所轄する税務署長は、当該免税対象物品を災害その他やむを得ない事情により亡失したため輸出しないことにつき当該税務署長の承認を受けた場合を除き、当該国際第二種貨物利用運送事業者から当該免税対象物品につき免除された消費税額に相当する消費税を直ちに徴収することとされている(消令18の2⑫)。
〇基地内輸出物品販売場から国外へ直送する場合  外国人旅行者に対する消費税免税制度は、日米地位協定(注)第1条に規定する合衆国軍隊の構成員及び軍属並びにこれらの家族(以下「合衆国軍隊の構成員等」という。)が、同協定第2条第1項に規定する施設及び区域内にある輸出物品販売場(以下「基地内輸出物品販売場」という。)において購入する免税対象物品についても認められているが、今般の改正に伴い、合衆国軍隊の構成員等が基地内輸出物品販売場において免税購入する際に、その場で当該国際第二種貨物利用運送事業者(代理人を含む。)に引き渡した場合の免税販売手続についても、上記(3)と同様の改正が行われている(ただし、旅券等の提示は不要とされている。)(消令18②六)。
(注)日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和35年条約第7号)をいう。
(4)購入者誓約書の電磁的記録による提出・保存  外国人旅行者が輸出物品販売場において免税購入する際には、免税購入した物品をその購入後において輸出する旨を誓約する書類(以下「購入者誓約書」という。)を当該輸出物品販売場を経営する事業者に提出することとされている。購入者誓約書には、一定の事項を記載し、かつ、輸出する旨(消耗品にあっては、購入した消耗品を30日以内に輸出する旨)につきその購入者が署名することとされている(消令18の2②一ロ・二イ、消規6①②)。
 また、当該購入者誓約書の提出を受けた事業者は、免税対象物品を譲渡した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間、当該誓約書を保存しなければならないこととされている(消法8②、消規7①)。
 訪日外国人旅行者の増加に伴い免税販売手続も増える中で、当該誓約書の保存が負担となっているという声があることを踏まえ、平成28年度税制改正においては、この購入者誓約書の提出を、購入者誓約書の記載事項を記録した輸出する旨を誓約する電磁的記録の提供によってすることができることとされた。これにより、外国人旅行者が購入者誓約書に署名することに代わり、携帯型端末等を用いて電子的に署名することにより、そのまま電磁的記録として輸出物品販売場を経営する事業者に対して情報提供することが可能となる。
 また、当該電磁的記録の提供を受けた事業者は、紙による購入者誓約書の保存に代わって、当該電磁的記録を電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則(平成10年大蔵省令第43号)第8条第1項各号に掲げるいずれかの措置を行い、この規定の要件に準ずる要件に従って保存することが可能となる(消規7②)。具体的には、次のいずれかの措置を講じた上で、速やかに出力できるようにしておくとともに、当該電磁的記録に記録された事項を検索できる状態で保存することとなる。
・当該電磁的記録の提出を受けた後、遅滞なく当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すとともに、当該電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと
・当該電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規定を定め、当該規定に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存にあわせて当該規定の備付けを行うこと
(5)免税対象物品の見直し  金又は白金の地金について免税対象外の物品であることを、法令上明確にすることとされた。具体的には、「金又は白金の地金その他通常生活の用に供しないもの」及び「一定の消耗品」以外のものを免税対象物品と位置付け、金又は白金の地金については、通常生活の用に供するか否かにかかわらず、免税対象物品とならないこととされた(消令18①)。

2 適用関係 ① 上記(1)(4)の改正は、平成28年5月1日から適用されている(28年改正消令附則1二)。
② 上記(5)の改正は、平成28年4月1日から施行されている(28年改正消令附則1)。

七 事業者向け電気通信利用役務の提供に係る内外判定基準の見直し

1 改正の内容
(1)内外判定基準の見直し
 電気通信利用役務の提供のうち、いわゆるリバースチャージ方式の対象となる事業者向け電気通信利用役務の提供について、当該役務の提供を受ける側の特定仕入れの内外判定基準を、次のとおり見直すこととされた。
 ① 国外事業者の恒久的施設   国外事業者の恒久的施設(所法2①八の四又は法法2十二の十八)で受けたもののうち、国内において行う資産の譲渡等に要する特定仕入れ(他の者から受けた事業者向け電気通信利用役務の提供に該当するものに限る。以下同じ。)については国内で行われたものとされた。
  国外事業者の恒久的施設である国内支店等において、国外事業者から事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合には、従来、「国外取引」として不課税とされていたが、改正後は国内において行う資産の譲渡等に要する特定仕入れについては「国内取引」となるため、仕入れた国外事業者がいわゆるリバースチャージとして、その特定課税仕入れにつき、納税義務を負うこととなる。
 ② 国内事業者の国外事業所等   国外事業者以外の事業者(以下「国内事業者」という。)の国外事業所等(所法95④一又は法法69④一)で受けたもののうち、国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要する特定仕入れについては国内以外の地域で行われたものとされた。
  国内事業者の国外事業所等である国外支店等において、国外事業者から事業者向け電気通信利用役務の提供を受けた場合には、従来、「国内取引」とされていたため、仕入れた国内事業者がいわゆるリバースチャージとして、その特定課税仕入れにつき、納税義務を負うこととされていたが、改正後は国内以外の地域において行う資産の譲渡等にのみ要する特定仕入れについては「国外取引」となるため、課税の対象とはならない。
 なお、消費者向け電気通信利用役務の提供(電気通信利用役務の提供のうち、事業者向け電気通信利用役務の提供以外のもの)については、提供者(国外事業者)が購入者の使途を取引時点で把握することは困難であることに加え、事業者による取引規模も僅少と考えられることから、本改正による措置の対象外としている。また、国外取引として課税対象外となるものについては、国外取引であることが明白なものに限る観点から、上記①②の下線部について、については資産の譲渡等にのみ要することを要件としている。
 この改正に関連して、当該国外事業者に対しては、その取引に際して、当該役務の提供を受ける事業者にリバースチャージによる納税義務が発生する旨をあらかじめ表示する義務について、対象となる特定資産の譲渡等が国内において他の者が行う特定課税仕入れに該当するものに限ることとする改正が行われている(消法62)。

2 適用関係  上記の改正は、平成29年1月1日以後に事業者が行う特定仕入れについて適用し、同日前に行った特定仕入れについての内外判定は、従前の例によることとされる(改正法附則1三ハ、33)。

八 その他の改正

1 義務教育学校の創設に伴う非課税範囲の見直し
 消費税は、社会政策的な配慮から、小学校、中学校、高等学校等において使用される教科用図書の譲渡については消費税が非課税とされている(旧消法別表第1十二)。
 今般、学校教育法等の一部を改正する法律(平成27年法律第46号)により学校教育法が改正され、平成28年4月1日より、現行の小学校・中学校等に加え、義務教育として行われる普通教育を提供することを目的とした学校教育法第1条に規定する新たな学校の類型として、小中一貫教育を実施することを目的とする「義務教育学校」が創設された。
 この改正に伴い、教科用図書の譲渡に係る消費税が非課税とされる学校の対象に、義務教育学校を加えることとされた(消法別表2十二)。この改正は、平成28年4月1日から適用されている(改正法附則1)。

2 身体障害者用物品の指定  消費税においては、身体障害者の使用に供するための特殊な性状、構造又は機能を有する一定の身体障害者用物品の譲渡、貸付け等が非課税とされている(消法別表1十)。
 非課税となる身体障害者用物品とは、具体的には義肢、盲人安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車椅子その他の物品で身体障害者の使用に供するための特殊な性状、構造又は機能を有する物品として厚生労働大臣が財務大臣と協議して指定するものをいい、51品目が厚生労働省の告示により指定されている(消令14の4、平成3年厚生省告示第130号)。
 今回の改正では、既に非課税物品に指定されている物品で個別製品名が掲げられているものについて、バージョンアップ等に伴う所要の改正が行われている。この改正は、平成28年4月1日から適用されている(平成28年厚生労働省告示第123号)。

Ⅱ 酒税関係の改正

一 入国者が輸入するウイスキー等に係る酒税の税率の特例措置の延長

 ウイスキー等に係る関税を無税とする関税暫定措置法の適用期限が平成29年3月31日まで1年延長されることから、これに併せて、本特例の適用期限についても平成29年3月31日まで1年延長することとされた(措法87の5)。

二 ビールに係る酒税の税率の特例措置の延長
 「ビールに係る酒税の税率の特例措置」は、小規模なビール製造業への参入促進及び創業期における経営基盤の強化に資する観点から講じられた措置だが、小規模ビール製造者を取り巻く環境が依然として厳しい状況にあること等も勘案し、その適用期限を平成30年3月31日まで2年延長することとされた。
 本特例の適用を受けるビールに対する改正後の酒税の税率は、次のいずれの者に該当するかに応じて、それぞれ次のとおりとなる(措法87の6①~④)。
① 平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に初めてビールの製造免許を受けた者
  平成28年4月1日からビールの製造免許を受けた日から5年を経過する日の属する月の末日までの間にビールをその製造場から移出した場合 前年度課税移出数量が次のいずれの場合に該当するかに応じて、それぞれ次の税率
 イ 前年度課税移出数量が1,000klを超え1,300kl以下の場合 本則税率の100分の92.5
 ロ 前年度課税移出数量が1,000kl以下の場合 本則税率の100分の85
② 平成25年3月31日以前にビールの製造免許を受けた者
  平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間にビールをその製造場から移出した場合 前年度課税移出数量が次のいずれの場合に該当するかに応じて、それぞれ次の税率
 イ 前年度課税移出数量が1,000klを超え1,300kl以下の場合 本則税率の100分の92.5
 ロ 前年度課税移出数量が1,000kl以下の場合 本則税率の100分の85
 (注)平成22年4月1日から平成25年3月31日までの間に初めてビールの製造免許を受けた者がその製造免許を受けた日から5年を経過する日の属する月の末日までの間に適用対象となるビールをその製造場から移出する場合には、前年度課税移出数量が1,300kl以下のビールに対する酒税の税率は、本則税率の100分の85とされている(平成25年改正法附則88②)。

三 被災酒類製造者が移出する清酒等に係る酒税の税率の特例措置の延長
 「被災酒類製造者が移出する清酒等に係る酒税の税率の特例措置」は、被災酒類製造者について、清酒等に係る中小特例の軽減割合の縮減による影響を緩和する等の観点から講じられたものだが、被災酒類製造者を取り巻く環境は依然として厳しいことを考慮し、その適用期限を平成30年3月31日まで2年延長することとされた。

四 地理的表示「日本酒」の指定に伴う酒類の品目表示の特例(例外表示)に係る規定の整備
 酒類については、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律に規定する酒類の品目等の表示義務に基づき、その容器又は包装の見やすい所に酒類の品目の表示が義務付けられている(酒類業組合法86の5)。一方で、酒類の品目の名称以外に一般に慣熟した呼称があるものとして財務省令で定める酒類については、当該品目の名称に代えて、財務省令で定める呼称を表示することができることとされており、清酒の品目に該当する全ての酒類については、その品目である「清酒」の表示に代えて「日本酒」の表示によることができることとされていた(以下「品目の例外表示」という。)(旧酒類業組合法施行規則11の5)。
 今般、酒類業を所管する国税庁では、日本産酒類のブランド価値向上等の観点から、地理的表示(Geographical Indication:GI)の活用を図るため、地理的表示制度の改正(平成27年国税庁告示第19号)を行うとともに、国レベルの地理的表示として「日本酒」を指定した。これにより、その原料である米又は米こうじに国産米を用いたものであり、かつ、日本国内で製造された清酒のみが「日本酒」と表示できることとなる(酒類の地理的表示として日本酒を指定する件(平成27年12月25日公告))。
 この指定に伴い、地理的表示として「日本酒」を表示できる清酒の範囲と品目の例外表示として「日本酒」を表示できる清酒の範囲の整合性を図るため、品目の例外表示として「日本酒」を表示できる清酒の範囲を「国税庁長官が地理的表示として指定した日本酒の表示を使用することができるもの」に見直すこととされた(新酒類業組合法施行規則11の5)。
 この改正は、平成27年12月25日から適用されている(改正規則附則①)。
(注)地理的表示とは、酒類や農産品において、その確立した品質、社会的評価又はその他の特性が当該商品の地理的な産地に主として帰せられている場合において、その産地名(地域ブランド)を独占的に名乗ることができる制度。

Ⅲ たばこ税関係の改正

一 入国者が輸入する紙巻たばこに係るたばこ税の税率の特例措置の延長

 紙巻たばこに係る関税を無税とする関税暫定措置法の適用期限が平成29年3月31日まで1年延長されることから、これに併せて、本特例の適用期限についても平成29年3月31日まで1年延長することとされた(措法88の2)。

Ⅳ 航空機燃料税関係の改正

一 特定離島路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例措置の見直し

1 改正の内容
 「特定離島路線航空機に積み込まれる航空機燃料に係る航空機燃料税の税率の特例措置」については、首都圏の離島路線の就航・利用実態等に鑑み、租税特別措置法施行令第50条の4第1項第4号の対象となる路線(以下「4号路線」という。)の範囲に「離島と成田国際空港との間の路線」を加えた上、離島と大阪国際空港又は関西国際空港のいずれかとの間の路線の指定要件が緩和された。また、この改正により4号路線の範囲が明確化されたことから、4号路線については、国土交通大臣が財務大臣と協議して指定する手続が不要とされた(措令50の4)。

2 適用関係  上記の改正は、平成28年4月1日以後に特定離島路線を航行する航空機に積み込まれる航空機燃料について適用されている(改正措令附則1)。

Ⅴ 自動車重量税関係の改正

一 自動車重量税の免税等の特例措置(いわゆる「エコカー減税」)の見直し

1 改正前の制度の概要
 排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい検査自動車のうち、平成27年5月1日から平成29年4月30日までの間に新車に係る新規検査を受けるものについて、その納付すべき自動車重量税を免税、75%軽減、50%軽減又は25%軽減とすることとされている(旧措法90の12①~④、旧措規40の4)。

2 改正の内容  平成28年ディーゼル重量車排出ガス規制に適合するバス・トラックをエコカー減税の対象に追加することとされた。
 具体的には、
① 免税対象車に、車両総重量が7.5tを超えるバス・トラックで平成28年ディーゼル重量車排出ガス規制に適合する自動車のうち、平成27年度燃費基準値より15%以上燃費性能の良いもの(措法90の12①五ハ、措規40の4⑬)
② 75%軽減対象車に、車両総重量が7.5tを超えるバス・トラックで平成28年ディーゼル重量車排出ガス規制に適合する自動車のうち、平成27年度燃費基準値より10%以上燃費性能の良いもの(措法90の12②二ハ、措規40の4
③ 50%軽減対象車に、車両総重量が7.5tを超えるバス・トラックで平成28年ディーゼル重量車排出ガス規制に適合する自動車のうち、平成27年度燃費基準値より5%以上燃費性能の良いもの(措法90の12③二ハ、措規40の4
④ 25% 軽減対象車に、車両総重量が7.5t を超えるバス・トラックで平成28 年ディーゼル重量車排出ガス規制に適合する自動車のうち、平成27年度燃費基準値を満たすもの(措法90の12④二ハ、措規40の4
を追加することとされた。

3 適用関係  上記の改正は、平成28年4月1日以後に自動車検査証の交付を受ける自動車について適用されている(改正法附則1)。

二 被災自動車等に係る自動車重量税の還付措置の延長
 「被災自動車等に係る自動車重量税の還付措置」については、最近における本措置の申請状況等を考慮し、その適用期限を3年延長し、平成31年3月31日までの措置とすることとされた(震災税特法45)。

三 被災自動車等の使用者であった者が取得する自動車に係る自動車重量税の免税措置の延長
 「被災自動車等の使用者であった者が取得する自動車に係る自動車重量税の免税措置」については、最近における本措置の適用状況等を考慮し、その適用期限を3年延長し、平成31年4月30日までの措置とすることとされた(震災税特法46)。

Ⅵ 印紙税関係の改正

一 特定の学資としての資金の貸付けに係る消費貸借契約書の印紙税の非課税措置の創設

 高等学校、大学等の生徒又は学生であって経済的理由により修学に困難がある者に対して文部科学大臣の確認を受けた無利息で行われる学資としての資金の貸付けに係る消費貸借契約書のうち、平成28年4月1日から平成31年3月31日までの間に作成されるものには、印紙税を課さないこととされた(措法91の2②)。
(注1)「高等学校、大学等の生徒又は学生」とは、以下の者をいう(措法91の2①②)。
 ① 高等学校の生徒
 ② 中等教育学校の後期課程の生徒
 ③ 特別支援学校の高等部の生徒
 ④ 大学の学生
 ⑤ 高等専門学校の学生
 ⑥ 専修学校の高等課程及び専門課程の生徒
(注2)「経済的理由により修学に困難がある者」とは、独立行政法人日本学生支援機構法第14条第3項(第2種学資金)の認定を受ける者と同程度の経済的理由により修学に困難があるものをいう(措令52②)。
(注3)「文部科学大臣の確認を受けた無利息で行われる学資としての資金の貸付け」とは、次のいずれにも該当するものであることにつき文部科学大臣の確認を受けたものをいう(措令52③)。
 ① 経済的理由により修学に困難がある高等学校、大学等の生徒又は学生に対して無利息で行われる学資としての資金の貸付けであること。
 ② 特定の法人等(法人その他の団体又は個人をいう。)の従業者の親族のみを対象とする貸付けその他当該従業者の福利厚生のための貸付けと認められるものでないこと。
 ③ 貸主(当該貸主が実施する学資としての資金の貸付けに係る事業を委託した者を含む。)への就職を条件とする貸付けその他卒業後に当該貸主に直接的な利益をもたらす条件を付したものでないこと。
(注4)文部科学大臣は、上記注3の①~③を確認し、当該確認に3年以内の期限を付して、その確認を受ける者に書面で通知することとなる。通知を受けた者は、確認に付された期限の翌日から7年間、当該書面を主たる事務所の所在地に保存する必要がある(措令52④⑤)。
(注5)本措置は、消費貸借契約書に「租税特別措置法の規定により非課税となる旨」の表示がされたものに限り適用することとされている(措法91の2②、措規42)。

二 独立行政法人中小企業基盤整備機構が作成する不動産の譲渡に関する契約書等の印紙税の非課税措置の延長
 「独立行政法人中小企業基盤整備機構が作成する不動産の譲渡に関する契約書等の印紙税の非課税措置」については、平成29年3月31日までの措置とされていたが、本非課税措置とともに措置されている仮設施設整備事業に係る登録免許税の特例措置の適用期限が2年延長されたことから、本措置の適用期限についても2年延長することとされ、平成31年3月31日までの措置とされた(震災税特法52)。

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