税務ニュース2005年10月03日 SO訴訟、最高裁判決を受け東京地裁民事2部・3部も給与所得(2005年10月3日号・№132) 最高裁判決の射程・「国内子会社の従業員も給与所得」と判示
SO訴訟、最高裁判決を受け東京地裁民事2部・3部も給与所得
最高裁判決の射程・「国内子会社の従業員も給与所得」と判示
最高裁判所第三小法廷が、ストック・オプション(SO)訴訟について「給与所得」と判断(平成17年1月25日判決)したことから、それまで「一時所得」と判示してきた東京地裁民事2部・民事3部においても、相次いで「外国親会社から付与されたSOの権利行使益は給与所得」と認定する判断が示されている。
民事2部「正当な理由」も認めず
東京地裁民事2部(大門 匡裁判長)は、平成17年7月14日、米国親会社から付与されたSOの行使益を「一時所得」に該当するものとして申告し、「給与所得」との更正処分等を受けたために、当該処分等の取消しを求めた事案に対して、「本件権利行使益は、『給与所得』に当たるというべきである。(以上につき、最高裁判所平成17年1月25日第三小法廷判決参照)」などと判示し、原告(納税者)の請求を棄却した。
原告は、「原告は、日本子会社の従業員にすぎないから、米国親会社が原告に対して支配力を有し統括していたとは考えられず、上記判決の趣旨は、本件事案には妥当しない。」と主張したが、判決は、「米国親会社が、日本子会社を支配しているものとみることができるから、その従業員である原告も、米国親会社の総括の下に職務を遂行していたものということができる」として、原告の主張を斥けた。
さらに、原告は、確定申告時までに課税庁の取扱いを認識していながら、自己の誤った判断に基づいて一時所得として申告していたものにすぎず、「正当な理由」があるとは認められないとして、過少申告加算税賦課決定処分も容認された。
民事3部「最上級審の判断を尊重すべき」
東京地裁民事3部(鶴岡稔彦裁判長)は、平成17年7月15日、米国親会社から付与されたSOを行使して、「給与所得」として申告し、当該権利行使益は「一時所得」に該当するものとして更正の請求を行い、理由がない旨の通知処分を受けたために、当該処分の取消しを求めた事案に対して、「同種事案について最上級審の判断が示されている以上、当裁判所としても、その判断を尊重すべきものである」などと判示し、原告(納税者)の請求を棄却した。
鶴岡稔彦裁判長は、最高裁の判断が示されるまで「外国親会社から付与されたSOの権利行使益は一時所得」との判決を下していたが、本件では、「最高裁平成17年判決は、原告が主張する諸点(権利行使益の偶発性等や、それが雇用関係の当事者から給付されるものではないこと)を考慮しても、本件権利行使益を給与所得と解することは十分に可能であることを前提とした判断をしているものといわざるを得ない」と判示するなど、最高裁判決を取り入れた。
最高裁判決の射程・「国内子会社の従業員も給与所得」と判示
最高裁判所第三小法廷が、ストック・オプション(SO)訴訟について「給与所得」と判断(平成17年1月25日判決)したことから、それまで「一時所得」と判示してきた東京地裁民事2部・民事3部においても、相次いで「外国親会社から付与されたSOの権利行使益は給与所得」と認定する判断が示されている。
民事2部「正当な理由」も認めず
東京地裁民事2部(大門 匡裁判長)は、平成17年7月14日、米国親会社から付与されたSOの行使益を「一時所得」に該当するものとして申告し、「給与所得」との更正処分等を受けたために、当該処分等の取消しを求めた事案に対して、「本件権利行使益は、『給与所得』に当たるというべきである。(以上につき、最高裁判所平成17年1月25日第三小法廷判決参照)」などと判示し、原告(納税者)の請求を棄却した。
原告は、「原告は、日本子会社の従業員にすぎないから、米国親会社が原告に対して支配力を有し統括していたとは考えられず、上記判決の趣旨は、本件事案には妥当しない。」と主張したが、判決は、「米国親会社が、日本子会社を支配しているものとみることができるから、その従業員である原告も、米国親会社の総括の下に職務を遂行していたものということができる」として、原告の主張を斥けた。
さらに、原告は、確定申告時までに課税庁の取扱いを認識していながら、自己の誤った判断に基づいて一時所得として申告していたものにすぎず、「正当な理由」があるとは認められないとして、過少申告加算税賦課決定処分も容認された。
民事3部「最上級審の判断を尊重すべき」
東京地裁民事3部(鶴岡稔彦裁判長)は、平成17年7月15日、米国親会社から付与されたSOを行使して、「給与所得」として申告し、当該権利行使益は「一時所得」に該当するものとして更正の請求を行い、理由がない旨の通知処分を受けたために、当該処分の取消しを求めた事案に対して、「同種事案について最上級審の判断が示されている以上、当裁判所としても、その判断を尊重すべきものである」などと判示し、原告(納税者)の請求を棄却した。
鶴岡稔彦裁判長は、最高裁の判断が示されるまで「外国親会社から付与されたSOの権利行使益は一時所得」との判決を下していたが、本件では、「最高裁平成17年判決は、原告が主張する諸点(権利行使益の偶発性等や、それが雇用関係の当事者から給付されるものではないこと)を考慮しても、本件権利行使益を給与所得と解することは十分に可能であることを前提とした判断をしているものといわざるを得ない」と判示するなど、最高裁判決を取り入れた。
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