解説記事2017年08月28日 【資料解説】 新たな認定医療法人の認定要件が明らかに(2017年8月28日号・№704)
資料解説
役員報酬の支給基準の策定などが認定の要件
新たな認定医療法人の認定要件が明らかに
厚生労働省は8月14日、医療法施行規則の一部を改正する省令案を公表した(新旧対照表は次頁以降を参照)。9月12日まで意見募集を行う。今回の省令案は医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第57号)が施行されることに伴うもの。認定を受けようとする持分あり医療法人(経過措置医療法人)の運営に関する要件などが定められている。認定要件には、非課税基準である役員数、役員の親族要件等は除外され、医療法人の関係者に特別の利益を与えないことや役員報酬等について不当に高額にならないような支給基準を定めていることなどが規定される。
遊休財産額規制も 平成29年度税制改正では、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限が3年延長されるとともに、改正医療法で規定される新たな認定要件を満たした認定医療法人(平成29年10月1日から平成32年9月30日までの間に認定を受けたものに限る)の持分を有する個人がその持分の全部又は一部を放棄したことによる経済的利益に対する医療法人への贈与税課税(相法66④)を非課税とする改正が行われている(措法70の7の10)。
新たに追加される移行計画の認定要件(運営に関する要件)については、今回の省令案で示されることとなった。具体的には、①医療法人の関係者に対し特別の利益を与えないこと、②役員報酬等について、不当に高額なものとならないような支給基準を定めていること、③株式会社等に対し寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないこと、④遊休財産額は、直近に終了した会計年度の損益計算書に計上する事業に係る費用の額を超えないこと、⑤法令違反や帳簿書類に取引の全部若しくは一部を隠蔽等するなどの事実がないこと、⑥社会保険診療に係る収入が全体の80%超、⑦自費患者に対し請求する金額が社会保険診療報酬と同一の基準で計算されること、⑧医療診療収入が患者のために直接必要な経費の1.5倍以内であること―とされている(規則案57条の2)。
「特定医療法人制度FAQ」が参考に 認定要件では、「医療法人の関係者に対し特別の利益を与えないこと」などの要件が入っているが、考え方としては「特定医療法人」と同様のものとなりそうだ。例えば、「特別の利益」とは、給与等の金銭的利益だけではなく、手続上の優遇措置なども該当する。この点、国税庁が今年6月に公表した「特定医療法人制度FAQ」も参考になる(本誌702号26頁参照)。認定については厚生労働大臣が行うが、これまでの国税当局が行ってきた仕組みを大きく変えるものではないからだ。
役員報酬の支給基準の策定などが認定の要件
新たな認定医療法人の認定要件が明らかに
厚生労働省は8月14日、医療法施行規則の一部を改正する省令案を公表した(新旧対照表は次頁以降を参照)。9月12日まで意見募集を行う。今回の省令案は医療法等の一部を改正する法律(平成29年法律第57号)が施行されることに伴うもの。認定を受けようとする持分あり医療法人(経過措置医療法人)の運営に関する要件などが定められている。認定要件には、非課税基準である役員数、役員の親族要件等は除外され、医療法人の関係者に特別の利益を与えないことや役員報酬等について不当に高額にならないような支給基準を定めていることなどが規定される。
遊休財産額規制も 平成29年度税制改正では、医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予制度等の適用期限が3年延長されるとともに、改正医療法で規定される新たな認定要件を満たした認定医療法人(平成29年10月1日から平成32年9月30日までの間に認定を受けたものに限る)の持分を有する個人がその持分の全部又は一部を放棄したことによる経済的利益に対する医療法人への贈与税課税(相法66④)を非課税とする改正が行われている(措法70の7の10)。
新たに追加される移行計画の認定要件(運営に関する要件)については、今回の省令案で示されることとなった。具体的には、①医療法人の関係者に対し特別の利益を与えないこと、②役員報酬等について、不当に高額なものとならないような支給基準を定めていること、③株式会社等に対し寄附その他の特別の利益を与える行為を行わないこと、④遊休財産額は、直近に終了した会計年度の損益計算書に計上する事業に係る費用の額を超えないこと、⑤法令違反や帳簿書類に取引の全部若しくは一部を隠蔽等するなどの事実がないこと、⑥社会保険診療に係る収入が全体の80%超、⑦自費患者に対し請求する金額が社会保険診療報酬と同一の基準で計算されること、⑧医療診療収入が患者のために直接必要な経費の1.5倍以内であること―とされている(規則案57条の2)。
「特定医療法人制度FAQ」が参考に 認定要件では、「医療法人の関係者に対し特別の利益を与えないこと」などの要件が入っているが、考え方としては「特定医療法人」と同様のものとなりそうだ。例えば、「特別の利益」とは、給与等の金銭的利益だけではなく、手続上の優遇措置なども該当する。この点、国税庁が今年6月に公表した「特定医療法人制度FAQ」も参考になる(本誌702号26頁参照)。認定については厚生労働大臣が行うが、これまでの国税当局が行ってきた仕組みを大きく変えるものではないからだ。
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