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解説記事2018年08月13日 【ニュース特集】 質問応答記録書作成マニュアルの中身とは?(2018年8月13日号・№751)

ニュース特集
閲読、署名・押印等に係るQ&Aを紹介
質問応答記録書作成マニュアルの中身とは?

 税務当局は、課税要件事実の立証手段の一つとして、納税者や反面調査先等に対する質問調査で得た答述を質問応答記録書により証拠化している。本特集では、税務当局が、争訟の場で信用性に疑問を持たれることがないように、内容面・形式面に関する留意事項を解説した質問応答記録書作成マニュアルの中から、回答者側も押さえておきたいQ&Aを紹介する。

総論

Q1
 回答者や税理士から、質問応答記録書の作成方法や作成理由を質問された場合、どのように説明すればよいか。
A
 例えば、「この調査でお聞きした内容を正確に記録するために、質問応答記録書という書面を作成します。これまでお聞きした内容を書面に記載します。その後、間違いがないようにするため、私が読み上げた上、あなたに読んでもらい、内容を確認してもらいたいと考えています。もし訂正や追加してほしい点があれば、訂正します。このようにして、この調査でお聞きした内容を正確に残したいと考えています。」などと回答者等に説明する。

Q2
 質問応答記録書は、回答者の面前で作成する必要があるか。
A
 質問応答記録書は、原則として、質問応答の場において、回答者の面前で作成する。
 ただし、時間的余裕がないなど、これにより難いやむを得ない事情がある場合には、調査場所において回答者の面前以外で文面を作成したり、一旦帰署して文面を作成した後、別の機会に回答者に対し読み上げ・閲読し、署名・押印を求めても差し支えない。
 当然ではあるが、回答者に対する読み上げ・閲読の前に、訂正等がないかの問に対し、訂正等がない旨記載された「答」の部分や、回答者が誤りのないことを確認した旨記載された奥書をあらかじめ記入(印刷)してはならない(調査担当者には、回答者の訂正等の申立てに応じる意思がないとの誤解(疑義)を生じさせることになる)。
 ただし、回答者が署名・押印した行以降に斜線を引いて余白処理をした上、次のページに、あらかじめ奥書や調査担当者の署名欄が印刷された継続用紙を充てることは差し支えない。

Q3
 記録者である調査担当者が、質問者に追加の質問を促してもよいか。
A
 複数の調査担当者で質問応答記録書を作成する場合、質問は2名で実施し、1名が「質問者」として主たる質問を行い、他方の者が「記録者」として筆記(またはパソコン入力)を行って質問応答記録書を作成する。この際、記録者が質問者に追加の質問を促しても差し支えなく、また、記録者が回答者に対し直接、補足の質問をしても差し支えない。 
 ただし、質問する者が頻繁に入れ替わったり、調査担当者相互間で整合しない発言をするなどして、回答者が混乱に陥ることのないよう留意する。
 なお、質問応答記録書の作成は、可能な限り、2名の調査担当者で実施するのが望ましいが、これが困難である場合は、1名で作成しても差し支えない。

本文の記載要領

Q4
 質問調査の過程で、回答者に資料等を提示する場合の留意点は何か。その場合はどのように質問応答記録書に記載すべきか。
A
 回答者に資料等を提示しながら質問調査をすることは、当該資料等の作成経緯(作成者・作成日等)や当該資料と調査事案との関連性を明らかにするほか、回答者の記憶喚起、虚偽回答の弾劾、真実の供述獲得等に有用である。
 ただし、①どの資料等のどの部分を提示したのか(表題等による資料の特定)、②なぜ当該資料等が提示できたのか(入手経緯等)、③提示した資料は原本か写しか(添付するものは当然写しとなる)、④当該資料等のうちどの部分を質問応答記録書末尾に添付したのか(添付資料ごとに右上隅に「資料1」などと資料番号を記載する)、⑤添付資料の合計枚数は何枚になるのか(脱落の有無を確認するため)が明らかになるよう質問応答記録書の本文に記載する。

Q5
 質問応答記録書の本文末尾に、回答者に対して訂正等がないか確認し、これに対する答述を得た旨の問答を記載すべきか。
A
 質問応答記録書の本文末尾に、「以上で質問を終えますが、何か訂正又は付け加えたいことがありますか。」などの問答(末尾問答)を記載することは、回答者に対し、質問応答記録書の読み上げ・閲読の前にも、それまでの答述を訂正等する機会を与えた事実を担保することとなり、信用性確保の観点から有用であるから、質問応答記録書に、末尾問答を記載する。
 本文を物語形式(編注:調査担当者の問いを記載せず、回答者が自ら出来事を物語っている形で記載する方式のこと)で作成した場合であっても、この部分は問答を用いる。
 末尾問答における回答者の答述によって、更なる質問調査を要する時は、引き続き質問調査を継続し、その内容を記載済みの末尾問答に続けて記載する。その際も、前同様の方法で再度末尾問答に関する応答を行い、その状況を末尾問答として記載する。

回答者に対する読み上げ・閲読

Q6
 質問応答記録書の記載内容を回答者に対し読み上げた後、回答者に閲読させる必要はあるか。いずれかの一方で足りる場合はあるか。
A
 質問応答記録書の作成後、一層の答述内容の信用性確保のため、原則として、回答者に対し、質問調査の要旨に記載した内容を読み上げ、かつ、回答者に閲読させ、回答者に内容に誤りがないか十分確認する機会を付与する(従前は、回答者に質問応答記録書を読んで確認する機会を与えることを「提示」と称しており、奥書にも「提示」と記載していたが、「提示」では回答者に質問応答記録書の一部分のみを短時間示しただけで、十分確認する機会を与えなかったのではないかとの疑義が生じることから、「閲読」と改めた)。
 ただし、①説得しても回答者が質問応答記録書の閲読を拒否した場合や、②回答者が疾病等により閲読できない場合は、読み上げのみを行う。また、③回答者が疾病等により読み上げた内容を聞き取ることができない場合は、回答者の閲読のみを行うこととなる。

Q7
 質問応答記録書の読み上げ・閲読後、回答者の署名・押印前に、回答者から記載内容につき追加・削除・変更の申立てがあった場合、どのように対応すべきか。
A
 回答者から、記載内容につき追加・削除・変更の申立てがあった場合(内容に影響しない2・3文字程度の単なる誤字・脱字の指摘を除く。)には、質問応答記録書の本文末尾に当該申立て内容を追記する。
 また、読み上げ・閲読を行い、回答者が誤りのないことを確認した旨の奥書を記載した後に、回答者から追加・削除・変更の申立てがあった場合、原記載が不明となってしまう方法(原記載を削除して追記したり、原記載のあるページを廃棄し、新たな用紙に書き直すなど)はとらない。
 かかる場合、記載した奥書に続けて、更に回答者の申立て内容を追記した上、追記部分の読み上げ・閲読を行い、改めて署名・押印を求める。

Q8
 質問応答記録書の読み上げ・閲読後で、回答者の署名・押印前に、調査担当者が内容に影響しない単純な誤字・脱字を発見した場合(回答者から指摘があった場合を含む)、どのように対処すべきか。また、回答者の署名・押印後はどのように対処すべきか。
A
 日時・金額など数字に係る部分、地名、ある場面に居合わせた者の特定(氏名)など重要な事項については、2・3文字程度の明らかに単純な誤字・脱字であっても、事後的に改ざんがなされたとの疑義を生じさせないため、質問応答記録書の本文末尾に追記する方法により訂正する。これに該当しない単純な誤字・脱字については、回答者の署名・押印前の場合には、回答者の面前で本文に加除を施す方法による訂正作業を行う。なお、2・3文字を超える加除は内容の変更を伴うものとなるから、質問応答記録書の本文末尾に追記する方法により訂正する。
 しかしながら、回答者からの訂正・追加・変更の申立てを本文に加除する方法(上記単純な誤字・脱字の訂正方法)で行うことは厳禁であり、必ず質問応答記録書の本文末尾に追記する方法により訂正する。
 また、回答者の署名・押印後に誤字・脱字が判明した場合には、原則として、当該質問応答記録書そのものに訂正を施してはならず、別途、調査報告書を作成して誤字・脱字があった旨を明らかにする。ただし、回答者の署名・押印の直後で、回答者および調査担当者双方がその場を退去しておらず、回答者の明確な了解が得られた場合は、署名・押印前と同様の方法により、回答者の面前で訂正作業をして差し支えない。

回答者に対する署名・押印の求め

Q9
 回答者の署名は、記名印(氏名・名称をゴム印等にしたもの)の押印でもよいか。また、回答者の押印は、実印である必要があるか。
A
 署名は、回答者に対し自署することを求め、記名印の押印による代用はさせない。
 また、押印は、印影が回答者の姓(または姓名)と一致し、かつ、回答者が使用しうるものであれば足り、実印である必要はない。ただし、劣化のおそれがあるので、スタンプ型の印鑑(いわゆるシャチハタ印)の使用はさせず、回答者が他の印鑑を所持していない場合は、指印を求める。

Q10
 回答者が印鑑を所持していない場合、指印によって差し支えないか。また、回答者からサインであれば応じるとの申出があった場合はどうすべきか。
A
 回答者が印鑑を所持していない場合は、指印(原則として、左手人差指にインクを付けて署名の右に押す)を求めて差し支えない。また、回答者が、押印や指印は拒否するものの、サイン(押印すべき個所に姓や姓名を書いてこれを○で囲むもの)であれば応じる場合は、押印や指印に代えてサインをさせることとして差し支えない。

Q11
 回答者が署名・押印を拒否した場合は、どのように対応すべきか。
A
 まず、回答者から署名・押印を拒否する理由を確認する。 
 回答者が、記載内容につき追加・削除・変更の申立てがあることを理由に署名・押印を拒否した場合、質問応答記録書の本文に当該申立て内容を追記し、改めて署名・押印を求める。特に、回答者が、「回答の中に正確でない部分がある。」などと曖昧に述べて署名・押印を拒否した場合、そのまま放置すれば質問応答記録書に記載された事項の全ての信用性が失われるので、新たな質問を行うことにより、具体的に正確ではない部分を特定し、当該事項に関する正確な回答やその要因を記載する。
 他方、回答者が、記載内容につき追加・削除・変更の申立てがない旨を述べながら、署名・押印を拒否した場合、または回答者が署名・押印を拒否する理由を述べない場合には、事案や回答者の言動に応じ、例えば、「訂正すべき事項があれば訂正をします。」、「内容に間違いがなければ、その正確性を確認してもらった証として署名・押印をしてもらいたいのです。」、「もし後で何か思い出したり、間違いに気が付いたら、更に話を聞くこともできます。」などと回答者に申し向け、署名・押印をするよう説得する。ただし、署名・押印を強要することはもとより、そのような疑義を生じさせる言動をしないよう留意する。
 かかる説得をしても、なお回答者が署名・押印を拒否した場合は、署名・押印を予定していた箇所は空欄のままにし、奥書において、回答者が署名・押印を拒否した旨(可能な限り、本人から拒否理由を聞き出してそれも付記すべきである。)を記載する。また、回答者が署名・押印を拒否したものの、記載内容に誤りがないことを認めた場合にはその旨も記載する。更に、回答者がページ欄外の確認印の押印に限り同意した場合は、これを行わせる。
 回答者の署名・押印、確認印がない場合であっても、調査担当者(質問者および記録者)は必ず所定の箇所に署名・押印し、契印を施すなどして、書類として完成させる。
 なお、回答者の署名・押印がない質問応答記録書であっても、争訟となった場合の証拠となることから、署名・押印を拒否した理由や、記載内容に誤りがないことを認めたか否かは重要であるので、質問応答記録書にその旨を記載すべきことはもとより、回答者の署名・押印が得られなかった理由・経緯等で特記すべき事項があれば、その旨を記載した調査報告書を作成する。

Q12
 税務代理権限がある税理士や弁護士が質問調査に同席した場合、税理士や弁護士に署名・押印を求める必要はあるか。
A
 質問調査に同席した税理士や弁護士に署名・押印を求める必要はない。

その他

Q13
 質問応答記録書の写しの交付を求められた場合の対応は。
A
 質問応答記録書は、調査担当者と回答者の応答内容を記録し、調査関係書類とするために調査担当者が作成した行政文書であり、回答者や税理士に交付することを目的とした行政文書ではないことから、調査時に写しを交付してはならない。同様に、質問応答記録書を撮影させてはならない。また、作成途中の質問応答記録書(署名・押印前のもの等)についても、写しを交付してはならない(撮影させてはならない)。
 なお、個人情報保護法に基づき、回答者等が「質問応答記録書」の開示請求を行った場合には、原則として、開示されることとなるが、あくまで別手続であるから、上記のとおり対応する。

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