解説記事2018年12月10日 【SCOPE】 税務CGによる調査時期延長等、対象法人は90社に増加(2018年12月10日号・№766)
調査期間短縮の対象になった法人も
税務CGによる調査時期延長等、対象法人は90社に増加
税務に関するコーポレートガバナンス(以下「税務CG」)の取組みが良好で調査時期が延長等された法人数が平成30年6月末時点で90社(前事務年度比+39社)と大幅に増加したことがわかった。国税庁によると、経営責任者等との意見交換や評価ポイントの公表等により税務CGの充実を促してきた結果、自主的に税務方針を公表する企業が現れるなど税務CGによる取組みに関する意識が企業に定着しているようだ。また、国税庁は、業種別ではバラつきがあるほか、税務CG確認表に基づく確認項目別で内部牽制のためのマニュアル等の整備・運用状況に改善の余地がみられるなど、一層の浸透が必要とみている。
平成26~29事務判定分では、全体の23%が延長等の対象に
国税当局による税務CGの取組みは、国税局調査課所管法人のうち、特別国税調査官が所掌する全国約500社の法人を対象として行われているもの。具体的には、①税務調査の機会に税務CGの状況を確認・判定、②調査終了時に大企業の経営責任者等と国税局幹部が意見交換(効果的な取組事例の紹介など)、③税務CGの状況が良好で一定の条件を満たした大企業については、次回の税務調査の時期の延長や次回の税務調査期間が短縮されることになる。
税務CG(税務について経営責任者等が自ら適正申告の確保に積極的に関与し、必要な内部統制を整備すること)は、企業側にとっては不適切な税務処理が発生するリスクの軽減や税務調査対応の負担軽減といったメリットがある一方で、国税当局側にとっても調査必要度の高い法人へ調査事務量を重点的に配分できるといったメリットがある。国税庁は、税務CGに係る事務運営指針(当局の事務手続きや評価ポイントなど)を同庁HPに公表することにより、企業の自発的な取組みを後押している。
国税庁によると、税務CGが良好で調査時期の延長等の対象となった法人は年々増加しており、平成30年6月末時点では90社が対象となった(表参照)。90社のうちの数社は、調査期間の短縮の対象になっている。
税務CGの状況や調査結果等を踏まえた総合判定の結果(図1参照)をみると、全体の23%が延長等対象法人となっていることがわかる。また、業種別でみると、金融・その他の業やサービス業で税務CGが良好である法人の比率の高さが目立つ一方で、建設業で税務CGが良好である法人の比率は小さい。また、税務CG確認表に基づき判定した各項目別の結果(図2)をみると、内部牽制のためのマニュアル等の整備・運用でA項目の比率が小さい。国税庁は、業種別ではバラつきがあるほか、税務CG確認表に基づく確認項目別で内部牽制のためのマニュアル等の整備・運用状況に改善の余地がみられるなど、一層の浸透が必要とみている。

税務CGによる調査時期延長等、対象法人は90社に増加
税務に関するコーポレートガバナンス(以下「税務CG」)の取組みが良好で調査時期が延長等された法人数が平成30年6月末時点で90社(前事務年度比+39社)と大幅に増加したことがわかった。国税庁によると、経営責任者等との意見交換や評価ポイントの公表等により税務CGの充実を促してきた結果、自主的に税務方針を公表する企業が現れるなど税務CGによる取組みに関する意識が企業に定着しているようだ。また、国税庁は、業種別ではバラつきがあるほか、税務CG確認表に基づく確認項目別で内部牽制のためのマニュアル等の整備・運用状況に改善の余地がみられるなど、一層の浸透が必要とみている。
平成26~29事務判定分では、全体の23%が延長等の対象に
国税当局による税務CGの取組みは、国税局調査課所管法人のうち、特別国税調査官が所掌する全国約500社の法人を対象として行われているもの。具体的には、①税務調査の機会に税務CGの状況を確認・判定、②調査終了時に大企業の経営責任者等と国税局幹部が意見交換(効果的な取組事例の紹介など)、③税務CGの状況が良好で一定の条件を満たした大企業については、次回の税務調査の時期の延長や次回の税務調査期間が短縮されることになる。
税務CG(税務について経営責任者等が自ら適正申告の確保に積極的に関与し、必要な内部統制を整備すること)は、企業側にとっては不適切な税務処理が発生するリスクの軽減や税務調査対応の負担軽減といったメリットがある一方で、国税当局側にとっても調査必要度の高い法人へ調査事務量を重点的に配分できるといったメリットがある。国税庁は、税務CGに係る事務運営指針(当局の事務手続きや評価ポイントなど)を同庁HPに公表することにより、企業の自発的な取組みを後押している。
国税庁によると、税務CGが良好で調査時期の延長等の対象となった法人は年々増加しており、平成30年6月末時点では90社が対象となった(表参照)。90社のうちの数社は、調査期間の短縮の対象になっている。

税務CGの状況や調査結果等を踏まえた総合判定の結果(図1参照)をみると、全体の23%が延長等対象法人となっていることがわかる。また、業種別でみると、金融・その他の業やサービス業で税務CGが良好である法人の比率の高さが目立つ一方で、建設業で税務CGが良好である法人の比率は小さい。また、税務CG確認表に基づき判定した各項目別の結果(図2)をみると、内部牽制のためのマニュアル等の整備・運用でA項目の比率が小さい。国税庁は、業種別ではバラつきがあるほか、税務CG確認表に基づく確認項目別で内部牽制のためのマニュアル等の整備・運用状況に改善の余地がみられるなど、一層の浸透が必要とみている。


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