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解説記事2019年01月14日 【税務マエストロ】 平成31年度税制改正大綱で明らかとなった「過大支払利子税制」の改正内容と実務への影響(2019年1月14日号・№770)

税務マエストロ
税務における第一人者“税務マエストロ”による税実務講座

今週のマエストロ&テーマ
平成31年度税制改正大綱で明らかとなった「過大支払利子税制」の改正内容と実務への影響

#222 栗原宏幸(弁護士・税理士)

略歴 森・濱田松本法律事務所 弁護士・税理士。国際税務、税務紛争、タックス・プランニングに精通。広島県呉市出身。広島学院高校、東京大学法学部、東京大学法科大学院卒業。留学先の米国スタンフォード大学、ニューヨーク大学で国際税務を学ぶ。M&A、ファイナンス等の知識・ノウハウを生かし、法務・税務ワンストップの総合的なアドバイスを得意とする。

1 はじめに
 2018年12月14日、政府与党による平成31年度税制改正大綱(以下「大綱」という。)が公表された(脚注1)。
 大綱によれば、平成31年度税制改正で「過大支払利子税制」が大要表1(次頁)のとおり改正される。そこで、本稿では、大綱において示された過大支払利子税制の改正内容と改正が及ぼす実務への影響について解説する(脚注2)。

2 改正内容の解説
(1)はじめに
 過大支払利子税制とは、所得に比して過大な利子の損金算入により法人の課税所得を圧縮するプランニングを防止することを目的とした制度であり、同税制が適用される場合、所定の損金算入限度額を超える利子の損金算入をすることができない(租税特別措置法66条の5の2、66条の5の3)。
 現行法は、国外の関連者等(脚注3)に関する純支払利子(支払利子-受取利子)のみを対象とし、当該純支払利子に関しては「調整所得金額」(脚注4)の50%を超える利子の損金算入を認めない、というものである(租税特別措置法66条の5の2第1項)。
 これに対し、大綱によれば、改正後は、表1(次頁)のとおり、①国外の関連者等に限らず国外の第三者・関連者等に対する支払利子を適用対象とし、②調整所得金額についてはこれまで加算されていた益金不算入の配当等を加算対象から除外した上で、③損金算入限度額は調整所得金額の50%から20%に引き下げられる。
 次頁の表2は、大綱において示された改正内容の詳細を示したものである。


(2)適用対象となる利子等の範囲について
 (i)概要
 上記(1)で改正後は国外の第三者・関連者等に対する支払利子が適用対象となると説明したが、そのことを大綱の記載から読み取るのは容易ではない。それは、改正案が、「受領者側で日本の課税を受ける利子等(「対象外支払利子等の額」)を除いた支払利子等」という形で、適用対象を裏から規定しているからである(表2の「適用対象となる利子等」を参照)。この点、今回の改正の端緒であるBEPSプロジェクトの行動計画4は、国内・国外を問わず、全ての支払利子を利子控除制限の対象とすることを提言していた(脚注5)。しかし、大綱で示された改正案は、その提言内容とは異なり、「国外」の第三者に対する支払利子のみを適用対象としている。このように国内取引を適用対象外としたのは、銀行取引を始めとするこれまでの実務に配慮した結果ではないかと推測される(脚注6)。
 上記のとおり「対象外支払利子等の額」を除いた支払利子等が改正後の過大支払利子税制の適用対象となることから、「対象外支払利子等の額」の意義が改正後の同税制を理解する上で重要となるので、以下では「対象外支払利子等の額」の内容を詳しく検討する。
 (ii)「対象外支払利子等の額」の意義-総論  大綱は、「対象外支払利子等の額」に該当するための要件を、①「特定債券利子等」以外の支払利子等と②「特定債券利子等」とで別々に規定している。そのため、ある支払利子等の額が①と②のどちらに該当するのかをまず確認する必要がある。
 この点、「特定債券利子等」とは「当該法人が発行した債券(その取得をした者が実質的に多数でないものを除く)に係る支払利子等で非関連者に対するもの」をいうとされているから、第三者に対して発行される社債(公募社債、民間国外債等)の利子は広く②に含まれるであろう。但し、債権の取得をした者が実質的に多数でない債券に係る利子等の額は特定債券利子等に含まれないとされているため、少数の者に発行される社債の利子は②には含まれないことになる(脚注7)。
 以上に対し、①は特定債券利子等以外の支払利子等をいうとされており、典型例としては金融機関等からの借入が考えられよう。
(iii)「対象外支払利子等の額」の意義-①の特定債券利子等以外の支払利子等の場合  ①の特定債券利子等以外の支払利子等の場合については、その受領者の日本における課税所得に含まれる支払利子等の額は「対象外支払利子等の額」に含まれるものとされている(表2の「適用対象となる利子等」の①イ)。但し、次の②の特定債権利子等の場合と異なり、支払時に利子等について源泉徴収が行われていたとしても、そのことをもって「対象外支払利子等の額」にあたるとはされていない点には留意を要する。あくまで受領者の日本における課税所得に含まれる利子等であることが「対象外支払利子等の額」の要件とされている。
 日本の銀行等からの借入に対する支払利子はこの要件を満たすため、「対象外支払利子等の額」に該当し、改正後の過大支払利子税制の適用対象から外れることになると考えられる。これに対し、外国法人や非居住者からの借入に対する支払利子については、たとえ利子が日本の源泉徴収の対象になっていたとしても、利子の受領者が日本にPEを有しており当該利子がPE帰属所得として日本の課税を受けている場合(外国金融機関の日本支店からの借入に対する支払利子がこれに該当しよう。)を除き、「対象外支払利子等の額」には該当しないものと解される(脚注8)。
(iv)「対象外支払利子等の額」の意義-②の特定債権利子等の場合  ②の特定債券利子等の場合については、「対象外支払利子等の額」の定め方がやや複雑であり、大綱の説明にクリアでない部分がある。
 すなわち、特定債券利子等に関する「対象外支払利子等の額」とは「債券ごとに次に掲げるいずれかの金額」とされ、「いずれかの金額」とは「支払時に源泉徴収が行われ、又はその特定債券利子等を受ける者においてわが国の課税所得に含まれる特定債券利子等の額及び一定の公共法人に対する特定債券利子等の額」(表2の「適用対象となる利子等」の②イ)と「国内で発行された債券については特定債券利子等の額の95%、国外で発行された債券については特定債券利子等の額の25%」(表2の「適用対象となる利子等」の②ロ)を指すものとされている。(以下では説明の便宜上、前者のイの金額を「課税対象利子等の額」といい、後者のロの金額を「みなし課税対象利子等の額」ということとする。)
 このような説明が用いられているのは、「課税対象利子等の額」と「みなし課税対象利子等の額」のいずれをもって「対象外支払利子等の額」とするかを納税者の選択に委ねる趣旨ではないかと思われる。すなわち、「課税対象利子等の額」は受領者の課税関係に基づいて算定されるものであるが、不特定多数の投資家が保有することが想定されている社債について発行者が個々の投資家の課税関係を把握することは必ずしも容易でないと考えられる。これに対し、「みなし課税対象利子等の額」は、「課税対象利子等の額」の算定が困難であることを勘案して設けられた簡便法であると推察される。すなわち、「みなし課税対象利子等の額」とは、国内債(国内で発行された債券)については95%の支払利子等が「課税対象利子等の額」であり、国外債(国外で発行された債券)については25%の支払利子等が「課税対象利子等の額」であるとみなして「対象外支払利子等の額」を算定することを許容するものであり、その計算は投資家の課税関係とは無関係であり、発行者において容易に算定可能である。そこで、投資家の課税関係に基づいて「課税対象利子等の額」を用いるのか、それともより算定が容易な「みなし課税対象利子等の額」を用いるのかを納税者の選択に委ねる、というのが大綱で「いずれかの金額」という表現により意図したものではないかと考えられる。もっとも、両者の関係をそのように理解してよいかは大綱からは必ずしも明らかではない。今後公表される改正法案、施行令案等において両者の関係が明確化されるものと考えられる。
 「課税対象利子等の額」に基づき「対象外支払利子等の額」を算定する場合、受領者で日本の課税所得として課税を受けていること、一定の公共法人への支払利子であることという①と同様の要件のほか、①と異なり、支払時に源泉徴収が行われている支払利子等は、当該利子等について受領者が日本の課税所得として課税を受けているかにかかわらず、「対象外支払利子等の額」に該当するものとされている。このように①と②で源泉徴収に関する取扱いを区別する理由は大綱からは明らかではないが(脚注9)、源泉徴収される支払利子等が「対象外支払利子等の額」に含まれるということは、外国法人・非居住者に対する支払利子も原則として「対象外支払利子等の額」に含まれることを意味すると解される。すなわち、外国法人・非居住者に対する支払利子は、後述する民間国外債の利子の場合と租税条約で免除される場合を除き、支払時に日本の源泉徴収に服するから、外国法人・非居住者が保有する社債の支払利子についても「対象外支払利子等の額」に該当する場合が少なくないと思われる。
 次に「みなし課税対象利子等の額」については、国内債については95%の支払利子が、国外債については25%の支払利子が、それぞれ「対象外支払利子等の額」に該当するものとされている。換言すれば、「みなし課税対象利子等の額」に基づいて「対象外支払利子等の額」を算定する場合、社債の保有者の課税関係にかかわらず、国内債については支払利子等の5%が適用対象となり、国外債については支払利子等の75%が適用対象となる。これは、この「みなし課税対象利子等の額」が「課税対象利子等の額」の計算の簡便法として設けられたものであるという理解に立てば、国内債については支払利子等の95%が「課税対象利子等の額」に該当し、国外債については支払利子等の25%が「課税対象利子等の額」に該当する、という一種のフィクションに基づくものであるが、この95%と25%という設定の合理性を支える立法事実等の説明は大綱において存在しない。この点についての財務省主税局等からの説明が望まれる。
 (v)控除される受取利子等の額について  過大支払利子税制の適用対象は、支払利子等の額から「これに対応する受取利子等の額」を控除した「純支払利子等」とされている。この「これに対応する受取利子等の額」の計算方法は大綱で示されていない。現行法では、受取利子等の額を関連者等に対する支払利子等の総支払利子等に対する割合で按分した金額をもって対応する受取利子等の額とするとされており(租税特別措置法66条の5の2第3項)、同様の按分計算が用いられる可能性がある。
(3)調整所得金額の計算について  改正後は、受取配当等の益金不算入額及び外国子会社配当等の益金不算入額は調整所得金額に含まないものとされる。これは、益金不算入となる配当等の非課税所得は計算の基礎となる所得に含めるべきではないというBEPSプロジェクト行動計画4の提言を受けたものであると考えられる(脚注10)。
(4)損金算入限度額について  現行法では損金算入限度額は調整所得金額の50%とされているが、改正後は調整所得金額の20%に割合が引き下げられる。BEPSプロジェクトを受けた各国の対応においては30%が主流とされているようであるが、これより低い20%とされたのは、対象となる支払利子等が「国外」の第三者・関連者等に対する支払利子等に限定され、国内の第三者・関連者等に対する支払利子等が除外されたことを受けて低く設定されたものではないかと思われる。
(5)適用免除基準について  現行法では、①1000万円の少額基準と②関連者への支払利子等の全体に占める割合が50%以下である場合の適用免除基準が設けられているが、改正後は、①の少額基準の基準金額が2000万円に引き上げられる。また、単体ベースであれば損金算入制限を受ける場合にも、50%超の資本関係等で構成されるグループ単位で適用対象となる純支払利子等の合計額が調整所得金額の合計額の20%以下となる場合には、損金算入制限の適用が免除されるものとされている(上記の表3のB社を参照)。

 なお、現行法の②の適用免除基準(関連者等への支払利子等の割合が50%以下の場合の適用免除)は廃止されることになっているが、これは第三者に対する支払利子等が適用対象となることを踏まえて当該適用免除基準が意味のないものになるためであると考えられる。
(6)適用時期について  大綱によれば、改正後の過大支払利子税制は、2020年4月1日以後に開始する事業年度分の法人税について適用するものとされている(脚注11)。同日において現存する借入、社債等に対する支払利子等に関する経過措置が設けられるか否かは、大綱からは明らかではない。

3 改正が及ぼす実務への影響  今回の大綱で示された改正案は、上記2(2)のとおり借入等(実質的に多数でないものに取得される社債等を含む。)に対する支払利子等とその他の社債(公募債、民間国外債等)等に対する支払利子等を区別して取り扱っていることから、以下ではそれぞれについて実務への影響を検討する。
(1)借入等に対する影響  まず前者の借入等に関しては、改正案が明らかになるまでは銀行取引への影響が懸念されていた(脚注12)。
 しかし、大綱で示された改正案によれば、改正後の過大支払利子税制の適用対象となる利子等からは受領者において日本の課税所得となる利子等が除外されるから(上記2(2)(iii)参照)、改正により新たに適用対象に含まれることとなる利子等は、グループ外の外国法人・非居住者からの借入(実質的に多数でないものに取得される社債等を含む。)に対する支払利子等(PE帰属所得となるものを除く。)ということになる(以上につき上記参照)。

 この点、外国法人が日本法人に対する貸付けを業として行うためには、日本支店を設置して銀行業の免許を取得するか(銀行法47条1項)、又は日本国内に営業所又は事務所を設置して貸金業の登録を行う必要がある(貸金業法3条1項)。そのため、日本に支店等を持たない外国法人が業規制に違反することなく貸付業務を行うことはできず、また、日本に支店等を有する場合には受取利子は当該支店等の課税所得(PE帰属所得)に含まれて「対象外支払利子等の額」に該当することから、適用対象に該当する借入は限定的であるように思われる。
 もっとも、外国法人が日本の金融機関等から貸付債権を取得することは原則として上記の業規制に抵触しないから、シンジケートローン取引において日本の銀行等が貸付を実行し、その後のシンジケーションで外国金融機関の在外支店が日本の銀行等から貸付債権を取得し、借主である日本法人が外国金融機関の在外支店に利子を支払う場合には、改正後の過大支払利子税制の適用対象となる。
 以上のとおり国内銀行等や外国銀行等の日本支店からの借入が適用対象外とされることに加え、適用免除基準の少額免除基準の引上げ及びグループ単位の適用免除基準の導入(表2の「適用免除基準」を参照)を踏まえると、銀行取引への影響は限定的なものとなろう。
(2)社債等に対する影響  次に後者の社債に関しては、国内債については、「みなし課税対象利子等の額」により「対象外支払利子等の額」を算定する場合、支払利子等の5%が改正後の過大支払利子税制の適用対象になる。換言すれば、(ほかに適用対象となる利子等がなく、受取利子等もないことを前提にすると)調整所得金額が支払利子等の25%未満の場合に改正後の税制が適用される。「調整所得金額」は益金不算入の受取配当等を含まない点を除けばEBITDAに類似した概念であることを踏まえると、国内債の発行のみで改正後の過大支払利子税制に服するケースは多くはないように思われる。
 これに対し、国外債については、既に拙稿で指摘したように租税特別措置法上の民間国外債の特例(同法6条)の問題がある(脚注13)。
 民間国外債は、基本的に非居住者・外国法人が保有することを前提とする金融商品であり、日本企業の資金調達の多様化を目的として、非居住者・外国法人への発行等の要件を満たすことにより、外国法人・非居住者が受領する社債の利子に対する日本の所得税等の源泉徴収を特例的に免除するという制度である。実務上、国外債の多くがこの民間国外債の要件を満たすように発行されているのではないかと考えられる。
 この民間国外債に対する改正後の過大支払利子税制の適用を考えると、セカンダリー市場での取得等により国内投資家が民間国外債を保有することもあり得るものの、民間国外債の保有者の多くは非居住者・外国法人であると考えられるところ、これらの者に対する民間国外債の支払利子は源泉徴収に服さず、また当該利子は原則としてこれらの者の日本における課税所得にもあたらないから、民間国外債については、受領者の課税関係に基づいて「課税対象利子等の額」を算定しこれを「対象外支払利子等の額」とするのではなく、国外債に関する25%の基準を適用して「みなし課税対象利子等の額」を算定しこれを「対象外支払利子等の額」とする方が社債発行者である日本法人にとって有利となるケースが比較的多いのではないかと考えられる。しかし、「みなし課税対象利子等の額」を適用した場合にも民間国外債の支払利子の75%が改正後の過大支払利子税制の適用対象になるところ、上述のとおり民間国外債の特例は日本企業の資金調達の多様化を目的として設けられた特例であるのに、民間国外債の利子により損金算入制限の可能性が生じ、これにより資金調達コストが増加する可能性があるということになると、民間国外債による資金調達に対する萎縮効果が懸念され、民間国外債の特例制度の政策目的が減殺される可能性があると思われる(脚注14)。
(3)調整所得金額の計算の変更による影響  以上とは別に、上記2(3)のとおり、改正後の調整所得金額には益金不算入となる受取配当等の額が含まれないこととなった。
 この計算の変更については、グループの持株会社が外部からの負債による資金調達を一手に引き受けている場合には、グループからの受取配当等が調整所得金額に含まれない結果、損金算入限度額の水準が低くなるのではないか、という懸念がある。もっとも、持株会社が他のグループ会社に対して調達した資金を株式出資ではなく貸付で資金提供している場合には、当該貸付について受取利子があるから持株会社の純支払利子は比較的少額となると考えられる。また、仮に単体では損金算入制限を受けるとしてもグループ単位の適用免除基準の適用が考えられる。持株会社について実際に問題になるかどうかはケースバイケースといえよう。

4 結語  本稿で詳しく検討したとおり、大綱で示された過大支払利子税制の改正案は、従前の銀行実務等に与える影響を最小限に抑えるように設計されていると見受けられる。
 もっとも、同税制の大きな改正であることには疑いなく、改正後は多くの企業において適用対象となる利子等の計算や関連する別表の確定申告書への添付等が必要になると思われる。そのため、今後公表される改正法案、施行令案等や国税庁の通達等には注意が必要である。

脚注
1 自民党のウェブサイトで公開されている:https://www.jimin.jp/news/policy/138664.html 2 本稿の内容は筆者の個人的な見解あり、筆者の属する法律事務所の見解ではない。
3 過大支払利子税制の適用を判定する法人との間に50%以上の資本関係等がある者をいう(租税特別措置法66条の5の2第2項)。
4 法人の課税所得に、減価償却費、国外関連者に関する純支払利子、益金不算入とされた受取配当等の額の加算等の調整を加えた金額をいう(租税特別措置法66条の5の2第1項、租税特別措置法施行令39条の13の2第1項)。
5 拙稿「新たな「支払利子の損金算入制限規定」の導入について―平成31年度税制改正の展望―」本誌765号16頁「3BEPSプロジェクト行動計画4の提言内容」を参照。
6 大綱にも「企業実態にも配慮」した旨が明記されている(大綱15頁)。
7 「多数」の定義は税制改正からは明らかではない。改正法案や施行令案等において明確化されることが望まれる。
8 ①の類型については、ほかに一定の公共法人に対する支払利子等の額が「対象外支払利子等の額」に該当するとされているが(表2の「適用対象となる利子等」の①ロ)、これは一定の公共法人において利子が課税されない場合にも「対象外支払利子等の額」に含めるための措置であると解される。また、借入れと貸付けの対応関係が明らかな債券現先取引についても「対象外支払利子等の額」に該当するとされている(表2の「適用対象となる利子等」の①ハ)。
9 居住者が受領する社債の利子については確定申告不要の取扱いや源泉分離課税により居住者の確定申告書上の課税所得に含まれないことがあるため(租税特別措置法3条、8条の5)、このような課税の仕組みを踏まえた取扱いの区別と説明することも考えられなくはないが、大綱上はこれらの取扱いを受ける利子に限らず、源泉徴収される社債の利子は全て「対象外支払利子等の額」に該当するとされていることや、この説明による場合には特定債券利子等に該当しない社債の利子についても同様に取り扱うべきところ、大綱はそのような取扱いをしていないことから、かかる説明による正当化は困難であると考えられる。
10 拙稿・前掲注5本誌765号16頁の表1を参照。
11 但し、超過利子額の損金算入の適用要件の緩和(当初申告要件の撤廃)に関しては2019年4月1日以後に確定申告書等の提出期限が到来する法人税について適用するものとされている。
12 拙稿・前掲注5本誌765号16~18頁「4損金算入制限規定の日本企業への影響」を参照。
13 拙稿・前掲注5本誌765号19頁「5想定される改正内容」の(3)を参照。
14 なお、今回の改正は民間国外債の特例の要件やドキュメンテーションそのものに影響を与えるものではないと解して差し支えないであろう。

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