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税務ニュース2009年06月15日 市街地を形成していなくても特別の事情がなければ宅地並み課税(2009年6月15日号・№310) 市街地不形成で宅地並み課税を違法とした原審を破棄差戻し

市街地を形成していなくても特別の事情がなければ宅地並み課税
市街地不形成で宅地並み課税を違法とした原審を破棄差戻し

高裁判所第二小法廷(今井功裁判長)は6月5日、市街化区域において市街化が進んでいない農地、原野、雑種地に対して、いわゆる宅地並みの評価が行われたことの是非が争点となった事案について、「市街化の程度、見込みのみから直ちに宅地並み価格で取引される状況にないということはできない。」などと判示し、固定資産評価審査の申出に対する棄却決定を取り消した原判決(大阪高裁)を破棄し、審理を大阪高裁に差し戻す判決を言い渡した。

事案の概要  本件は、兵庫県西宮市所在の各土地(農地、原野、雑種地)の固定資産税の納税義務者である被上告人が、その所有する各土地につき、西宮市長により決定された登録価格を不服として審査の申出をしたところ、棄却決定を受けたため、その取消しを求めている事案である。
 本件各土地は、市街化区域にあり、いわゆる宅地並みの評価が行われていた。原審は、「本件区域は市街地を形成していないだけでなく、今後人口の増加により市街化が図られることも見込めず、都市計画法7条2項にいう市街化区域とはかけ離れた状況にあり、同項の要件を満たすものということはできない。」などと判示して、本件各土地への宅地並み評価を違法と判断した。

最高裁の判断  今井裁判長は、「市街化区域農地(市街化区域にある原野および雑種地)は、農地法等の規制も緩和され、宅地への転用が容易であり、このことは、正常な条件の下に成立する市街化区域農地(原野および雑種地)の取引において前提とされることが通常であるから、その客観的な交換価値を算定する上で考慮されなければならない要素というべきである。」「評価基準および評価要領所定の市街化区域農地(市街化区域にある原野および雑種地)の評価方法(いわゆる宅地並み評価)は、評価基準の定めを具体化するものとして一般的な合理性がある。」「本件区域全体の市街化の程度、見込みのみが直ちに、本件区域内の市街化区域農地(原野および雑種地)が一般的に宅地に準じた価格で取引される状況にないということはできず、所定の評価方法によっては、本件各土地の価格を適切に算定することのできない特別の事情があるということはできない。」などと判示し、原判決のうち、上告人敗訴部分を破棄し、西宮市長が決定した本件各土地の価格が評価基準の定めに正しく従って算出されたものであるか、評価基準所定の評価方法によっては当該土地の価格を適切に算定することのできない特別の事情が存するか等についてさらに審理を尽くさせるため、本件を原審(大阪高裁)に差し戻す判決を言い渡した。

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