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会社法ニュース2010年03月15日 サンスター株式取得価格決定事件で1株840円の大阪高裁決定が確定(2010年3月15日号・№346) 最高裁、サンスター側の特別抗告を棄却も補足意見

サンスター株式取得価格決定事件で1株840円の大阪高裁決定が確定
最高裁、サンスター側の特別抗告を棄却も補足意見

高裁判所第三小法廷は2月23日、サンスターのMBOに際し行われた同社発行の全部取得条項付種類株式の取得の価格について1,000株を保有する個人株主1名がこれを争った事件で、1株840円とする大阪高等裁判所平成21年9月1日決定を確定する決定を行った。

事案の概要  最高裁の決定は、上記・大阪高裁決定を不服としたサンスターが行った許可抗告の申立てについて大阪高裁が平成21年9月28日、不許可決定を行ったことから、同社が最高裁に特別抗告を申し立てていたもの。最高裁は、本件抗告理由が所定事由に該当しないとし、同社の抗告を棄却した。
 同社は平成19年、親会社SSAのサンスター株式に対する公開買付け、その後サンスターにより行われた全部取得条項付種類株式の取得という同社経営陣によるMBOを実行。株主からは取得条項付株式1株と引換えに公開買付価格と同額となる1株650円を対価として取得できる旨を同年6月25日開催の定時株主総会で決議した。取得日は8月1日、同社普通株式は7月26日に上場廃止。株主1名は会社法172条1項に基づき大阪地方裁判所に取得価格の決定を申し立てたところ、大阪地裁は平成20年9月11日、650円と定めたことから、株主が即時抗告を行い、大阪高裁は1株840円とする決定を行っていた。

大阪高裁決定と最高裁決定「補足意見」  大阪高裁第11民事部(塩月秀平裁判長)は、(1)本件取得日における公正な価格をもって取得価格と決定すべきこと、(2)取得日に市場価格は存在しないが、上場廃止から取得日までの期間が短く、上場廃止日に近接する一定期間の市場価格の平均値とすべきことを述べたうえで、①SSAによる公開買付けが公表された2月14日以降の株価は買取価格に束縛されて形成されたもので客観的価値を体現しておらず、②MBOを計画する経営者ができる限り安値に誘導するよう作為を行うことは「見やすい道理」であるとし、MBOの準備開始時期から公開買付公表時点までの株価は原則排除すべきと指摘。公正な価格算定の基準となる株価として「公開買付けを発表した1年前の株価に近似する700円」を相当とした。
 また、これに加えるべきプレミアムとしては「20%」とし、本件取得日における公正な価格を計840円と定めている。
 なお、最高裁決定における補足意見は田原睦夫裁判官によるもので、①取得価格の算定におけるMBO準備期間の市場価格の取扱い、②MBOによる公開買付公表後の株式取得者の実際の取得価格等について、会社法172条1項に係る「法令の解釈に関する重要な事項」に該当するとしている。

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