会計ニュース2013年02月18日 日本版ESOP、個別は総額法を適用へ(2013年2月18日号・№487) ASBJ、連結は子会社判定なしで会社法上の問題も生じず
日本版ESOP、個別は総額法を適用へ
ASBJ、連結は子会社判定なしで会社法上の問題も生じず
企業会計基準委員会(ASBJ)は財務会計基準機構の基準諮問会議からの提言を受け、いわゆる日本版ESOP制度の会計処理の検討を行っている。
同委員会では、現在、①従業員持株会に自社株式を譲渡するスキーム、②受給権を付与された従業員に自社株式を給付するスキーム(退職時給付型および在職時給付型)に分けて検討を行っている。論点としては、「総額法の適用の要否(個別財務諸表)」「子会社の判定の要否(連結財務諸表)」「会計処理(自己株式処分差額の認識時点)」などが挙げられる。
まず、個別財務諸表上の取扱いについては、自益信託の場合は実務対応報告第23号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い」で明らかにされているが、他益信託である日本版ESOPは対象とされていない。
ただ、「連結財務諸表における特別目的会社の取扱い等に関する論点整理」の脚注10では、他益信託について、「委託者が信託の変更をする権限を有しており、委託者である当該企業に信託財産の経済的効果が帰属しないことが明らかであるとは認められない場合には、会計上、委託者である当該企業の財産として処理することが適当であると考えられる。」として、総額法(貸借対照表および損益計算書双方について持分相当額を計上する方法)による処理と同様となる旨が明らかにされている。
この脚注10を踏まえ、現行の実務では、ほとんどの企業が総額法を適用しているのが実態のようだ。このため、同委員会でも脚注10の要件を満たしていれば、総額法を適用する方向で検討が進められている。
また、連結財務諸表上の取扱いについては、信託が子会社に該当するか否かが論点となる。この点、個別財務諸表上、総額法を適用する場合には、信託財産が個別財務諸表上取り込まれており、実質的に財務諸表に反映済みであることから子会社の判定は不要とする方向だ。これにより、会社法上の問題も生じないことになる。
なお、上記の取扱いについては、従業員持株会に自社株式を譲渡するスキームだけでなく、受給権を付与された従業員に自社株式を給付するスキームについても同じ取扱いになる方向で検討が進められている。
ASBJ、連結は子会社判定なしで会社法上の問題も生じず
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同委員会では、現在、①従業員持株会に自社株式を譲渡するスキーム、②受給権を付与された従業員に自社株式を給付するスキーム(退職時給付型および在職時給付型)に分けて検討を行っている。論点としては、「総額法の適用の要否(個別財務諸表)」「子会社の判定の要否(連結財務諸表)」「会計処理(自己株式処分差額の認識時点)」などが挙げられる。
まず、個別財務諸表上の取扱いについては、自益信託の場合は実務対応報告第23号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い」で明らかにされているが、他益信託である日本版ESOPは対象とされていない。
ただ、「連結財務諸表における特別目的会社の取扱い等に関する論点整理」の脚注10では、他益信託について、「委託者が信託の変更をする権限を有しており、委託者である当該企業に信託財産の経済的効果が帰属しないことが明らかであるとは認められない場合には、会計上、委託者である当該企業の財産として処理することが適当であると考えられる。」として、総額法(貸借対照表および損益計算書双方について持分相当額を計上する方法)による処理と同様となる旨が明らかにされている。
この脚注10を踏まえ、現行の実務では、ほとんどの企業が総額法を適用しているのが実態のようだ。このため、同委員会でも脚注10の要件を満たしていれば、総額法を適用する方向で検討が進められている。
また、連結財務諸表上の取扱いについては、信託が子会社に該当するか否かが論点となる。この点、個別財務諸表上、総額法を適用する場合には、信託財産が個別財務諸表上取り込まれており、実質的に財務諸表に反映済みであることから子会社の判定は不要とする方向だ。これにより、会社法上の問題も生じないことになる。
なお、上記の取扱いについては、従業員持株会に自社株式を譲渡するスキームだけでなく、受給権を付与された従業員に自社株式を給付するスキームについても同じ取扱いになる方向で検討が進められている。
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