会計ニュース2018年03月05日 有償SO、未上場企業は費用計上不要(2018年3月5日号・№729) 上場後も費用計上不要で、上場準備企業のインセンティブプランに活用も
有償SO、未上場企業は費用計上不要
上場後も費用計上不要で、上場準備企業のインセンティブプランに活用も
これまで上場企業の300社以上が導入してきた有償新株予約権だが、周知のとおり、企業会計基準委員会(ASBJ)が平成30年1月12日に公表した実務対応報告第36号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い」により、平成30年4月1日以降に付与される有償新株予約権については、その権利確定時点までの期間における費用計上が強制されることとなった。
この新たな会計処理は原則として全ての企業に強制されることになるが、その例外となるのが未上場企業だ。
ストック・オプションの費用計上について規定している「ストック・オプション等に関する会計基準」(以下、ストックオプション会計基準)においては、未上場企業の場合、費用計上の基礎となる自社の株価情報が株式市場に存在しないため費用を見積もることが困難なケースが多いことから、「公正な評価単価」を計算することに代えて、「本源的価値の見積もり」により費用を見積もることが認められている。この「本源的価値」とは、ストック・オプションの付与時点における「株価から権利行使価格を控除した額」を意味する。ストック・オプションでは「権利行使価格>付与時点の株価」とされるのが通常であるため、付与時点におけるストック・オプションの本源的価値は「付与時点の株価-権利行使価格(≦0円)」によりゼロ評価となる。したがって、有償新株予約権を発行した場合においても費用を計上する必要はない。この取扱いは有償新株予約権についても適用されることになる(実務対応報告第36号8、ストックオプション会計基準13)。
また、未上場時に付与した有償新株予約権は、付与日において費用計上の根拠となる公正な評価単価の算定を行い、その後はそれを原則的に見直さないことから、付与後に企業が上場したとしても、原則として費用計上する必要がない(実務対応報告第36号5(4)①)。
今後上場企業での導入は減少するものと見込まれる有償新株予約権だが、未上場企業においては引き続き導入ニーズがありそうだ。
上場後も費用計上不要で、上場準備企業のインセンティブプランに活用も
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この新たな会計処理は原則として全ての企業に強制されることになるが、その例外となるのが未上場企業だ。
ストック・オプションの費用計上について規定している「ストック・オプション等に関する会計基準」(以下、ストックオプション会計基準)においては、未上場企業の場合、費用計上の基礎となる自社の株価情報が株式市場に存在しないため費用を見積もることが困難なケースが多いことから、「公正な評価単価」を計算することに代えて、「本源的価値の見積もり」により費用を見積もることが認められている。この「本源的価値」とは、ストック・オプションの付与時点における「株価から権利行使価格を控除した額」を意味する。ストック・オプションでは「権利行使価格>付与時点の株価」とされるのが通常であるため、付与時点におけるストック・オプションの本源的価値は「付与時点の株価-権利行使価格(≦0円)」によりゼロ評価となる。したがって、有償新株予約権を発行した場合においても費用を計上する必要はない。この取扱いは有償新株予約権についても適用されることになる(実務対応報告第36号8、ストックオプション会計基準13)。
また、未上場時に付与した有償新株予約権は、付与日において費用計上の根拠となる公正な評価単価の算定を行い、その後はそれを原則的に見直さないことから、付与後に企業が上場したとしても、原則として費用計上する必要がない(実務対応報告第36号5(4)①)。
今後上場企業での導入は減少するものと見込まれる有償新株予約権だが、未上場企業においては引き続き導入ニーズがありそうだ。
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