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税務ニュース2019年07月22日 ヤフーに続く132条の2否認で原告敗訴(2019年7月22日号・№796) 東京地裁は「事業の移転及び継続という実質を備えず」と判断も原告控訴

ヤフーに続く132条の2否認で原告敗訴
東京地裁は「事業の移転及び継続という実質を備えず」と判断も原告控訴

132条の2否認事件で原告敗訴。
東京地裁は、本件合併について「事業の移転及び継続という実質を備えているとはいえず、実態とはかい離した形式を作出するものであり、不自然」などとして「本件合併の主たる目的は本件未処理欠損金額の引継ぎにあったものとみるのが相当」と判断、課税処分を支持。
 既報のとおり(695号4頁、703号11頁参照)、法人税法132条の2による否認事例が平成27年に発生し東京地裁で係争中だったが、6月27日、原告が敗訴した。
 一審では2つの点が争われた。まず、特定資本関係が合併に係る事業年度開始日の5年前の日より前に生じ、被合併法人の繰越欠損金の引継ぎ制限(法法57条3項)の適用が除外される適格合併が行われた場合でも132条の2を適用できるのかという点。裁判所は57条3項について「典型的な租税回避行為としてあらかじめ想定されるものを対象に定めた否認規定にすぎない」とし、「同項は否認とその例外の要件を全て書き尽くしたもので、一般的否認規定の適用は想定されていない」とした原告の主張を一蹴している。原告は、課税処分が「資産移転等の譲渡損益と未処理欠損金額の引継ぎを同様に取り扱うとする組織再編税制の考え方に反する」とも主張したが、裁判所は「132条の2は法人の行為又は計算が組織再編税制に係る各規定が租税回避の手段として濫用され法人税の負担を不当に減少させる場合に適用される」とした上で、「複数の租税法上の効果のうち未処理欠損金額の引継ぎのみを否認することも許容される」とし、原告の主張を退けている。
 2つめの争点が、本件合併が132条の2にいう「法人税の負担を不当に減少させる結果となる」のかだ。裁判所は、譲渡損益の計上が繰り延べられる「移転資産等に対する支配が継続している場合」では、「被合併法人が移転資産等を用いて営んでいた事業が合併法人に移転し、その事業が合併後に引き続き営まれることが想定されている」とした上で、原告が旧子会社の吸収合併に併せて新子会社を設立し、合併と同日に旧子会社の従業員、棚卸資産、商号、役員等を全て新子会社に引き継がせたことについて「事業の移転及び継続という実質を備えているとはいえず、実態とはかい離した形式を作出するものであり、不自然」として、「未処理欠損金額の引継ぎによる税負担の減少以外に本件合併を行うことの合理的理由となる事業目的その他の事由が存在するとは認めがたい」と結論付け、法人税法132条の2を適用を支持した。

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