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税務ニュース2003年11月10日 外形標準課税導入でも神奈川県の臨時特例企業税は存続か!?(2003年11月10日号・№042) 税率を1%程度引き下げて存続させることが適当

外形標準課税導入でも神奈川県の臨時特例企業税は存続か!?
税率を1%程度引き下げて存続させることが適当


神奈川県で導入されている臨時特例企業税が延長される方向だ。10月21日に「神奈川県地方税制等研究会」(座長:神野直彦東京大学教授)が「法人事業税への外形標準課税の導入に伴う臨時特例企業税の見直し等について」と題する報告書が神奈川県知事あてに提出されたが、それによると、今回の外形標準課税導入により、直ちに臨時特例企業税を廃止するとの結論は導けず、臨時特例企業税の税率を1%程度引き下げることが最も適当であるとしている。この報告書を受けた神奈川県では、臨時特例企業税について再検討し、12月の議会で条例を改正するかどうか決定する。来年の4月からは法人事業税への外形標準課税が導入されるが、企業によってはダブルパンチにもなりかねない状況だ。

臨時特例企業税では現行3%課税
 神奈川県では、資本金等が5億円以上の法人を対象に平成13年8月1日以後開始事業年度から臨時特例企業税を導入している。臨時特例企業税は、繰越欠損金の控除制度により、当年度が黒字にもかかわらず法人事業税を納めていないという企業が対象とされるもので、法人事業税の所得金額の計算上、損金に算入することとされている欠損金額を損金の額に算入しないものとして計算した場合の所得金額に対して3%(信用金庫、農業協同組合等の特別法人は2%)の税率で課税される。

臨時的に導入したものだが・・・
 しかし、ここで問題となるのは、平成16年4月から導入される法人事業税への外形標準課税の存在だ。臨時特例企業税については、条例上は明記されていないが、外形標準課税が導入されるまでの間の臨時的・特例的措置という趣旨で導入されたものだからだ。このため、神奈川県地方税制等研究会においては、臨時特例企業税の取扱いを外形標準課税との兼ね合いでどうすべきか議論していたもの。10月21日にまとめた報告書では、中小法人を外形標準課税の対象外とするとともに、対象となる大法人についても所得課税の割合が高いことなどから、「応益性・公平性の確保」や「安定性の確保」などの外形標準課税の本来の目的の達成には不十分であると指摘。今回の外形標準課税の導入により、直ちに臨時特例企業税を廃止すべきとの結論は導けず、臨時特例企業税の税率を1%程度引き下げることが最も適当な選択であると結論付けている。

二重課税との声も…

 なお、今回の報告書を受けた神奈川県では、12月の定例議会において条例を改正するかどうか、今のところ検討中。二重課税になるのではといった疑問の声もあるが、課税ベースが異なることから総務省側もNOとはいえない状況のようだ。今後の動向が注目される。

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