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プレミアム税務2020年11月27日 国外中古建物、耐用年数の変更にリスク(2020年11月30日号・№860) 税制改正を理由とした簡便法から法定耐用年数への変更は認められず

  • 令和2年度税制改正で創設された「国外中古建物の不動産所得に係る損益通算等の特例」、適用を受けない「法定耐用年数」に変更するには“合理的な理由”が必要。

 日本の税法上、中古資産の耐用年数は、
イ 原則、法定耐用年数
ロ その使用可能期間の年数(見積法)
ハ 使用可能期間の年数を見積もることが困難なものは「簡便法」
のいずれかとなるが、価値の下がりにくい海外中古建物について、「簡便法」により早期に多額の減価償却費を計上し、生じた赤字を給与所得等と損益通算して税額を軽減するスキームが問題視されてきた。
 そこで、令和2年度税制改正により、「耐用年数を簡便法(見積年数が適切であることを証する一定の書類の添付がない見積法も含む)により計算した国外にある中古の建物から生ずる不動産所得を有する場合において、国外不動産所得の損失の金額(国外中古建物の貸付けによる損失の金額のうち国外中古建物の償却費に相当する部分の金額)は生じなかったものとみなす」という特例が創設され、他の所得との損益通算等はできなくなった(本誌820号5頁)。
 これを受けて、納税者らの間では、法定耐用年数で償却した場合には当該特例は適用されないことに着目し、法定耐用年数による償却に変更することを検討する動きがある。法定耐用年数こそが「原則」であり、令和2年度改正の趣旨は、簡便法による多額の減価償却費を否定するものである以上、法定耐用年数で償却すれば税務上の問題は生じないはず、との発想である。
 しかし、本誌が課税当局に確認したところによると、「簡便法」等で償却していた資産について、途中で法定耐用年数に変更するには、“合理的な理由”が必要であるとのことだ。少なくとも、税制改正を理由とした変更は認められない可能性が高い。
 さらに、損金経理が税務上の償却の要件である法人と異なり、個人の場合は必ず減価償却しなければならない(強制償却)点にも留意が必要だ。過去の減価償却が誤っていたという理由で変更するのであれば、修正申告が必要となる。また、税制改正を機に法定耐用年数に変更したものの後々その変更が認められず、税務上は従前の「簡便法」による耐用年数で償却しているとされた場合には、簡便法の耐用年数経過後の償却費が否認される可能性がある。更正の請求期間(5年)を過ぎていれば、過去に遡って更正の請求をすることもできない。
 令和2年度改正を理由として安易に耐用年数を変更するのはリスクが高いだけに、慎重な検討が必要といえそうだ。

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