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税務ニュース2021年08月06日 開業と補助税理士の区別は契約で判断(2021年8月9日号・№893) 東京地裁、会社から顧問税理士への不当利得返還請求を棄却

  • 会社(原告)の顧問税理士(被告)の実質的な補助税理士が開業税理士として関与している業務形態が税理士法違反になるかどうかが争われた裁判。
  • 東京地裁(伊藤康博裁判官)は令和3年4月12日、会社の税務申告業務に関与した税理士は開業税理士であるとの判断を示し、原告の請求を棄却。

 本件は、会社(原告)が顧問税理士であった被告に対し、被告の実質的な補助税理士が開業税理士として関与している業務形態が税理士法違反であるとして原告が被告に支払った業務報酬額及び顧問料相当額について、約450万円の不当利得返還請求を行ったもの。原告は、原告の税務申告業務を行ったS税理士は税理士会には開業税理士として登録されていたが、その実質は補助税理士(※平成26年改正で「所属税理士」に変更)であり、開業税理士と補助税理士は両立せず、他の税理士事務所で勤務し給与をもらっているのであれば補助税理士であると主張。補助税理士は開業税理士行為を行ってはならず、S税理士が原告から直接の委嘱を受けて税務申告業務を行うことはできないのであり、S税理士による委嘱行為は税理士法違反であるとした。
 東京地裁は、開業税理士と補助税理士の区別については納税者等から委嘱契約に基づいて税理士業務を行っているか、あるいは納税者等と委嘱契約を締結することなく「補助者として」税理士業務を行っているかどうかで判断すべきであるとした。
 その上で本件については、S税理士は原告から確定申告に関する税務代理権の委嘱を受けており、納税者等から直接の委嘱を受けて税理士業務を行っているから開業税理士であり、実質的には補助税理士であったとは認められないとの判断を示した。
 原告は、S税理士は被告の税理士事務所から給与を得ており、税務申告業務に関する業務報酬も被告に支払い、事務所も独立した実体がないから補助税理士であると主張したが、東京地裁は、S税理士が行っていたのは被告事務所の書類のチェックにすぎず、税理士法2条に規定する税理士業務そのものを行っているとはいえないとしたほか、業務報酬の支払いも経理処理の関係等で関連する他社名義の口座に振り込みを求めることは不自然ではないとした。また、S税理士が登録している事務所は、被告事務所と同一の建物であるが、階が異なり独立した執務室があること、税理士会の継続的な検査を受けていることからすると、S税理士が実質補助税理士であると認めるに足りる証拠とはいえないとした。

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