カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

解説記事2021年10月25日 SCOPE グリーン住宅ポイントの税務上の取扱い判明(2021年10月25日号・№903)

国庫補助金の総収入金額不算入特例は適用不可
グリーン住宅ポイントの税務上の取扱い判明


 グリーン住宅ポイント制度の発行申請期限が近づいているが、個人が付与されたポイントを一定の追加工事の費用や商品に交換した場合には、その費用に充てた金額が経済的利益になり、交換又は費用に充てた日の属する年分の一時所得となる模様だ。現在は終了している「省エネ住宅ポイント」の取扱いと同様である。なお、国庫補助金等の総収入金額不算入の特例(所法42条①)については適用することができない。グリーン住宅ポイントは住宅を購入したことによってポイントが付与されるものであり、住宅を購入するための補助金である「すまい給付金等」とは取扱いが異なることになる。

申請者が個人の場合は一時所得に該当

 グリーン住宅ポイント制度とは、令和2年12月15日から令和3年10月31日までに契約を締結した一定の省エネ性能を有する住宅の新築(持家・賃貸)、一定のリフォームや既存住宅を取得した場合、「新たな日常」及び「防災」に対応した追加工事や様々な商品と交換できるポイントを発行する制度のこと。ポイント発行申請に係る期限は窓口・郵便の場合は令和3年11月30日、オンラインの場合は同年12月15日までとなっている。30万円相当から最大で100万円相当のポイントが付与され、ポイントはテレワークや感染症予防、防災に対応した追加工事に充てたり、パソコンや家具、子育て用品など、様々な商品と交換することもできる。新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ景気を回復させることを目的として創設された制度である。
 気になるのは税務上の取扱いだが、現在は終了している「省エネ住宅ポイント」(住宅エコポイント)と同様となりそうだ(次頁参照)。この住宅エコポイントとは、エコ住宅の新築等を行ったことにより付与されたポイントを対象商品や一定の追加工事の費用に充てることができるというもの。付与されるポイント数などは異なるものの、制度としてはグリーン住宅ポイント制度とほぼ同様のものとなっている。
 住宅エコポイントの税務上の取扱いと同様の考え方によれば、個人が付与されたポイントを一定の追加工事の費用や商品に交換した場合には、その費用に充てた金額が経済的利益になり、交換又は費用に充てた日の属する年分の一時所得として課税対象となる(50万円の特別控除の適用あり)。そのポイントが不動産所得等を生ずべき業務の用に供するエコ住宅の新築等に伴い付与されたものであるときは、交換又は費用に充てた日の属する年分の不動産所得等の収入金額となる。
 また、住宅の取得等の契約を締結した場合で、その住宅の取得等に関してポイントを付与されたグリーン住宅の新築等について、住宅ローン控除の適用を受ける場合には、グリーン住宅の新築等の取得対価等の額から交換等に充てたポイントの価額を差し引いて控除額を計算することになる。

【参考】一時所得Q&A(国税庁)  [平成27年4月1日現在法令等]

エコポイントの課税関係(抄)
Q1

 グリーン家電エコポイントや省エネ住宅ポイント(住宅エコポイント)を商品に交換した場合には、所得税の課税対象になりますか。
A1
1 グリーン家電エコポイント
  (略)
2 省エネ住宅ポイント(住宅エコポイント)
 個人が、エコ住宅の新築等を行ったことにより付与されたポイントをエコポイント交換商品に交換した場合や一定の追加工事の費用に充てた場合には、その交換商品の価額やその費用に充てた金額が経済的利益となり、交換又は費用に充てた日の属する年分の一時所得として所得税の課税対象になります(※)。
 なお、そのポイントが不動産所得等を生ずべき業務の用に供するエコ住宅の新築等に伴い付与されたものであるときは、交換又は費用に充てた日の属する年分の不動産所得等の収入金額になります。
 また、平成23年6月30日以後に住宅の取得等の契約を締結した場合で、その住宅の取得等に関してポイントの付与されたエコ住宅の新築等について、住宅借入金等特別控除等の税額控除の適用を受ける場合には、エコ住宅の新築等の取得対価等の額から交換等に充てたポイントの価額を差し引いて控除額を計算します。
※一時所得の金額の計算においては、50万円の特別控除の適用があります。
(所法26、27、34、36、所基通34−1、36−15)

グリーン住宅ポイントは住宅を購入したことによりポイントを付与

 なお、国庫補助金等の総収入金額不算入の特例(所法42条①)については適用することができないので留意したい。この点、「すまい給付金等」とは取扱いが異なることになる。
 「すまい給付金等」については、国から直接交付されるものではなく基金を通じて交付されるものだが、国の補助金を財源としていること及び交付決定に基金の裁量が入らないことなどの理由から、「国庫補助金等」に該当するとされているため、確定申告書に「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付することにより、一時所得の総収入金額に含めないことができるとされている。
 グリーン住宅ポイントについても、補助制度が重複する国の他の補助制度との併用ができないとされており、「すまい給付金等」と同様、国庫補助金等に該当することから同特例を適用することができると考える向きもあるかもしれない。
 しかし、「すまい給付金等」は住宅を購入するための補助金であり、一方、グリーン住宅ポイントは住宅を購入したことによってポイントが付与されるものであるため、同特例は適用できないとされている。これは前述の住宅エコポイントについても同様に国庫補助金等の総収入金額不算入の特例は適用できないとされていたものである。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索