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税務ニュース2021年10月29日 取得費加算は相続税評価額×借地権割合(2021年11月1日号・№904) 東京地裁、借地権設定の取得費加算で「二重評価」との主張を排斥

  • 東京地裁民事38部(鎌野真敬裁判長)は令和3年10月12日、取得費加算額が争点となった事案(本誌838号11頁参照)について、「貸家建付地としての本件各土地の評価額に、借地権割合である90%を乗じた金額としたことは相当であると認められる。」などと判示し、原告の主張を排斥。

 本件は、原告らが被相続人から相続で取得した土地に借地権を設定した対価として受領した権利金に係る所得を分離課税の長期譲渡所得の金額に計上して平成27年分の所得税等の確定申告をしたところ、所轄税務署長から、取得費加算額(措法39条)の計算に誤りがあるとして、更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたことから、本件各更正処分の一部及び本件各賦課決定処分の取消しを求めていた事案である。本件では、相続税申告において、対象土地が貸家建付地であるとして減額更正処分がされている。
 本件取得費加算額の計算に係る「当該譲渡をした資産の当該課税価格の計算に算入された価額」について、国が「本件相続税評価額(貸家建付地評価額)に100分の90(当該土地の借地権割合)を乗じた価額とすべきである。」と主張したのに対し、原告は「本件各土地は貸家建付地としての評価の際に、借地権割合が考慮されているにもかかわらず、更に借地権割合を乗じるのは二重に評価するものであって、その合理性は全くない。措置法39条及び措置令25条の16の解釈適用を誤ったものである。」と反論した。
 東京地裁は、「本件譲渡所得に係る『当該譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された価額』の算定に当たり借地権割合を考慮するのは、貸家建付地としての本件各土地全体の評価額のうち、譲渡をした相続財産である本件各借地権に対応する部分の価額を算定し、これにより相続税額のうち取得費加算の対象となる部分を明らかにするためである。貸家建付地評価の際の借地権割合の考慮と『当該譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された価額』の算定に当たり借地権割合を考慮することは、その目的を異にするものであり、借地権割合を二重に評価するものであるということはできない。」「本件譲渡所得に係る『当該譲渡をした資産の当該課税価格の計算の基礎に算入された価額』は、貸家建付地としての本件各土地の評価額に、借地権割合である90%を乗じた金額としたことは相当であると認められる。」などと判示して原告の主張を斥け、原告の請求を棄却する判決を言い渡している。

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