カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

税務ニュース2022年01月21日 控訴審も「寡夫控除」の所得要件を容認(2022年1月24日号・№915) 東京高裁、要件設定は「立法府の裁量的判断」と判示

  • 東京高裁(中村也寸志裁判長)は令和4年1月12日、「寡夫控除」に「寡婦」にはない所得要件が設けられていたことの是非を争点とする事案(本誌885号9頁参照)について、納税者の控訴を棄却。

 本件は、納税者が「寡夫控除」に当時の「寡婦」にはない所得要件を設けていることが憲法14条1項及び24条2項違反であり、「寡夫控除」の所得要件に係る部分は無効であるとして、課税処分の取消しを求めていた事案である。
 原審の東京地裁は、「租税法の分野における性別による取扱いの差異についても、最高裁昭和60年判決と同様のいわゆる合理性の基準を適用すべき」「母子世帯の母親と父子世帯の父親との租税負担能力の差異等に鑑みたものであることは明らか」「平成2年税制改正前の本件規定における本件区別の態様が立法目的との関連で著しく不合理であったということはできない。」などとして、納税者の主張を斥けた。
 控訴審で納税者は、「本質的平等が要求される属性による取扱いの区別については、水平的公平負担原則に沿っているか否かでその合理性を判断すべきであり、最高裁昭和60年判決の判断枠組みを採用することはできず、立法裁量は強く制限される。」「平成19年以降、寡夫と寡婦の間には、収入のような顕在的担税力減殺要因のみならず、就業状況のような構造的担税力も存在しない。(略)立法目的と立法手段の間の合理的関連性は失われていた」などと主張した。
 これに対し東京高裁は以下のとおり判示し、控訴人の主張を斥けた。
 「最高裁昭和60年判決は、(略)控訴人のいう水平的公平負担原則について判断している。要するに、比較対象に租税負担能力において控訴人のいう同質性が認められるか否かについても、立法府の裁量的判断に委ねられているというのが最高裁昭和60年判決の判示しているところである。」「本件の争点は、本件規定(寡夫控除)のうち本件所得要件を定める部分が憲法14条1項に違反し無効であるか否かであり、当該部分は昭和56年度の税制改正によって寡夫控除制度を創設する際に設けられたものであるから、上記争点については、その際の立法目的をもって、最高裁昭和60年判決の枠組みによって判断すべきである。」「本件所得要件が離婚時の親権や養育権の決定に影響を及ぼしていると認めることは困難であり、本件規定は、婚姻及び家族に関する事項を定めたものとはいえないので、本件区別は、憲法24条2項に違反するということはできない。」

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索