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解説記事2022年02月14日 第2特集 コロナで申告困難な場合は4月15日まで簡易な方法での延長可(2022年2月14日号・№918)

第2特集
国税庁、令和3年分確定申告期限の一律延長は実施せず
コロナで申告困難な場合は4月15日まで簡易な方法での延長可


 国税庁は2月3日、令和3年分確定申告について、新型コロナウイルス感染症の影響により申告等が困難な納税者については、令和4年4月15日までの間は簡易な方法により申告・納付期限の延長を申請することができる旨の取扱いを明らかにした(今号17頁参照)。昨年の所得税等の確定申告は一律で申告・納付期限を1か月延長したが、令和3年分確定申告については実施しない。簡易な方法による延長とは、確定申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」といった文言を付記、あるいはe-Taxの場合には所定の欄にその旨を入力すればよい。特に詳細な理由を書く必要はない。
 なお、今回の簡易な方法による延長は、申告所得税、個人事業者の消費税、贈与税の申告・納付期限だけではなく、法人税や消費税、相続税などの他の税目についても対象となる。この点は従来の取り扱いとは大きく異なる。

申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載

 2月16日より令和3年分所得税等の確定申告がスタートするが、国税庁はオミクロン株による感染の急拡大で感染者や自宅待機者が増加している状況を踏まえ、令和3年分確定申告の申告・納付期限を令和4年4月15日までの間、簡易な方法により延長することができるようにした。令和元年分及び2年分確定申告については、新型コロナに関係なく、一律で期限延長を行ってきたが、令和3年分確定申告に関しては、新型コロナの影響を何らかの形で受けた納税者に絞った形となった。
 通常、申告期限等を延長する場合には、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」に申請理由等を記載した上で所轄税務署長に提出する必要があるが、令和4年4月15日までであれば簡易な方法による延長を認める。簡易な方法とは、確定申告書を提出する際に、その余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」(以下「延長申請書」)といった文言を付記するか(図表1参照)、e-Taxの場合には所定の欄にその旨を入力すればよい(図表2参照)。贈与税や個人事業者の消費税についても同様だ。また、各種会計ソフトを利用してe-Taxを利用する場合には、所得税申告書であれば、所得税申告書等送信票(兼送付書)の特記事項欄に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と入力、消費税及び地方消費税申告書の場合は申告・申請等基本情報の住所欄に住所に続けてかっこ書きで「(新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請)」と入力することになる。

 令和元年分の確定申告では、申告・納付期限の延長後の令和2年4月17日以降も新型コロナウイルス感染症の影響により確定申告をできない場合には申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載して提出することが認められており、それと同様の取り扱いだ(令和2年分確定申告では実施されず)。
詳細な理由は書く必要なし
 理由については余白に付記する以外のことは書く必要はない。納税者本人が感染(又は濃厚接触者)した以外でも家族や従業員、顧問税理士事務所の状況など、新型コロナウイルスにより確定申告作業に対して何らかの影響があれば簡易な方法による期限延長は認められることになる。

令和4年4月16日以降は延長申請書が必要

 簡易な方法による期限延長は、オミクロン株による感染拡大に伴い、納税者自身や従業員、顧問税理士などが感染又は自宅待機を余儀なくされるなどの理由により、申告が困難になるケースが想定されることを踏まえて実施されるもの。このため、延長の対象となるのは令和4年1月以降に申告等の法定期限を迎える手続となる。したがって、令和3年12月末以前に申告等の法定期限を迎えた手続や、令和4年4月16日以降に期限の延長申請を行う場合には、通常どおり、延長申請書を所轄税務署長に提出する必要がある。

更正の請求や国外財産調書なども延長の対象

 簡易な方法による期限延長の対象となる主な手続は図表3のとおりである。一律で期限延長がなされた令和2年分の確定申告と同様の内容となっている。所得税関係であれば、更正の請求や青色申告承認申請などが対象となる。また、贈与税関係であれば、相続時精算課税選択届出の提出期限も延長される。相続時精算課税を選択しようとする受贈者は、選択をしようとする贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間(贈与税の申告書の提出期間)に納税地の所轄税務署長に対して、「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付して提出しなければならないとされているものである。また、国外財産調書や財産債務調書の提出も令和4年4月15日まで簡易な方法による延長が可能とされている。

 そのほか、いわゆる「死亡による準確定申告」についても対象となるが、期限延長は日をもって定める期限に適用されるものであるため、確定申告書を提出すべき者が出国をする場合の確定申告(出国による準確定申告)に係る申告・納付期限は簡易な方法による延長の対象外となっているので要注意だ。

法人税や相続税も簡易な方法による延長の対象に

 ここまで所得税の確定申告を中心に見てきたが、簡易な方法による延長は、申告所得税、個人事業者の消費税、贈与税の申告・納付期限だけではない。これまでとは異なり、法人税や消費税、相続税などの他の税目についても対象となる。
 法人税などについても新型コロナウイルス感染症の影響により期限までに申告・納付等が困難な場合には、所得税の確定申告と同様、申告書の余白(e-Taxの場合には所定の欄)に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と付記することにより延長申請書を提出することなく延長が可能になる(図表4参照)。

 ただし、対象となるのは、所得税などと同様、令和4年1月以降に申告等の法定期限を迎える申告手続となり、令和4年4月16日以降に期限の延長申請を行う場合には、通常どおり、延長申請書を所轄税務署長に提出する必要がある。

簡易な方法により地方税の延長を認める地方自治体も

 地方自治体についても、昨年と同様、新型コロナウイルス感染症の影響で申告期限までに申告等できない場合には、延長申請書を提出することによる個別の期限延長が認められている。また、国税庁と同様、東京都や神奈川県のように申告書の右上の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載、あるいはeLTAXを利用する場合には、法人名称の前に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と入力の上で申告することにより(図表5参照)、延長の申請書が提出されたものとして取り扱う地方自治体もある。申告の際には地方自治体に確認する必要があろう。

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