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税務ニュース2022年04月08日 虚偽の議事録、税理士への懲戒処分適法(2022年4月11日号・№926) 代表者の会社に対する貸付金に相続人らへの未払報酬等含まれず

  • 虚偽の取締役会議事録を作成し、相続税の課税金額を圧縮したとして税理士業務の禁止処分を受けた原告が処分の取消しを求めるも、請求棄却(東京地裁令和4年3月29日判決)。

 水産加工業等を営むK社の代表取締役であった被相続人は、K社に対し貸付金を有していたが、税理士であった原告は相続人らに対し、当該貸付金の中には、相続人らに支払われるべき未払報酬等が含まれている可能性があると指摘した。その後、被相続人の生前に取締役会が行われたとして、被相続人が当該貸付金の一部を放棄する旨及び相続人らも当該貸付金の債権者であること(及びその内訳)を明確にする旨が記載された議事録が作成された。
 東京地裁は、「原告は、本件相続税申告に当たって、具体的な根拠がなかったにもかかわらず、本件貸付金には本件相続人らの財産が混在しているなどとして、その金額の一部を本件相続人らに割り付けるとともに、実際にはそのような事実がないのに本件被相続人が生前に3000万円の債権放棄をしたこととして、実際の金額が1億8838万9649円である本件貸付金を、1839万3119円として本件相続税申告書に記載し、相続税の課税価格を1億6999万6530円圧縮して申告したものであるから、真正の事実に反する税務書類を作成したものである。」とした上で、「原告は、(中略)根拠資料がないことを取り繕うために、実際には取締役会が開催された事実がないにもかかわらず、作成日付を遡及させた上で内容が実体を伴わない虚偽の本件議事録の作成作業をさせ、課税価格を圧縮した本件相続税申告をしたのであるから、原告において本件相続税申告書に記載された(中略)本件貸付金の金額が実体とは異なる虚偽のものであることを十分に認識していたものと認められる。」として、原告には税理士法45条1項にいう「故意」があったと認定した。
 原告は、「本件相続人らは、支払われるべき毎月50万円の報酬等を受領しておらず、毎月3ないし5万円の程度の金額しか受領していなかったこと等からすれば、本件貸付金に本件相続人らの財産が混在しているとした原告の推論は合理的」などと主張したが、東京地裁は、「仮に本件相続人らに対して支払われるべき報酬等が支払われていなかったとしても、そのことは、本件相続人らが本件被相続人及びK社に対して未払報酬等債権を有していたことを帰結するにすぎず、直ちに本件被相続人名義の財産への本件相続人らの財産の混在をもたらすものということはできない」などとして原告の主張を斥けた。

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