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会計ニュース2022年04月08日 金融資産の減損はIFRS基準をベース(2022年4月11日号・№926) ASBJ、ECLモデルの方が日本の会計基準と親和性あり

  • 企業会計基準委員会が基準開発している予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損では、IFRS基準のECLモデルを基礎として検討。

 企業会計基準委員会(ASBJ)が基準開発している予想信用損失モデルに基づく金融資産の減損における最初の大きな論点がIFRS第9号「金融商品」の相対的アプローチを採用したECLモデル、あるいは、米国会計基準のCECLモデルのどちらを基礎に検討を行うのかという点だ。同委員会では、2007年のIASBとの東京合意以後は、基本的にIFRS基準を国際的な整合性を図る対象としてきており、両者に優劣がつけられないのであれば、IFRS基準を基礎として基準を開発することが適当であるとしていた。しかし、モデルの差異だけで会計基準開発の方向性を決定することは難しいとの意見を踏まえ、同委員会は、改めて日本の信用リスク管理の考え方や実務などと親和性があるかなどの観点から分析を行っている。
 日本の信用リスク管理の実務は契約キャッシュ・フローの回収可能性に応じて債権の管理方法が異なっており、現行の会計基準の定めも債務者の財政状態及び経営成績に基づいて債権を区分することを定めている。また、日本の現行の貸倒損失の見積りに関する会計処理に関しても、概ね債務の弁済に重大な問題が生じる可能性が高いか否かの2区分で大きく取扱いを分け、それぞれに応じた会計処理が定められている。このため同委員会は、債権の信用リスクの状況に関わらず、常に全期間の予想信用損失を測定することを要求する米国会計基準のCECLモデルよりも、債権の信用リスクの著しい悪化の有無に応じて異なる期間の予想信用損失の測定を要求するIFRS基準のECLモデルの方が、信用リスクの管理が債権単位か債務者単位かの違いはあるものの、日本の信用リスク管理の考え方及び実務に親和性があるとしている。
 また、日本の会計基準においては、信用損失について改善された減損モデルを開発するにあたって考慮すべき要因として、合理的に見積りが可能で必要な信用損失を適時に認識することを確保しつつ、損益計算書において、利息収益と信用コストの対応関係が適切に描写されることが重要であるとしていることから、同委員会では、信用リスクの状況により金融資産の当初認識時の予想信用損失と利息収益の対応を一定程度図るIFRS基準のECLモデルの方が日本の会計基準の背景にある考え方と親和性があるとの見解を示しており、最終的にIFRS基準のECLモデルを基礎として基準開発を進めていくこととしている。

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