解説記事2022年06月13日 未公開判決事例紹介 逆ハーフタックス養老保険契約で税理士等に賠償請求(2022年6月13日号・№934)

未公開判決事例紹介
逆ハーフタックス養老保険契約で税理士等に賠償請求
東京地裁、最高裁判決前提とした説明に違反なし

 本誌927号4頁で紹介した損害賠償請求事件の判決について、一部仮名処理した上で紹介する。

○逆ハーフタックス契約形態の養老保険の契約を巡り、生命保険会社の社員と税理士に対して損害賠償請求が行われた事件。東京地方裁判所(金澤秀樹裁判官)は令和3年9月1日、税理士の逆ハーフタックス契約形態の養老保険の税務上の取扱いについての説明は最高裁判決を前提とした2分の1の限度で損金として処理ができるものであって、説明義務違反があったということはできないと指摘した上で、金融商品の勧誘に関わる一般的な説明義務を負うものではないとの判断を示し、原告の請求を棄却した(平成31年(ワ)第7737号)。

主  文

1 原告の請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由

第1 請求
 被告らは、原告に対し、連帯して463万6891円及びこれに対する平成30年5月26日から支払済みまで年5%の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
1
 本件は、被告X(以下「被告X」という。)の勧誘及び被告Y(以下「被告Y」という。)の説明に基づいて、原告が、被告Xの勤務先であるS生命保険株式会社(以下「S生命」という。)との間で、米ドル建て特殊養老保険契約を締結したが、勧誘をした被告X及び保険の説明を行った被告Yには、上記保険に関する情報やリスクの説明をすべき義務があるのにこれを怠ったことから、共同不法行為に該当するとして、原告が、代理人を通じてS生命との間で上記保険の解約手続を行う際に支払った弁護士費用463万6891円及びこれに対する不法行為の日の後である平成30年5月26日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
2 争いのない事実等
(1)原告は、不動産売買、不動産売買仲介等を事業内容とする株式会社であり、もとは合同会社Tの商号であったが、後に株式会社に組織変更した。
  被告Xは、S生命の従業員である。
  被告Yは、Y税理士法人の代表税理士である。
(2)原告の代表者A(以下「A」という。)は、被告Xから勧誘を受け、平成29年3月28日、原告(当時の商号合同会社T)の代表者として、下記の内容の保険契約10口を締結した(以下「本件保険契約」という。)。
 契約者 合同会社T
 被保険者 A
 死亡保険金受取人 合同会社T
 満期保険金受取人 合同会社T
 保険種類 米ドル建て特殊養老保険
 保障内容 基本保険金額 20万米ドル
 満期保険金額 40万米ドル
 支払方法 年払い
 保険料 1万7121.40米ドル
 保険期間・満了日 2037年3月27日
 払込期間・満了日 2037年3月27日まで
 証券番号 (以下省略)
(3)原告は、平成29年3月28日、S生命に対し、本件保険契約の保険料として1896万7090円を支払った。
(4)原告は、平成29年7月19日、被告Xの指示を受けて、本件保険契約の死亡保険金受取人を株式会社Tに、満期保険金受取人をAに変更するよう届け出た。
(5)原告は、平成30年5月25日、原告代理人を通じ、S生命に対し、本件保険解約締結当時、設立して2年目の原告に20年もの間毎年約1900万円もの金額を支払わせる本件保険契約を、リスクや節税保険商品に関する知識や経験もない原告に、本件保険契約に関する情報やリスクを説明せずに締結させたことに説明義務違反が認められるとして、本件保険契約の解除あるいは錯誤無効に基づく不当利得返還請求権ないしは使用者責任に基づく損害賠償請求権に基づき、原告が支払った1896万7090円の返還を求めた。
(6)原告は、原告代理人に対し、S生命に対する返還請求の弁護士費用として463万6891円を支払った。
(7)S生命は、平成30年10月24日、原告に対し、1896万7090円を返還した。
(8)契約者を法人とする養老保険の場合、被保険者を経営者・役員・従業員とし、死亡保険の受取人を会社役員の遺族とし、満期保険金を法人として契約すると、保険料の半分が福利厚生費(損金)、半分が保険積立金(資産)となり、法人が支払った保険料の2分の1を損金として計上することが認められる。これと逆に、死亡保険金受取人を法人にし、満期保険金を会社の役員等にすることにより、会社が支払った保険料の半分を掛け捨て保険料として損金とし、残りの半分の保険料は被保険者(満期保険金受取人)への貸付金(資産計上)あるいは給与(損金計上)とする保険の方法がある(以下、これを「逆ハーフタックス契約形態」という。)。
(9)S生命は、平成26年7月31日、逆ハーフタックス契約形態になる契約の新規契約申込み受付を停止する旨の社内通達をした。その際、留意事項として、当該契約形態への受取人の変更については厳に慎むことを求めた。
  また、S生命は、平成30年3月26日、逆ハーフタックス契約形態への受取人変更の取扱いを同月28日受取人変更から停止する旨の社内通達をした。
3 争点及び争点に対する当事者の主張
(1)被告Xの説明義務
(原告)

 被告Xは、本件保険契約の内容について説明をしなかった。本件保険契約は、20年もの間毎年約1900万円もの金額を支払わせるものであるが、リスクや節税保険商品に関する知識や経験もない原告は、被告Xからの説明がないため、1回払いの保険契約であると理解していた。
 また、被告Xは、S生命の社員通達上、逆ハーフタックス契約形態の保険の締結が禁止され、また、逆ハーフタックス契約形態への受取人の変更も「厳に慎むように」とされるなど、実質的に禁止されていたのであるから、その旨を説明すべきであったが、これをしなかった。
 さらに、被告Xは、本件保険契約上のリスクについて、説明しなかった。本件保険契約は、節税を目的としている商品であって、かつ満期を20年とする商品であるから、20年の間に税務上の運用が役員及び法人にとって不利益な方向に変わる可能性がある。具体的には、法人税の運用として、満期受取金を一時所得として申告できなくなる可能性、満期受取金を一時所得として申告できたとしても、支払保険料の半額を費用として控除できなくなる可能性がある。
(被告X)
 被告Xは、本件保険契約の内容について説明し、Aの理解を得て本件保険契約を締結した。
 被告Xが、S生命の社内通達の内容について説明する義務はないし、原告が主張する税務申告上のリスクとは、契約期間が長ければ税における取扱いが変わる可能性があるとの抽象的なリスクであるが、そのような事態に対応する説明をすべき義務はない。
(2)被告Yの説明義務
(原告)

 被告Yは、被告Xとともに本件保険契約について勧誘を行い、説明を行ったのであるから、被告Xとともに説明義務を負う。そして、被告Yは、税務処理の説明として、一時所得の金額の計算及び課税方法まで説明すべきであったところ、その説明はしなかった。
 また、本件保険契約については、契約期間20年間のうちに税務上の運用が役員及び法人にとって不利益な方向に変わる可能性があるが、被告Yは、原告に対し、そもそも本件保険契約の節税の具体的な仕組みを明確かつ具体的に説明していないのであって、当然税務申告上の上記リスクを説明していない。
(被告Y)
 被告Yは、被告Xから依頼を受けて、原告に対し、保険商品の税務の扱いを説明するために同行したにすぎず、被告Yに本件保険商品の説明義務があることは争う。被告Yは、税務の専門家の立場から、原告に逆ハーフタックス契約形態の保険契約を節税商品として説明するにあたって、税務上の取扱いについて最高裁の判例・国税局の取扱いに従って法人として損金処理できるのは半分であることなどを説明した。一時所得の金額の計算、課税方法について説明をするべき義務を負わない。
 また、本件保険契約に関わる将来的な税務の取扱いの変更がされる抽象的な可能性に関わる説明義務を負うことはない。
(3)原告の損害について相当因果関係の有無
(原告)

 原告は、被告らの共同不法行為により、S生命に請求するに当たり、弁護士費用を支払わなければならなくなった。原告が原告代理人に支払った463万6891円は相当因果関係のある損害といえる。
 被告X指摘の判例は、弁護士が訴訟追行を委任された事案において、その訴訟追行費用が、相当因果関係のある損害として認められる場合の一般的基準を示したものに過ぎず、不法行為と相当因果関係のある弁護士費用が、訴訟追行費用に限定されるというものではない。
 また、保険商品を利用した節税対策に係る損害賠償請求事件の専門性に鑑みれば、一般人が弁護士を付けずに、十分な弁護活動を展開することは不可能に近く、このように弁護士を付けて交渉を行った場合の費用も相当因果関係が認められるべきである。
(被告X)
 原告がS生命と交渉するにあたって、弁護士を付けるかどうかを決めるのは原告自身の自由な判断によるものであり、交渉経費として自ら負担すべきものである。
 判例(最高裁第一小法廷昭和44年2月27日判決民集23巻2号441頁)は、不法行為の被害者が自己の権利擁護のため訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきである旨を判示しており、本件のように、交渉において紛争解決ができる場合にまで、相手方弁護士費用の支払請求が認められるものではない。
(被告Y)
 原告主張の損害については争う。交渉にかかった弁護士費用としても過大である。

第3 判断
1 事実認定

 前記前提事実に加え、後掲各証拠によれば、次の事実を認めることができる。
(1)被告Xは、不動産仲介業務に10年以上携わっていたが、平成28年4月にS生命に入社し、ライフプランナーとして活動するようになった(乙11。)
(2)被告Xは、平成28年5月頃、原告代表者のAと知り合った。Aは、当時、不動産会社に勤務しながら、原告(当時は合同会社T)を設立し、経営を始めたところであった。
  A及び原告は、同年6月28日、被告Xを担当者として、S生命との間で、変額終身保険(A)、終身介護保障保険(原告)、総合医療保険(原告)及び生前給付定期保険(原告)を契約した(乙11、原告代表者)。
(3)被告Yは、保険の営業マン向けに、保険商品を使った節税対策のセミナーを実施していた。被告Xは、平成28年8月頃、上記被告Yのセミナーに参加し、逆ハーフタックス契約形態に関する説明を受けた(乙11、丙2、被告X本人、被告Y本人)。
(4)Aと被告らは、平成29年3月13日頃、S生命内で、面談を行った。その際、被告Yは、節税商品として逆ハーフタックス契約形態の養老保険について、支払保険料の半分は、死亡保険金の受取人が法人であるため、掛け捨て保険料として法人の保険料になり、この範囲で損金処理できること、支払保険料の半分は満期金の受取人が社長であるため、社長の個人負担になるが、個人負担の方法として、①社長が直接保険料を支払うか、②会社が社長の代わりに保険料を支払い、満期金を社長が受け取ったときに会社に返すので社長への貸付金になること、ただ、この貸付金は、社長にお金が渡っておらず保険会社に積み立ててあり、満期の時に会社に返ってくるもので、保険積立金といえる性格を持つことから、表示を保険積立金にする会社も多いこと、保険金を受け取ったときに、支出した金額として処理できるのは個人負担部分である(支払保険料の2分の1)こと、満期金を社長が受け取ることが可能であるが、そのときの税金は、一時所得となるため給与としてもらうよりも半分で済むことなどを説明したが、具体的な保険商品の説明はなかった。
  また、その際、原告と被告Yは、原告の他の節税方法について別途相談を行うこととした。(乙11、12、丙2、被告X本人、被告Y本人)
(5)被告Xは、上記平成29年3月13日の面談後、原告に対して、本件保険契約の提案を行った。
  原告は、同月27日、S生命との間で、本件保険契約を締結したが、その際、被告Xが、被告の上司であるZが同席の上で、重要事項説明書等を利用しながら本件保険契約の説明を行い、意思確認を行った。その際、Aは、意向確認書兼適合性確認書に記入し、また、2回目以降の保険料の口座振替の届出を行った。本件保険契約に関し、S生命から原告に交付された「ご契約内容のお知らせ(被保険者様用)」との書面(甲4の1ないし10)には、保険料の払込期間として「20年 2037/3/27」との記載がある。また、被告Xが本件保険契約締結の際に原告に交付した重要事項説明書(乙10)には、保険に関する税金・経理処理についての説明の中で、将来変更されることがある旨の記載がある。(甲4の1ないし10、乙2の1ないし10、乙3、4、10、11、被告X本人)
(6)原告は、平成29年7月12日、S生命に対し、保険料の振替口座をJ銀行からM銀行に変更する旨の届出をした(乙5)。
2 争点(1)(被告Xの説明義務)について
(1)被告Xは、原告に対し本件保険契約を締結するよう勧誘し、本件保険契約の締結手続を担当者として行った者であるから、本件保険契約の内容を説明すべき義務を負う。
(2)これに関し、Aは、被告Xは、本件保険契約が、毎年約1900万円もの保険料を支払う内容であるなど、その内容について説明を行っておらず、意向確認書兼適合性確認書の記載についても、被告Xの指示のままに記載したものである旨を供述する。
  しかし、Aは、不動産業者の勤務経験があることに加え、自らも不動産業を営む原告を経営しているのであるから、契約を締結するに当たってその契約内容を把握することが重要であることは当然理解しているはずであって、また、その理解力がないとも考え難い。また、上記認定のとおり、被告Xは、本件保険契約の締結に当たって、上司であるZを同席させた上で契約内容の説明を行っており、被告Xが、自分自身の判断で契約の内容の説明を省略するなどできない状況であったことからすると、S生命において定められたとおりの方法により契約内容を説明しているものと推認することができる。これに加え、本件保険契約に関し、S生命から原告に交付された「ご契約内容のお知らせ(被保険者様用)Jとの書面(甲4の1ないし10)には、保険料の払込期間として「20年 2037/3/27」との記載があることからすれば、仮に、被告Xが保険料の支払が初回だけであるかのように説明していたとすれば、上記書面と齟齬を来すことが明らかで、直ちに問題が生じる危険があること、原告が、平成29年7月12日には翌年以降の保険料の支払に関する振替口座の変更を届け出ていることなども被告Xが本件保険契約の内容を説明したことを示すべき事情といえる。上記の推認を覆すに足りる事情は、本件証拠上認めることができない。
  したがって、上記原告の供述を採用することはできず、被告Xにおいて、本件保険契約の内容を説明しなかったと認めることはできない。
(3)また、被告Xは、原告に対し、本件保険契約を節税商品として紹介するに先立ち、被告Yを同席させ、逆ハーフタックス契約形態の養老保険が節税対策になる旨を説明している。ところで、逆ハーフタックス契約形態の養老保険について、死亡保険金の保険料の半額を会社の損金として処理しつつ、残りの半額を役員報酬として損金処理し、合わせて全額を損金として計上する方法については、税務否認のリスクが指摘されているが(甲6)、被告Yの説明は、損金として計上できるのは2分の1であるとの説明であるから、上記税務否認のリスクの指摘は本件には当てはまらない。また、満期金の支払に関する損金についても、逆ハーフタックス契約形態の養老保険に関する判例(最高裁第二小法廷平成24年1月13日判決民集66巻1号1頁)において、「死亡保険金の受取人を会社とし、満期保険金の受取人を当該会社の代表者らとする養老保険契約の保険料を当該会社が支払い、満期保険金を当該代表者らが受け取った場合において、上記保険料のうち当該代表者らに対する貸付金として経理処理がされた部分がその2分の1である一方、その余の部分が当該会社における保険料として損金経理がされたものであるなど判示の事情のもとでは、上記満期保険金に係る当該代表者らの一時所得の金額の計算上、後者の部分は所得税法34条2項にいう『その収入を得るために支出した金額』に当たらない」旨の判示を前提として、2分の1の限度で損金として処理ができる旨の説明であって、上記判例に従ったものということができる。その他、被告Yの説明が、本件保険契約締結当時及び口頭弁論終結時点における税務上の取扱いにも反するものと認めることはできず、説明として不十分であるとはいえない。
  原告は、本件保険契約が契約期間20年と長期にわたるものであることから、税務上の取扱いの変更の可能性についても説明すべきであるとするが、被告Xが本件保険契約締結の際に原告に交付した重要事項説明書(乙10)には、保険に関する税金・経理処理についての説明の中で、将来変更されることがある旨の記載があり、税務上の取扱いの変更の可能性があることは説明がされている。そして、これを超えて、上記税務上の取扱いの変更が行われる蓋然性が高いなどといった事情がある場合は格別、抽象的に変更の可能性があることを前提として説明すべき義務があるとはいえないが、本件において、上記税務上の取扱いの変更が行われる蓋然性があったと認めることはできないから、被告Xに説明義務違反があったとは認められない。
  なお、原告は、逆ハーフタックス契約形態の養老保険契約を締結している法人に対して税務署による税務調査が行われるリスクがあるが、被告Xは、これについての説明をしていない旨も主張する。しかし、税務調査が行われること自体が不利益ということはできないから、原告の上記主張は理由がない。
(4)また、原告は、S生命において逆ハーフタックス契約形態の保険の販売が禁止され、受取人等の変更等による逆ハーフタックス契約形態への変更を厳に慎むべきとされていたことについて、被告Xが説明義務を負う旨を主張するが、逆ハーフタックス契約形態の養老保険の販売が、金融商品の販売として禁止されているといった事情は認められず、上記の扱いがS生命における内部的な取扱いにすぎないことからすると、被告Xが上記のような内部的な取扱いについて説明義務を負うものとは認められない。
(5)以上によれば、被告Xにおいて説明義務違反があったと認めることはできない。S生命が原告に本件保険契約に基づいて支払った保険料を全額返金したことは前記前提事実のとおりであるが、S生命においてどのような判断で返金したのかは明らかでない。内部通達上、逆ハーフタックス契約形態の養老保険の販売を中止し、また、契約変更によって同様の契約に変更することを厳に慎むように社員に促していることを踏まえ、経営政策的な判断から返金に応じた可能性も否定できないことからすれば、上記のとおりS生命が返金に応じたことが、不法行為の成立を肯定したものとは認められない。
3 争点(2)(被告Yの説明義務)
 上記認定判断のとおり、被告Yは、被告Xに同行し、逆ハーフタックス契約形態の養老保険の税務上の取扱いについて説明を行っているが、被告Yは、本件保険契約そのものの説明を行ったものではないから、被告Yとして説明義務を負うのは、自ら税務の専門家として説明を行った範囲において、正確な説明をするべき義務の限度であって、金融商品の勧誘に関わる一般的な説明義務を負うものではない。
 そして、被告Yの説明が、被告Yにおいて説明を行った当時の判例や国税庁の取扱いに沿ったものであることは、上記認定判断のとおりであるから、被告Yの説明について、説明義務違反があったということはできない。本件保険契約の契約期間中に税務上の取扱いが変更される可能性に関わる説明義務を負わないことは、被告Xについて判断したことと同じである。
 以上によれば、被告Yにおいて説明義務違反があったと認めることはできない。
4 したがって、その余について判断するまでもなく、原告の請求はいずれも理由がないので棄却することとし、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第31部
    裁判官 金澤秀樹

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