解説記事2022年07月11日 税制改正解説 令和4年度における納税環境整備に関する改正について(2)(2022年7月11日号・№938)
税制改正解説
令和4年度における納税環境整備に関する改正について(2)
畑尾傑人
三 財産債務調書制度等の見直し
1 改正前の制度の概要
(1)国外財産調書制度
① 国外財産調書の提出
居住者(非永住者を除く。以下(1)において同じ。)は、その年の12月31日においてその価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合には、その者の氏名、住所又は居所及び個人番号並びにその国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(以下「国外財産調書」という。)を、その年の翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければならないこととされていた(旧国外送金等調書法5①)。ただし、同日(提出期限)までに国外財産調書を提出しないで死亡し、又は出国をしたときは、国外財産調書の提出を要しないこととされていた(旧国外送金等調書法5①ただし書)。
また、相続の開始の日の属する年(以下「相続開始年」という。)の12月31日においてその価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する相続人(遺贈(死因贈与を含む。以下同じ。)により財産を取得した者を含む。以下同じ。)は、相続開始年の年分の国外財産調書については、その相続又は遺贈により取得した国外財産(以下「相続国外財産」という。)を除外して、提出することができることとされている(国外送金等調書法5②前段)。この場合において、相続開始年の年分の国外財産調書の提出義務については、国外財産の価額の合計額から相続開始年に取得した相続国外財産の価額の合計額を除外して判定することとされている(国外送金等調書法5②後段)。
② 過少申告加算税等の特例
イ 国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置
国外財産に係る所得税又は国外財産に対する相続税に関し申告漏れ(過少申告)又は無申告(以下「国外財産に係る事実」という。)による修正申告書若しくは期限後申告書の提出又は更正若しくは決定(以下「修正申告等」という。)があり、過少申告加算税又は無申告加算税の適用がある場合において、提出期限内に提出された国外財産調書にその修正申告等の基因となる国外財産についての記載があるときは、その修正申告等につき課される過少申告加算税の額又は無申告加算税の額については、その国外財産に係る事実に基づく本税額(その過少申告加算税の額又は無申告加算税の額の計算の基礎となるべき本税額)の5%に相当する金額を控除した金額とすることとされている(国外送金等調書法6①)。
ロ 国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置の適用の判定の基礎となる国外財産調書
上記イの国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置の適用に当たり、その提出の有無や国外財産の記載の有無を判定する国外財産調書は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める国外財産調書とされている(国外送金等調書法6②)。
(イ)国外財産に係る所得税に関する修正申告等である場合……その修正申告等に係る年分の国外財産調書(その年の中途においてその修正申告等の基因となる国外財産を譲渡等により有しないこととなった場合には、その修正申告等に係る年分の前年分の国外財産調書)
(ロ)国外財産に対する相続税に関する修正申告等である場合……次に掲げる国外財産調書のいずれか
a その相続税に係る被相続人(遺贈をした者を含む。以下同じ。)の相続開始年の前年分の国外財産調書(被相続人がその提出期限までに相続開始年の前年分の国外財産調書を提出しないで死亡した場合には、被相続人の相続開始年の前々年分の国外財産調書)
b その相続税に係る相続人の相続開始年の年分の国外財産調書
c その相続税に係る相続人の相続開始年の翌年分の国外財産調書
ハ 国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置
国外財産に係る所得税又は国外財産に対する相続税に関し修正申告等(死亡した者に係るものを除く。)があり、過少申告加算税又は無申告加算税の適用がある場合において、次に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その修正申告等につき課される過少申告加算税の額又は無申告加算税の額については、その国外財産に係る事実に基づく本税額(その過少申告加算税の額又は無申告加算税の額の計算の基礎となるべき本税額)の5%に相当する金額を加算した金額とすることとされている(国外送金等調書法6③)。
(イ)提出期限内に国外財産調書の提出がない場合(その国外財産調書の提出期限の属する年の前年の12月31日において相続国外財産を有する者(その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産で相続国外財産以外のものを有する者を除く。)の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)
(ロ)提出期限内に提出された国外財産調書に記載すべきその修正申告等の基因となる国外財産についての記載がない場合(その国外財産調書にその修正申告等の基因となる国外財産について記載すべき事項のうち重要なものの記載が不十分であると認められる場合を含むものとし、その国外財産調書に記載すべきその修正申告等の基因となる相続国外財産についての記載がない場合(その相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がない場合に限る。)を除く。)
ただし、その修正申告等が相続税に関するものである場合には、次に掲げる者については、国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置は、適用しないこととされている(国外送金等調書法6⑤)。
(イ)その相続税に係る相続人で相続開始年の翌年分の国外財産調書の提出義務がないもの
(ロ)その相続税に係る相続人で相続開始年の翌年の12月31日においてその修正申告等の基因となる相続国外財産を有しないもの
ニ 国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の適用の判定の基礎となる国外財産調書
上記ハの国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の適用に当たり、その提出の有無や国外財産の記載の有無を判定する国外財産調書は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める国外財産調書とされている(国外送金等調書法6④)。
(イ)国外財産に係る所得税に関する修正申告等である場合……その修正申告等に係る年分の国外財産調書(その年の中途においてその修正申告等の基因となる国外財産を譲渡等により有しないこととなった場合にはその修正申告等に係る年分の前年分の国外財産調書とし、その修正申告等の基因となる相続国外財産(相続開始年に取得したものに限る。)については相続開始年の年分の国外財産調書を除く。)
(ロ)国外財産に対する相続税に関する修正申告等である場合……次に掲げる国外財産調書の全て
a その相続税に係る被相続人の相続開始年の前年分の国外財産調書(被相続人がその提出期限までに相続開始年の前年分の国外財産調書を提出しないで死亡した場合には、被相続人の相続開始年の前々年分の国外財産調書)
b その相続税に係る相続人の相続開始年の年分の国外財産調書
c その相続税に係る相続人の相続開始年の翌年分の国外財産調書
ホ 提出期限後に国外財産調書が提出された場合の宥恕措置
提出期限後に国外財産調書が提出され、かつ、修正申告等があった場合において、その国外財産調書の提出が、その国外財産に係る所得税又は国外財産に対する相続税についての調査があったことにより更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、その国外財産調書は提出期限内に提出されたものとみなして、上記イの国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置又は上記ハの国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置を適用することとされていた(旧国外送金等調書法6⑥)。
ヘ 国外財産調書に記載すべき国外財産に関する書類の提示又は提出がない場合の過少申告加算税等の軽減措置又は加重措置の特例
国外財産に係る所得税又は国外財産に対する相続税に関し修正申告等があり、過少申告加算税又は無申告加算税の適用がある居住者が、その修正申告等があった日前に、国税庁、国税局又は税務署の当該職員から国外財産調書に記載すべき国外財産の取得、運用又は処分に係る一定の書類(その電磁的記録を含む。)又はその写しの提示又は提出を求められた場合において、その提示又は提出を求められた日から60日を超えない範囲内でその提示又は提出の準備に通常要する日数を勘案して当該職員が指定する日までにその提示又は提出をしなかったとき(その居住者の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)における上記イの国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置又は上記ハの国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の適用については、次のとおりとされている(国外送金等調書法6⑦)。
(イ)上記イの国外財産調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置は、適用しないこととされている。
(ロ)上記ハの国外財産調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の適用については、その加算する割合は10%(この特例の適用前の加算割合:5%)とすることとされている。ただし、次に掲げる場合のいずれかに該当する場合には、その加算する割合は5%(この特例の適用前の加算割合:なし)とすることとされている。
a 提出期限内に国外財産調書の提出がないことについて、その提出期限の属する年の前年の12月31日において相続国外財産を有する者(その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産(相続国外財産を除く。)を有する者を除く。)の責めに帰すべき事由がない場合
b 国外財産調書に記載すべきその修正申告等の基因となる相続国外財産についての記載がない場合(重要な事項の記載が不十分であると認められる場合を含むものとし、その相続国外財産を有する者の責めに帰すべき事由がない場合に限る。)
(2)財産債務調書制度
① 財産債務調書の提出
所得税の申告書を提出すべき者又は所得税の還付申告書(その計算した所得税の額の合計額が配当控除の額を超える場合におけるその還付申告書に限る。)を提出することができる者は、その申告書に記載すべきその年分の総所得金額及び山林所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日においてその価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する場合には、その者の氏名、住所又は居所及び個人番号(個人番号を有しない者については、氏名及び住所又は居所)並びにその者が同日において有する財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額その他必要な事項を記載した調書(以下「財産債務調書」という。)を、その年の翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければならないこととされていた(旧国外送金等調書法6の2①)。ただし、同日(提出期限)までに、財産債務調書を提出しないで死亡したときは、財産債務調書の提出を要しないこととされていた(旧国外送金等調書法6の2①ただし書)。
また、相続開始年の年分の所得税の申告書に記載すべき総所得金額及び山林所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、相続開始年の12月31日においてその価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する相続人は、相続開始年の年分の財産債務調書については、その相続又は遺贈により取得した財産又は債務(以下「相続財産債務」という。)を除外して、提出することができることとされている(国外送金等調書法6の2②前段)。この場合において、相続開始年の年分の財産債務調書の提出義務については、財産の価額の合計額から相続開始年に相続又は遺贈により取得した財産の価額の合計額を除外して判定することとされている(国外送金等調書法6の2②後段)。
② 過少申告加算税等の特例
イ 財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置
財産債務に係る所得税又は財産に対する相続税に関し申告漏れ(過少申告)又は無申告(以下「財産債務に係る事実」という。)による修正申告等があり、過少申告加算税又は無申告加算税の適用がある場合において、提出期限内に提出された財産債務調書にその修正申告等の基因となる財産又は債務についての記載があるときは、その修正申告等につき課される過少申告加算税の額又は無申告加算税の額については、その財産債務に係る事実に基づく本税額(その過少申告加算税の額又は無申告加算税の額の計算の基礎となるべき本税額)の5%に相当する金額を控除した金額とすることとされている(旧国外送金等調書法6の3①、6①)。
ロ 財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置の適用の判定の基礎となる財産債務調書
上記イの財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置の適用に当たり、その提出の有無や財産又は債務の記載の有無を判定する財産債務調書は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める財産債務調書とされている(旧国外送金等調書法6の3①、6②)。
(イ)財産債務に係る所得税に関する修正申告等である場合……その修正申告等に係る年分の財産債務調書(その年の中途においてその修正申告等の基因となる財産又は債務を譲渡等により有しないこととなった場合には、その修正申告等に係る年分の前年分の財産債務調書)
(ロ)財産に対する相続税に関する修正申告等である場合……次に掲げる財産債務調書のいずれか
a その相続税に係る被相続人の相続開始年の前年分の財産債務調書(被相続人がその提出期限までに相続開始年の前年分の財産債務調書を提出しないで死亡した場合には、被相続人の相続開始年の前々年分の財産債務調書)
b その相続税に係る相続人の相続開始年の年分の財産債務調書
c その相続税に係る相続人の相続開始年の翌年分の財産債務調書
ハ 財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置
財産債務に係る所得税に関し修正申告等(死亡した者に係るものを除く。)があり、過少申告加算税又は無申告加算税の適用がある場合において、次に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その修正申告等につき課される過少申告加算税の額又は無申告加算税の額については、その財産債務に係る事実に基づく本税額(その過少申告加算税の額又は無申告加算税の額の計算の基礎となるべき本税額)の5%に相当する金額を加算した金額とすることとされている(旧国外送金等調書法6の3②、6③)。
(イ)提出期限内に財産債務調書の提出がない場合(その財産債務調書の提出期限の属する年の前年の12月31日において相続財産債務を有する者(その価額の合計額が3億円以上の財産(相続又は遺贈により取得した財産を除く。)又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産(相続又は遺贈により取得した財産を除く。)を有する者を除く。)の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)
(ロ)提出期限内に提出された財産債務調書に記載すべきその修正申告等の基因となる財産債務についての記載がない場合(その財産債務調書にその修正申告等の基因となる財産債務について記載すべき事項のうち重要なものの記載が不十分であると認められる場合を含むものとし、その財産債務調書に記載すべきその修正申告等の基因となる相続財産債務についての記載がない場合(その相続財産債務を有する者の責めに帰すべき事由がない場合に限る。)を除く。)
ニ 財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の適用の判定の基礎となる財産債務調書
上記ハの財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の適用に当たり、その提出の有無や財産又は債務の記載の有無を判定する財産債務調書は、その修正申告等に係る年分の財産債務調書(その年の中途においてその修正申告等の基因となる財産又は債務を譲渡等により有しないこととなった場合にはその修正申告等に係る年分の前年分の財産債務調書とし、その修正申告等の基因となる相続財産債務(相続開始年に取得したものに限る。)については相続開始年の年分の財産債務調書を除く。)とされている(旧国外送金等調書法6の3②、6④)。
ホ 提出期限後に財産債務調書が提出された場合の宥恕措置
提出期限後に財産債務調書が提出され、かつ、修正申告等があった場合において、その財産債務調書の提出が、その財産債務に係る所得税又は財産に対する相続税についての調査があったことにより更正又は決定があるべきことを予知してされたものでないときは、その財産債務調書は提出期限内に提出されたものとみなして、上記イの財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置又は上記ハの財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置を適用することとされていた(旧国外送金等調書法6の3③、6⑥)。
2 改正の内容
財産債務調書制度については、その年分の総所得金額及び山林所得金額の合計額が2,000万円を超え、かつ、その年の12月31日においてその価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する者がその提出義務者とされているが、その年分の総所得金額及び山林所得金額の合計額が2,000万円以下の者は、仮に高額の資産を保有していたとしても、財産債務調書の提出義務がないため、納税者の財産状況等を十分に把握することができていない面があった。
今回の改正においては、こうした課題に対応するため、提出義務者等の事務負担の軽減等の観点から、国外財産調書及び財産債務調書の提出期限が後倒しされるとともに、国外財産調書及び財産債務調書の記載事項について運用上の簡略化等が行われた上で、財産債務調書の提出義務者の範囲の見直しが行われた。
以下では、これらの見直しの内容について説明することとする。
(1)財産債務調書の提出義務者の見直し
従前の提出義務者(上記1(2)①の財産債務調書を提出すべき者をいう。以下同じ。)のほか、居住者(従前の提出義務者を除く。)で、その年の12月31日においてその価額の合計額が10億円以上の財産を有するものは、財産債務調書を、その年の翌年の6月30日までに、所轄税務署長に提出しなければならないこととされた(国外送金等調書法6の2③)。
また、上記により提出すべき財産債務調書については、従前の提出義務者が提出すべき財産債務調書と同様に、次の措置が講じられた。
① その年の翌年の6月30日(提出期限)までに、財産債務調書を提出しないで死亡したときは、財産債務調書の提出を要しないこととされた(国外送金等調書法6の2③後段、6の2①ただし書)。
② 相続開始年の12月31日においてその価額の合計額が10億円以上の財産を有する相続人は、相続開始年の年分の財産債務調書については、相続財産債務を除外して、財産債務調書を提出することができることとされた(国外送金等調書法6の2④前段)。この場合において、相続開始年の年分の財産債務調書の提出義務については、財産の価額の合計額から相続開始年に相続又は遺贈により取得した財産の価額の合計額を除外して判定することとされた(国外送金等調書法6の2④後段)。
(2)国外財産調書及び財産債務調書の提出期限の見直し
① 国外財産調書の提出期限の見直し
国外財産調書の提出期限が、その年の翌年の6月30日(改正前:その年の翌年の3月15日)に後倒しされた(国外送金等調書法5①)。
② 財産債務調書の提出期限の見直し
財産債務調書の提出期限が、その年の翌年の6月30日(改正前:その年の翌年の3月15日)に後倒しされた(国外送金等調書法6の2①)。
(3)提出期限後に国外財産調書又は財産債務調書が提出された場合の宥恕措置の見直し
① 提出期限後に国外財産調書が提出された場合の宥恕措置の見直し
上記1(1)②ホの提出期限後に国外財産調書が提出された場合の宥恕措置について、その国外財産調書の提出が、国外財産に係る所得税又は国外財産に対する相続税についての調査通知前にされたものである場合に限り、適用することとされた(国外送金等調書法6⑥)。
② 提出期限後に財産債務調書が提出された場合の宥恕措置の見直し
上記1(2)②ホの提出期限後に財産債務調書が提出された場合の宥恕措置について、その財産債務調書の提出が、その財産債務に係る所得税又は財産に対する相続税についての調査通知前にされたものである場合に限り、適用することとされた(国外送金等調書法6の3③、6⑥)。
(4)財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置等の整備
① 財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置の整備
上記(1)の改正に伴い、財産債務調書の提出がある場合の過少申告加算税等の軽減措置の適用の判定の基礎となる財産債務調書に、提出期限内に提出された財産債務調書で上記(1)により提出すべきものが追加された(国外送金等調書法6の3①、6①②)。
② 財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置の整備
上記(1)の改正に伴い、財産債務調書の提出がない場合等の過少申告加算税等の加重措置が適用される場合に、次に掲げる場合が追加された(国外送金等調書法6の3②、6③④)。
イ 提出期限内に上記(1)により提出すべき財産債務調書の提出がない場合(その財産債務調書の提出期限の属する年の前年の12月31日において相続財産債務を有する者(その価額の合計額が10億円以上の財産(相続又は遺贈により取得した財産を除く。)を有する者を除く。)の責めに帰すべき事由がない場合を除く。)
ロ 提出期限内に提出された財産債務調書で上記(1)により提出すべきものに記載すべき修正申告等の基因となる財産債務についての記載がない場合(その財産債務調書にその修正申告等の基因となる財産債務について記載すべき事項のうち重要なものの記載が不十分であると認められる場合を含むものとし、その財産債務調書に記載すべきその修正申告等の基因となる相続財産債務についての記載がない場合(その相続財産債務を有する者の責めに帰すべき事由がない場合に限る。)を除く。)
3 適用関係
(1)上記2(1)の改正は、令和5年分以後の財産債務調書について適用される(改正法附則72④)。
(2)上記2(2)①の改正は、令和5年分以後の国外財産調書について適用し、令和4年分以前の国外財産調書については従前どおりとされている(改正法附則72①)。
(3)上記2(2)②の改正は、令和5年分以後の財産債務調書について適用し、令和4年分以前の財産債務調書については従前どおりとされている(改正法附則72③)。
(4)上記2(3)の改正は、国外財産調書又は財産債務調書が令和6年1月1日以後に提出される場合について適用し、国外財産調書又は財産債務調書が同日前に提出された場合については従前どおりとされている(改正法附則72②)。
(5)上記2(4)①の改正は、令和5年1月1日から施行される(改正法附則1三ホ)。
(6)上記2(4)②の改正は、令和5年分以後の所得税について適用し、令和4年分以前の所得税については従前どおりとされている(改正法附則72⑤)。
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