会計ニュース2023年01月06日 国際課税見直しも税効果は改正前税法で(2023年1月9日号・№961) ASBJ、グローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応を検討
グローバル・ミニマム課税の導入を盛り込んだ「第2の柱モデルルール」をOECDが2021年12月に公表したことを受け、各国において、「第2の柱モデルルール」の導入に向けた取り組みが進められている。日本でも令和5年度税制改正において、グローバル・ミニマム課税への対応として、所得合算ルール(IIR)が導入されることになった。所得合算ルールとは、軽課税国に所在する子会社等の税負担が国際的に合意された最低税率(15%)に至るまで、親会社の所在する国において課税を行う制度のこと。総収入金額が7億5,000万ユーロ相当額(約1,000億円)以上の多国籍企業を対象として2024年4月1日以後開始する事業年度から導入される運びとなっている。
このため、企業会計基準委員会(ASBJ)では、企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」などを改正する必要があるか検討を行うとしており、12月26日開催の同委員会においてグローバル・ミニマム課税に関する改正法人税法への対応を企業会計基準委員会の新規テーマとし、税効果会計専門委員会で対応することを決定した。
当面の課題となるのは、令和5年度税制改正法案が成立した後の税効果会計の取扱いだ。通常国会に提出される予定の令和5年度税制改正法案が予定通り2023年3月31日までに国会で可決、成立した場合には、繰延税金資産及び繰延税金負債の額は決算日において国会で成立している税法に基づき計算するとされているため(税効果適用指針第44項)、所得合算ルールが適用される企業は、2023年3月期以降の決算において、所得合算ルールの適用を前提として税効果会計の適用を行う必要がある。しかし、所得合算ルールの複雑性から、改正後の税率による税効果会計の適用は困難であるとされているため、一時的な例外規定として、税効果適用指針第44項を適用せず、改正前の税法の規定に基づくことを容認する方向で検討が行われる模様だ。
なお、IASB(国際会計基準審議会)では、IAS第12号「法人所得税」を改正し、OECDの第2の柱モデルルールの適用から生じる繰延税金を会計処理する要求について一時的な例外を導入すること等の暫定決定がすでになされ、1月中にも公開草案が公表される見込みとなっている。
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