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税務ニュース2023年03月31日 居住者親族が存在なら特殊関係非居住者(2023年4月3日号・№973) JV出資外国法人の株主がシンガポール在住日本人でCFC税制適用

  • 東京地裁、対象会社の株式の50%を保有する外国法人のシンガポール在住日本人株主は、規定の文言及び立法趣旨から「特殊関係非居住者」に該当すると判断(東京地裁令和5年3月16日判決)。

 海上運送事業等を行う内国法人(原告)は、同社が50%の株式を保有するシンガポール法人C社が特定外国子会社等に該当するとしてタックスヘイブン対策税制(CFC税制)の適用を受けた。C社の残りの株式50%は、英領バージン諸島法人R社が保有していたが、R社の全ての株式を保有していたのは、日本国籍を有しシンガポールに居住するA氏であった。本件でまず争点となったのは、このA氏が「特殊関係非居住者」に該当するかどうかという点だ。
 CFC税制の対象となる外国関係会社とは、居住者、内国法人、特殊関係非居住者、居住者及び内国法人との間に実質支配関係のある外国法人(あわせて居住者等株主等)が50%超を直接・間接に保有する外国法人をいうため、A氏が「特殊関係非居住者」に該当すると、C社は外国関係会社に該当することになる。
 東京地裁は、「措置法66条の6第2項1号は、『特殊関係非居住者』を、居住者又は内国法人と政令で定める特殊の関係のある非居住者と定め、措置法施行令39条の14第3項1号は、この『特殊の関係のある非居住者』の一つとして、『居住者の親族』を掲げる。そして、本件において、A氏が『非居住者』に該当すること及びA氏と民法725条の親族の関係にある『居住者』が存在することについては、当事者間に争いがない」とした上で、当該規定の文言及び立法趣旨から、A氏が「特殊関係非居住者」に該当すると判断した。
 原告は、①「居住者の親族」につき、「居住者の民法上の親族のうち、居住者から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの」と限定して解釈すべき、②当該限定を付さないと、内国法人と外国法人が50対50の割合で出資して組成するジョイントベンチャー(JV)の多くが外国子会社合算税制の対象となる、などと主張したが、それらの主張は全て斥けられた。
 なお、JVに関しては、H29年改正で、外国法人に対する間接の保有割合の計算方法が掛算方式から50%超連鎖方式に変更されたことにより、JVにおける少数株主問題が解決されたが、当該改正により対象から外れたのは、外国法人の株式を保有する居住者が少数株主である場合に限られる。本件では、A氏がR社の株式の全てを保有しているため、適用対象となるのはやむを得ないだろう。

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