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解説記事2023年06月12日 最新判決研究 実質的に債務ではない債務が免除された場合の「所得」の有無(2023年6月12日号・№982)

最新判決研究
実質的に債務ではない債務が免除された場合の「所得」の有無
東京地裁令和5年3月14日判決(令和元年(行ウ)第615号)
 筑波大学名誉教授・弁護士 品川芳宣

一、事実

(1)訴外甲の相続人であるX1(原告、甲の子)及びX2(原告、甲の妻)は、甲のS銀行に対する債務について、S銀行との間で成立した一定額の分割金を支払った場合には残部について債務免除をするとの東京地方裁判所の和解(以下「本件和解」という。)では、平成28年7月31日、当該残部の9億7370万円の債務免除(以下「本件債務免除」又は「本件債務免除益」という。)される旨記載されていたが、平成29年3月16日、平成28年分所得税について、本件債務免除益を総所得金額に算入しないで確定申告をした。
 これに対し、所轄税務署長は、平成30年4月25日、本件債務免除益が一時所得に該当するとして、X1らの平成28年分所得税等の更正及び過少申告加算税の賦課決定(以下「本件各処分」という。)をした。X1らは、本件各処分を不服として、前審手続を経て、令和元年12月4日、国(被告)に対し、本件各処分の取消しを求めて、本訴を提起した。
(2)本件債務免除益が成立するとされるまでの間には、次の事実が認められる。
 ① 平成5年9月6日頃
 甲の父Aは、当時、痴呆気味であったが、甲を保証人として、S銀行から16億円の貸付け(以下「本件貸付」又は「本件貸付金」という。)を受け、その金員で東京都所在のNマンションを購入した。
 ② 平成14年2月15日
 S銀行は、A及び甲を被告として、本件貸付金及びこれに対する利息及び遅延損害金の支払を求めて東京地方裁判所に訴えを提起した。
 ③ 平成14年4月26日
 Aは、S銀行に対し、本件貸付当時自らの行為を判断する意思能力がなかったところ、S銀行の担当者が、甲と通謀してA名義の署名を自ら行ったなどと主張し、本件貸付に基づく根抵当権設定登記の抹消登記請求訴訟を東京地方裁判所に提起した(②の訴訟と併せて以下「前訴」という。)。その際、K弁護士がAの訴訟代理人となった。
 ④ 平成14年10月23日
 Aが死亡したため、甲及びX1を含む6人の相続人(以下「A相続人ら」という。)は、前訴の訴訟承継人となった。K弁護士は、甲を除くA相続人らの訴訟代理人となった。
 ⑤ 平成15年8月25日
 A相続人らは、所轄税務署長に対し、Aに係る相続税の申告書を提出した。その際、本件貸付に係る債務(以下「本件債務」という。)を債務控除した。
 ⑥ 平成15年8月27日
 東京地方裁判所は、前訴について「和解に向けての見解」との書面(以下「本件書面」という。)を作成し、前訴の当事者に交付した。本件書面の骨子としては、Aが本件貸付当時老年痴呆症であったこと等を認め、本件貸付金の金額を前提とするのではなく、Nマンションの価格相当額をS銀行に返還し、甲がAの相続財産の6分の1相当額(約2億4000万円)をS銀行に返還すること等を基本とするものであった。
 ⑦ 平成15年12月25日
 甲は、Nマンションを4億1100万円で売却した。
 ⑧ 平成16年3月31日
 A相続人らは、Aの遺産について遺産分割協議を行い、本件債務については甲が承継して負担することとした。
 ⑨ 平成16年4月15日
 S銀行とA相続人らは、次の内容を含む本件和解をした。
 A相続人らは、本件債務について法定相続分に従って支払う義務があることを確認し、甲がその金額を支払うことを確認する。
 甲は、S銀行に対し、以下の金員を支払う。
 a.平成16年9月30日限り3億7130万円
 b.平成18年12月31日限り2億5000万円
 c.平成19年から平成28年まで毎年6月30日限り50万円(10回、合計500万円)
 d.平成28年7月31日限り9億7370万円
 甲がS銀行に対し、上記のa~cの合計6億2630万円を支払った時は、S銀行は、その余の9億7370万円の支払義務を免除する(本件債務免除)。
 ⑩ 本件和解後の経緯
 甲は、本件和解金を順次支払っていたが、前記のcの分割金の2回分100万円の支払を残し、平成26年10月死亡した。X1らを含む甲の相続人4名(以下「甲相続人ら」という。)は、平成27年8月12日、遺産分割協議を行い、本件貸付に係る残債務については、X1及びX2がそれぞれ2分の1ずつ承継することにした。X1らは、本件和解に基づき、前記⑨cの分割金の残額を期日どおり50万円ずつ支払った。
 ⑪ K弁護士への支払
 甲は、前訴に関連して、K弁護士に対し、訴訟費用201万円余及び弁護士費用合計8726万円余を支払った(以下「本件弁護士費用等」という。)。

二、争点及び当事者の主張

1 争  点
 本件の争点は、①本件債務免除益の存否、②資力喪失(所得税法44条の2)の有無、③二重課税の排除(所得税法9条1項16号)の適用の有無、④理由附記の不備の有無、⑤本件弁護士費用等を「その収入を得るために支出した金額」(所得税法34条2項)として控除することの可否、である。

2 X1らの主張
(1)本件和解は、東京地方裁判所が作成した本件書面の方針に従って成立したものであり、本件書面では、本件貸付の際にはAの意思能力がなかった可能性が大きいとされており、甲による表見代理及び追認も否定され、AとS銀行との間の消費貸借契約の有効性に疑問が投げ掛けられている。そうであるとすると、Aに対するS銀行の本件貸付は効力を有しないというべきであり、本件債務免除は、実体のない名目・形式のものにすぎないのであるから、それによってX1らに債務免除益が発生したということはできない(争点①)。
(2)本件和解当時の甲は、Aから25億0303万円余の資産と24億4715万円余の債務及び未払利子を相続しているところ、相続した財産の大半は土地建物であり、流動資産は約2億3000万円しかなかった。よって甲は、本件和解時に債務が資産を億単位で超過し、債務を支払うことができない支払不能に至っていたので、所得税法44条の2第1項所定の「資力を喪失」していたものというべきである(争点②)。
(3)本件債務免除の対象となる本件貸付に係る債務については、甲の死亡時の相続税の修正申告において債務控除していない。相続税において消極財産として勘案されなかった本件貸付について、本件債務免除において債務免除益として取り扱われるとすると、これは所得税法9条1項16号が相続により取得するものに所得税を課税しないとしていることと反する(争点③)。
(4)本件各処分には、所得税法の法令の適用結果及び判断過程に関する記載がなく、処分理由の附記に不備があり違法である(争点④)。
(5)仮に本件債務免除益を所得として課税対象とする場合でも、本件弁護士費用等8726万円余は、収入を得るために支出した金額であるので、一時所得の金額の計算上は控除すべきである。

3 国の主張
(1)本件和解の条項には、甲がS銀行に対し、合計6億2630万円を期限の利益を喪失することなく支払ったときは、残りの9億7370万円の支払義務を免除すると記載されており、X1らは、遺産分割協議において、甲の本件和解に係る債務を2分の1ずつ承継したのであるから、X1らが残分割金合計100万円を各支払期限までに支払ったことで、本件債務免除を受け、本件債務免除益を受けたものというべきである(争点①)。
(2)所得税法44条の2第1項所定の資力喪失要件は、本件債務免除の時点でX1らについて判断すべきである。同項の規定ぶりからすれば、X1らの受けた本件債務免除について、同項を適用することはできない(争点②)。
(3)本件債務免除益は、平成28年6月15日にX1らが支払債務を履行したことにより初めて発生している以上、相続に起因する債務とは認められず、所得税法9条1項16号の適用はない(争点③)。
(4)本件各処分においては、理由が具体的に記載されているということができるから、本件各処分の通知書に附記された理由は、行政手続法14条1項に規定する理由の提示の趣旨に沿うものである(争点④)。
(5)所得税法34条2項は、一時所得から控除できる支出を「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額」に限定しているところ、本件債務免除益は、甲及びX1らがその自発的意思によって本件和解の条項に定められた支払条件を履行し、S銀行が本件債務免除をしたことにより生じたものであるから、本件弁護士費用等は控除されるべきではない(争点⑤)。

三、判決要旨

請求一部認容。

1 争点①(本件債務免除益の存否)について

(1)本件債務免除について債務免除益が生じたかに関し、まず本件和解の条項がどのようになっているのかを見ると、本件和解は、前記記載のとおり、A相続人らが本件貸付に関わる16億円の債務についてS銀行に対し支払義務があることを認め、その支払義務について甲がこれを引き受け、甲が、平成28年6月30日までに合計6億2630万円の支払を行った時には、S銀行が、同年7月31日限りで甲が支払義務を負っている9億7370万円の支払義務を免除するというものである。これによれば、本件債務免除は、甲が、平成28年6月30日期限の分割金までを全て支払ったことを停止条件として行われるものであり、仮に分割金の支払を怠った場合には、甲は期限の利益を喪失し、本件債務免除の対象となっている9億7370万円も含めて支払義務を負うことになる。
(2)これに対し、X1らは、本件債務免除の対象となっている9億7370万円の支払義務は、形式的かつ名目上のものにすぎなかったと主張する。しかしながら、本件和解の文言からは甲の9億7370万円の支払義務が形式的かつ名目上のものであったことを読み取ることはできない。そして、本件和解のように、訴訟の係属中に訴訟代理人たる弁護士も関与して成立した訴訟上の和解について、その表示された文言と異なる意味に解すべきであるとすることは、その文言自体相互に矛盾し、又は文言自体によってその意味を了解し難いなど、和解条項それ自体に内包する瑕疵を含むような特別の事情のない限り、容易に考えられないところである(最高裁昭和44年7月10日第一小法廷判決・民集23巻8号1450頁参照)。また、甲が亡くなった際にも、S銀行と甲相続人らは、前記記載のとおり、この9億7370万円の支払義務が残っていることを前提としており、他に9億7370万円の支払義務が形式的かつ名目上のものであったことを推知させるに足りる証拠はない。
(3)また、X1らは、本件和解は裁判所から提示された本件書面の方針に従って行われたものであり、本件貸付がAに帰属しないことを前提としている点を強調するが、本件書面は、甲について、全額について責任を免れないとも記載しており、その上で、和解による解決としては、Nマンションの価格相当金額を除く甲の支払額を、Aから相続した遺産の範囲内に限定することが相当であるとしたものである。そうであるとすると、本件書面は、飽くまでもAについては支払義務が否定されるとの方向性を示したものではあるが、甲については全額を支払うべき責任を認めており、その上で、事案の経緯等に照らして、甲の支払義務の範囲を上記のとおり限定することで和解を促したものと解するのが相当である。したがって、X1らが指摘する本件書面に記載された裁判所の方針は、本件貸付の全額について甲が一旦責任を負うとされる点でも本件和解とその内容面において必ずしも矛盾するものとはいえず、X1らの主張を基礎付けるものとはいえない。
(4)加えて、X1らは、S銀行が、前記記載のとおり、本件貸付について設定していた根抵当権設定登記を順次解除することとしているのは、S銀行が9億7370万円を回収する意思がなかったためであると主張する。確かに、S銀行が回収可能性を第一に考えていたのであれば、その売却金を分割金の支払に充てることが想定されていたNマンションについてはともかく、東京都杉並区に所在する不動産についての根抵当権設定登記を維持することも考えられる。もっとも、甲については、平成18年12月31日限りでの支払義務を負っていた2億5000万円を支払えば、その後は、平成19年から平成28年まで10年にわたり年50万円ずつ支払うことで本件債務免除を得られるのであり、S銀行は、甲の資産状況等からすればこの程度の分割金は優に支払い得るものと評価し、期限の利益を喪失する可能性が低いと考えていたものと推認し得るから、これに対する担保権の設定をしていなかったとしても特段不合理とはいえない。
(5)以上からすると、本件債務免除は、正に債務免除の実質を有していたものというべきであり、これにより、X1らには現に本件債務免除益が生じたものと認められる。

2 争点②(資力喪失の有無)について
(1)所得税法44条の2は、個人が債務の免除を受けたことにより生ずる経済的な利益は、原則として各種所得の金額の計算上総収入金額に算入することとなるが、著しく債務超過の状態に陥ったこと等によりその債務者が資力を喪失して債務を弁済することができない場合には、その債務の免除により受ける経済的な利益は形式的なものであり、これを課税所得として捉えることは実情にそぐわないという考え方から課税しないことを法令上明確化したものである。そうであるとすると、資力を喪失して債務を弁済することができないか否かは、債務免除の効力が発生する時点における債務者の資力により資力喪失の有無を判断すべきこととなるものと解すべきである。
 そうすると、本件債務免除による経済的利益に対し課税するかは、同日頃の納税義務者であるX1らの資力喪失の有無に照らして判断すべきこととなり、本件和解成立時における甲の資力により決せられるべきものと解することはできない。
(2)そして、X1らについては、甲から相当多額の遺産を相続している上、平成28年分単年についても、本件債務免除益を考慮しなくても、X1の総所得金額が7798万円余、X2の総所得金額が2661万円余であったというのであるから、X1らが資力を喪失していたと評価することはできない。

3 争点③(二重課税の排除)について
(1)相続税法の規定からすれば、本件債務免除に係る債務は、甲の相続開始時点において現に存在していたとはいえるものの、相続人であるX1らが本件和解に係る分割金の支払を行えば免除されるものであったことからすれば、「確実と認められるもの」とはいえない。したがって、甲の相続税の算定に関して本件債務免除の対象となるべき債務が考慮されなかったのは、相続税法の上記定めからすれば当然のことというほかはない。
 次に、所得税法9条1項16号は、相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するものについては、別途相続税又は贈与税が課せられるため、二重課税を避けるために所得税法上は非課税とされたものである。そして、本件債務免除に係る債務免除益については、停止条件の成就が甲の相続発生の後であることから、前記のとおり甲を被相続人とする相続税では考慮されていない。したがって、本件債務免除益という所得の発生時にこれを甲の相続人であるX1らに係る所得税の課税対象とすることは、所得税法9条1項16号の前記趣旨に反するものではないというべきである。
(2)相続税法は、本件債務免除に係る債務のような不確定な債務については、相続税の算定に際して債務としての算入を認めていないのであり、仮に、本件と異なり、相続後の事情によって本件債務免除の停止条件が成就しないことが確定した場合においても、遡及的に相続時において当該債務が「確実と認められる」ものであったということにはならない。そうである以上、本件債務免除の停止条件が成就し、現に債務免除益が生じた本件において、本件債務免除に係る債務が相続税において考慮されず、現に実現した債務免除益に対する所得税の課税がされることもやむを得ないものというべきである。

4 争点④(理由附記の不備)について
 本件各処分の理由が、本件債務免除によりX1らに本件債務免除益が発生し、それがX1らの一時所得となるためであること及びその金額の計算方法等が具体的に明らかにされており、適用条文に係る網羅的な記載まではなくとも、X1らにとって本件各処分の理由は明らかとなっている。

5 争点⑤(本件弁護士費用等の控除の可否)について
(1)本件債務免除は、本件和解の条項に従って甲及びX1らが分割金を支払ったために生じたものであるところ、本件弁護士費用等は、回顧的にみれば本件和解の成立に向けられた訴訟活動のためのものであったといえることからすれば、本件債務免除を受ける前提となる本件和解のために必要であった支出ということができ、少なくとも「収入を得るために支出した金額」には該当するものというべきである。なお、本件弁護士費用等は、前提記載の二つの訴訟が併合審理されたものであるが、両訴訟は本件貸付を有効なものとしてその支払を求める訴訟と、本件貸付が無効であることを前提に、本件貸付を被担保債権として設定された根抵当権の抹消登記を請求する訴訟であって表裏一体のものであり、かつ、後者の訴訟は前者のそれを前提にしているものと解される。そして、本件和解も両訴訟をまとめて解決するものであるところ、本件弁護士費用等もかかる不可分の両訴訟全体に対し一括して支払われていると認められるから、本件弁護士費用等の全体が、本件和解のために必要であったと評価すべきである。
(2)国は、本件債務免除は、甲及びX1らが、本件和解に基づき分割金を支払ったことから生じたものであり、本件和解の成立に要した弁護士費用等は、本件債務免除との関係がない旨主張する。しかしながら、S銀行が本件債務免除をすることとなったのは、本件和解において、甲が総額6億2630万円の分割金を支払うことを条件として、本件貸付に係る残債務9億7370万円が免除されることが定められていたためであり、分割金の支払は本件債務免除の停止条件であったといえる。そして、そのような停止条件付債務免除である本件債務免除は本件和解の時点で潜在的には行われていたものと同視することができ、甲及びX1らが分割金の支払を行ったことは、その停止条件成就に向けた事後的な行為にすぎなかったものともいえる。加えて、本件和解に従い、分割金の大半は、Nマンションの売却及びAからの相続財産のうち甲の法定相続分相当額等によって本件和解の成立日から3年以内に支払済みとなっており、残余は500万円にすぎず、この額は、前記のような甲の純資産額と比較すれば些細な額であったといい得るのであって、分割金の完済によって免除されるべき残債務の額が9億円を超えることに鑑みれば、甲又はその相続人がその支払いをしないことは経済的合理性の上でもおよそ考え難い。そもそも、本件和解の席上で債務の一部の支払がされ、その余の債務の免除がその場で確認された場合であれば、弁護士費用等は上記債務免除益に係る支出として容易に認められるものと考えられるところ、上記の支払が分割払となったからといって当然にその支出性の取扱いを異にするのは、いささか均衡を欠くものといわざるを得ない。
(3)次に、国は、これらの経費については、甲の支払が終わっている以上、K弁護士との関係での債権債務関係は既に消滅しており、X1らの相続の対象となるべき法律関係が存在しないのであるから、X1らについては控除することはできないと主張する。しかしながら、相続によって、相続人は、相続開始の時から、被相続人の一身に専属したものでない限り被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継するとされているところ(民法896条)、X1らは、甲から、本件和解に基づく分割金の支払義務を相続により承継している。そして、甲の存命中に本件債務免除が行われた場合であれば、本件債務免除益から本件弁護士費用等がその一時所得を得るための支出として控除されたはずであるところ、そのような控除を受け得る法的地位は、K弁護士への支払債務の履行が終了したり、本件和解に基づく分割金の支払が完了して本件債務免除に係る停止条件が成就する前に甲が死亡したりしたからといって消滅するものではない。
(4)次いで、控除されるべき金額に関連して、本件弁護士費用等のうち着手金650万円を誰が負担したかについて、その振込送金名義人がBとなっている点で問題となる。しかるところ、K弁護士の弁護士費用等は、着手金以外は前訴の訴訟費用等も含めて全て甲が負担し、K弁護士からの請求書及び領収書の宛名も甲とされているにもかかわらず、K弁護士は前訴において甲以外のA相続人らのみを代理し、形式的には甲を代理していない。それどころか、前訴におけるK弁護士の主張は、S銀行と甲とが通謀して本件貸付を作出したとの内容を含むものであった。このことからすれば、前訴において、甲は、その責任において訴訟を追行するために自らK弁護士に委任し、その費用も負担していたが、ただ、甲とAは少なくとも潜在的には利益相反の関係となることから、形式的な委任者をA存命中はAとする必要があった関係で、着手金についてはAの成年後見人であったB名義で送金したにすぎず、その出捐者は甲であったものと解するのが合理的である。また、仮に着手金の原資がAの財産であるとしても、甲はAの相続人であり、本件和解において、本件貸付に係る支払義務を全て引き受けていることからすると、着手金の控除を受け得る地位は甲がA相続人らの中で単独で承継したと解するのが自然である。そうすると、前訴に要した弁護士費用等は、所得税法34条2項により平成28年分のX1らの一時所得から控除することができるというべきである。

四、解説

1 はじめに−問題の所在−
 昭和の末期から平成の初期にかけての土地バブルは、平成3年頃から崩壊し、地価の暴落が始まった。そのため、銀行等の金融機関では、主として、不動産購入のために融資した貸付金に係る不良債権処理が大問題となった。本件は、その頃、S銀行の担当者が、恐らく、不良債権処理の一環として、都内の資産家で、痴呆症のA(及びその子の甲)に対し、16億円融資し、不良債権の担保物件であろうNマンションを購入させたものと推測される。その結果、Aらが騙されたことに気付き、前訴が開始されたものと推測される。
 そこで、東京地方裁判所は、本件貸付金16億円から譲渡費用控除後のNマンションの売却代金3億7130万円を控除した12億2870万円について、騙した方(S銀行)も騙された方(Aら)もそれぞれ落度があるということで、前者の負担を9億7370万円(8割の非)とし、後者の負担を2億5500万円(2割の非)という本件和解を成立させた、というのが真相のようである。これで、東京地方裁判所の「大岡裁き」は、終ったことになる。
 ところが、国は、「2割の非」しかないAらに対し、「8割得した」から所得税を払えという処分を行い、本件和解を成立させた同じ東京地方裁判所でも、課税処分を審理する行政部に移ると、「それで結構である」という裁きを下したのが、本件の結末ということになる。税法を知らない人からすると、「そんな馬鹿な」ということになるであろうし、真に税法を知っている人にとっても、「どこかがおかしい」と感じるのが「正常(?)」なのかも知れない。
 そのような「茶番」はともかくとして、本判決を読んで考えさせられることは、「そもそも、所得税法上の「所得」とは何か」ということであり、「法的には、実質的に返さなくてよい債務が、そうなっただけで「所得」と言えるのか」、ということである。そこで、本稿では、これらの問題を中心に解説を試みることにする。

2 所得税法上の所得概念との関係
(1)所得税法上の課税客体である「所得」は、租税法上の固有概念である。固有概念とは、借用概念(注1)に対比する概念であり、借用概念が、「特段の事情」がない限り私法等で用いられているとおりに租税法上も解されるのに対し、固有概念は、租税法固有の見地から解釈されるものである。所得税法及び法人税法で用いられている「所得」は、固有概念の典型であると解されている。そして、この所得概念についても、いろいろな考え方が存在している。
 まず、所得の類型には、消費型(支出型)所得概念と取得型所得概念がある。前者は、各人の収入のうち、効用ないし満足の源泉である財産や人的役務の購入に充てられる部分のみを所得と観念し、蓄積に向けられる部分を所得の範囲から除外する考え方である。また、後者の取得型(発生型)所得概念は、各人が収入等の形で新たに取得する経済的価値すなわち経済的利得を所得とする考え方である。この考え方が、執行上容易である、公平の理念に適合する等の理由により、各国の所得課税制度において一般的に採用されている(注2)。
(2)この取得型所得概念についても、所得の範囲のとらえ方によって、二つの考え方がある。一つは、制限的所得概念(所得源泉税)であり、経済的利得のうち、利子、配当、地代、利潤、給与等のように、反復的・継続的に生ずる利得のみを所得として概念し、一時的・偶発的・恩恵的利得を所得の範囲から除外する考え方である。もう一つは、包括的所得概念(純資産増加税)であり、人の担税力を増加させる経済的利得はすべて所得を構成するという考え方である。したがって、この考え方の下では、反覆的・継続的利得のみではなく、一時的・偶発的・恩恵的利得も所得に含まれることになる。
 以上の二つの考え方のうち、今日では、包括的所得概念が、次の3つの理由により、各国において一般的な支持を受け、所得税制を構築している(注3)。
① 公平負担の要請に合致する。
② 所得税の再分配機能を高める。
③ 所得税制度が持つ景気調整機能を増大させる。
 この包括的所得概念については、我が国においても、所得税基本通達36−1が、「法第36条第1項に規定する「収入金額とすべき金額」……は、その収入の基因となった行為が適法であるかどうかを問わない。」と定め、昭和44年改正前の旧法人税基本通達51が、「総益金とは、……純資産増加の原因となるべき一切の事実をいう。」(注4)と定めていたことからも、包括的所得概念に基づく所得税制が採用されていることが明らかにされている。もっとも、所得税法においては、所得の種類を源泉別に10種類に区分し、それぞれの所得の種類に応じた所得金額の計算方法を定めているので、制限的所得概念の考え方が部分的に採用されていると考えられる。
(3)このような所得税法上の所得概念に照らした場合に、本件のような場合に、どの段階で「所得」を認識できるかについて甚だ理解に苦しむところがある。冒頭にも述べたように、本件においては、土地バブル崩壊後のS銀行の不良債権処理の一環として、本件貸付が行われ不良物件の購入に充てられたところ、本件貸付金の回収(返済)が困難になったため、S銀行とA側双方の責任問題が東京地方裁判所で争われ(前訴)、結局、東京地方裁判所の斡旋によって、本件和解が成立したというものである。そして、本件和解では、本件貸付金16億円から譲渡費用控除後のNマンションの売却代金3億7130万円を差し引いた12億2870万円について、その約8割(9億7370万円)をS銀行が責任を持ち、その約2割(2億5500万円)を甲らが責任を持って解決したというものである。
 かくして、甲らにとっては、不良物件であるNマンションの取得のために16億円の融資を受け、実質的に11億円余の損失を被るところ、S銀行の方が落度が強かったということで、本件和解によって2億円余の損失で済んだというものに過ぎない。それにもかかわらず、国及び本判決は、甲らに対し、S銀行が負担した9億円余について「所得」が発生したと主張・認定するものであるが、当該9億円余については、前述の所得概念に照らし、「所得」を認識できる余地はないように考えられる。けだし、Aが融資を受けた16億円について、Aらがそれに相当する消費なり資産の取得に充てたというのであれば、前述の消費型所得が先行し、それを精算する形で9億円余の所得を認識し得るという考え方も成立するかも知れないが、そのような事実は認められないはずである。また、包括的所得概念に照らしても、甲らにとって、損失が縮小しただけで利得を認識する余地はないものと考えられる。むしろ、S銀行側において、不良債権処理にAらを巻き込んで、Aらに2億円余の負担を負わせたことに「所得(利得)」を認識できる余地があるものと考えられる。

3 本件債務免除の実質的意義
(1)前述のような所得概念論からのアプローチはともかくとして、法律論としては、本件和解の成立によって、X1らは、形式的には、9億円余の債務の免除を受けたことに変りはなく、その債務免除益(本件債務免除益)を「所得(一時所得)」として認識し得るという考え方もあり得るかも知れない。そして、その考え方が、本件各処分の法的根拠であろうし、本判決の骨子となっているものと考えられる。確かに、甲が死亡した平成26年10月27日時点では、本件和解に基づき、S銀行に対して支払うべき分割金1回50万円の2回分(計100万円)が残されており、その支払が済めば残代金9億7370万円の債務(以下「本件残債務」という。)が免除されるというものであり、それらの支払債務をX1らが承継(相続)したというのであるから、X1らが当該分割金を支払った時点で、停止条件の成就により本件残債務9億7370万円が免除(本件債務免除)され、当該債務免除益(本件債務免除益)が所得税法上の一時所得として認識し得るとする考え方もあろう。
 しかし、それは余りにも皮相的な考え方である。甲に係る相続開始時点において、本件残債務を停止条件付債務と考えれば、前述のような課税関係を想定することになるが、本件残債務は本件和解時に自然債務化しており、当該相続開始時点においてそれが確実に自然債務に変質したと考えれば、債務免除益(一時所得)という考え方は成立しないはずである。そうであるからこそ、甲相続人らは、相続税の申告にあたって、当初は本件債務を債務控除したが、税務調査の指摘に従い、債務性がないということで、当該債務控除を否定する修正申告をしているし、所轄税務署長も、当該修正申告を認めているはずである。このように、契約の途上において対象財産(債務)が変質する例として、次の最高裁判決が参考になる。
(2)最高裁昭和61年12月5日第二小法廷判決(訟務月報33巻8号2149頁)(注5)の事案では、次のとおり契約途上で相続財産の内容が変質したことが問題となっている。上告人(原告、被控訴人)の被相続人は、昭和47年7月7日、訴外人との間で、同人所有の市街化区域内農地を代金4539万円余、同日手付金600万円、同年9月30日内金1000万円、同年11月30日(所有権移転登記日)に残金2939万円余の支払いを受ける旨の売買契約を締結し、同年11月25日に死亡した。なお、当該農地に係る農地転用の農地法上の届出は、同年10月7日に東京都知事に提出され、同日に受理された。かくして、上告人は、当該農地の引渡し(所有権移転登記)が済んでないことを理由に、当該農地の「時価」を路線価評価額の2018万円として相続税の申告をしたところ、Y税務署長(被告、控訴人、被上告人)から、当該農地は売却済であるとして、相続財産は受領した金員1600万円と未収入金2939万円余の合計4539万円余(売買代金と同額)であるとする課税処分を受けたので、それを不服として取消訴訟を提起した。
 一審の東京地裁昭和53年9月27日判決(訟務月報25巻2号513頁)は、相続開始時点で当該農地の引渡しが終了していない以上、相続財産は当該農地であり、当該「時価」は路線価評価額であるとして、当該課税処分を取り消した。これに対し、控訴審の東京高裁昭和56年1月28日判決(行裁例集32巻1号106頁)は、「相続財産が農地であるとしても、売買契約が確実に履行されるような「特別の事情」がある場合には、当該農地の「時価」は当該売買価格で評価すべきである」旨のY税務署長の主張を認め、一審判決を取り消した。
 かくして、上告審の前掲最高裁判決は、「原審の適法に確定した事実関係のもとにおいては、たとえ当該農地の所有権が売主に残っているとしても、もはやその実質は売買代金債権を確保するための機能を有するにすぎないものであり、上告人らの相続した当該農地の所有権は、独立して相続税の課税財産を構成しないというべきであって、本件において相続財産の課税財産となるのは、売買代金債権2939万円余(手付金・中間金として受領済みの代金が、現金、預金等相続財産に混入していることは、原審の認定するところである。)であると解するのが相当である。」旨判示し、原審の結論を支持した。
 このように、この最高裁判決は、土地の売買契約の途上において、売主(被相続人)側に当該土地の所有権が留保されていても、当該契約の進展状況に応じて、当該相続財産が当該土地ではなく、債権に変質していることを明確にした。そして、このような考え方は、その後の国税庁の課税の取扱いに反映されている(注6)。
(3)本件においては、甲の相続開始時点において、本件和解の進展により、甲相続人らは、総額6億2630万円の弁済のうち、残りの100万円の弁済を済ませば、本件残債務の9億7370万円が免除されることになっていたので、甲相続人ら(X1ら)が当該100万円を支払わないことは100%あり得ないことが考えられる。そうすると、本件和解時に既に自然債務化していた本件残債務は、当該相続開始時点において、実質的に債務性は消滅し自然債務に変質したものと考えられるはずである。然すれば、甲相続人らにとって、本件残債務が当該相続税の債務控除の対象になるわけではなく(現に、甲相続人らはその旨修正申告している。)、また、その後の本件債務免除益もX1らにとって何らの経済的利得にはならないから、所得税の対象にはならないはずである。

4 本判決の要点と問題点
(1)本訴においては、前記一の事実関係の下で、本件各処分の違法性が争われたものであるが、その争点は、①本件債務免除益の存否、②資力喪失の有無、③二重課税の排除適用の有無、④理由附記の不備及び⑤本件弁護士費用等控除の可否にあった。このうち、②、③及び④については、当事者の主張と本判決の要旨の紹介にとどめることとする。
 この①に関し、本判決は、まず、「本件債務免除は、甲が、平成28年6月30日期限の分割金までを全て支払ったことを停止条件として行われるものであり、仮に分割金の支払を怠った場合には、甲は期限の利益を喪失し、本件債務免除の対象となっている9億7370万円も含めて支払義務を負うことになる。以上からすると、本件和解の条項上は、甲は、同日を期限とする分割金の支払までは本件貸付の残債務全額を支払う義務を負っていたことになる。」と判示し、次いで、X1らの本件債務の支払義務は形式的かつ名目上のものにすぎない旨の主張に対して、「本件和解の文言からは甲の9億7370万円の支払義務が形式的かつ名目上のものであったことを読み取ることはできない。」と判示し、結論として、「本件債務免除は、正に債務免除の実質を有していたものというべきであり、これにより、X1らには現に本件債務免除益が生じたものと認められる。」と判示した。
(2)このような本判決の考え方は、いわば紋切り型の法律論と言えるものであるが、本判決自体においても、ここでは本件残債務の債務性が強かったことを強調しておきながら、争点③に関して本件残債務が甲相続人らの相続財産が控除し得るかについては、「本件債務免除に係る債務は、甲の相続開始時点において現に存在していたとはいえるものの、相続人であるX1らが本件和解に係る分割金の支払を行えば免除されるものであったことからすれば、「確実と認められるもの」とはいえない。」と判示し、いわば二枚舌的な矛盾した判示を行っている。
 ともあれ、前記2で述べたように、本件貸付から本件債務免除が行われるまでの間、Aにとっても、A相続人らにとっても、甲にとっても、甲相続人らにとっても、所得税法上の担税力が増加するような「所得」の発生は、どのような所得学説に依るにしても認められないことになる。要するに、A一族にとっては、騙された方も悪いということで、実質2億5500万円の損失を被っただけで、それ以外に何らの経済的利得を得ていないのである。
 それに加え、本判決は、法的には本件債務免除益が生じていたことを強調するのであるが、これも、前記3で述べたように、甲の相続開始時点においては、本件和解に係るA相続人らの支払義務はほぼ終了(総額6億2630万円のうち100万円の支払を残すのみ)していたのであるから、その時点で本件債務は一種の自然債務に化していたはずである。然すれば、本件債務免除益も、極めて形式的なものに過ぎず、所得税法上の「所得(利得)」とは認識できないはずである。
 ともあれ、筆者自身自戒の念を込めて言うのであるが、本件債務免除益によって「所得(利得)」を得たとする考え方は、法律家がとかく落ち入り勝ちな「形式にとらわれて実質を見失う」という「木を見て森を見ない」という一つの典型であるように考えられる。
(3)ところで、本判決は、争点⑤の本件弁護士費用等について、一時所得の金額の計算上、「その収入を得るために支出した金額」(所法34②)として、その控除を認めている。この点については、国は、所得税法34条2項が一時所得から控除できる支出をその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限定していることにつき、「ここでいう「直接要した金額」とは、その収入を生じた各行為又は原因ごとに個別対応的に計算することを定めたものと解され、当該支出したことにより、反射的に又は間接的に収入が生じたものは含まれないと解すべきである。」等として、本件弁護士費用等を一時所得の金額から控除すべきでない旨強調していた。これに対し、本判決は、前述のように、「本件債務免除は、本件和解の条項に従って甲及びX1らが分割金を支払ったために生じたものであるところ、弁護士費用等は、回顧的にみれば、本件和解の成立に向けられた訴訟活動のためのものであったといえることからすれば、本件債務免除を受ける前提となる本件和解のために必要であった支出ということができ」るとし、本件弁護士費用等を「収入を得るために支出した金額」に該たる旨判示した。
(4)元々、所得税法上の所得金額計算における収入金額又は総収入金額からの控除項目は、各種の所得に応じ、法人税法に比し限定的に定められている。すなわち、期間的所得である事業所得等については、必要経費が控除されるのであるが(所法27②、26②等)、その必要経費も、「売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用」と定め、臨時的に生ずる譲渡所得については、「当該所得の基因となった資産の取得費及びその資産の譲渡に要した費用の額」(所法33③)と限定的に定めている。そして、偶発的に生じる一時所得については、控除できる「その収入を得るために支出した金額」も、「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。」(所法34②)と定めている。更に、所得税法では、家事関連費等の必要経費不算入規定等が設けられている(所法45)ので、控除の範囲も制限的である。
 その中で、本判決が、前述のように、本件和解が成立した全体像を考察した上で、本件弁護士費用等を一時所得の総収入金額が控除できると判示したことは、注目(評価)されるべきである。もっとも、このような本件の全体像的な考察が可能であるのであれば、前述の本件債務免除益の「所得」性も否定できるものとも考えられる。なお、本件弁護士費用等の控除の可否については、国も本判決を控訴しているので、控訴審の展開も注目されるところである。
(注1)借用概念とは、私法等で使用されている法律用語(例えば、住所、配偶者、相続、贈与等)が税法上もそのまま用いられている場合をいう。
(注2)金子宏「租税法 第23版」(弘文堂 平成31年)195頁等参照。
(注3)前出(注2)195頁等参照。
(注4)この通達と同通達52「純損金とは、……純資産減少の原因となるべき一切の事実をいう。」の各規定は、法人税法の規定から当然解釈し得るということで、現行の基本通達には規定されていない(品川芳宣「課税所得と企業利益」(税務研究会 昭和59年)4頁等参照)。
(注5)品川芳宣「重要租税判決の実務研究 第三版」(大蔵財務協会 平成26年)806頁参照。
(注6)庄司範秋(当時東京国税局資産評価官、後に国税庁資産評価企画官)編「土地評価の実務 平成15年版」(大蔵財務協会 平成15年)357頁等参照。

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