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税務ニュース2023年07月21日 借入金の内容不明でも債務は変わらず(2023年7月24日号・№988) 審判所、非居住無制限納税義務者に該当し米国の不動産も課税財産に

  • 米国の不動産が相続税の課税財産に該当するか否かなどが争われた裁決(関裁(諸)令4第21号)。
  • 審判所、相続人は非居住無制限納税義務者に該当し、米国不動産も課税財産に含まれると判断。
  • ただし、請求人が借入金の内容を明らかにしなくても、それ自体は債務の存在に係る判断を左右せず。原処分の一部を取消し。

 本件は、請求人の父が、請求人の祖父の相続により取得した財産はないとして相続税の申告をしたところ、原処分庁が申告されていない土地等があるとして、請求人の父の国税に係る納付義務を承継した請求人に対し更正処分等を行ったことに対し、請求人が相続税の課税価格の計算上控除されていない債務があるなどとして、原処分の全部の取消しを求めた事案である。
 原処分庁は、相続人は非居住無制限納税義務者に該当するところ、被相続人が所有していた米国の不動産などが申告漏れになっているとした。一方、請求人は、相続人は相続開始日に日本国籍を有しておらず、非居住無制限納税義務者に該当しないとしたほか、米国の州法においては、相続開始によって相続人が権利を承継する規定がないから、相続人は米国不動産を相続等によって取得していないなどと主張した。
 審判所は、戸籍の編製状況や死亡届の記載などから、相続人は日本に帰化してから死亡するまでの間、日本国籍を有していると認められ、少なくとも平成19年7月29日から日本を出国した平成27年6月26日までの間は1年の大半を日本国内で過ごしていたこと、平成27年6月27日から相続開始日までの間は1年の大半を日本国外で過ごしていたことからすると、相続人は非居住無制限納税義務者に該当するとの判断を示した。
 その上で審判所は、非居住無制限納税義務者は相続等により取得した財産の所在の如何を問わず、取得した財産の全部について納税義務があることからすると、米国不動産などは相続税の計算上、相続人が相続等により取得した財産に含まれるとした。
 ただし、被相続人には銀行からの借入金が存在していたと認められ、相続税に係る債務控除の対象となるため、更正処分等の一部が取り消された。原処分庁は、請求人が借入金の契約内容や使途を示す書類を提示しておらず、被相続人以外の者が債務の実質的な負担者である可能性を排除できないとしたが、審判所は、請求人が借入金の契約内容や使途を明らかにしなかったとしても、そのこと自体は債務の存在や確実性に係る判断を左右しないと結論付けた。

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