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税務ニュース2023年09月08日 マンション評価通達と総則6項の関係(2023年9月11日号・№994) 最高裁は「合理的な理由」があれば通達評価額を上回る評価容認

  • 一部専門家の間では、高層マンションを利用した相続税対策を封じるためのマンションの評価方法を見直す個別通達に、財産評価基本通達の総則6項が適用されないとの見解も。
  • しかし、最高裁判決によれば、「合理的な理由があると認められる場合」には、通達評価額を上回る時価によって評価することが可能。

 周知のとおり、国税庁は令和5年7月21日付でマンションの評価方法の見直し案をパブリックコメントに付していたところ(2023年8月21日まで)。今回の見直しは、財産評価基本通達本体の改正ではなく、「居住用の区分所有財産の評価」と題する個別通達として発遣されるものであるため、同通達に定める評価方法によってマンションを評価した場合には、総則6項が適用されることはないと考える税理士等が少なくない。
 確かに、総則6項では「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は……」と言っていることから、今回の見直しが個別通達として行われるのであれば、文理解釈上、総則6項の適用はないようにも見える。
 しかし、最高裁令和4年4月19日判決は、課税庁が、評価対象不動産の価額について通達評価額を上回る客観的交換価値(時価)によって評価したとしても、評価通達の定める方法による画一的な評価を行うことが実質的な租税負担の公平に反するというべき事情があると認められる場合、すなわち「合理的な理由があると認められる場合」には、平等原則に違反するものではない旨判示している。したがって、仮に総則6項の定めがなかったとしても「合理的な理由があると認められる場合」には、通達評価額を上回る時価によって評価することが許されると解される。
 また、使用貸借通達の適否等が争われた審査請求事件において国税不服審判所は、「これを適用して評価することが著しく不適当と認められる特別の事情がある場合には、他の合理的な方法により時価を求めるべきである」との判断を示している(平成20年6月2日裁決)。
 要するに、総則6項が本件個別通達に“直接”適用されるかどうかは別として、今回の個別通達で新たなマンションの評価方法が定められたとしても、合理的な理由があると認められる場合には、課税庁は、通達評価額を上回る時価によってそのマンションの価額を評価することは許容されると考えざるを得ないので要注意だ。

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